椿ノ恋文
2024-08-01 | 本
これは小説「ツバキ文具店」の続編です。鎌倉にあるツバキ文具店。ここでひっそりと代書屋が営まれている。知る人ぞ知る…ですね。祖母の元に戻って来た孫娘鳩子。反発しながらも先代の祖母から多くを学んでいくのです。ここにはいろんな思いを持った人が代筆の依頼に来る。筆記具から便箋、切手まで鳩子が選びます。このセンスがまた素敵です。今は何でもメール。手紙は随分ご無沙汰です。
子持ちの喫茶店のマスターミツローさんと結婚。鳩子は、子どもが二人産まれて3人の母に。可愛かったQPちゃんは中学生に。反抗期真っただ中。子育てが一段落して、再び代書屋を始めるところから始まります。NHKドラマの鳩子の多部未華子にミツローさんの上地雄介、男爵の奥田英二...顔を浮かべながら読みました(笑)。鳩子とQPちゃんのほのぼの母娘のお話。
ただ代書屋と言うのは、公の書類の手続きのイメージ。私信の代書は思い浮かびません。文字や文章にはその人そのものが表れるからです。鳩子の書いた手紙は見事。でも私なら、下手な文でも文字でもその人からのものが欲しいと思う。そこに違和感がありました。でも鳩子の書く文字に文章はとても優しく見事でした。秘められた恋の物語もつづられています。鎌倉、伊豆大島の案内図あり。鳩子の住む鎌倉の町が出てくるのが嬉しい。
ところで「キラキラ共和国」って、この本の続編だったのですね。タイトルからそうとは思わず。あらら、即読んでみます。続編のドラマが見たいですね。NHKさんよろしくお願いします。