最初の誕生日の記憶をたどってみた。
鮮明には思い出せない。
誕生日のたびに両親が祝ってくれたのだろうけど、覚えていない。
覚えているのはイチゴのショートケーキだ。
時期的にイチゴだったのか、見た目が可愛かったからなのか、私にはわからない。
わかっているのは、イチゴのショートケーキが好きではなかったと言うことだ。
長いこと、私はそれを言い出せなかった。
小さなホールケーキにロウソクを灯して、願い事を待っている父と母の期待を裏切りたくない。
私は嬉しそうな顔でロウソクを吹き消す。
大人になって、両親には本当のことを言った。
だけど本当のことを云えない人にだって出会う。
私は誕生日をなにも不満なく過ごしたことはない気がする。
誕生日に欲しいもの。
それはプレゼントではない。
バラの花束でも、豪華な食事でもない。
好きな人から心を込めて「おめでとう」と言われること。
真夜中にもらった彼からのメール。
何も飾りのないストレートな文字だけのメール。
「誕生日おめでとうございます」
これまでで一番素敵な誕生日を、私は過ごしている。
鮮明には思い出せない。
誕生日のたびに両親が祝ってくれたのだろうけど、覚えていない。
覚えているのはイチゴのショートケーキだ。
時期的にイチゴだったのか、見た目が可愛かったからなのか、私にはわからない。
わかっているのは、イチゴのショートケーキが好きではなかったと言うことだ。
長いこと、私はそれを言い出せなかった。
小さなホールケーキにロウソクを灯して、願い事を待っている父と母の期待を裏切りたくない。
私は嬉しそうな顔でロウソクを吹き消す。
大人になって、両親には本当のことを言った。
だけど本当のことを云えない人にだって出会う。
私は誕生日をなにも不満なく過ごしたことはない気がする。
誕生日に欲しいもの。
それはプレゼントではない。
バラの花束でも、豪華な食事でもない。
好きな人から心を込めて「おめでとう」と言われること。
真夜中にもらった彼からのメール。
何も飾りのないストレートな文字だけのメール。
「誕生日おめでとうございます」
これまでで一番素敵な誕生日を、私は過ごしている。