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DAZN観戦 2020年J1リーグ第14節 湘南ベルマーレvsヴィッセル神戸

2020-09-09 17:08:47 | サッカー視聴記(2020年以前)

前年紙一重で残留を果たした湘南。
しかしことJ1においては、こうした瀬戸際のクラブは次のシーズンも低迷・J2降格への道を歩んでしまうのは良くある話です。(最近では磐田とか)
最も、降格が無いというのが今季の特殊なレギュレーションですが。

何せ12試合消化して勝ち点は僅か4であり、このままのペースだと二桁に乗るかどうか、という次元。
もっと言えば、前年にイレギュラーな監督交代が起こってから2勝しか挙げていない有様で、完全に前年の低迷の流れを引きずってしまっている現状です。
それでもスコア的には僅差での敗戦が多く、清水・仙台のような大量失点での大敗は意外と少ない。(前半だけで4失点した10節・横浜FC戦ぐらいか)
それが低迷ぶりを覆い隠しているという節がありますが、ピッチレベルで何が起こっているのかを観たいと思いました。

一方過密日程に苦しんでいる神戸。
他クラブでは思わぬ試合中止が見られている今季でも、それを被る事無く試合運営を行えているのは果たして良い事か悪い事か。(湘南は前節中止)
故障者も続出し、チームの象徴的存在といえるアンドレス・イニエスタは離脱中。
ただ、それを境に初瀬や小田・菊池といった若手の面々がスタメン起用される試合が増えているのが怪我の功名でしょうか。
この日も左ウイングバックに初瀬、FW(登録上3トップなのでそれに従う事にする)に小田を起用して臨みました。

キックオフとなり、立ち上がりは神戸が攻撃を仕掛けますが、そのジャブを凌いだ湘南が以降攻勢に。
前半9分にファーストシュートを放つ(中盤からのフリーキック、ロングボールのこぼれ球を岩崎ミドルシュート、枠外)と、13分に神戸ゴールを揺らします。
石原直樹が中央をドリブルし、そのままミドルシュートを放ち、GK前川にセーブされるも追加攻撃。
エリア内左にこぼれたボールをすかさず松田が中に入れ、岩崎が合わせてゴール、と思いきやオフサイド。
最初に詰めにいった反動で前に出てしまっていた岩崎、オフサイドポジションから戻り切れず、といった場面でした。

神戸もこの間に攻撃。
11分、右サイドで酒井が山口とワンツーで前進、中央に送り藤本のポストプレイから小田に渡る好機。
小田はエリア内右からシュートを放つも、惜しくもゴール左に外れてしまいました。
ともにチャンスを逃した序盤の戦い。

しかしその後は湘南はペースを失い、神戸が一方的に攻撃を仕掛けていきます。
イニエスタ不在でも、クオリティあるパス回しでポゼッションを高めていき、湘南は中々守備でリズムを掴めない展開に。

飲水タイムの後、28分は右サイドで形を作ったのち古橋がエリア手前でカットイン、そのままシュートを放ちますがゴール左に外れ。
以降もボール支配からの攻めを崩さず、41分には後方のパスワークからセルジ・サンペールがロングパスを通します。
その後クロス→クリアもセカンドボールを拾う事2度、渡部が切り込んだのち、戻しをサンペールがミドルシュート。
しかしGK谷にセーブされて実らず。

この日は初瀬がセットプレーのキッカーを担当した神戸。
前年福岡でその姿を観ただけに違和感はありませんでしたが、それから1年が経ち、J1の舞台でもキッカーを任されるようになった初瀬。
このまま主戦力に収まるのを願うばかりです。

一方押されっぱなしの湘南は、アディショナルタイムにようやくその状態から脱出。
敵陣で齊藤のボール奪取から、石原広教のミドルシュートが生まれるもGK前川がセーブ。
しかしこの一発で流れは変わり前半ラストのCK、キッカー松田のクロスをニアサイドで石原直がフリック、そして大野がヘディングシュート。
ボールは右ゴールポストを直撃し、惜しくもゴールならずと同時に前半終了の笛が鳴りました。

後半が始まり、ここでも立ち上がりは神戸が攻勢。
しかも今度はジャブでは無く、後半2分に酒井がシュート。(GK谷キャッチ)
その直後には藤本のエリア手前からのシュートがゴールポストを掠めるという具合に、湘南ゴールが脅かされていきました。
ここで目立ったのが最初の攻撃シーン、3センターバックの一角だったトーマス・フェルマーレンが、一列上がって攻撃参加を見せたのが始まりでした。
前半の神戸はCBのラインを崩す事無く、パス回しに邁進していましたが、ここに来てのこのシーンは「後半はもっと押し込んでやる」というメッセージの表われか。

湘南はこの神戸の圧力をいなしつつ、前半最後の良い流れを引き継げるかどうか。
そんな思いが、普段ポイントでしか演奏されない「ラピュタ」のチャント(主に後半の終盤に流れる)が、このタイミングでリモート応援で流れてきたのに繋がったのかは不明でしょうが、その直後にスコアが動く事に。(5分)
右CB・大岩が、自陣でボール奪取した後そのままドリブルで前進して好機。
そして石原直→松田→金子→石原広とスピーディーにボールが回り、石原広はエリア内左からダイレクトでクロスを上げ、これを頭で捉えたのは大岩。
自身が作ったチャンスをヘディングシュートで締めた大岩、結果はゴールというこれ以上ないものとなり、湘南が先制に成功します。

その後7分にも石原直がエリア手前からシュート(DFに当たりGK前川キャッチ)と、攻めの姿勢を崩さない湘南。
しかし今度はそれが拙かったか。
直後にGK前川のロングフィードが直接敵陣で古橋に収まり、エリア内からシュート(湘南・坂がブロック)。
これで一気に神戸サイドに針が振れたのか、直後(8分)の右サイドでのスローインからサンペール→古橋→酒井とパスが繋がり、酒井がカットインでエリア内に進入してシュート。
ライナーで巻くシュートを綺麗にサイドネットに突き刺し、素早く同点に追い付きました。

以降はスマートで優雅な神戸と、泥臭く粗い湘南という図式の内容に。
湘南は攻勢を掛ける神戸に果敢に立ち向かうものの、それがラフプレーに繋がってしまうのが非常にハラハラさせる要素となります。
14分には神戸・初瀬が湘南・岡本のスライディングを受け、倒れ込むシーンが。
しかし岡本が足を上げていたにも拘わらず、これで反則の笛は吹かれる事無く。(まあ先にタッチを割ったというジャッジかも知れませんが)
その後は神戸・酒井が湘南・石原直にチャージされると、両者一触即発の言い合いになるシーンも。

プレイ以外の要素でも非常に難しいゲームへと様相が変わる中、飲水タイムが明けた後は神戸がネジの巻き直しを図ります。
それは後半頭にチラリと見せたフェルマーレンの攻撃参加で、26分には流れの中での攻撃から山口がエリア内へロビングを上げた先には、いつの間にかフェルマーレンが居りヘディングシュートを放ちます。(ゴール上へ外れる)
28分にも、パスワークに加わったのち最前線へと上がる動きを見せたフェルマーレン。

そんなフェルマーレンの姿を見て神戸も落ち着きを取り戻したか、31分に絶好機。
敵陣で安井(サンペールと交代で出場・25分)のドリブルで中央突破、そしてエリア内左でラストパスを受けた小川(小田と交代で出場・25分)がシュートを放つもGK谷のセーブに阻まれます。
しかし直後のCKから湘南がカウンターを展開、これはシュートに結び付かず終わったものの、これで湘南もペースを幾ばくか取り戻し。
33分には左サイドを石原広・岩崎が突破し、石原広のクロスを石原直がボレーシュートするも神戸・フェルマーレンがブロックで防ぎます。

再び両チームが攻め合う展開となる中、湘南は松田が足を痛めて交代(平松が出場・22分)、石原広が足を攣らせて交代(田中聡が出場・43分)と被害が拡大。
終盤の決定機も、45分の湘南は古林(岡本と交代で出場・22分)の右サイドからの低いクロスに、岩崎がボレーシュートにいくもミートせず。
神戸はATに右サイドから酒井が低いクロス、小川が合わせにいくも撃てず、こぼれ球を古橋がシュートするも枠を捉えられず。
双方満身創痍ぶりが滲み出たようなシーンを作ってしまい、結局勝ち越しゴールは生まれず。
1-1で引き分けという結果に終わりました。

連敗は止まったものの、当然勝ち点を1積み上げただけでは状況は変わらず。
神戸のようなクオリティ重視のチームと相対した事で、湘南の現状が浮き彫りになった感がありました。
必死に喰らい付かないと試合にならず、その分ラフプレーや終盤の息切れも目立つ事となってしまう。
その結果善戦はするも、最後は負けてしまうの繰り返し。
この日は引き分けだったものの、神戸がベストメンバーで挑めていたら果たしてどうだったか……という懸念は拭えず。
そろそろ「湘南スタイル」に代わる、新しい要素が必要な時期なのかもしれません。

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