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DAZN観戦 2021年J2リーグ第11節 ギラヴァンツ北九州vs松本山雅FC

2021-05-04 18:11:38 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の北九州の記事はこちら(5節・群馬戦、2-0)
※前回の松本の記事はこちら(8節・甲府戦、3-3)

序盤から降格枠を巡る熾烈な争いが繰り広げられており、4クラブへと拡大した影響を嫌でも感じさせる今季のJリーグ。
早くも監督交代に踏み切ったり、公式ホームページに「お気持ち表明」と称されるメッセージを残すクラブも現れたりと、阿鼻驚嘆が聴こえてくるかのようです。

現在最下位に沈んでいる北九州ですが、ここはそんな迷走するクラブとは一線を画している感があり。
スポーツダイレクターも兼任している小林伸二監督の下、ブレない戦いを続けていく気概が低迷の最中にあっても変わらないようです。
小林氏の就任当初、元々3年後の昇格を目標としていたようですが、打って変わって1年で昇格を成し遂げたのが2019年。
1年での昇格による反動で、目標が無くなってしまい長期的視野も失われ、短絡的な思考による迷走を繰り返す泥沼に嵌り込むという事がありがちです。
それ以前の北九州は、2018年にJ3でも最下位という惨状にまで落ち込んでいたのもあり、小林氏に付いていこうという思いは不変となっているのでしょう。

前年と同様のシステマティックなサッカーを貫かんとする今季の北九州ですが、主力選手の大幅流出により成績は安定せず、特に前線のパワー不足は深刻。
この日は前年その一員であったFW鈴木が移籍した松本との一戦で、状況打破のためか新人・狩土名が初のベンチ入り。(日本とアルゼンチンのハーフ)
新人ながら背番号9を付けるというだけで期待感は相当なものと思われ、前年のエース・ディサロ燦シルヴァーノ(現清水)に匹敵する働きぶりが観られれば、ここからの浮上も十分可能であり。

前半のキックオフとなり、この日も北九州は3-1-6でのビルドアップと、前線でのハイプレスを軸にした戦い。
しかしプレッシングの方はまだしも、ビルドアップでの攻撃がスムーズにいかず苦戦。
立ち上がりは攻撃機会ではほぼ互角ながら、松本サイドの方がリズム良く攻撃出来ているようでした。

その松本、この日は佐藤和弘がメンバーから外れ、前の1アンカーで下川が左センターバック。
サイドが主戦場の下川をこの位置で起用する事で、2CB化してのビルドアップがスムーズに行えていた感があり。
前節(群馬戦・1-0)に続いての起用法で、これが松本の低迷打破の切り札なのでしょうか。

そして前半15分の松本の攻撃。
GK村山から繋いでの攻めで、右サイドで浜崎のスルーパスを受けた横山から戻され、もう一度浜崎が今度はエリア内へとスルーパス。
走り込んで受けた河合がシュートを放ち、ボールはGK吉丸の手を弾き、左ゴールポストの内側を叩いてゴールイン。
最後方からの攻撃を見事得点に繋ぎ、先制点を挙げました。

直後の北九州、六平のシュートがブロックされての右コーナーキック。
ショートコーナーから高橋がエリア内へ入れ、富山のポストプレイを自ら受けてシュートするも、GK村山のセーブに阻まれます。
反撃を見せた北九州でしたが、ここから松本が攻撃権を握り。
後方でのパスワークから、プレッシングを掻い潜るようにスルーパスを通す攻撃に苦戦を強いられます。

そんな中、晴れ間の天気でしたが、23分頃に突如スコールが降り注ぎます。
その直後に飲水タイムとなりましたが、この大雨が流れを変える事となり、以降北九州ペースの様相に。(雨は27分頃に止み、以降降らず)
27分、左サイドでのスローインから、新垣がドリブルで奥へ進入しそのままカットイン。
そしてマイナスのクロスを入れ、ニアサイドで高橋が合わせたものの惜しくもゴール左へ外れ。
31分、敵陣左サイドで富山がボール奪取して中央へ戻し、針谷がエリア内へ縦パス。
受けた高橋が反転してシュートするも、再びGK村山がセーブ。
33分には左サイドから乾のクロスに富山がヘディングシュート(右へ逸れる)、39分には新垣がミドルシュート(ブロック)と攻め立てるも、ゴールは奪えず試合は進んでいきます。

次第にペースダウンする北九州を尻目に、終盤は再び松本が攻撃。
43分、大野のパスを外山がフリックして左サイドの下川が受け、そのままドリブルからクロス。
阪野が合わせにいってこぼれたボールを横山がシュートするも、ゴール左へと外れ。
この日は阪野との2トップだった横山、動き回りボールを受けては、この場面のように積極的にゴールを狙う事も増え。
やはり前回のような1トップでは生きない人材だと改めて思わされました。
結局0-1で松本リードのまま、前半を折り返す事に。

ハーフタイムで松本が先に動き、その横山に代えて表原を投入。
シャドーで出場していた鈴木がFWへと上がり、空いたシャドーに表原が入ります。

先に主導権を握ったのは北九州。
後半3分に中盤で乾のパスカットから、富山のスルーパスを受けた高橋が下川に倒され反則、良い位置での直接フリーキックとなります。
右ハーフレーン・エリアからすぐ手前という位置から、高橋が直接狙いシュートするも、壁上部に当たってゴール上へ外れ。

その後も攻勢に出る北九州ですが、相変わらずビルドアップはあまりスムーズにはいかず。
敵陣でのボール奪取からの好機が目立ち、ショートカウンターを仕掛けようとするも、結局シュートに結び付けられず時間を浪費していきます。
そしてペースを失い、松本へ流れが移るという前半終盤のような展開に。

15分過ぎから攻撃権を独占する事となった松本。
浜崎のミドルシュート(15分・GK吉丸キャッチ)で幕を開けたものの、その後はスコア的なアドバンテージも活かす攻撃。
サイドから裏へロングパスを送っても、クロスは送らずにボールを繋ぐ攻撃を見せ始め、相手に焦りを与えるような姿勢を取っていきます。
そしてそのまま飲水タイムが挟まれ(23分)、ここで松本は2枚目のカードを切り、浜崎→田中パウロ淳一へと交代。(外山が左ウイングバック→右WBへシフト)

流れを変えたい北九州。
ブレイク明け、松本が先にシュートを放った(下川がクロス気味のシュート・GK吉丸キャッチ、25分)ものの、直後の攻撃。
最終ラインでのパス回しから河野がロングパスで打開し、受けた平山から富山→高橋と繋ぎ、高橋が右サイド奥へスルーパス。
走り込んだ本村がクロスを入れると、これが直接ゴールポストを叩くボールとなり、エリア内右へ転がった所を高橋が拾い再度クロス。
ファーサイドに上がったボールを、乾が合わせヘディングシュート。
松本・外山に付かれていたものの、体制を崩しながらも放ったシュートはループの軌道で右サイドネットに突き刺さる同点ゴール。
北九州らしい、最終ラインからの繋ぎが実を結んでの得点となりました。

勢いづく北九州、ここで2枚替えを敢行。
2トップを揃って代え、平山・富山→前川・狩土名。(4-2-3-1へシフトか)
期待の狩土名が投入され、プロ初出場となります。

33分には左サイドでパスを繋いで前進し、乾が早めのタイミングでクロスを入れると、エリア手前の位置で狩土名が収め。
そしてエリア内へロブを送り、前川が受けるもシュートは撃てず。
早い段階で狩土名へ入れるという思惑が現れたシーンとなりましたが、有効打とはならず。

ややオープンな展開となり、1分間にお互い攻撃権を得るというシーンが連続で見られたこの時間帯。
双方ベンチの動きも活発になり、34分には北九州が新垣→斧澤へと交代。
36分には松本が阪野・河合→戸島・小手川へと交代。

共に勝負手らしく、交代選手を活かす攻撃を繰り広げます。
37分の北九州、右サイドから六平のロングパスで斧澤をエリア内へ走らせるものの、GK村山が抑えて繋がらず。
そして38分の松本の攻撃。
左サイドでスローインを受けた下川、そのままロングパスを送ると、エリア内で戸島がポストプレイ。
そして待ち構える鈴木が中央やや左・エリア手前から果敢にシュートを放つと、左ゴールポストを叩いてゴールイン。
勝ち越し点は、鈴木が古巣への恩返し弾というドラマティックなものとなりました。

一方、試合前「絶対に決められたくない」とまで言っていた相手に決められてしまった北九州。
終盤を迎え、ボールを握って攻め上がるものの、運気は既に残っていませんでした。
守りを固める相手を崩す事が出来ず、フィニッシュにすら辿り着けずに時間が進んでいきます。(44分に本村・六平→生駒・永野へと交代)

アディショナルタイムには、とうとうロングボールを放り込む体勢しか取れなくなり。
一度高橋の右手前からのクロスがエリア内へとこぼれ、河野がシュート体勢に入ったもののクリアされた場面が見られたぐらい。
最後までシュートは撃てず、試合終了の時を迎えました。

最下位脱出はならなかった北九州を余所に、連勝で一気に降格圏を脱した松本。
冒頭で述べた「お気持ち表明」を挙げた代表的なクラブとなっていましたが、そこから何とか結果を出す事に成功しました。
所謂「背水の陣」のような恰好となりましたが、今後も予断は許さない状況だけに、その効果は何時まで続くでしょうか。

コメント
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