アジアはでっかい子宮だと思う。

~牧野佳奈子の人生日記~

若気の至りがもたらしてくれたもの。

2008-01-21 | ~2012年まじめ系の日記
今日、ついにやっちゃった! という出来事が。


遡れば早8年程前、1ヶ月の留学にイギリスに行ったときのこと。私はスペイン人のある男性に恋をした。名前はイスマエルという。
彼はとっても強引でかつとってもチャーミングでかつとってもスマートで・・・、更に母国での仕事は弁護士という女泣かせな男だった。

そんな彼と喜怒哀楽いろんな感情をぶつけ合った、ウブな女子大生にとっては忘れるに忘れられない初春の思い出は、それから5年半後の夏、再び現実として甦ることとなったのだった。

今度はスペインで、再会したのである。


そこでの思い出話はあまり美しくないので伏せておくことにして・・・、とにかく私が滞在した約1週間、彼は仕事の合間を縫っては私のために時間を割いてくれた。

場所は首都・マドリード。
首都にも関わらず決して東京みたいにせせこましくはなく、緑あふれる公園や美術館がデーンと構える街の大通りを、老若男女がゆったりと歩いてゆく。。。


旅に出ると、まるで光がフィルムに焼き付くように、はっきりくっきりと脳裏に残される光景に出会うことがあるが、マドリードでのそれは意外にもこんな一コマだった。

『イスマエルが、彼のオンボロ(高級なのかもしれないが、すこぶる汚い)乗用車を運転していたとき、赤信号で止まった隙に窓を開けて、突然、隣に停車していた運転手に声をかけ道を聞いた』その時の映像だ。


“なんちゅう社交性だ・・・。” 
私は唖然とした。
しかし聞かれた相手も特に驚く様子はなく、極フツウに対処している。
この国では、これがフツウなのか???


私は無性にうらやましかった。
一体日本では、隣の車の運転手に道を聞くなんてことを軽々しくできる人がどれくらいいるだろうか・・・。もし私がするとしたら、むちゃくちゃ勇気が要るような気がする。。。お辞儀してみても気づかれんやろうしな・・・。
そんなことを頭の中でグルグル考えながら、カラッと陽気なスペイン人の国民性や彼自身の社交性に、ますます心を奪われていったのだった。。。



と、ここまでが前談。

それで何を“やっちゃった” のかといえば、それをやっちゃったのですよ。ついに今日。
つまり、あれからずーっと私の心の一部を巣食っていた『隣の運転手への声かけ』に挑戦する日がやってきたのです!


私は道に迷っていた。場所は石川県加賀市。

「すみませ~ん! あ、ごめんなさい、あの、8号線ってどっち行ったらいいんですか?」

乗っていたのは40代程の母親と、オシャレそうな女子高生の娘だった。

「あ、じゃあ今行きますんで、付いてきて下さい。」


なに!?・・・なんて親切なっ!!!
母親は意外にも、隣で窓越しに口をパクつかせている怪しげな女を嫌煙することなく窓を開けてくれ、しかも先導を買って出てくれたのである。


夜、右も左も分からない人気のない道路で焦っていたせいだろう。今まで何度か挑戦しようとしては挫折していた私だが、特になんら緊張することなく、ついに難題を克服することに成功したのだった。
これぞ満足どうだ見てみろ!スペイン!!ってなもんだ。(なぜか急にライバル視。。)


それにしても、親切に私を先導してくれた母親こそ日本の鏡である。
これこそ世界に誇る大和魂! サービス精神世界一!と称賛したい。
お母様、本当にありがとうございました。
イスマエルには次いつ再会できるか分かりませんが、できた暁には、日本の自慢話をタンっと聞かせてやりますよ!今度こそ!!


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