プレゼントをもらったのは誰？

これまで何度か書いてきたが、私はほぼ月２のペースで新宿・ルミネ２の７階にある「ルミネtheよしもと」に通っている。
身近に品庄（あるいは吉本芸人）のファンがいないので、行くときは身軽に一人だ。
だが去年の８月の品川庄司単独ライブで、参加しているＭＬのメンバーと実際に出会い、それから時々ルミネで顔を合わせるようになった。
メンバーの多くは気軽にルミネに来れるような場所には住んでいない。
年に一度、単独ライブのときだけと言う人が多い。
その点私はかなり恵まれてるのだと思う。

今回のルミネは、ひとりでチケットを買ったのにもかかわらず、総勢５人のメンバーが集合することになった。
しかもその中の一人とは、偶然にも席が隣！そのことをチャットで知ったときにはびっくりした。
前回もメンバーの日にちが一緒になったときは、帰りに一緒に食事をして、とても楽しいひと時を過ごせた。
だから今度もオフ会しようねという約束でひとりルミネに向かう。

品庄ファンなら知ってると思うが、４月２６日は（「死に向かう」と言うネタもある）品川祐さんの誕生日だ。
メンバー５人のうち、３人は熱烈品川ファン。そこで彼らは一計を案じた。
そう、ルミネで品川さんにプレゼントを渡そうと言う計画だ。
ルミネでは芸人さんへのプレゼントはＮＧと言う原則だ。
ネタの途中で投げ入れたりする人がいるので、そういうことになったのだろう。
だから３人はいかにしてネタの邪魔にならずにプレゼントを渡せるか、知恵を絞ったのだ。
結果は・・・。

ルミネはネタとネタの間に舞台の照明を落とす。
その間に漫才の場合はセンターマイクを、コントの場合は簡単なセットを配置したりするためだ。
会場はほぼ真っ暗になる。
その時だ！
最前列の席と言う好条件を利用して、プレゼントを抱えてきた３人が立ち上がる。
真っ暗な中で舞台のセンターマイクの横にプレゼントをそっと置く。
出囃子が鳴り、品川庄司が裾から登場する。先頭を歩く庄司さんの目が異様な物体に釘付けになる。
「品川の誕生日だよ」すぐに察する庄司さん。
後ろから出てきた品川さんのびっくりした顔。
漫才の邪魔になるのでプレゼントを集めて裾に持ち帰った品川さんだが、早く中身を見たいのか、裾の方でかなり長いこと袋の中を覗いてる。
その姿ときたら、まるで子供みたいだ。

やっと戻ってきた品川さん「１０年やってきて、暗転中にプレゼントが置かれてるなんて初めてでした」と、ちょっと上ずり君の声。
「俺、品川が死んだのかと思った」と笑いに転じようとする庄司さん。
「確かにいじめられてる子の机みたいではありましたけど」と返す品川さん。
そこからネタに入るはずなのに、品川さんが困ったような引き笑いをする。
「僕は不幸をバネにしていくタイプなんで、嬉しすぎると調子がでないんです」
もちろんそこからフルスロットルのネタに入ったが、その顔に浮かんでいた素の「品川祐」の笑顔は、とっても印象的だった。

もしかしたら思いがけないプレゼントをもらったのは、私たちの方だったのかもしれない。