らいちょうのあし日記

山登りが大好きで今日も日本のどこかで歩いています

北八ヶ岳・橫岳登頂と雪上テント泊

2018年05月10日 | 縦走

3月とは言え山はまだまだ寒い。最初の週末、私たちは厳冬期装備で北八ヶ岳に向かう。
今回の山行の目的は、耐寒幕営。家族3人でマイナス20度でのテント泊を成功させることだ。
これは、今までの雪山経験からさらにレベルアップするために計画したものである。
もちろん、山に行くからには山頂も目指したい。
そこで、北八ヶ岳の横岳なら初日にピークを踏んでその後テント場まで行くことが出来そうだと判断。
翌日に下山という一泊二日の縦走に挑戦することになる。


初日は小春日和で、快晴。
北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅に着くと、まるで春の陽気である。
天気予報で暖かい日になるとは言っていたが、予想以上の暖冬日である。
心身ともに厳冬期対応で来た私たちには、拍子抜けするが仕方ない。
それでも、雪山に来たのであるから安全第一であると気持ちを引き締めて出発する。


厳冬期用のシュラフが大きくてザックに入りきらないため、1つは肩から斜めがけで登る。
トレースはしっかりあって、アイゼン無しで充分歩けるが、如何せん荷が重い…
この日は快晴・無風で八ヶ岳連峰が見渡せ、絶好の登山日和。
それを重さに耐えるパワーにしようと踏ん張る。


三ヶ岳分岐まで来たところで、どんな山容なのか見に行ってみる。
少し歩くとゴロゴロした山塊が見え、それが三ヶ岳らしい。なかなか面白そうな山だ。
トレースがしっかりあるから、登る人も多いのだろう。
その後、本来の目的地に向かって再び歩き出す。


横岳ヒュッテまで来たところで、アイゼンを装着する。
ここから先はすぐに森林限界になり、程なくすると横岳山頂である。
さぁ、どんな頂きだろう…楽しみだ。


横岳山頂に到着、14時35分。
山頂からは八ヶ岳近辺の山だけではなく、北アルプス・槍ヶ岳まですっきり見える。
スタート地点からわずか90分程でこれだけの展望を望める横岳は人気があるのがうなずける。
広い頂上で景色をゆっくり堪能していたいが、この先テント場まで行かねばならない。
そそくさと記念写真を撮り、速やかに先を進む。

この先亀甲池経由でテント場に向かうため山頂からしばらく下り始める。
段々雪深くなり、トレースが曖昧な感じになり、ついには途切れる。
それでもしばらく行くうちに、かなりの急勾配になり時々雪に足を取られて身動き出来ない。
背負子に娘を背負っているリーダーに待機してもらい、ワタシひとりで先のほうに目印がないか確認に行く。
ピッケルを持参しなかったことを悔やみつつ、不安なワタシは屁っ放り腰になりながら雪の斜面を下る。
登山道はおろか、赤テープすら1つも見当たらない。
このまま進むのは危険だとリーダーに伝えると、不本意そうであるが仕方ないと引き返す。


そうこうしている間に16時を過ぎてしまったため、ビバークすることになる。
三ヶ岳付近に適地があったことを思い出し、ビバーク出来そうな場所を探す。
迷っている時間もあまりないため、フラットなスペースを探す。
三ヶ岳取り付きの少し手前あたりから、奥の方へ入っていくといい感じのスペースがあるではないか!
風からも人からも遮られて、ビバークするには最適だ。
16時半、日が暮れる前にテントを設営してなんとか落ち着くことが出来て安心する。


氷柱でウイスキーロックを作り乾杯。
いつもの倍以上美味しく感じる。
天然氷で水割りを楽しむ、この時が至福の時である。


翌日、2日連続の快晴のもと、下山する。
途中まで、リーダーが娘をロープで確保しながら歩かせる。
5月の連休のような陽気で、あの八ヶ岳ならではの凍えるような寒さは今回は体感出来ず。
マイナス20度でのテント泊は、また次の冬山でやり遂げることにしよう。
目的こそ達成出来なかったものの、両日ともに天候に恵まれ素晴らしい眺望も望めた今回の山行。
娘は北八ヶ岳の穏やかな雪山を自分の足で歩き、自信がついたようで嬉しい。

今後も縦走登山を基本にいろんな山に登ろうと思う。














 


晩秋の北八ヶ岳縦走

2017年12月29日 | 縦走

11月連休は北八ヶ岳へ向かう。
この時期のアルプスは、天候を読むのが難しい。
下界では秋晴れでも山頂は降雪があったり、もしくは暖かい陽気かもしれないし、
まったくわからない。
山の上の紅葉は終わっているだろうが、下の方はまだ間に合うかもしれない。
久々の3日間縦走だ、楽しくいこう!!


茅野駅からバスに乗車、1時間ほどでピラタスロープウェイ乗り場へ。
八ヶ岳へは何度も来ているが、このロープウェイを利用するのは初めてだ。
乗り場となる山麓駅は、スイスを思わせるような建物でゼラニウムの花がとても可愛く咲いている。
そしてここから山頂駅まで一気に標高2,240mまで上がる。
ここまでは観光客で賑やかである。


ロープウェイを降りたところが坪庭で、簡単な散策が出来るようだ。
啄木鳥の大きな模型に付いている紐を引っ張るとコツコツと木をつつく。
娘はこれが面白いらしく、何度も引っ張っている。


連休初日のこの日は見事な秋晴れで、それはそれは素晴らしい展望である。
北アルプス・槍ヶ岳までもはっきり見えて、気持ちが昂る。
やはり、山はいい、アルプスは最高だ!!


縞枯山を左手に見やりながら、平坦な道を進む。
木道がずっと続き、登山道としては単調で少し退屈気分…
娘の歩行に合わせてゆっくりペースで先を行く。


所々に凍結したまま融けずになっている箇所がある。
朝晩の冷え込みが想像できる。やはり、下界では秋でも山の上はもう冬だ。
今夜はどれくらい冷えるだろうかと、まだ冬慣れしていない身体を思い少しドキドキする。


17時前に青苔荘のテント場に到着。周囲を見ると、10張以上はテントがあろうか。
この時期だけに、思っていたよりも多い。
17時半、あたりはすっかり暗くなりテントの中で味噌煮込みうどん鍋を食べる。
うむ、そんなに寒く感じないぞ。大丈夫、これなら途中で起きたりせずに眠れそうだ。
ウイスキーをちびちびやりながら、いい気分になったところでサッとシュラフに潜り就寝。


翌朝6時起床、外は薄っすら曇り空であまり天気は良くなさそうだ。
小屋に牛乳を買いに行き、コッフェルに入れて温めてから娘に飲ませる。
昨夜の鍋の残りにご飯を入れて雑炊にしたものを食べる。
朝食はこれが一番身体が温まるし、食料を無駄なく残すことなく活用できる。
8時前、テント撤収して出発準備完了。気温は摂氏0度。


まずは、高見石小屋を目指す。登り1時間のコースタイムだ。
娘に最初のうちは、歩かせていたが…
ゴロゴロ石の多い登り道は、やはり難しいようなので背負子に乗せていくことにする。
本当はもう少し歩かせてやりたかったが、仕方ない。


高見石小屋に到着。天気は回復するどころか、ますます悪くなってきた。
ガスがかかり、小雨がぱらつき風も出てきた。
立ち止まることなく、先を目指す。


中山展望台まで来たが、ガスで辺り一面真っ白。
おまけに天候は悪くなるばかりだ。
とりあえず写真だけササッと撮り、一目散にこの場を過ぎる。
きっと晴れていれば、大展望が望めたのであろう…仕方ない。


中山峠からすぐの場所にある黒百合ヒュッテで昼食を取る。
この頃、空から雨まじりの雪が降りだして、食べるのも一苦労する。
長居は無用、早くしらびそ小屋まで行こう!
と、中山峠からその先を見ると下り始めの箇所が結構急な傾斜で雪で滑りそうだ。
背負子に娘を乗せてここを下るのはどうなものか、一瞬迷う。
それでも元に引き返すわけにもいかず、細心の注意を払いながら進む。


15時前、しらびそ小屋に無事到着。
降っていた雨や雪は止み、ようやくホッとして気持ちが落ち着く。
しらびそ小屋は、7年ほど前に下山時に一度通りかかったことがあった。
その時に素敵な小屋だな、と印象に残っていたので今回来ることを楽しみにしていた。
ここでは、リスや鳥が小屋の周りにエサを食べに来る姿を見ることが出来るらしい。


あいにくリスの姿を見ることは出来なかったが、いろんな鳥類を観察できた。
それも、かなりの至近距離だからとても楽しい。写真はホシガラス。
さっきまでは悪天候で何も見えず、ただ黙々と寒さと闘いながら歩いてきただけに
この光景にいつも以上の安堵感を感じる。


翌朝6時、テントの外に出ると天候はすっかり回復して快晴。
小屋前まで歩いていくと、真正面には太陽に照らされて輝く山が見える。
ミドリ池に反射して写る景色が、また美しい。
最終日、良い天気に恵まれてうれしい。


8時半、小屋をあとに下山する。
まもなく本格的な冬山が訪れるであろう北八ヶ岳の景色を堪能しながらゆっくり進む。
娘と共に冬の八ヶ岳に登れるようになるのは、何年先だろう…


バスで松原湖駅に到着したが、小海線は一日の運転数がとても少ない。
当分来ない列車をのんびり待ちながら、秋の優しい暖かい日差しで日光浴。
3日間で秋と冬を一気に体験した山行であった。
また、春先にでも来てみたいと思う。











 

 

 


入笠山~晩夏の山へ~

2017年10月17日 | 縦走

夏山に行く機会がないまま時が過ぎ、気が付けば9月になろうとしていた。
アルプスの山々を満喫すべく歩きたいというワタシの願い。
しかし、娘は背負子にはもう乗りたくない、自分で歩くと強い意志表示。
この両者の願いをうまく両立させてくれた山が今回の入笠山だ。
標高2千メートル近くあるが、下界の登山口から1時間半ほどで山頂。
また、牧場近くのキャンプ場がありテント泊も出来るからゆっくり山を満喫できる。
もちろん、娘には本人の希望通り山頂まで歩けそうなコースである。
夏休み最後の週末、我が家は入笠山に向けて出発する。


入笠山へのアクセスは、JR富士見駅からバスもしくはタクシーで登山口へ。
私たちは、都内自宅から鈍行列車でここまでやってきたのでバスの時刻には間に合わず、
タクシーにて沢入登山口に向かう。所要時間はタクシーで20分だ。
準備体操をして、さぁ出発!


緩やかな登りの登山道を楽しそうに歩く娘。
時間が午後の遅めとあって、他の登山者とこの道ですれ違うことはなく静かだ。
道中、様々なキノコが生えているのを発見しては立ち止まり歌をうたい…
と、娘のペースでかなりゆっくり歩き続ける。
キノコは、見たこともないような色や形のモノがたくさんあり確かに面白い。
ワタシにキノコの知識があり、食べられるモノを選別、収穫して食べることが出来たら…!
もっと楽しい山登りになるかもしれない。
食べれる野草、なんてのも勉強すればきっと役立ちそうである。今後の課題か?


入笠湿原に15時到着。とてもよく晴れていて、しかも涼しい。
あぁ、夏のアルプスって本当に最高に気持ちよい!
この日は、午前中に雨がぱらつく天気だったせいでつも混んでいる湿原も人はまばら。
入笠山は、山頂までゴンドラが通っていることもあり週末は日帰り登山を楽しむ人で混むらしい。
それゆえに、今回のように空いている日に歩けたのはラッキーである。


マナスル山荘前を通り過ぎ、ひたすら道路を歩くもテント場らしい標識もなく不安がよぎる…
本当にこの道であっているのか分からないまま歩くので、疲れも倍に感じるワタシ。
そのうちにウシたちが数匹放牧されている牧場が現れ、気分が幾分か癒される。
あともう少し、もう少しと思いつつ歩いていくと…


40分道路を歩き続けて、ようやく入笠JAハウスに到着。
分からないまま歩き続ける40分という時間の長く感じたこと!
看板が一つでもあればよかったのに、と思うワタシ。
娘はというと、思いのほか元気そうで安心する。よく歩いたものである。
テント場は草原上にあり木々も多くて、開放感たっぷりで居心地もよさそうだ。
しかも、空いているからここの自然な空間を独り占めしたような贅沢な気分。
予想以上の素敵なテント場に満足度100%だ。


久しぶりのテント生活に気分最高、宴会も盛り上がる。
やはり、山の楽しみは歩いた後のテント場で過ごすこの時間だろう。
夕食の豚味噌鍋を美味しく食べて、19時就寝。
夜中、起きてテントの外に出ると素晴らしい星空を眺めることができた。


翌朝5時起床。
前日に、キャンプ場の管理人さんから教えて頂いたテイ沢沿いに行くルートに行くことにする。
沢沿いの登山道は途中何回かの橋を渡り、大阿原湿原に出る。
そこから首切登山口に向かい、入笠山まで約20分というコースである。
昨日歩いた舗装された道路を再び40分歩いて入笠山山頂に向かうより、こちらの方が断然面白そうである。
よし、頑張って歩くぞ!と娘と共に気合いを入れて7時半出発。


出発してから40分経過するもテイ沢に入渓する標識がなかなか出てこない。
誰ともすれ違うことなく、だんだん不安になってきたころようやく入口が見つかる。
登山道に入るや否や、丸太橋の連続で娘が歩けるかどうか心配になる。
自分の足で歩かせることが自信につながると、リーダーが補助しながらゆっくり進む。
頑張って歩く娘は、意外にも楽しそうであるから安心する。


沢沿いの登山道を1時間近くかけていき大阿原湿原に出る。
登山者の姿はなく静かだ。
ここから20分ほど歩けば首切登山口があり、そこから山頂まで20分だ。


入笠山山頂1,995メートルに到着。今朝までの静けさがウソのような大賑わいの山頂だ。
御所平峠登山口から登ってきた登山客がほとんどのようだ。
山頂からは八ヶ岳全貌、甲斐駒ケ岳や北岳、諏訪湖、と大展望である。
これだけの眺望が望め、尚且つ安全な登山道で歩ける山だから人気があるのも肯ける。
景色を楽しみながら、ゆっくり1時間昼食休憩を取ってから御所平登山口へ下山する。
途中、岩場コースと岩場迂回コースとの分岐があったようだが見落として前者の方を行く。
3歳の娘に岩場コースを下るのは難しく、ここはよく見て迂回コースを取るべきだったと反省。


晴れて気持ち良い青空を見上げながら入笠湿原を歩く。
ここは、6月に咲くスズランが有名らしい。


緩やかな登りの木道を上がりきれば、ゴンドラ山頂駅だ。
標高約1,700mにいるが日差しはまだ夏を感じさせるくらい暑く、娘はシャツ一枚で歩く。
今回、冬山用の防寒着も持参していたがほぼ使うことはなかった。
それでも、この時期は朝晩の冷え込みがあるから油断大敵である。


山頂駅からゴンドラに乗り、一気に下界へ戻る。
いつもなら最後まで歩いて下山するのだが、時間の都合上で利用してゴンドラ。
仕方ないな…という思いで乗ったが、展望抜群で乗り心地もいいものだから楽しめた。
それでも、ゴンドラで下山するなんて贅沢だったなとも思いつつ…

家族全員で歩いて登った入笠山。
山、ちゃんと歩るようになったねと笑顔で話す娘を見て、いい思い出になったなと感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 





 

 

 


残雪期・蝶ヶ岳縦走

2017年06月21日 | 縦走

5月連休の山行は、何度も話し合い検討した結果、蝶ケ岳に決まる。
この時期、山域によっては降雪もあり、それなりの装備が必要となる。
出来るだけ危険箇所が少なく、極力静かなコースで雪山縦走を楽しめる所とは…
三股から蝶ケ岳へ登頂、その後は徳沢に下山する縦走コースを選択。
出発の朝、ずっしりと重いザックを担ぎ、目的地に向かう。


新宿から特急あずさに乗り、松本で大糸線に乗換えて穂高駅で下車。
そこからは、タクシーで登山口になる三股まで移動。
三股に着くと、駐車場は車であふれるくらいの多さに驚く。
さぁ、出発だ!気合いをいれて行くぞ!入念な準備体操後、いよいよ出発。
歩き始めて1時間ほどで、常念岳側の山肌が見えてくる。



途中、力水で水1ℓを二つ汲みとり、さらにザックは重みを増す。
リーダーの担ぐ背負子には、体重13㎏の娘が乗っていてかなり肩が痛そうだ。
ワタシは、3人分の生活道具一式がほぼすべて入ったザックでこれもかなり重い。
それでも、いいペースで登り続け、まめうち平にコースタイム通りで着く。
前回、昨年夏に同じコースを登っているのだが、雪があると全く違うところに来たように感じる。
ここを越えると、いよいよ今回の縦走核心部である急登が山頂まで続く。
かなりの体力勝負である。ここから先は、12本爪アイゼンを着用して登る。


傾斜はどんどん増してくるが、雪の締りがよくない状態のため、アイゼンの効きが悪い。
天候は最高に良いが、気温も上昇しているから雪はどんどん腐ってくる。
こうなると、いよいよ重いザックを担いでの急登は苦しい。
しかし、縦走すると決めたのだから弱音を吐かずに、ただひたすら山頂を目指すのみだ。
さらに進むと、雪壁のいやな場所に出た。この辺りは登りより下りの方が大変そうだな…
そう思っていると、目の前で足を滑らしてしまう登山者がいた。
キックステップで一歩一歩確実に、慎重に進む。


その後も延々と急登は続き、さすがに嫌気がさしてきた頃、ようやく森林限界を越える。
傾斜は緩くなったが、雪上を歩いていると太陽の反射が眩し過ぎてサングラスをかけないと目が痛くなる。
すれ違う登山者に、「もう少しで絶景が見えてきますよ」と励ましの声掛けをしてもらう。
そうだ、もう少しだ、と分かってはいても、ここまでの急登で疲労度はかなり高い。
少し休憩を取ってから、山頂へ向かう。


ハイマツの茂る道を抜け稜線に出ると、目の前に槍・穂高連峰の絶景が大きく広がった。
もうかなり疲れていたが、青空の下でこの景色を見た途端に元気が出てきた。
山頂標識までは緩い坂道なので、背負子から娘を降ろして歩かせる。
そしてついに蝶ケ岳登頂、家族全員で喜びを分かち合う。


山頂で昼食をとり、しっかり1時間休憩を取る。
その間もほとんど雲が出ることなく絶景を楽しめる。
ここまで頑張って登り続けた自分たちへの最高のご褒美だな、と思う。
ここからは徳沢方面への長塀山ルートを下る。
このルート、幾度となく歩いてはいるが、これまたかなりの長丁場であるから気合いを入れる。
最初のうちは、まだまだ調子よく歩いていたのだが…


延々と続く下り坂に、もう体力限界に近いぞ…
そう思っていたとき徳澤園の赤い屋根が下のほうに見えてきた。
そして、ついに15時30分徳沢に到着。ワタシとリーダーは、もう疲労困憊であった。
それでも、こんなに疲れ果てるくらいの山行が久しぶりだと気付くと嬉しくも感じる。
徳沢のテント場は連休のためかなり混み合っているが、仕方ない。
適当な場所を見つけてテント設営したのち、大人はビール、娘はジュースで乾杯をする。

 翌朝、雨降りの中、上高地まで移動する。ガスっていて、景色は何も見えない。
前日は快晴だったおかげで山々の素晴らしい景色を堪能出来たからとても幸運だ。
しかし、山に悪天候は付きものであるから、今後もその時々の状況判断を確実なものにしていきたい。
そして何よりも安全第一で、家族全員で楽しめる山登りを続けていきたい。




 


赤城山・大展望の百名山

2016年10月08日 | 縦走

9月後半、以前からずっと気になっていた群馬県・赤城山に向かう。
天気予報ではあいにくの雨模様であるが、山の天気は行ってみないと分からない。
雨降り予報の多い週末だが、行くと決めたら行く!そう思い出発。
都内から在来線を乗り継ぎ、前橋駅からバスに乗車、ようやく目的地にたどり着いた。
しかし、辺りは霧で真っ白。大沼はおろか、周辺の景色も何も見えない…。
明日、天候の回復を祈るばかりだ。


とりあえず、今宵のテント場となる県営赤城キャンプ場を目指す。
途中、赤城神社に立ち寄り、明日の山行が無事であることを祈願する。


こんな悪天候にも関わらず、意外とテントが沢山張っている。
このキャンプ場は無料で利用出来るうえに炊事場・トイレ完備と快適である。
それがこのキャンプ場の魅力で、こんなに人気があるのだろうか?
答えは、明日…。
我々は、少し高台の場所を選びテントを設営する。


翌朝5時。目を覚ますと、雨はすっかり収まっている。
外に出た途端! ワァーすごい見える! と、一気に登山意欲がわいてくる。
やはり来てみないと分からないものだ、山のお天気。
さぁこれ以上テントの中にいるのはモッタイナイ、と言わんばかりにリーダーを起こす。


周りが明るくなるにつれて、どんどん景色が鮮明になってくる。
なるほどなるほど。このキャンプ場が人気である理由が分かったぞ。
目の前には大沼あり、後ろは山あり、こんなに居心地の良いキャンプ場なら泊まりたくなる!
さて、我々は天候が良いうちに早く出発しなくては、と準備に取り掛かる。


テントを撤収して、キャンプ場から黒檜山登山口へ移動する。
車道を15分程歩いたところに標識がある。


登山道に入るや否や、一息つく間もない急登が続く。
大沼を見下ろしながらグングン登っていくと、遠くに富士山を望むことが出来る。
富士山が見えると、いつものことながら嬉しくて「ワァ-見えた-!」と大きな声がでてしまう。
そしてまだか、まだかと登り続けて1時間20分・・・


赤城山最高峰・黒檜山(くろびさん)1,828mに登頂。
上信越・日光山々が見渡せるのだが、このあたりの山は少々疎い…
もう少し下調べをしておくべきだったなぁと思う。
この先徒歩2分の展望台で景色を堪能してから山頂で昼食休憩。


黄色めの美しいアゲハ蝶が、ずっとヒラヒラ周囲を飛び続けている。
他の蝶が来ると威嚇するが、人には懐っこい蝶なんて、いるものだ。


駒ヶ岳は小沼方面の展望がよい。
記念写真を撮りそのまま下山する。
気持ち良い尾根の道を下り、樹林帯に入ってからもう少し頑張れば駒ヶ岳登山口に到着する。


帰りのバス時刻までまだ余裕があるので、覚満淵を周遊する。
1週45分程度で、尾瀬のような場所だ。
散策するにはちょうど良い場所だろう。
その後、前橋駅行き直通バスに乗車して帰路につく。

予想外にも好天に恵まれた今回の赤城山登山。
思い切って来てみて良かった。
もちろん、1,828mという標高がある山であるから天候が悪ければ中止もある。
山の天気は、現地に来てみないと本当に分からないものだとつくづく感じさせられた。