こちらの記事の続きです。
だいぶ、間が開いてしまいました。すみません。
HPVワクチンの安全性に関しての評価です。
こちら、一番皆さんが心配で質問も多い事項です。
ワクチン接種が開始された当初、接種後に持続的な激しい痛みや運動障害が起こったとされました。
これに関しては調査会の検討が続けられています。
「副反応」とは、ワクチン接種後によくない症状が起こることをいいます。注射をした後に痛みや熱が出たり、注射部位が腫れたりするのは、一般的によく見られる副反応です。重い副反応としては、稀にアナフィラキシー、ギラン・バレー症候群、急性散在性脳骨髄炎(ADEM)などがありますが、HPVワクチンだけに特別起こるというものではありません。
副反応が起こったとされる方の追跡調査結果に関しては、
・販売開始から2014年11月までに接種をした約338万人(約890万回接種)のうち、副反応の疑い報告があったのは2584人(のべ接種回数の約890万人の0.03%)
・発症日・転帰などが確認できた1739人のうち、回復した、または通院不要まで改善した人は1550人(89.1%)、未回復の人186人(10.7%、のべ接種回数の約0.002%)
世界での評価においては、2017年5月にWHOはHPVワクチンは優れた安全性および有効性を持つ都の見解が示され、WHOのワクチンの安全性に関する諮問委員会は2017年7月に安全性のアップデートを行い、多くの大規模臨床試験において新たな有害事象は確認されておらず、有効性が高いと発表しています。
HPVワクチンと接種後に現れたさまざまな症状の因果関係解明のために行われた調査(名古屋スタディ)(名古屋市の女子7万人を対象としてアンケート調査を行い、約3万人のデータを解析【子宮頸がん予防接種調査回答集計結果 平成28年6月名古屋市】)においても、ワクチン接種者とそうでないものにおいて、症状の発生に統計学的有意差は見られなかったとされています。唯一、ワクチン接種群で多く見られたのが経血量の異常とのことです
なかなか、これだけのデータを並べても、本当に安全?大丈夫???という気持ちが拭えないのは理解できます。けれど、すでに感染をしたHPVに関してはウイルスを排除する効果はありません。また、ワクチンに前癌病変などの進行を遅らせたり、治癒させる効果もありません。
2020年12月に男性に対してもHPVワクチン接種が可能となりました。
まだ、定期接種にはなっていませんが、諸外国では男性も定期接種となっている国も多くあります。
これから少しずつ、日本もワクチン後進国から先進国に進んでいくことができれば、予防医学的にはとても意義があるであろうと考えます。
ワクチン接種、悩むことが多いかと思いますが、不明点があれば、ご相談ください。