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DAZN観戦 2021年J2リーグ第14節 FC町田ゼルビアvsアルビレックス新潟

2021-05-21 16:26:10 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の町田の記事はこちら(7節・京都戦、0-1)
※前回の新潟の記事はこちら(8節・金沢戦、1-0)

未だ無敗を続けている首位・新潟。
スペイン人である監督のアルベルト・プッチ・オルトネダ氏の下、J2の無敵艦隊の如き存在と化していましたが、前節(松本戦)は初の無得点でスコアレスドロー。
その試合を含め、今季の3引き分けの相手を見ると、松本の他は相模原(2-2)・栃木(2-2)。
いずれも球際の激しさに特徴あるチームであり、そしてこの日の相手は町田。
まるで図ったように……という事は無いでしょうが、大きな壁として立ちはだかる事となりました。

町田の本拠地である町田GIONスタジアム、晴れてこの日から、改修を行っていたバックスタンド席を解放。
文字通りの「新たなスタート」となり、町田サイドが勢いづくのに一役買っていたのでしょうか。

試合が始まり、開始直後に攻め込み右サイドからスローインを得た町田。
投げ入れた奥山がリターンを受けて右サイド奥からグラウンダーでクロスを入れ、ニアサイドで受けた吉尾からさらにマイナスのクロス。
これがエリア外へ流れるも、後方から走り込んだ三鬼が果敢にミドルシュート。
強烈なグラウンダーのボールがゴール右へと突き刺さり、開始1分という電光石火の先制点を生み出しました。

早々に得点を許してしまった新潟。
反撃を試みようと、いつものようにボールポゼッションに趣を置いた攻撃を敢行。
しかし町田のプレッシングが強烈で中々ボールを前に運べず、持ち味を発揮できません。
こうなると頼みはオートマティックな形であり、「最終ラインから左サイドへ渡し、堀米から本間に繋げるも、戻したのち舞行龍ジェームズが右サイドへロングパス」という繋ぎを見せたのが前半6分。
これと同様の形を14分にも見せ、「マニュアルをなぞる事で落ち着きを取り戻す」という感がありました。

それもそのはずで、新潟サイドをさらに慌てさせる追加点が入ったのが11分。
今度は左からのスローインでしたが中央→右へと展開され、再び吉尾から今度は高いクロス。
中央に落ちる所を太田が足で合わせると、またも新潟ゴールが揺れて2点目。
シュートブロックした舞行龍によってコースが変わるという不運もあり、まさかの2点ビハインドという状況に陥ります。

その後16分に舞行龍が町田・中島との競り合いで反則・FKを与えてしまうという一幕があったものの(FKは平戸が直接シュートも壁に当たる)、上記の通りマニュアルをなぞった効果か、以降は新潟がボールを支配。
「丁の字型」の最終ラインでボールを動かしつつ、スルーパスや本間のドリブルを絡めて好機を演出していきます。
しかし肝心のシュートには中々辿り着けず。

飲水タイムが挟まれたのが24分で、尚も主導権を握る新潟ですが、町田のプレッシングは依然激しく27分にはパスミスでボールを奪われるシーンが。(ここは町田サイドもシュートには行けず)
またショートパス主体の新潟に対するアンチテーゼなのか、町田がボールを握っての攻撃では選手間の距離を長く取り、グラウンダーで長いパスを繋いでいきます。
34分には水本の中央→右への長いパスから、受けた吉尾が長谷川アーリアジャスールとワンツーで前進、右サイド奥で繋いだのち中央→左サイドへ。
ここからボールを持った太田がカットインを見せるも新潟・島田に奪われ、おまけに島田を倒してしまい反則・警告を受ける事に。
攻撃の際も激しいデュエルを厭わないという姿勢を見せましたが、太田はその後の43分、新潟・藤原をアフターで倒してしまい再び反則。
警告相当(+2枚目で退場)になっても可笑しくない場面でしたが、ここは何とか命拾い。

新潟はボールを握るも、依然としてシュートは放つ事無く時計は進み。
いつものように左サイドでポジションチェンジを頻繁に行い、相手を揺さぶらんとしますが、中々決定機を生み出せません。
逆に町田は39分、サイドチェンジも絡めて揺さぶったのち、中央から長谷川アーリアのミドルシュートが放たれますがゴール上へと外れてしまいました。

44分の新潟、千葉の右サイドへのロングパスが繋がったのち、高木が奥へ進入してクロス。
そして中央で鈴木がボレーシュートを放つも、GK福井がダイブしてキャッチ。
ようやく初のフィニッシュに持ち込みましたが、依然として差は2点のまま。
その後町田の攻撃の最中、ポストプレイをする中島を舞行龍が倒してしまい、アドバンテージが取られて攻撃終了したのち警告を受ける破目に。
町田は太田、新潟は舞行龍と、繰り返し反則が目立つ事となった前半。
2-0から動く事無く、前半終了の笛が鳴り響きました。

結局前半はシュート1本に終わった新潟。
前節もポゼッションで大きく上回りながら、シュートは全体で6本という少なさでした。
しかしこの日は追い掛ける立場となったのが効いたか、後半立ち上がりは目の色を変えたようにシュートを撃ちまくる事となります。

後半3分、左サイドで堀米がグラウンダーでクロスを入れると中央で谷口が合わせシュート。
ブロックされて左コーナーキックを得ると、キッカー高木のニアへのクロスを舞行龍がフリックのようにヘディングシュートするも、GK福井のセーブに阻まれます。
6分には敵陣で島田がパスカットに成功すると、本間のエリア内左へのスルーパスに走り込んだ堀米からグラウンダーのクロスが入り、中央で本間が合わせシュート。
しかしこれもGK福井が足で止め、ビッグセーブ連発の前に得点を奪えません。

町田ベンチは、立て続けにシュートを浴びる事を重く見たのか、7分に早くも2枚替え。
中島・太田→ドゥドゥ・岡田へと交代し、フレッシュさを与えます。
または太田が警告を受けていた事への考慮もあったでしょうか、ところがその思惑とは裏腹に、11分にドゥドゥが新潟・島田に反則を犯し(綺麗に足を刈ってしまった)警告を貰う破目となります。

前半とは違い、本間がハッキリと中央の位置でプレーしていた新潟。(トップ下だった高木が入れ替わりで左サイドハーフへ)
立ち上がりの攻勢は落ち着きを見せるも、辛抱強く攻撃を重ねていきようやく実ったのが17分。
最終ラインでの繋ぎから、本間が右へ流れボールを受けたのち中央へ縦パス、これを谷口がポストプレイで繋いで好機。
受けた高木はシュートにいくも島田と被ってしまった事でパスへと切り替え、エリア内右で受けた藤原のクロスがブロックされ、こぼれ球をエリア内左で拾ったのは堀米。
角度のキツい場所から果敢に撃つと、ニアサイド上部を打ち破る強烈なシュートとなりゴールに突き刺さり。
1点を返した新潟、試合の行方は全く判らなくなりました。

一方の町田、中島というターゲットが退いてからも、ロングボールを配給する事は止めず。
主に左右のサイドハーフ狙いのボールで組み立て、奥深くからクロスを上げる攻撃を第一とします。
そこからCK攻勢を得たのが20分で、2本目にはクリアボールを高江がミドルシュートを放ちますが、エリア内でブロックされ3本目のCKへ。
その3本目、キッカー平戸のクロスが直接ゴールに入るも、その前にエリア内で新潟選手が倒れた事で反則となり3点目はなりません。
また22分には、中盤でスルーパスに反応しようとしたドゥドゥが、舞行龍と激突し倒れてしまい舞行龍の反則に。
これも場合によっては警告が出ても可笑しくない場面でしたが、先程の太田への配慮を考慮してかカードは出ず。
デュエルの激しさで荒れ模様の試合だったので、退場者を出す事で更なる混沌を巻き起こすのを避けたジャッジとなったでしょうか。

直後に飲水タイムが挟まれると、両サイドともに選手交代。
町田は吉尾→酒井へと交代し、三鬼が左SB→右SHへシフトし酒井が左SB。
新潟は島田・鈴木→星・三戸と2枚替え。
ボランチが一枚退いた事でどうなるかと思われましたが、どうやら4-1-4-1という布陣だった模様。
ボランチは高一人となりましたが、これで守備時は高が降りての5バックに。
攻撃時はというと、最終ラインは3枚では無くセンターバックのみの2枚となり、その前に高。
そしてインサイドハーフの星・高木が降りてきてボールを受ける、という基本形をとるビルドアップ。

しかし効果は思った程出ず、逆に好機を作れなくなる新潟。
35分頃から再度形を変え、高が最終ラインに降りて後ろ3枚での基本形に戻し、高木が疑似的なボランチのようになり。
これで流れを復活させ、36分には長いパスワークから本間スルーパス→星左からクロスという形を作るもシュートは撃てず。

直後に町田、高江が足を攣らせるという事態が発生します。
一旦ピッチから出され、すぐに復帰するも、ベンチは交代の準備。
その要員が鄭大世(チョンテセ)という事で、傍らから観て戸惑いましたが、新潟の長いパス回しでの攻撃を何とか凌いだのち41分に交代となります。
やはり高江→鄭は変わらずで、長谷川アーリアがボランチに。
しかしそれだけに止まらず、3-4-2-1のフォーメーションに変形し5バックのシステムによる逃げ切り体勢へ。
酒井がCBへと回り、三鬼が左サイドへと戻る(左ウイングバック)事で穴熊を作ります。

新潟は圧倒的にボールを支配するも、町田の堅い守りの前に、シュートは38分に高木がエリア内左から放った(GK福井セーブ)のみ。
町田の交代策以降は全く放つ事が出来なくなります。
そして鄭というターゲットが出来た事で、クリアボールを収める事で時間を使う事も出来るようになった町田。

44分に新潟も最後の交代枠を使い、藤原→矢村に交代。
前線の選手が過剰に投入され、また常時町田陣内で密集するので布陣も確認し辛かったですが、三戸が右WB・堀米が左WBの3-4-2-1に見えました。(シャドーに本間と矢村?)
敵陣でボールを繋ぎまくるも打開する事は出来ず。
アデイショナルタイムには舞行龍が前線に上がり、パワープレイに賭ける姿勢を取ったものの、やはり1点が遠く。

そして試合終了を迎え、町田選手はピッチ上で歓喜の輪を作るなど、優勝したかのような喜びぶりを見せる事に。
新潟という無敵艦隊に初の敗戦を味合わせたのは紛れもない事実であり、それに辿り着くまでの苦難を考えれば納得のシーンであったでしょう。
スタメンの段階でいつもとはSB(奥山・三鬼)の位置を逆にするなど、新潟対策を試合前から考えに考えたのが報われた格好となった町田。
これで上位3クラブ(新潟・琉球・京都)は大混戦となりましたが、町田も6位に浮上と、その輪に加わるのが不可能では無い位置にまで辿り着き。
丁度リーグ3分の1の地点は、上位陣がどう推移していくのかの分岐点となりそうです。

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