はじめての派遣、はじめての工場、はじめての単純作業…は、思いのほか楽しく、しかし思った通り、しんどかった。
でも今日の帰り、ブラジル人同僚に「立ちっぱなしでつらい!」と愚痴ったら、「当たり前ね!座ったら仕事にならないよ」と全うな返答をいただいたので、これ以上不満を垂らすのはやめようと心に誓った。
今日の作業チームは4人。
私を含む日本人が2人、ブラジル人が2人。に工場の職員が1人ついていた。
昨日は同じ作業を日本人2人とフィリピン人1人の計3人でやったのだけど、私以外の2人は早速辞めてしまったらしく、残る私が今日の新メンバーを率いる形になった。
やることは、パチンコ台の裏面にあたるプラスチック台づくり。
大枠の台に小さなプラスチック細工を取り付けたり、スチール板をビスで止めたり、それを梱包したりといったことを流れ作業でやる。私たちのチームは工場1階でそれを黙々と続け、2階では、別の作業チームがパチンコ台の表を飾るピンピカピンな部品づくりをやっているようだった。
工場には、私が属する派遣会社以外に、2つか3つの派遣会社から数人ずつが集められていた。
なので中には日本人も交じっていて、数でいうと劣勢なのだけれど、それなりに多様性の一翼を担っていた。
まぁ、多様性といってもブラジル人が最多で、次がフィリピン人、そして日本人という感じ。人種の比率は工場によって違うらしく、また、派遣会社によっても“何人が強い”というのがあるみたい。ブラジル人が多い私の派遣会社はブラジル人のAさんが送迎&申し送り役で朝礼に参加していたが、フィリピン人を多く連れてきている別の派遣会社は、いかにもフィリピンパブが好きそうな日本人男性が送迎係だった。
それで、仕事の中身はともかく、私はできるだけお友達をつくりたいなぁ~という下心で、何気に話しかけてみたり、輪の隅っこにいてみたりした。が、まぁそんな簡単に仲良くなれるわけはないので、長期戦を見込んで、あまり詮索しないように心がけています。
なんだけど。
昨日一緒になった日本人の派遣さんは、「ここ、なんか外人さんばっかやなぁ!」と目を丸くして、「何人なの?へぇ~可愛いなぁ。うらやましいわぁ!」などと積極攻撃に出てるやないですか。わぁぁぁぁぁ…と思って横で聞いていると、質問攻めにあっていたフィリピン人の子がスマホを出してきて子どもの写真を見せてくれたり、「夜はパブで働いてるね」なんて打ち明けてくれちゃったりもして、すげぇ…などと私は内心感心していた次第。
けれど基本的には、フィリピン人はフィリピン人同士、ブラジル人はブラジル人同士で輪をつくる。
休憩の時も、仕事の時も。
なので輪外の人には何を話しているのかサッパリ分からず、ちょっとやそっとの勇気では入っていけない。
しかも仕事中は全員がロボットになったみたいに真面目一筋になり、一言も喋らなければ表情も変えないというノンコミュニケーションぶり。いくら「私語はつつしみましょう」と貼紙がしてあるからといって、ロボットじゃないんだからさぁ…と言いたくなる。
でも、仕方ないのかなぁ。
彼らは恐らく社員が話す言葉自体を理解しているのではなく、その場の雰囲気とか、視覚的な情報で自分がどう動くべきかを判断しているんじゃないかと思うのです。
というのは、社員が説明する言葉遣いの難しいこと!
たとえば「最後はここを黙視して」とか、初めて仕事に来た外国人に「モクシ」なんて通じるんだろうか…?と私は一人でハラハラするばかり。大事なこと言ってんのに、通じてるような気がしないのは私だけか…?って。(しかも喋るの早いし!)
それでも彼らは、(たとえ日本語がたどたどしい人でも)ちゃんと言われた通りに動いているから驚いてしまう。
喋れないだけで聞けば分かる、ってことなのかしら。
だったら、むしろ日本人に対するのと同じように接する方が、フェアで良いということ…?
今日の帰り、フィリピン人のJちゃんが言った。
「別の工場はまた全然違うよ。ここはオジサンの社員が多いけど、若い人が多いところはもうちょっとイイ!」
そうか。
これから工場比較ができるようになったら、何か見えてくるものがあるかもしれないな。
ちなみに派遣バイトの時給は、人種や会社に関わらず950円のようだった。(これまた積極派の日本人派遣さん情報)
そこで派生する(もしくは一般的に派生しそうな)感情もまた、リアルに感じることができて感慨深い限り。
とにかく、しばらくがんばってみよう。
仕事はハードだけど、内容はそれなりに面白いし。社員さんも親切だし。
…そんな風に良きスタートを切れた、冬晴れの2日間でしたとさ。
(それにしても工場はめっちゃ寒かった!暖房意味無し!)
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