C 根拠と根拠づけられたもの(Grund und Begründetes)
(1) 全体と部分
§ 42
定在がないと本質そのものもないが、しかし本質はやはり定在の根拠である。ところで、この本質〔の定在における形態〕は全体と部分
(Ganzen und Teile)である。全体は部分を定立するものであるが、しかし、また逆に部分からなっている。両面は同じ一つのものである。全体は部分の綜合、すなわち全体であるという意味での部分に等しく、また部分に分けられたもの(Gteiltes)としての、すなわち
部分としての全体に等しい。言い換えると、両面は相互に無頓着なものでもあるが、また〔他面から言えば〕形式としての全体の活動性は質料を制約〔条件〕にもつ。
(2)力とその発展
§43
しかし、部分はただ全体によって定立されたものだという意味でのみ部分である。それで、これらの部分または
部分の関係は、根拠の統一による規定性である。言い換えると、定在の質は形式としての根拠の活動性によって定立される。だから、現象の質料は根拠自身の内容である。従って根拠は自分を発現する力(Kraft)である。【入門 s 272 】