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DAZN観戦 2023年J1リーグ第7節 アビスパ福岡vs京都サンガFC

2023-04-12 16:59:08 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

前年の残留争いとは打って変わって……といえるかどうかはまだ不明な序盤戦。
とは言っても今季の降格枠は1のみなので……というのは連呼し過ぎか。
そんな状況同士、既に3勝を挙げている福岡と京都の対戦。

それでも、敗戦数でも1敗のみという福岡の方が出色の出来であり。
今季は基本フォーメーションを3バックで貫いている(3-4-2-1)との事で、その成果か守備の安定化は目覚ましく。
得点は6試合で6と同数ながら、負けない戦いが出来ているのが大きいでしょうか。
しかしこの日は一転して、4-4-2と布陣を変更して臨みました。

前半の立ち上がり、お互い相手の強度をかわすようにロングボール中心の立ち回り。
その中でも京都は、前半3分に中盤の位置で(松田が)反則を受けると、遠目からにも拘らず放り込みを選択するなどその割り切りは徹底されており。
このやや左からのフリーキック、エリア内右へのロビングをパトリックが折り返し(こぼれ球をクリアされて撃てず)としっかり形にした京都が、相手を自分のペースに巻き込んだという印象の序盤戦となりました。

その後右サイドから、長短どちらもくまなく使った攻撃で押し込む京都。
「短」は、盛んにオーバーラップする白井が高目でパスを引き出して奥を取り。
「長」は、自陣からのスローインでターゲットとなるパトリックのフリックを軸に一気に敵陣へ切り込み。
福岡はその圧に押されながら何とか攻撃を切るものの、副産物であるコーナーキックも膨らむ苦しい時間帯を強いられます。

悪い流れを払拭したい福岡、16分にクリアボールを中村のポストプレイを経て前が拾うと、そのまま中央遠目からシュート。(枠外)
果敢なフィニッシュで振り払わんとする姿勢を見せると、直後の17分に今度は京都が、ロングパス→パトリックの落としを経て木下が遠目からシュート。(枠外)
お互いにロングシュートを撃ち合う珍妙な絵図となり。

それにより流れが変わる期待を抱く福岡でしたが、20分に京都が再び遠目からのFKでの放り込みによる攻撃。
一旦は跳ね返すも京都サイドが拾い、今度は白井がエリア内へ放り込むと、井上の折り返しを尻目にアクシデントが発生します。
ボールの行方を追っていたパトリックとグローリが頭部同士で激突、まともにパトリックの後頭部を受けてしまったグローリがダメージ深く倒れ込む事態となってしまい。(パトリックは割と直ぐ起き上がる)
2分程かけて何とか立ち上がるグローリ、鼻から出血もあったらしく、ピッチ外で治療を受けてプレーを続けます。

痛々しいシーンながらも、これにより京都ペースは途切れた感があり。
その後福岡がセットプレーから攻勢、25分に左サイドからのFKで、ルキアンがヘディングシュートを放つもパトリックが頭でブロックして防ぎ。
27分のCKでは湯澤がヘディングシュート(枠外)と、折り返しメインの京都とは対照的に、ダイレクトでフィニッシュする事が目立った福岡。

こうしてセットプレーからの好機がお互い続くうちに、福岡サイドも30分に自陣からのFKで放り込みを選択するなど、その姿勢に拍車がかかる試合展開。
流れの中からでは、どうしてもプレッシングにより最終ラインからの繋ぎがままならないので、強引な放り込みに舵を切るのは半ば想定済みといった両クラブ。

先程負傷したグローリですが、再びその危惧に巻き込まれたのが33分。
自陣から木下が巧いトラップからドリブルで持ち込む京都、こぼれた所を拾わんとしたグローリ、今度は木下のスライディングで足を削られる事態となってしまいます。
倒れ込むグローリを余所に、犯行?側の木下が足裏を向けていたため、退場となるかどうかのVAR判定が行われるスタジアム。
そしてOFRにまで持ち込まれ判定結果が下される、木下にとっては緊張の一幕となりましたが、主審(福島孝一郎氏)が突き出したカードは黄色で何とか命拾い。
一方のグローリも無事に起き上がり、11対11のまま試合は続きます。

その後も43分に佐藤響のミドルシュートを頭部でブロックしたルキアンが倒れ込むなど、負傷交代の危機といったシーンが続発する試合絵図。
その影響で長くなったアディショナルタイム、序盤で再び京都がFKで放り込みによる攻めを見せるも、クリアした福岡がカウンターで紺野が右からカットインを見せるシーンを作り。
ここからはフィニッシュに繋げられずも、これでペースを奪った福岡が以降攻撃権を独占するに至り。
最後はまたもFKから、中村のクロスを小田がヘディングシュートに持っていきましたが枠を捉えられず。
結局前半はスコアレスで終了となりました。

ハーフタイムで動いてきたのは京都で、山田→一美へと交代。
3トップ全てがフィニッシャータイプへ傾倒といった京都の布陣ですが、この交代でそれをさらに固定化させるに至ったでしょうか。最も純正なウインガーは絶滅種族っぽいですが
早速の後半1分に、パトリックが左ワイドでスルーパスを受けるという具合に、ファーポストが両方ともに控えた利点を活かす攻撃を見せ。

一方の福岡、紺野の跳梁する右サイドを橋頭堡として反撃。
3分に前進からのカットインで右ポケットを突いた紺野、奥へのスルーパスを選択して走り込んだ湯澤のクロス。
京都サイドは意表を突かれたか、クリア出来ずにバウンドしたボールをファーサイドでルキアンがシュート。
さらに中央の山岸に当たるというイレギュラーが加わりましたが、GK太田は動じずにコースが変わったボールををキャッチ。

その後6分にもワイドからカットインを仕掛けた紺野、エリア内からのシュートがブロックされたのちに再び一悶着のシーンが生まれます。
呼び起こしたのはまたも木下の左サイドのドリブルで、カウンターに入りかけた所を前が追走した結果、木下の振った腕が前の顔に入ってしまい反則に。
倒れ込む前を尻目に、既に警告を受けている木下への注意を綿密に行う主審と、カード(並びに退場)をアピールする福岡サイドといった絵図。
結局カードは出されなかったものの、事態を重く見た京都サイドは、今後の退場を避けるべくすかさず木下→豊川へと交代しました。(一美が左サイドに回る)

カードを切る事を余儀なくされたような京都でしたが、再びセットプレーの好機に持ち込んだのが9分。
しかも今度は右サイド奥まで攻め込み、白井のボールキープが(小田の)反則を誘うという形で、クロスには絶好の右奥という位置からのFK。
キッカー福岡慎のクロスはクリアされるも、一美が拾って今度は逆サイドでボールキープし、佐藤響が手前から角度を付けたクロス。
これを豊川がフリックで流すと、ファーサイドでパトリックが足でシュート。
それはまさに「合わせただけ」な格好のシュートでしたが、GK永石は反応できずゴールネットに突き刺さり。
放り込みの姿勢がついに実り、京都がリードを奪う事に成功しました。

アクチュアルプレーイングタイムの少ない試合展開で、ビハインドとなった福岡は苛立ちが隠せず。
15分には自陣で反則を受けてプレーが途切れると、ポイントから離れなかった佐藤響を前が押し倒してしまうというシーンも描かれます。

紺野の居る右サイドに比べ、左での押し込みが不足といった攻撃陣。
その影響か、20分に最初のカードを切り金森→鶴野に交代、FWに入った鶴野により山岸が左サイドハーフへと回ります。

一方の京都、先制点により落ち着きを得たか、以降も白井の切り込みやパトリックのフリックといった手段で攻撃。
しかしパトリックが疲労のためか、ハイボールで競り負けるシーンが目立ち始め。
これにより後方からのロングボールによる攻撃は成り立たなくなります。

有利な条件を得た福岡ですが、ハイプレスからミドルプレスへと切り替えた京都に対し中々攻撃の形を作れず。
最終ラインはボールを持てるようになるも、一度前方へ送ればすかさず取り囲まれるという状況に難儀を見せる事となり。

そうして時間が進んでいき、ジョーカーとしてウェリントンを用意させていた矢先の30分。
先程手を打った左サイドからの攻撃が嵌り、上がって奥を窺わんとした小田から前→ルキアンと経由して中央へ。
ペナルティアークでトラップして浮かせたルキアン、そのまま浮き球をエリア内へ入れる選択をすると、これが眼前でチェックに入っていた麻田の右腕に当たる事となり。
こぼれ球をシュートした前を尻目に、ハンドの反則を告げる笛が吹かれると、京都サイドの猛抗議を受けるなか再びVARチェックの時間に入ります。
ハンドかどうか→その場がエリア内かどうかという二重のチェックを経て、主審の福島氏が下した判定はPK。
絶好機を得た福岡、キッカーはそのPKを呼んだルキアン。
これを冷静にゴール右へと蹴り込み、GKの逆を突いて見事同点弾を齎します。

追い付いた福岡ですが、ウェリントンの投入は止めず。
紺野と交代し、これで4トップかと錯覚するようなメンバー揃いましたが、実際には鶴野・ウェリントンの2トップに山岸がトップ下、ルキアンが右SH。
そして前が左に回り、4-1-3-2という現代ではややレアなフォーメーションを採ります。
一方の京都も、同時に福岡慎→アピアタウィア久へと交代し、3-4-2-1へとシフト。

双方布陣変更を交えた交代となりましたが、いかにも前掛かりな姿勢を採った福岡の勢いは止む事無く。
37分に左サイドでウェリントンが収めて起点となり、スルーパスで奥を取った小田がCKをゲット。
ターゲットも増えて絶好のセットプレーといった福岡(CBの一人の奈良は後方で控えている事が多かったこの日)、キッカー中村のクロスが中央へと上がり。
アピアタウィアを外し、ノーマークの状況を作ったウェリントンが綺麗にヘッドで合わせると、DFに当たりネットに突き刺さるボール。
期待に見事過ぎる程に応えたウェリントンにより、逆転を果たした福岡。

喜び一色というホームチームを尻目に、追う立場となってしまった京都。
40分に最後の交代を敢行すると、投入したアピアタウィアをインアウトさせるという手段を採り。
三沢と交代、同時に松田→谷内田へと代え、これによりフォーメーションを4-1-2-3へと戻す選択をしてきました。

手は打ったものの、ピッチ上ではベンチのその意気込みに応える事が出来ず。
既にパトリック狙いのロングボールは無効と化し、後方から組み立てようとすれば、ここに来て強さを増す福岡のプレッシングに苛まれ。
41分には寄りによって自陣深めの位置で鶴野にカットされると、そのまま左ポケットへ切り込んでシュートを放つ鶴野。
GK太田が横っ飛びで何とかセーブしたものの、同点を狙いにいく余裕すら無くなる京都。

福岡の最後の交代は45分、山岸→三國ケネディエブスで、それにより普段の3-4-2-1へとシフト。
以降も敵陣で果敢にプレッシングを掛けていき、マイボールの際はサイド深めに持ち込んでキープする姿勢で時間を使う立ち回り。

最早これまでといった京都ですが、ATの最終盤にスローインから右サイドを前進していくと、川崎がカットインでエリア内を急襲。
そして出された横パスを豊川がシュートと、針の穴を縫うように好機を作ったものの、GK永石のファインセーブでモノに出来ず。
直後のCKでのクロスが掻き出された所で、試合終了の笛が鳴り響きました。

決して高くない得点力の中、胸すく逆転勝利で4勝目を挙げた福岡。
ここまでは恒久的なJ1定着の足掛かりを築くには十分すぎる成績ですが、果たして毎年残留を目指すだけのシーズンからの脱却はなるかどうか。


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