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DAZN観戦 2024年J2リーグ第6節 V・ファーレン長崎vsヴァンフォーレ甲府

2024-03-28 16:01:05 | サッカー視聴記(J2)

※前回の長崎の記事はこちら(2節・仙台戦、1-2)
※前回の甲府の記事はこちら(3節・栃木戦、1-2)

<長崎スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 新人のモヨマルコムが(前年の特別指定選手時代を通じて)初のベンチ入り。

<甲府スタメン>

  • 野澤がJ3・岐阜へレンタル移籍となり、4節(山形戦、1-0)をもって登録抹消。
  • 4節で負傷したGK河田の詳細が発表され、全治4週間との事。
  • 新人の井上が(2018~19年の特別指定選手時代を通じて)初のベンチ入り。

開幕2戦目でその出だしが危ぶまれた長崎ですが、その後3連勝と逆説的に結果を出す事に成功。

以前に比べて点取り屋属性が強くなったフアンマをスーパーサブへとチェンジ。
前進し易くする措置らしき采配が伺えるものの、3連勝の間は全て相手よりボール保持が低いというデータを残しており。
3節・清水戦(4-1)では明らかにロングボール攻勢へと舵を切った結果らしく、スタイル云々というよりは「とりあえず勝ち点を稼ぎ勢いを付ける」と割り切った感じとなりました。

この日の相手は甲府。
3連戦の最終日に相応しくスタメンを5人入れ替えて臨んできたのに対し、長崎は変更無しと大きく差異が付いた試合前。
そしてそれが長崎の内容にも変化を齎したでしょうか。

前半2分、甲府は最終ラインで繋ぐ姿勢から孫ミドルパス→飯島胸で落とし→アダイウトンと緩急をつけ、飯尾の反則気味のアタックでこぼれた所を飯島が拾い継続。
そしてパス&ゴーでウタカのスルーパスに走り込みと、一転して急を強めた敵陣での攻めを展開しましたが、このパスがカットされて実らずとなり。

メンバー的に不安を抱える甲府に対し長崎が採ったスタイルは、地上から繋いでの攻撃がメイン。
大ベテランのウタカがスタメンになった影響か、立ち上がりは殆どハイプレスには出て来ない甲府。
2トップ(守備時は飯島が前に出ての4-4-2)はアンカー・秋野を切る意識が強いものの、緩急をつける事で巧く秋野を使いボールを運びます。

5分、右サイドから新井が持ち運ぶ事で、出て来たウタカに倒されながらも秋野にパスを通し。
そして秋野縦パス→ジェズス左へ展開を経て左サイドから攻撃、笠柳がカットインの姿勢からエリア内中央へパスを送ると、加藤のポストプレイを経て自らシュートを放つも枠を大きく外し。
12分には微妙に前に動く事で飯島のコース切りを外した秋野、新井のパスを受けて持ち運び左へとパス。
戻しを経て再びジェズスへ(田中の)縦パスが通り、左サイドから前進の道筋を作ります。(米田が持ち運んで奥からクロス)

普段はハイプレスが売りの甲府ですが、コンディションを考慮してのメンバー変更という思惑(前節は強風による思わぬ中断で試合終了時間も長引く事に)から、長崎のビルドアップを阻みにいけず。
反対に2分のように、自らボールを繋ぐ意識も普段より高めんとしていた感があり。
何とか相手の攻撃機会を減らして負担減を図りにいったものの、最終ラインでのパスミスも散見した(14分、今津のパスがズレてラインアウト)のもありそれは果たせず。

そんな訳で、面白いように長崎が地上でパスを繋ぎ前進する下地が整い。
エジガルが降りる事で縦パスを打ち込む余地も多く、敵陣での崩しも満足いくものとなり。
22分田中→エジガルへの縦パスを契機としての前進から、加藤がエジガルとのパス交換を経てミドルシュート。
今津にブロックされるも尚も繋ぎ、左から笠柳の仕掛けでポケットを突くという具合に縦横無尽の攻撃。
その後横パスを受けた加藤がディフェンスに遭いコーナーキックと、甲府サイドを押し込み続けます。

しかし待ち受けていたのは甲府のカウンター。
このCKでのクロス(キッカーは増山)、クリアが浮いた所をGK渋谷にキャッチされると、すかさず投げられたボールを受けた関口が左サイドからドリブルで逆襲。
そしてエリア内へスルーパスが送られると、蓋をしにいった飯尾と前に出たGK原田の間に入り込み足を出すアダイウトン。
超スピードによる綺麗なワンタッチシュートをゴールに突き刺し、電光石火の先制点を齎しました。

長崎にとってはまさに一寸先は闇というに相応しい一幕ですが、その前の19分にも、甲府は右スローインから少ない手数でフィニッシュに持ち込んでおり。(スローイン→ウタカ胸で落とす→鳥海カットインからシュート)
GK原田のセーブで難を逃れていたものの、あまりにボールを握れるためカウンターへのケアが抜け落ちてしまったと言われても仕方ない失点でした。

一方得点により甲府は一息つけるようになり、試みられていたボール保持も安定性を増し。
長崎の「2センターバック+アンカー」とは対照的に、ボランチ一枚が降りて3枚の最終ラインの形がメインでの繋ぎ。
それ故にサイドバックが高い位置を取れるのがデフォルトとなりますが、空きがちのハーフレーンをどうカバーするかが肝となり。
この面で甲府は前年のような、蓮川(現清水)の持ち運びという目立つ武器を失っている(もう一人持ち運べるマンシャは出番が安定せず)ため、サイドハーフが下がり目で出口となる位置取りをするのが主となりました。
そのため、アダイウトンがSB(小林)より低い位置で構える絵図には若干の違和感が。

甲府は(コンディション面もあり)無理に攻めない体勢へとシフトしたため、フィニッシュが生まれずに推移する試合。
その中で、三沢が頭部に秋野のチャージを受けて出血(反則・秋野に警告)し治療を受けたり、新井が飯島と激突して腹部を痛めたりと目立つのはアクシデントの要素。

ようやく長崎が自我を取り戻したのが40分台。
41分右からの前進ののち加藤が低い弾道でサイドチェンジを通し、そこから笠柳が仕掛け。
カットインで左ポケットからシュートを放つも、GK渋谷のセーブに阻まれ。
44分にはスローインからの攻めで一旦戻し、中央から秋野縦パス→エジガルポストプレイで一気にエリア内を突き、受けた加藤がシュート。(GK渋谷セーブ)
アディショナルタイムにも、数本の繋ぎから新井がエリア内へロングパスを送ると、左ポケットで収めたエジガルがシュート(GK渋谷キャッチ)と攻め立て。
しかしいずれも渋谷に防がれ、攻撃の流れは順調ながら、1点が重くのしかかる展開を強いられます。

結局このまま前半が終了。
ハーフタイムで、痛んだ影響か新井が交代となり、瀬畠を投入した長崎。

迎えた後半の立ち上がり、甲府が例によって助っ人を活かす攻撃。
後半1分に今津のロングパスを収めたウタカから、左サイドでアダイウトンが持つものの突破では無くエリア内へ浮き球パス。(クリアされる)
3分にも三沢の縦パスを左サイドで受けたアダイウトンですがサイドチェンジを選択(その後ウタカのポストプレイから繋ぎ鳥海がミドルシュート、GK原田キャッチ)と、意外にもスピードストライカーらしくない振る舞いが目立ち。
といっても自らの突破というよりは、裏抜けが強烈なタイプなので、ベテランの域で更にその色が強まった結果でしょうか。

しかしそのアダイウトンの推進力により、長崎に更なるアクシデントが襲い。
敵陣右サイドでボールを拾おうとした飯尾が、アダイウトンに強烈にチャージされてしまい、ピッチ外まで転がって倒れ込み。(反則は無し)
そのまま動けず続行不能に陥ってしまい、早くも2度目の交代を余儀なくされる事となりました。
投入されたのはモヨマルコムで、初のベンチ入りで早速出番が訪れ。(同ポジションでの交代)
そして同時にエジガル→フアンマと、切り札も早めに投入します。

その直後(7分)にウタカがドリブルで切り込んで左ポケットから浮き球でマイナスのクロス(飯島が合わせるも威力無くGK原田キャッチ)と脅かされるも、何とか反撃体制を作る長崎。
GK原田が2トップの間を通して秋野へ渡す等、2節の時は覚束なかったビルドアップも大分洗練された感じとなり。(単に仙台とこの日の甲府の強度の違いという要素もあり)

CKから、ショートコーナーを経て加藤がミドルシュート(9分、GK渋谷セーブ)と、有効打も放ち続け。
それ故甲府ベンチも動き、飯島・ウタカ→マンシャ・ゴンザレスへと2枚替えを敢行したのが11分。
トップ下に代えてCBを投入した事で、3-4-2-1へシフトと早くも守備を固める姿勢を見せた篠田善之監督。(マンシャが3バックの中央に入る)

しかしこれにより後ろ重心となる甲府。
尚も長崎に押し込まれ、12分には秋野の縦パスをエリア寸前で受けたジェズスが三沢に反則を受けた事で、絶好の直接フリーキックとなり。
横位置は左ハーフレーンで、狙うのは反則を受けたジェズスでしたが、放たれたシュートは壁を直撃。
16分にも、右からジェズスがカットインする所をアダイウトンに倒されて反則と、劣勢さが目に見えるようになり。
このFKはクロスを選択し、跳ね返りを確保したのち笠柳がミドルシュート、ブロックされるもさらに増山がミドルシュート(木村がブロック)と連撃を放つ長崎。
21分にも敵陣での崩しを図る長崎、米田の横パスをペナルティアークで受けた増山が、木村に反則を受けてまたもエリア目前からの直接FKに。
しかし近すぎるという要素も加わるこの位置から、選んだのは秋野の蹴り出しを挟む事で、その後放たれたジェズスのシュートはゴール左へと外れ。
折角のFKも、モノにならずに時間は進んでいきます。
この直後に甲府は木村・アダイウトン→林田・宮崎へと2枚替え。

やはりエジガルに比べ、前線で張っている割合が多いのがフアンマであり、時間も押し進み彼にボールを託す攻めを目立たせる長崎。
25分には最終ラインでプレッシングをかわしての前進から、秋野のミドルパスをエリア内で受けたフアンマ。
しかし右へ流れたのちヒールパスで戻しと、自らの存在を逆手に取るプレーを見せましたが、後方の増山の前でクリアされて実らず。
かと思えばその直後(同じく25分)、左ポケットへ切り込んだ笠柳が切り返しからシュートを放ち、惜しくも右へと外れたシーンには「パスをよこせ」というようなジェスチャーを示すフアンマ。
それはともかく、この日は果敢にフィニッシュを狙っていた笠柳でしたが、松澤に差をつける評価を一新させるゴールは奪えず仕舞いとなりました。

しかし、そんな不協和音気味なシーンの直後に結果が訪れます。
26分例によって左サイドで笠柳が持つも、戻しから中央での前進を選択すると、田中縦パス→ジェズススルーパスと素早い繋ぎを経てフアンマがエリア内へ走り込み。
そしてワントラップから、左へ流れてブロックを外したのちのシュートをゴールに突き刺すフアンマ。
やはり持っている男は違うとばかりの同点弾を挙げました。
そしてキックオフの前に、笠柳→松澤へと交代。

これにより、勝利のためには攻めなければならなくなった甲府。
直後の攻め(28分)では、裏へのミドルパスにゴンザレスが走り込むも、前に出てクリアしたGK原田と勢い余って激突。
そして自身が激しく痛む結果となってしまう(一旦ピッチ外→その後復帰)など、反転させた姿勢も空回り気味に。

32分に最後のカードを使う甲府、鳥海→内藤へと交代。
これにより守備の際は内藤が最前線で積極的にチェイスする体勢へとシフトしますが、それでも周囲との連動は今一つであり、最後まで本来の持ち味(ショートカウンター)は発揮されずとなったこの試合。

しかし36分、その内藤の下に決定機が訪れます。
左サイドから孫縦パス→小林中央へ縦パスと素早い前進を選ぶと、これをフリックした内藤がゴンザレスのリターンを受けてそのままエリア内へ。
初ゴールの絶好のチャンスでしたが、放たれたシュートは瀬畠のブロックに遭い決められず。

甲府がこれを逃した事で、全体のペースも長崎へ。(38分に増山→澤田へと交代)
再び怒涛の攻撃を仕掛け、39分には加藤のパスを間で受けたフアンマの前進を、マンシャが反則気味に止める(笛は鳴らず)という先程のFK献上の危機が過るシーンもあり。
41分にはCK攻勢に入り3本続ける長崎、ここでキッカーを加藤に代える念の入れようを見せたものの、3本ともフィニッシュは生まれず終わります。

1-1のままATへと突入。
そして時間も迫るなか、長崎はとうとう前進の最中に中央でパスミスを犯し、林田がダイレクトで縦パスを送って内藤の下へ。
そして切り込む内藤でしたが、逸る気持ちからかミドルシュートを選択した結果GK原田がキャッチ。

改めて長崎が攻め上がり、今度は左からの攻めで米田がクロス、クリアが小さくなって右ポケットでジェズスが拾いグラウンダーでクロス。
これをフアンマがワントラップからシュートしますが、孫のブロックで防がれ。
1ゴール決めたとはいえ、途中出場ばかりのフアンマも逸る気持ちを抑えられなかったでしょうか。
その後GK渋谷のリスタートを妨害し倒してしまうというシーンで警告を受けるなど、気難しさは最後まで目立つ事となりました。

結局1-1のまま試合終了。
内容的には良かっただけに勝ちたかった長崎と、メンバー落ちのなか勝ち点1をもぎ取った甲府。
試合的には明暗が分かれましたが、長崎の繋ぐサッカーの良化も重く見るべき要素であり、どちらも上位候補のなか最後に笑うのはどちらか。

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