リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

食品値上げは待望の「デフレ脱却」なのか?

2019-02-14 | 一般
コーラ、牛乳、カップ麺、アイスなど身近な商品が今春、相次いで値上げされる(朝日新聞2019-2-14)。
何年も前から「デフレ」が問題視されていて、安倍政権下で日銀は「異次元緩和」により市中に金をばらまいているが、それでも目標とされた物価上昇率2%の達成は見送られ続けてきた。いよいよ待望の「デフレ脱却」なのだろうか?

「デフレ」問題というと、「物価が安いことはいいことじゃないか」という疑問の声が出てくる。それに対する説明は、「安くないと消費者が買ってもらえない状況では、企業が売り上げを伸ばすことができず、給料も増えないのでますます消費が振るわない、という悪循環になる」ということだと思う。もちろん、物価が上がれば何でもいいというわけではなく、たとえば円安で海外からの原料費や燃料費が上がって物価上昇につながるのは「悪いインフレ」だと説明されていると思う。
今回の値上げは、物流費や人件費の高騰に耐えられなくなったメーカーが、希望小売価格を引き上げるというものだそうだ。人件費の高騰が原因だとすれば、働く人の給料が増えたわけだから、これは「いい物価上昇」ということなのだろうか。(「物流費」のほうも、人材不足の運輸業界が待遇を改善したためだと思いたい。)

ただ、メーカーが値上げしても、消費者意識はまだ厳しく、小売店は仕入れ値の上昇を小売価格に転嫁すると客に逃げられる可能性があって、値上げに踏み切れるかどうかは難しい状況だという。つまり、消費者一般の懐具合は改善にはほど遠いということだ。政府が「景気が上向き」と言う一方で大企業以外では「実感はない」という状況が続いてきた。そんな「実感」がやはり正しいような気がする。

追記:その後、コロナもあって物価高に拍車がかかっている気がする。「ウッドショック」、「メタルショック」などと言われる品不足に起因する、企業間取引での価格上昇が起きているようだ。半世紀前の石油ショック時の「狂乱物価」と構図が似ているそうだ(朝日新聞BE 2021-12-18)。とはいえ、1973年当時とは違い、昨今の物価高は、生鮮食品を除く消費者物価は前年比0.1%の上昇でしかないという。渡辺努教授によれば、賃金が上がらないから売り手が値上げできずにいると指摘する。第一生命経済研究所の熊野英生氏も、「今の消費者は値上げに敏感です。買い控えをしたり他社製品に乗り換えたり、節約志向が強い」という。原材料価格が上がっても値上げ分を消費者に転嫁しない企業が多いという。


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