大正15年1926年4月26日(月)雨:雨 雷鳴り、雹降り、風暴れ凄い日であった。歯痛と疲労にて終日床に就いて休んだ。引き続き小問題にて悩まされる。然し乍ら我が心には大問題が横たわる。それは此の世の問題に非ず、人に関わる問題に非ず、神と宇宙と実在とに関わる問題である。#内村日記a
只斯かる問題について語る人なきを悲しむ。今の話題と云へば低いツマラナイ此の世の問題である。家計整理とか農村改良とか云ふのが其の最良の部分に属するのである。宗教問題と云へば会堂建築、教勢拡張位ゐが其の頂上である。「汝の住居は俗人の中に在り」である。願ふ今日と雖もソクラテス、b
プラトー、アリストテレス、カント、ヘーゲル、フィフィテ等と共に此の世の人等とは全然別の世界に棲息せんことを。#内村日記<<一日分の日記は平均ツィッター三個分くらいのようである。
昭和2年1927年12月7日(水)晴 札幌の孫へ長い手紙を書いた。後でグスタフ・クレーゲルGusutav Kreeger のインガーソル講演を読んだ。霊魂不滅論を哲学史的に述べた者である。教へらるゝところが多かった。哲学の目的は人の霊魂を教会の束縛より釈放つに在り #内村日記
との意見に全然同意せざるを得ない。教会を最善の物と思ふ位ゐ間違った考へはない。その点に於てブルノー、シャフツベリー候と全然同意である。哲学は教会の敵である。b#内村日記