ムカデとことこ

 ひとが幸福になること・意識の成りたち・物理と心理を繋ぐ道
       ・・そんなこと探りたい

「退屈や」

2014-12-21 10:50:31 | 日々の暮らし・思い出
昨日会った義父の最初の言葉、「退屈や」

そうだろうなぁと思う。そりゃ退屈や。

家に居たときだって退屈や、と言っていたもの。

何処ぞへ飯でも食いに行くか、そういうことも言ってた。

又何処かへ出かけられるわな?と昨日も。

うん、行きましょね!と答えたわたし。

歩けることはもうないだろうと夫は言う。

ドクターもナースもケアマネもケースワーカーもそう思っているんだろう。

そういうなかで、夫の弟夫婦は、

「じいさんは怪物やからまた歩くんちゃうか」と言っていたそう。

そんな奇跡は起こらないかもしれないけど、

もしかして起こるかもしれない。

明日退院だ。

介護ベッドも酸素吸入機器も痰吸引器もスタンバイオーケー。

肺炎になったせいか、寝たままでいたせいか、なんのせいなのか、

痰が絡みやすくなってしまった義父。

酸素吸入器も家でも使うことになったんだけど、

肺に水が前から溜まっていたせいで、きっと以前から吸い込める酸素の量は人より少なかったんじゃないかと思う。

医師の判断で自宅でも鼻から酸素を吸入することに。

一日になのか一時間になのかわからないけど、酸素量2リットルという数字は少ない方らしい。

人工呼吸器とは違う。


そういえば、今朝、テレビを見ていたら、

もう前のことなんだろうけれど、演出家の蜷川幸雄さんの肺に水が溜まって

それを出すのに入院したと言っていた。

3リットルの水を出したという。

そういうこともするのか、と思った。


昨日居たナースはとても気安い、若い、可愛い、感じのよい人で、

「ほんとに可愛いわぁ。目が合うと、はぁと言って笑ってくれる。

こんな人あまりおらへんわ。」と。

可愛くない人が多い?と私が笑いながら言ってみたら、

「うん、そんな人ばっかりや」だって。

ちっとも批判ぽく無くそう言ってたよ。

義父みたいな感じじゃない人にも、

このナースはニコニコ元気に対応してるんだろうなと察せられたよ。

そして、「じいちゃん、若い頃からいいこといっぱいしてきたから、

こうして家族さんによくしてもらえるんやな。

いまどき、家で見てもらえる人ほんとに少ないわ。

年寄りはみんな病院で死んでく」と言ってた。

この前、別のナースが着替えをしてくれてるときに

ちょっと間違えてしまって時間がかかってしまったんだけど、

「こういう時男の人はすぐ怒る人が多いんやけど、

こんなふうに対応してくれる人は本当に少ないんよ。

ごめんな、もう少しで終わるでな。」

と、優しく対応してくれた。

自己に発し、自己に還る・・

このこともそういうことの顕れなんだなぁと思ったよ。

まぁ、どんなこともそうだと思うけどね。

入院中、どのナースとも気持ちのある会話をすることが出来たし、

担当のドクターも心ある人だったよ。 

さぁ、入院生活最後の面会に病院に行って来るね。