ドイツ小説選と同じ頃出版された古い本。
フランスの短篇小説が並んでいます。
その中から数作品を読書。
『最後の授業』 ドーデー作
小学生の頃、授業の教科書で読んだ記憶があります。
戦争で負け、フランス語で授業をするのはこの日が最後。
明日からフランス語禁止。
日常会話もドイツ語を使い、授業もドイツ語で受ける。
そんなフランス語使用できる最後の授業の様子。
深く考えさせられる作品です。
『帰郷』 モーパッサン作
悲しい物語。
夫が漁に出て行方不明になる。二人の幼児を残して。
妻は数年後、新しい夫を迎える。三人の子供を授かる。
十数年後、元の夫が船で帰郷。
妻と再会。
新しい夫と元夫は・・・。
物語の展開としてはありえますが、
読後なんともやるせない気持ちになりました。
『ジュール伯父』 モーパッサン作
ジュール伯父さんが帰ってきたら、暮らしが楽になると思い込んでいた家族。
伯父さんは外国で一旗上げていると信じていた家族。
ある日の目の前に現れたみすぼらしい姿の男と今の彼のなりわい。
彼がジュール伯父さんだと知った後の、家族の落胆と冷たい行動。
金銭的な成功だけが人生の成功なのかと、考えてしまい、切ない気持ちになりました。
今の時代でも、似たような価値観があるのでしょう。
モーパッサンの短篇小説は、オー・ヘンリーと同じように学生時代、よく読んでいました。
今、読んでみると、上記の二作は悲哀に満ちた感傷に陥ります。