リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

安倍政権の「火事場泥棒」実績ナンバー1は?

2020-05-12 | 政治
このところ安倍政権に対して「火事場泥棒」という批判が野党側からよく上がる。先日は、検察官の定年を65歳に引き上げ、内閣の判断で検察幹部の「役職定年」を延長できるようにする検察庁法改正案の委員会開催が強行された(朝日新聞2020-5-9)。法をねじまげて安倍首相に近い検事長の定年を延長して批判を浴びたのを後付けで正当化しようというものだ。野党は責任者の森雅子法相の出席を求めたが、与党は拒否した。「#検察庁法改正案に抗議します」というハッシュタグを付けたツイート(リツイート含む)が470万を超えたという(朝日新聞2020-5-11)。識者は、新型コロナへの対応は緩慢なのに「不要不急」に見える法改正が迅速に進むことが反発を買ったと分析する。
だが検察庁法改正案やその審議強行への批判は、コロナ禍にからめた「火事場泥棒」という視点とは切り離すべきだと私は考えている。コロナ禍であっても可能な限り平時と同様に議事を進めようとするのはある意味当然のこと。そこを「コロナウイルスによる緊急事態宣言時なのに」と批判するのは、立憲民主党の蓮舫氏の国会での質問中に「感染症について質問しない」とツイートして批判した自民党議員(過去ブログ)と同じになってしまう。
批判すべき点は、法をねじまげて検事長の定年を延長したのを後付けて正当化しようとする点だ。どうしてそうまでして安倍首相が定年延長にこだわるかといえば、森友・加計・桜を見る会など首相周辺の疑惑を捜査することになるかもしれない検察を首相の息のかかった人物の下におきたいからだ。火事場泥棒というよりは、盗人たけだけしいというほうが当たっているのではないか。

防災・防疫よりも軍事を優先する「宇宙基本計画(案)」に対して緊急事態宣言のさなかの短期間でパブリックコメントの募集をすませようとする姿勢もやはり「火事場泥棒」と批判されている(論座)。こちらもコロナ禍があろうとなかろうと、内容そのものに問題がありそうだし、平時であってもパブリックコメントをあまりに短期間で締め切るのも適切ではないだろう。

私が本当に「火事場泥棒」と思うのは、辺野古埋め立てにからむ沖縄県への仕打ちだ。米軍普天間飛行場の移設先として安倍政権が埋め立て作業を強行した辺野古で軟弱地盤がみつかったことに鑑み、防衛局の職員が突然訪れて、1800ページにも及ぶ設計変更の申請書を置いていったという(朝日新聞2020-4-22)。役所はコロナ対応で追われているはず。そのさかなかにこの仕打ちは「火事場泥棒」でなくて何だろう。
もちろん、「火事場泥棒」以前に問題があることはいうまでもない。軟弱地盤は埋め立て開始前からわかっていたことなのに公に認めることなく、2018年12月に土砂投入を開始し、翌2019年1月になって軟弱地盤の存在と設計変更の必要性を認めた。新たな工期が示されたのは2019年末で、それによると当初から10年以上遅れることになる。(朝日新聞2020-5-2東京新聞社説2020-4-22など)問題点は指摘されていたのにほおかむりして土砂投入を強行し、既成事実を作ってから問題点を認め、新型コロナウイルスの対応に追われる沖縄県に長大な資料の精査を要する設計変更を申請する。しかも時間的にも費用的にも大幅に膨れ上がる。(さらに、設計変更で護岸の位置が変わるのに工事を続けたために無駄な作業が発生したようだ。そのうえ、3割しか完成していないのに契約金額とほぼ同額が払われたり、着工していないのに「ボーリング調査や汚濁防止膜の設置などの費用」として224億円が払われるなどしている。)何もかもめちゃくちゃすぎて当ブログでもいちいち取り上げていなかったが、この機に世論が盛り上がってくれれば政府に少なくとも話し合いによる解決を志向させることくらいはできるのではないか。このタイミングでの設計変更申請は、純粋な意地悪というよりは6月の沖縄県議選と引き離したかったからとの見方もあるという(朝日社説2020-4-23)。争点は辺野古だけではないのはわかるが、政府のこのような横暴を許さない態度をはっきり示さなければ、政府にブレーキはかけられない。

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