古事記や日本書紀には「なる」という言葉が一番多いそうだ。
養老先生の「無思想の発見」に出ていた。
どんな物でも、事でも、目に見えるもの、見えないもの、ぜ~んぶ、
在るものは なってきたものだ。
この日本語は本当にほれぼれする。
お母さんになる。春になる。雨になる。
優しい気持ちになる。石油からプラスチックになる。
地球のいろんな堆積物から石油になる。
土から器になる。木から机になる。
大人になる。出来るようになる。やれなくなる。
悲しい気持ちになる。嬉しくなる。眠くなる。
ケンカになる。仲良くなる。
批判したくなる。非難したくなる。
認めたくなる。やりたくなる。
戦争になる。平和になる。
「なる」は現在形の言葉だけど、
それまでの全ての時空を含んでいる。