勝手にお喋りーSanctuaryー

マニアックな趣味のお喋りを勝手につらつらと語っていますー聖域と言うより、隠れ家ー

クリスマスはどっちのネタ?Part2

2005-12-14 | TVや舞台やスポーツのお喋り
これからは【もしも】の話だ。
もしも私が感じたとおり、決勝のネタが決まっていないのなら。
もしもどちらのネタをやるか品川庄司が迷っているのしたら。
もしも私に選ぶ権利があるとしたら。

私が選ぶネタはすでに決まっている。
「拳銃で撃たれて苦しむシーン」
理由もいたって簡単だ。

ー庄司さんが何をして欲しいのか、お客さんにわかりやすいー

彼は銃で撃たれ、腹を抑え、苦しみ、のた打ち回る演技をしたいのだ。
ところが品川さんがそれをさせてくれない。
ボケまくって、庄司さんをイライラの極地に追い込む。
そのイライラが、ストレートにお客さんに伝わる。

確かM-1は持ち時間が決められているし、4・5分程度の短い時間しかもらえなかったと思う。
だったらストレートに伝わりやすいことが一番なのではないだろうか。
しかもこのネタには、実に面白い動きが入る。
動きと言うのも、お客さんにわかりやすい笑いだ。

おっと、本気で考えてしまった。。。

もちろん決戦の日、TV画面から流れてくるネタは、この二つ以外のものなのかもしれない。
品庄が新しい形の漫才を確立した、記念すべき最初のネタ「あいうぉんちゅう」だったりするかもしれない。
どれであっても、持てる力を出し切れれば、私に何も言うことはない。

漫才と言うものの歴史を私はよく知らない。
現代に至るまでの流れを見ると、大阪が本場なんだろうと思う。
庄司さんは高校を卒業する時、大阪のNSCに入ることを考えたと言う。
でも大阪弁が出来ないと、誰も組んでくれないと思って断念したらしい。
品川さんが初めて書いた漫才は、何と大阪弁だった。
それを東京弁に直して、ネタ見せしたと言う。
吉本で漫才をやる限り、大阪弁へのコンプレックスは消えないのかもしれない。

よく言われることだが、私も品川庄司が本当に実力を発揮するのは、漫才よりコントであるような気がしていた。
毎年行われる恒例の単独ライブも全編コントだ。
ルミネでも漫才ばかりではなく、時にはコントもやってくれればいいのにと思っていた。

だが品川庄司は、今年自分たちの漫才の形を完成させた。
まだまだ発展の可能性があるにしろ、これが自分たちの漫才だと言うものを作り上げたのだと思う。
大阪の漫才を東京弁でやるのではない。
よくある漫才の中の設定コントをやるのではない。
恐ろしいほどテンポの速い品川祐の変幻自在なボケの連発。
血管が切れるのではと心配になる庄司智春のテンション高いツッコミ。
ふたりの呼吸がピッタリと合ったその瞬間、舞台の上で誰にも真似できない品川庄司の漫才が生まれる。

品川庄司の漫才。
いつか伝説になる日が来るかもしれない。
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クリスマスはどっちのネタ?Part1

2005-12-14 | TVや舞台やスポーツのお喋り
月曜日にM-1GP 決勝進出を決めた品川庄司を見にルミネへ行った。
トップバッターで出てきた品庄に、客席のあちこちから「決勝進出おめでとう!」の声が飛ぶ。
笑顔で手を振りながら応える二人。ホントに嬉しそうだった。
声援が収まると、品川さんが「もう終わり?もっとわぁ~ってなるかと思った」と言った。
そんな言葉が出てくるほど嬉しかったんだね。

さて、ここからネタを始めるのだが、いつもなら自己紹介から入る。
コンビ名についてや、誕生日の日付の語呂合わせなどだ。
それから本ネタに入る前に、短いネタをひとつ。
最近では「よかろうもん」(博多弁をどらえもんと引っ掛けたネタ)が多い。
ところがここで客席はひどく驚かされることになる。

私は前のエントリーに書いた通り、この日はM-1決勝で披露するネタを見られると思っていた。
どのネタを選ぶのだろうと楽しみにしていた。
だけどどうやら品川さんはまだ選んでいなかったようだ。
客席の声援に応え終わると、自己紹介も他のネタもなく、品川さんは準決勝を戦った勝負ネタをやり始めたのだ。
いきなり本ネタに入るなんて、どんな漫才コンビもやらないことなのに。

「こういう仕事をやらしてもらってますが、俳優などもやってみたいですね」
品川さんのこの台詞でネタが始まる。
「銃で撃たれて苦しむシーンがあるじゃないですか。松田優作さんみたいな。僕はあれをやってみたいです」
庄司さんが本題に入る。
「練習したいので、品川さん、僕を銃で撃ってください」
ここからは、品川さんのボケの連続だ。
庄司さんはなかなか撃たれて苦しむお芝居をさせてもらえない。
その庄司さんのイライラがさらに客席の笑いを誘う。

このネタは当然のごとく、客席の大爆笑を巻き起こした。
問題はこれからなのだ。
普段なら「もういいよ」と言う庄司さんの一言で、二人がお辞儀をして去っていく。
だけどこの日はまだ終わらない。
品川さんが別のネタの切っ掛けの台詞を言う。
前のネタで全力を出していた庄司さんはまだ息が上がってる。

「刑事ドラマの見せ場は、取調室ですよね」
「バンッ(机を叩く恰好)、おまえがやったんだろう!って」
こうして3回戦を突破したネタが始まった。
庄司さんは何度も「バンッ!おまえがやったんだろう!」を繰り返す。
そして品川さんのボケの嵐。
以前見た時より、さらにボケの切れ味がアップしている。
当然大爆笑。

「もういいよ」で漫才が終了。
だが私の頭の中には疑問が残ってしまった。
本来の形ではない、本ネタを2つやるという驚くべき状態をどう考えればよいのか。
3回戦・準決勝を勝ち抜いた新ネタを一気に披露するファンサービス?
決勝は別のネタで勝負?

いや、そうじゃない。多分そうじゃないと思う。
決勝が別のネタなら、多分この場でウォーミングアップをしていたはずだ。
もしかしたら、どちらも秀逸と言っていいこの二つのネタの、どちらで勝負しようか彼らも迷っているのではないだろうか。
だから同時に披露し、お客さんの反応を見たかったのではないだろうか。
だとしたら、またしても彼らは迷うことになる。
だって、どちらも同じくらい笑いを取ったのだから。
どうする?品川さん。どうする?庄司さん。
      -To be continued.ー
Comments (2)
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