勝手にお喋りーSanctuaryー

マニアックな趣味のお喋りを勝手につらつらと語っていますー聖域と言うより、隠れ家ー

重いのは好きですか?

2005-08-25 | 映画のお喋り
久々、ちょいヘビーなテーマの映画を見た。

 「アンナとロッテ」 2002年 オランダ=ルクセンブルグ合作映画
  監督:ベン・ソムボハールト
  出演:ナディヤ・ウール、テクラ・ルーテン、
     フドゥルン・オクラス、エレン・フォーヘル

物語は1926年、ドイツで始まる。
親を亡くした双子の姉妹、アンナとロッテ。
体の弱いロッテは裕福なオランダ人夫妻に、アンナはドイツの貧しい農家の夫婦に引き取られる。
やがて病気も治り、何不自由なく暮らすロッテ。
都合のいい労働力として、学校にも行かせてもらえず、辛い仕事をこなすアンナ。
互いのことを思いながら、大人の身勝手で手紙は届くこともない。

10年が経ち、成長した二人。
この辺から時代背景が濃く映画に反映することになる。
ヒットラーの台頭、ナチの出現、そして戦争。
養父から暴力をふるわれ、教会に引き取られ、やがてメイドとして暮らすようになるアンナ。
音楽や語学の勉強をしながら、ユダヤ人の青年に引かれていくロッテ。
やがて二人は再会するが、妹の婚約者がユダヤ人である為、すれ違ってしまう。

成長していく姿とは別に、年老いてから再び出合った二人の様子も挟まれる。
妹を懐かしむアンナ。
何故かアンナを避けるロッテ。
二人の間には何が起こったのだろう。

これ以上はネタバレなのだが、戦争、ナチ、ユダヤ人。
この状況が二人の心を思いがけないほど遠くまで引き離してしまう。

ラストはとても穏やかで美しい。
憎むべきはドイツ人でも、ナチの将校と結婚した姉でもない。戦争なのだ。
それを気付かせたアンナ。
それに気付いたロッテ。
だからとても穏やかで美しい二人に戻れたのだろう。

ここまで書いて、これを書いたらおしましなのだが・・・。
ロッテがアンナをあそこまで憎む理由が理解出来ない。
アンナこそ、ロッテ以上の悲惨な人生を辿っているのに。
ロッテが辛い状況に陥り、姉を頼って手紙を書いたんだが。
その時に訪ねてこなかった姉をやがて憎むようになる。
そんな描写が欲しかった。
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