リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

アベノミクスのツケ(その2)

2019-06-08 | 政治
財政健全化をなげうって空前のばらまきを続けて「戦後最長の景気回復」などといいつつ庶民は誰も好景気を実感していないアベノミクス。先日も「ありもしない世界経済の危機を理由にした消費増税延期のツケが回ってきた」として書いたが、同じ経済気象台の別の筆者(前回は「山人」氏、今回は「玲子」氏)もアベノミクスの「ツケ」をうまく語っていた(朝日新聞2019-6-4)。
ニューヨークの投資家は日本への関心を失ってしまったという。日銀の上場投資信託(ETF)などのため上場企業の多くで日銀が「大株主」になっているので業績がどうでも株価が下がりにくくなっている。「市場原理が働きにくい市場に投資家が関心を寄せないのは当然だろう」という。日銀のばらまきで株価を支える問題は知っていたつもりだが、こうして海外投資家から見放されるというのは新たな視点だった。
財政赤字のなか公共事業を増やす問題点も認識していたつもりだが、「人手不足が深刻化している」なかでの公共事業積み増しが問題だという指摘にもはっとさせられた。
ばらまきを続ける一方、痛みを伴う改革をしないポピュリズムに徹しているアベノミクスの結果、「大胆なのは金融緩和だけ」であり、改革により恨みを買わないから政権は安定しているが、「日本経済は生産性の低下というツケを払っている」という。
少しでも景気のいいときに痛みを伴う改革や、少なくとも異常な金融緩和の是正は行なっておくべきだったのにそれを怠った安倍政権。今になって世界経済の冷え込みが心配だといってももはや打つ手は限られている。こんな政権に対して支持率が下がらない国民がうらめしくてならない。

追記:日銀がETF(上場投資信託)を通じて投資家に金をばらまいている実情(朝日新聞2019-6-12)を読んで憂鬱になった。
投資家の間では午前中に株価が大きく下がる日は日銀が買い入れをして株価を底上げするのは当然視されていて、それを見込んで買いに回ってもうける投資家が出てくるという。日経平均株価の下落が続いた5月末には日銀は週末をはさんだ5日で3500億円を超えるETFを買い入れたという。
アベノミクスで株価が好調などと言っても、そのからくりは日銀に支えてもらっているというだけのことではないか。今のペースで買い続けていたら来年には日銀が日本株の最大の保有者になるという。

追記2:「コロナ対策で日銀が上場投資信託(ETF)購入を増やして株価を支えているのは、企業と株主にお金を配るのと同じこと。」との指摘を読んだ(GLOBE 2020-8 05面)。ならばいっそのこと全国民に直接お金を配るベーシックインカムでもいいのではないかという文脈だが、その是非は別としても、アベノミクスでは金持ちだけがもうかり続けるという構図を端的に表現しえている。

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