※前回の群馬の記事はこちら(34節・京都戦、1-1)
※前回の相模原の記事はこちら(31節・大宮戦、0-1)
この日最後の開催にして、唯一のナイトゲームとなったのは過酷な残留争い同士の対決。
試合消化につれて様相を少しずつ変えている残留争い、降格圏に居る4クラブは、その一つ上の18位との勝ち点差が1勝分以上離れてしまっている現状。
相模原はその降格圏に属するクラブで、対する群馬はその一つ上のグループに居る、這い上がる側と蹴落とす側という判り易い構図となりました。
ひとまず安全圏という群馬も、この試合以降は上位陣との試合の目白押し(町田・京都・磐田)となるため、勝利出来るならばしておきたい状況でしょう。
前節はともに敗戦したものの、連戦によるターンオーバーを経てリフレッシュしてのぶつかり合い。
立ち上がりは群馬がボールを握り、後方からパスを繋いで前進する攻撃を繰り広げ。
一方の相模原の攻撃は最後尾からのロングパスが主で、それが繋がらずともボールを持った群馬に対してすかさずプレッシングを掛けるという、言わば「ストーミング」のような振る舞いを見せます。
しかし群馬優勢に見えたこの時間帯は、主に相模原の反則による群馬の直接フリーキックからの好機が目立ったのみとなり。
前半3分の左サイドエリア脇からのFKで、キッカー大前のクロスがファーサイドの畑尾に合った(枠外)ぐらいで推移。
相模原のプレッシングを、GK清水を巧く使ってかわす場面もありましたが、有効打は放てず終わります。
すると、今までのは様子見と言わんばかりに、相模原がボールポゼッションを高めて反撃に移ります。
従来の通り、センターバック3人の間にボランチの川上竜が降りる、ミシャ式の最終ラインを基本とするビルドアップでボールを握り。
センターバックのうち、主に右の藤原が前にいく形が目立ち、サイドに開いたシャドー(清原)とともに右サイドで数的優位を作る攻撃を仕掛けていきます。
またプレッシングも嵌るようになり、群馬のビルドアップを遮って攻撃権を支配。
双方のサッカーが垣間見えた段階で、19分の群馬の攻撃。
左サイドで畑尾がスルーパスを送り、走り込んだ光永がグラウンダーでクロス、ニアサイドで青木が合わせシュート。(相模原・白井がブロック)
一方の相模原は23分、敵陣で兵藤の出足の良いパスカットで反則を誘いFKの好機。
キッカー兵藤のクロスが跳ね返され、その後の川上のクロスもクリアされたのち、兵藤がダイレクトでミドルシュート。(枠外)
お互いゴールを狙う姿勢を見せた所で、飲水タイムが挟まれます。
しかし再開後は、ほぼ相模原の独壇場という試合展開。
巧く溜めを作ってのパスワークを基本としつつ、サイドチェンジありワンツーありという多彩な攻撃で揺さぶり。
その姿はとても降格圏に定着しているクラブとは思えない程で、群馬サイドを押し込んでいきます。
群馬はクリアボールを青木が収める事で攻撃機会を得るという苦しい状況。
そして39分、群馬のパスミスから決定機を得る相模原。
右サイドで拾った夛田が、清原とのワンツーで前進してクロスを入れると、ニアサイドで平松が落とし。
そして中央から清原がシュート、群馬・大武がブロックで防ぐも、こぼれ球を拾った川上がミドルシュート。(群馬・岩上に当たりゴール左へ外れる)
波状攻撃を必死で凌いだ群馬、しかしこのブロックで大武が痛んでしまい(腰との事)、担架で運ばれて続行不能となってしまう代償も支払います。(渡辺と交代)
アクシデントに見舞われた群馬に対し、尚も攻勢を掛ける相模原。
以降アディショナルタイムまで併せて4本もコーナーキックを得て、盛んにエリア内を突くものの、群馬ディフェンスを破る事は出来ず。
スコアレスのまま前半終了となります。
ハーフタイムに群馬は選手交代を敢行し、光永→吉永。
29節・甲府戦(0-3)以来の出場となった吉永を左サイドバックに入れ、テコ入れを図りにいきました。
後半が始まると、その左サイドから攻撃を仕掛ける群馬。
後半2分、岩上の左への展開から左サイドハーフ・加藤が仕掛けて、大前のダイレクトパスを受けた吉永がクロス。
低いボールがニアサイドを突くと、青木が入り込んでヘッドで合わせ、ゴールネットに突き刺し。
巻き返し策が見事に功を奏し、先制に成功します。
吉永投入で、副次的に加藤の動きが冴え渡り。
以降も左サイドでドリブルやスルーパスを披露し、攻撃を活性化させていく加藤。
相模原は反撃に出ようとパスワークで前進を図るも、中盤でカットされたりミスしたりで攻撃機会を得る事はままならなず、その群馬の左サイドの跳梁を許す事となります。
加藤は6分に相模原・夛田との交錯で足を痛めるも、大事には至らず。
迎えた14分、岩上のロングパスを左サイドで収めにいった青木、こぼれた所を拾った加藤がカットインでエリア内を突き。
そしてマイナスのクロスを中央の大前へ送り、カットに入られこぼれた所を自らシュートした加藤。
しかしGK三浦が足でセーブと、惜しい所で決められず終わります。(正直このシュートはもう少し威力が欲しかった)
ビハインドなうえに押し込まれるという苦難を強いられた相模原でしたが、15分過ぎ辺りから攻守交替、再度ボールを握る展開に。
最終ラインから繋ぎつつ、サイドチェンジを交えて敵陣を縦横に切り裂いていくも、フィニッシュは放てず。
惜しかったのは17分で、右サイドから夛田のサイドチェンジを受けた兒玉がボールキープから戻し、川崎の手前からのクロスをファーサイドで清原が折り返し。
そしてGKの眼前で平松が収めるも、シュートは放てずGK清水に抑えられてしまい。
この辺りからCB3人による最終ライン3枚という形も見られ、その際に右サイドで清原が降りてくるなど、ややマイナーチェンジ。
しかしこれを受けた群馬も前線での圧力を高め、連動したプレッシングに苦しむシーンも見受けられました。
停滞感漂う中、23分に最初の選手交代を敢行した高木琢也監督。(清原・兵藤→児玉・梅鉢)
投入された児玉(清原と同じ右シャドーに入る)はボールを受けに降りてくるシーンが目立つ、清原と同等の立ち回りを見せ。
そのためか中々好機が生まれない相模原。
飲水タイムが挟まれたのち、29分に群馬は再度青木目掛けたロングボールのこぼれを加藤が拾い、ドリブルでエリア内を突く場面を見せます。(シュートは撃てず)
このまま群馬有利かと思いましたが、ここから児玉が違いを見せ。
30分に中盤右サイドでボール奪取した児玉、そのままドリブルで持ち上がって押し込み、戻しを受けた梅鉢のクロスをファーサイドで平松がヘディングシュート。(GK清水キャッチ)
交代選手による有効打が放たれたのち、32分に双方選手交代。
群馬は中山・田中→細貝・内田へと2枚替え、相模原は松橋→安藤。
そして直後の33分、右サイドから攻め上がる相模原、平松のポストワークを経て夛田がクロス。
これを中央で安藤が合わせヘディングシュート、ゴールネットを揺らして同点に追い付き。
投入後1分で結果を叩き出した安藤。
1-1で終盤を迎えますが、どうしても勝利が欲しいのは、降格圏から脱出を図る相模原の方。
尚も圧力を高め、35分には群馬・細貝からボール奪取した児玉から、受けた安藤が中央でミドルシュートを放つもGK清水がセーブ。
直後の右CKからも川崎がヘディングシュートを放つ(枠外)など、攻勢をフィニッシュに繋げられるようになり、勝ち越しへの期待が高まります。
40分台を迎えても相模原の攻勢は止まず。
守備を固める群馬に対し容易にシュートは撃てなくなるも、盛んにサイドからゴールを脅かしていきます。
43分には左サイドを兒玉がドリブルで前進、パスを受けた安藤がディフェンスに遭い、エリア内にこぼれた所を拾いにいった兒玉。
しかし群馬・小島の決死のディフェンスで倒され撃てず。(反則無し)
主に右に児玉・左に兒玉という攻撃で押し込んでいく相模原。
ATを迎える直前、群馬は大前→白石に交代し、この日絶好調の加藤をFWへとシフトします。
その直後の中盤からのFK、キッカー岩上のロビングがエリア内に上がると、畑尾の胸での落としを受けた加藤がエリア内左からシュート。
しかし惜しくも左サイドネット外に終わり、采配成功とはならず。
引き分けOKという状況の群馬でしたが、前述の通り未来の対戦相手を考えると、勝利しておきたいのは相模原と同様。
前掛かりの意識がぶつかり合い、(相模原の)カウンターからの(群馬の)カウンターというシーンも生み出したAT。
群馬は左SHに入った白石の突破力に活路を見出し、相模原はカウンターの応酬という流れも影響したか、陣形無視で人数を増やしにかかる攻撃も見られ。
そして相模原が、右サイドで児玉からのスルーパスに安藤が走り込み、エリア内右からシュート。
しかし前に出たGK清水に防がれ、どうしても勝ち越し点は奪えません。
結局1-1のまま、最後は群馬のCKが防がれた所で試合終了の笛が鳴り。
確かに勝ち点1に終わったのは相模原にとって痛いでしょうが、下を見ると、J3では昇格圏の2位を宮崎がキープしている状況となっており。
J2ライセンスの無いクラブが入れば、19位でも残留という運びとなるので、降格圏内でも少しでも上位に居るのには意味があります。
残り4戦この日見せた攻勢を変わらず貫き、残留の芽を確保したい所でしょう。
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