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DAZN観戦 2023年J2リーグ第40節 清水エスパルスvsロアッソ熊本

2023-10-30 16:01:55 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の清水の記事はこちら(37節・藤枝戦、0-2)
※前回の熊本の記事はこちら(34節・藤枝戦、0-2)
※前回対戦時の記事はこちら(20節・熊本 0-1 清水)

<清水スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • この試合に勝てないと首位・町田の優勝が確定。勝利しても、町田が今節勝利すれば優勝確定。
  • 森重の負傷が発表され、10/18に発生して全治3ヶ月との事。
  • 加藤の負傷が発表され、9/3に発生して全治10ヶ月との事。

<熊本スタメン>

  • 平川の負傷が発表され、34節に発生して全治3週間との事だが既に復帰済み、今節もスタメン出場。
  • 38節(徳島戦、1-0)で負傷交代した大本の詳細が発表され、全治約4週間との事だが、今節復帰してベンチ入り。
  • 大崎の負傷が発表され、10/1に発生して全治3週間との事だが、今節復帰してベンチ入り。

天皇杯では準決勝で敗退となったものの、何とか残留まで後一歩の所までこぎ着けている熊本。
ゴール裏サポーターにも「OURS BOSS」と称される程の拠り所絶対的存在感となっている大木武監督。

その大木氏、過去にこの日の対戦相手である清水の監督を務めていたという事実は果たして世間にどれだけ認知されているか、という事をふと考えてしまい。
始めて監督に就任したのが甲府で、見事初のJ1昇格に導く大業を成し遂げたものの、その時は再就任であり。
2002年・2005年の間の空白期間に一年だけ清水の監督を務めた(2003年)ものの、J1という舞台で結果を出す事が出来ず、シーズン終了を待たずして解任。
以降2期目の甲府・京都・岐阜そして熊本と監督業に邁進する中、この清水時代のみ不本意な成績と異質に映る事となりました。
かくして優秀な人材でもその力を発揮出来ない、近年の清水の負の空気はこの頃から顕在していたのではないかという疑惑が浮かび上がり。

そんな空気を振り払いながら、J1復帰を目指す戦いを続けている今季の清水。
シーズン序盤で途中就任した秋葉忠宏監督のキャラクターは、まさにそれにうってつけの人材といえたでしょう。
それでも「圧倒的個の力」に相応しい成績とはいえず、今節終了後にも首位・町田に優勝を許してしまう状況であり。
何とか自動昇格を確定させたいという戦いの終盤戦。

試合が始まると、その個の力に対し熊本は対抗姿勢を見せるものの、それが反則チャージという形に表れてしまい。
特に降りてボールを受けるサンタナに対し、岡崎が激しく食い付いて防がんとするなど、必死の形相で食い止めに掛かります。
しかし前半3分、乾に対する大西の反則で清水が左サイドからフリーキックの好機。
キッカー山原のクロスに対し中央で高橋・鈴木のセンターバックコンビが走り込むと、跳んだ高橋のヘディングシュートが鈴木の後頭部に当たってコースが変わるという2人掛かり?でのフィニッシュ。
意表を突いたものの、ゴールバーを直撃して惜しくもゴールはならず。
10分にも、山原のミドルパスに裏抜けした中山を岡崎が倒してしまい、これがエリアからすぐ手前という位置だったため絶好の直接FKを与える事に。
横位置は左ハーフレーンで、キッカーは同じく山原が務めて当然ながら直接シュート、ゴール上部を襲ったもののGK田代が辛うじてセーブ。

何とかセットプレーによる失点は避けた熊本でしたが、前回対戦時とは裏腹に、清水のビルドアップに対しプレスを嵌める事が出来ず。
この面は清水サイドがしっかり修正を図ってきたという印象で、前回はボランチが降りて3枚の最終ラインで、かつサイドバック双方が高い位置を取っての繋ぎ。
それが熊本の3トップ+トップ下にガッチリ嵌められ、「個の力vs組織力」で劣勢に映る要因となってしまいました。
しかしこの日はSBが上がらず、幅を取ってパスワークに加わる事で熊本はマーカーが曖昧となり。
天皇杯準々決勝・神戸戦(1-1・PK4-3)が顕著でしたが、純正4バックに対してのプレッシングに難が見られる熊本。
しっかり幅を取られると、特にウイングが中央かサイドかどちらにいくかの選択を迫られてしまい、そこから運ばれる隙が生まれ。

そんな状態により最終ラインから繋げる下地が生まれていた清水ですが、あくまで狙いは速攻との事であり。
前節(いわき戦、7-1)そのスタイルで最良の結果を出したとあり、またシーズンも佳境という時期で、昇格へ最後まで突っ走る状況を後押しする意味合いもあるでしょう。

一向に状況を改善出来ない熊本でしたが、20分に原のトラップ際を突いてボール奪取した松岡、そのまま原に倒された事で反則に。
これで得た左サイドからのFKで、キッカー平川のクロスを阿部海が合わせヘディングシュート、これでゴールネットを揺らしたものの残念ながらオフサイドに。

劣勢を跳ね返すチャンスは費え、迎えた25分。
ここも清水はGK権田からショートパスで繋ぐビルドアップを成功させ、縦パス→ポストプレイやサイドチェンジも交えながら右サイド奥へ運んだのち、一旦戻して作り直し。
そして左サイドに移したのち、またも山原縦パス→カルリーニョスポストプレイを経て空いた中央から崩し、乾のラストパスを受けた中山が反転しながらシュート。
ゴールネットを揺らし、しっかりと繋ぎ崩しきった攻撃で先制を果たします。

先制された事で焦りも見え始める熊本、そのビルドアップもまるで冴えず。
常時アンカー上村に対してサンタナが付く事で、サイドから運ばんとするも詰まりは避けられず。
27・28分に立て続けに自陣で奪われるなど、反撃どころか追加点の危機も膨らみます。

追い打ちをかけるように、36分に岡崎が足を痛めて倒れ、続行不可能となってしまい。
前節(町田戦、0-3)初のスタメンに抜擢されて間も無い岡崎、清水のクオリティ高い攻撃にかなり振り回されており、内容的にも無念の交代だったでしょうか。
江﨑が投入され、同じ3バックの中央に入り。

光明が見えない熊本ですが、その中でもビルドアップの際に、島村・松岡の両ウイングが中央寄りの位置取りをする等やりたい事は朧気ながら見え始め。
そして43分、島村が下がった所にそのスペースへ黒木がロングパスを送り、受けたのは上がっていた阿部海。
これで深さを取り攻撃開始、戻しを受けた伊東の中央へのパスを竹本がスルー、受けた平川が右ポケットへスルーパスと細かい繋ぎ。
そして走り込んだ島村のシュート気味のクロスをファーで伊東が合わせヘディングシュート(枠外)と、この日初めてといっても良い有効打を放ちます。

一度成功体験を得れば、結果が出るのも早く。
アディショナルタイム、左サイドでスルーパスを受けた松岡がポケットへ切り込んだ事で得た左コーナーキック。
キッカー平川はニアサイドにクロスを送り、阿部海が捉えてヘディングシュート。
GK権田がセーブするも、その位置はゴール内という事でゴールが認められます。(その後詰めた伊東のシュートがネットを揺らしたためどちらにしろゴール)
ワンチャンスを活かした格好の同点弾でしたが、その道筋は事前に得ていた熊本。
終了間際に追い付くという最高の流れで、前半を終えました。

そして後半が始まると、熊本が内容を改善し押し込み始め。
後半2分に早速平川が敵陣右サイドでボール奪取し、細かな繋ぎを経て阿部海が奥を突き低いクロス。
ニアサイド奥での伊東のポストプレイを経て平川がシュート、ブロックされ左へ流れた所をさらに松岡がシュート(枠外)と波状攻撃。

課題だった前線の守備は、前半はボランチを切る事が多かった平川が最終ラインのプレッシャーに加わり。
これでWGもサイドまでチェイスできるようになり、その分後方の選手の連動もスムーズとなった事で、逆に清水がビルドアップに難儀する展開となります。
それでも5分の清水、自陣でのスローインからダイレクトでの繋ぎを経て、乾のスルーパスを受けたカルリーニョスがドリブルに入り。
そして一気に左ポケットを突いてそのままシュート(サイドネット外側)という具合に、個の力に屈しかねない雰囲気は健在でしたが。

前半の終盤に良い流れを作った阿部海、後半も高い位置で攻撃に絡み。
大本の離脱(この日復帰)が右サイドでの攻撃力減退の要因と思っていましたが、この日ようやく形になって来た感がありました。

そして11分、ここも右サイドからの前進で奥を窺う熊本、一旦戻して中央からの攻め。
松岡パス→伊東スルー→島村という流れでチャンスエリアを突くも、ここで奪われてしまいホナウドがドリブルに。
しかしすかさず戻った島村が奪い返すと、間髪入れずにエリア内へスルーパスを出し、走り込んだ平川がシュート。
小さくループさせて前に出たGK権田を抜いてのゴールゲットで、逆転を果たします。

勢いに乗る熊本は、直後の清水のキックオフからの攻撃も敵陣で遮断し好機に持ち込み。
左奥での細かな繋ぎから、逆サイドから張り出してきた島村がポケットを突いてマイナスのクロス、受けた上村がシュート。
ブロックに遭うも、すかさず拾った上村の再度のシュートもブロックに阻まれ、さらに平川が追撃しシュート(ブロックに当たり枠外)と3連撃。
その後のCKでも二次攻撃で島村が右ポケットを突くなど、執拗な攻めを続けて形成はすっかり逆転といった展開に。

苦しくなった清水、15分に中山→北爪へと交代。
前回同様、後半途中からの3バックへの変更(3-4-2-1)で流れを変えんとします。
しかしこれで熊本サイドも、清水の3枚の最終ラインに3トップを当てるだけで良くなるという具合に、良好なプレッシングが保たれる事に。

こうした状況では、ビルドアップを修正してボール保持の道筋を整えるべき、というのが個人的な感想であり。
しかし清水はここから速攻狙いの意識をさらに強めた節があり、それが追加点に直結する事となります。
焦って縦パス・ミドルパスを送らんとしては、熊本がそれを立て続けにカットして好機を作ったのが20分。

これを見た秋葉監督、修正を図らんとしたのかサンタナ・カルリーニョスを退かせる交代策を準備します。(個の力での打開を諦めたのがその修正に映った)
しかしその手は間に合わず、22分にも敵陣でのボール奪取から好機を作る熊本。
一旦カルリーニョスに奪われ途切れるも、そのカルリーニョスのドリブルがすぐさま竹本に奪われてしまい継続。
そして伊東のミドルシュートが炸裂し、ゴールネットを揺らします。
浮足立つ清水の隙を突く組織力を、豪快な個人技で締めての追加点となりました。

これでキックオフ直後での交代となった清水、サンタナ・カルリーニョス→北川・神谷へと2枚替え。
その後も24分にパスミスから危機を招き、島村のミドルシュート(ゴール左へ外れる)で脅かされる等苦境は続き。

流れを変えたい清水、26分に松岡のプレッシャーが甘くなった所を右サイドから運び。(シュートまでは繋がらず)
熊本の前線にもやや疲労が見られ、ここからポゼッションを高めて反撃体制に入る流れとなります。
(29分にホナウド・山原→宮本航・岸本へと2枚替え)

29分に中央を縦パスの連続で突き、北川のラストパスから乾がシュート体勢に入ったもののディフェンスに遭い撃てず。
33分には執拗にエリア内を窺う攻撃の末に、右から上がった原のクロスを北川が収めてボレーシュートの体勢に。
しかしトラップ際を江﨑にクリアされ、その勢いのまま江﨑を蹴る形となってしまい反則を取られて終わり。
ボックス内で好機を作っても、熊本最終ラインの粘りもこの日は凄まじく。
35分にも決定機を迎え、原のクロスをボレーで合わせにいった岸本が空振りするも、奥で乾が拾いエリア内で継続。
最初のシュートこそブロックされるも、すかさ中央へ横パスを送り、放たれた北爪のシュートをコース上で北川がフリックで流し込み。
決まったと思われましたがライン寸前で伊東がブロックして防ぎ、どうしても熊本ディフェンスを上回れません。

2度目の交代を我慢し長く引っ張った熊本、36分にようやく竹本・上村→大本・田辺へと2枚替え。(田辺はアンカー、大本は左ウイングバック)
41分に伊東・島村→粟飯原・東山へと2枚替えと、勝利を確実なものにすべく運動量を担保していきます。

そしてゴールを奪えないまま、最終盤を迎えた清水。
採った手は鈴木・高橋を最前線に上げてのパワープレイで、左WBに移った乾から、幾度となく彼らが合わせるべくのロングボールが上がり。
その中で、手前から上がったクロスをファーサイドで鈴木が合わせにいき、GK田代が跳び出して弾いた所を神谷がボレーシュートと繋がったものの枠を捉えられず。
負けられない戦い故に、形振り構わないというその姿勢も報われる事はありませんでした。

結局1-3のまま試合が終わり、熊本が勝利。
一方で敗戦した清水により、首位に立つ町田の優勝が試合前に確定する事となりました。
初の昇格に沸く傍らで、降格した名門クラブが死に物狂いで一年での復帰を目指すという、J2初期(2000年代前半)のリーグ戦らしい様相にも見える今季。
浦和もセレッソも広島も辛うじての2位昇格を強いられた、あの頃を思い出させるノスタルジックぶり、とは言い過ぎでしょうか。(自動昇格を争っているのが磐田・ヴェルディというのも拍車を掛ける)

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