ムカデとことこ

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「ふしぎな岬の物語」と無抵抗

2014-11-12 19:23:26 | ひとの幸福
二十日ほど前に吉永小百合がナンタラいう映画賞を取ったという、

「ふしぎな岬の物語」を家族で見に行った。

昨日こんなニュースがあった。

老人夫婦が家に入ってきた若い男に殺された。

本当に気の毒だと思った。

いきなり知らない人が家に入って来て、

良からぬことを言ったり、何かしたりしたら、大概の人はびっくりしてしまう。
 

その事件をテレビで見た後、上に書いた映画のワンシーンを思い出した。


吉永小百合が店主の喫茶店に夜中泥棒が入る。

店主はあまり驚かない。

で、抵抗しない。

それとこれも思い出した。私の兄が受験勉強をしていたもう50年近く前のこと。

夜中、トイレに行こうと部屋を出たら、隣の部屋に見知らぬ男が居たという。

兄はそこで「ここで何をしてるんですか?」と聞いたという。

それを翌日聞いたときは家族みんなで笑ったように憶えている。

家の出入り自由の猫を何匹も飼っていたので、

寝る時は一応毎晩雨戸を閉めてはいたけど、猫が通れる位は開けっ放しだったのだ。

雨戸と部屋との間に縁側があって、障子もあって、

その障子も猫が通れるようにひとますだけ障子紙が暖簾みたいに切ってあった、そんな家だった。


その男の人は兄にそう言われて何と言ったのかそこまでは憶えていないけど、すぐに出て行ったらしい。

そのことがあったからといっても雨戸を開けておくのは変わらなかったねぇ、そういえば。

猫がいたからね。


この場合とニュースの殺人事件はまるで状況は違うと思うよ。

今、新聞をちゃんと読んだら、包丁を最初から持っていたみたいだ。

初めから人を殺すつもりだったのかもしれない。

気狂いに刃物・・本当に怖い。

ただただ運が悪かったとしか言いようがない。


無抵抗というとインドのガンジーを思い出すけど、

あの映画の喫茶店店主も当時の兄も無抵抗という心の状態だったんだろうなと思う。

その瞬間、何も守るものがない心の状態、失うものがない心の状態、なんだろうね。

失うものが無いとは、何も持ってないということ。

よくいう「恐いものなし」の心境なんだろう。

無執着。

映画の中の店主も金目のものはこれくらいよ、と穏やかに言ってた。


無執着というのは諦めている状態なんだね。やっぱり。

そういう無抵抗の心は相手の行為行動や対象を否定視しない。

在る、ただそれだけを認める。何の判断もなく。


否定したら相手にエネルギーを与えることになるもんね。


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