リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

東シナ海・南シナ海,「棚上げ」はやむをえないが……

2017-11-15 | 政治
今さらだが9月に河野太郎外相が中国外相と会談した際,南シナ海の中国の軍事拠点化の懸念伝達を「封印」したという(11月12日).なんでも安倍政権は中国との関係改善を外交政策の柱の一つに据えて協力や配慮をしているのだという.
2010年の尖閣諸島付近での中国漁船体当たり事件以来,外交問題で私が最も懸念するのは中国の覇権で,南シナ海問題でせっかく仲裁裁判所が中国の軍事拠点化を否定する判決を出したのに(IISEウィキペディアasahi.com),肝心のフィリピンが経済援助と引き換えに親中路線に転向してしまい,中国の思うつぼにはまっているのが歯がゆくてならなかった.だから安倍政権が中国と関係改善の努力をするならその点は支持したい.
……ではあるが,フィリピンやアジア諸国だけでなく日本までもが融和政策に走るのか,との思いはある.中国は南シナ海の軍事拠点化や尖閣諸島近海での領海侵入常態化を進めてしまい,少なくとも軍事拠点については原状復帰はきわめて困難な状況になっている.かつて鄧小平氏は尖閣諸島問題は棚上げが一番だと言ったといい,至言だとは思うが,今「棚上げ」にするということは,ここ数年の変化を黙認することになる.「北風と太陽」の寓話を持ち出すまでもなく,「表で中国を批判しても反発するだけ.それよりまず関係を改善させて態度の変化を促すほうが得策だ」との外務省幹部の言には一理ある.だが中国の「やったもん勝ち」を追認するような形になるのはどうも釈然としない.

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