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DAZN観戦 2024年J2リーグ第2節 レノファ山口FCvsブラウブリッツ秋田

2024-03-06 16:01:57 | サッカー視聴記(J2)

<山口スタメン> ※()内は前節のスタメン

<秋田スタメン>

  • 金沢を契約満了となっていた大石の加入が決定し、今節から登録される。
  • ユース所属のGK堀内が2種登録となり、(以下同文)

開幕から2戦連続で、ほぼ同じチームカラーのクラブ(水色)と対戦する事となった山口。

その初戦である開幕節・横浜FC戦は、傍らから見ていて非常に趣深い内容であり。
ロングパス中心の立ち回りをするかと思われた戦前の山口ですが、むしろ序盤は横浜FCサイドの方がロングパス主体の攻撃。
するとそれに反するかのように山口はボール保持に努め、何度か好機を作り。
しかし次第に戦力的に勝る横浜FCが本領発揮すると、形勢逆転とともに試合内容も逆転します。
ボールを繋ぎ始める横浜FC、すると反対に山口はロングパス主体の攻めを見せるという具合に、相手の姿勢によって極端に変わる立ち回り。
優位性の通りに横浜FCが押し続けるも、スコアレスに終わった前半。

迎えた後半は一転して攻勢を掛ける山口、早い段階で先制に成功。
これでゲームプランを狂わされた感の横浜FCですが、ここから福森の左足というマンパワーを活かす立ち回りに切り替え。
セットプレーから同点に追い付いた後も、「福森にフリーでフィードを蹴らせる」ようなビルドアップを貫き、山口ディフェンスを散々に苦しめます。
しかし山口もカウンターの姿勢で対応し、むしろシュート数では上回りを見せた後半戦。
それでも勝ち点3を齎すゴールはどちらにも生まれず、1-1で幕を閉じました。

そんな開幕節を経て挑む、今節の相手である秋田は、チームカラーとは裏腹に横浜FCとは全く異なる性質を持ったチーム。
上記の内容からして相手の出方に応じた姿勢を取る、といった感じの志垣良監督率いる新生・山口だけに、その対応力ならびに精神力が求められる試合だったでしょうか。

試合開始から秋田が例年通りの攻撃を繰り広げ、前半2分ではやこの日初のロングスローを(村松が)放り込み。
その後もセットプレー・ロングボールによる攻勢を続け、早くもその課題と向き合う山口ディフェンス。
4分、諸岡のボールキープに対し戻って来た梅木がスライディングを仕掛けるも、諸岡が倒れた事で反則・秋田のフリーキックに。
接触度合いは軽度に見えたものの、これにより主審(井上知大氏)の笛の塩梅を考慮しながらの対応も課題の中に入った感があり。
このFKからさらに右コーナーキックに持ち込んだ秋田、キッカー藤山のクロスがこぼれた所を丹羽がダイレクトでシュートにいくも、素早い寄せで撃たせず。

何とか秋田らしさ全開の攻めを凌ぐと、その直後に新保が左サイドを痛烈にドリブル突破。
自陣から一気に奥まで進み、左CKに持ち込みます。
すると引き続きキッカーの位置に立つ新保、そのクロスを梅木が完璧に合わせヘディングシュート。
やや遠目の位置ながらもしっかりとゴール左へ決め、相手のお株を奪うセットプレーでの得点で先制を果たしました。

リードを奪った山口は、すかさずボールポゼッションを高めるというそれを最大限に生かす立ち回りへと移行。
新保を前へと上げる左肩上がりの最終ラインの形から、ボランチの巧みな動きで秋田2トップの間を意識させるパスワーク。
そして最終ラインへプレスを引き込んだのちにひっくり返す、というのが基本形ですが良く嵌り。
秋田は2トップがボランチを切る位置で構えるという基本姿勢ながら、追い掛ける立場な以上何処かで仕掛けなければならず。
そして前に出た所を突かれる、厳しい状況に陥る事となり。

巧妙ながらも何か近視感があるな……と思わされたそのビルドアップ。
それは前年のフアン・エスナイデル監督の体制で、就任して間もない頃の姿勢と実に類似したものであり。(参考=前年21節・仙台戦
流儀に反すると思われた今回の監督交代ですが、受け継ぐべきものはしっかり受け継がれているようでした。

攻勢に入っているうちは得意手で流れを得る事が出来る秋田、実際10分台は立ち上がり同様セットプレーから攻め立て。
しかしそれを過ぎると、山口のボール保持に時間と余裕を奪われる状態を強いられてしまいます。
20分右サイドからパスワークで攻める山口、佐藤謙のクロスでエリア内を脅かし、クリアされた後も逆の左でパスを繋ぎ続け。
するとワンツーリターンした新保が村松に倒された事で反則となり、左ワイドからのFK。
ここで仕掛け、キッカー新保はショートパスで意表を突くと、受けた田邉が左ハーフレーンからミドルシュートを放ちます。(GK圍キャッチ)
秋田より回数は少ないながら、セットプレーでの工夫・執念では上回っている感すらあり。

また32分ではゴールキックの際、GK関がロングフィードを送る体制を取ったのち、一斉にセンターバックが自陣へと戻り。
つまりはロングフィードと見せかけてショートパスというトリックプレーを仕掛けたものの、これはパスを受けたキムボムヨンが素早く詰められて不発に終わります。

秋田は好機は量産するものの、その大半はロングボールとセットプレー。
前年までにあった、敵陣でのワンタッチプレーでの崩しは殆ど見られずと、目立たないながらも新シーズンの入りの部分での苦しさを醸し出してしまいます。
つまりはパワープレイの一手しか無くなったという感じで、いくら前年J3得点王・小松の加入があったとはいえ、活かされるのは稀な体制であり。
またセットプレーも、愚直に河野貴へ合わせるボールを蹴る事が多く、ワンパターンの感が拭えません。

そんな状況故か、パワーをひたすら前面に押し出すしか無いという秋田。
1-0のまま迎えたアディショナルタイム、前に出て敵陣でパスカットした才藤がそのままの流れで吉岡のチャージを受けて反則に。(吉岡に警告)
これで左ハーフレーンからのFKとなり、時間的にも前半最後のチャンス。
モノにしようという意気込みは相当なものと思われましたが、ファーに上がったクロスに跳び込んだ河野貴が勢い余ってGK関と激突。
当然ながら反則を取られるという具合に、空回りに終わってしまいます。
ここで警告が出なかった(後は22分、若月に抜かれた諸岡が後追いで脚を引っ掛けたシーン)のはやや不可解でしたが、それでヘイトを溜める流れとなった結果が後半のあの判定に繋がった感があり。

結局1-0で折り返し、交代も無く後半を迎え。

山口は前節同様に後半開始からギアを上げ、サイドを素早く縦に運ぶ攻めを目立たせます。
ネガトラの部分でも出足良く、後半3分に敵陣でボール奪取した河野孝がすかさず中村に倒されて反則、これによりほぼ中央からの直接FKに。
ここでまたも変化を付け、キッカー新保はヒールパスで後方に流すと、前が走り込んでシュートを放ち。
壁に当たるもさらに右CKで継続すると、キッカー佐藤謙のクロスを梅木がヘッドで合わせ、撃ちきれずもフリックのように左ポケットへ流れた所を河野孝がダイレクトシュート。
これがゴールバー直撃と、再びセットプレーで得点かと思われましたが惜しくも決められず。

何とか反撃体制を作りたい秋田は、6分に早くも動き中村→畑へと交代。
「中村ゾーン」の命名を受けた名選手でも、加齢には勝てずという交代劇となり。

勝利への流れを築いたかに見えた山口ですが、それでも秋田の迫りくるパワーを全て凌ぐのは並大抵の事では難しく。
加えて主審の判定という面でもナイーブとなり、13分にはこぼれ球の追い掛けの際に佐藤謙が丹羽を削ってしまい反則・警告。
これによる秋田の遠目からのFKで、再び河野貴との競り合いを強いられた梅木が痛む(反則無し)など、その威力に押し切られやしないかという危惧とは隣合わせであり。
それでも15分に、前に対しアフターチャージを犯した才藤が警告を受けるなど、秋田サイドも被害が増え始め。

押され気味と見るや、志垣監督は17分に2枚替えを敢行、佐藤謙・若月→ヘナン・小林。
これにより前がボランチへ・キムボムヨンが右サイドバックへシフトと、前節同様の布陣変更。
(秋田も18分に丹羽・梶谷→佐藤大・吉田伊吹へと2枚替え)

そして21分の自陣ゴール前からのFK(直前にまたもGK関が河野貴に反則を受ける)、関は今度は素直にロングフィードを選択し、梅木フリック→小林と前線に繋がり。(その後吉岡が右からクロス)
苦しい時にはシンプルに、というべき内容のシフトはこれも前節同様で、対応力を発揮します。

直後(同21分)にまたも秋田は河野孝のドリブルを反則で止めた吉田伊が警告を受けるなど、流れは再び逆転し。
そして山口は流れの中からでも好機を生み出し、26分には敵陣右サイドでの細かい繋ぎを経て、田邉が中央からドリブルでエリア内を突き。
そして左へ横パスを送り、走り込んだ新保がシュートを放つも村松がブロックで防ぎ。
29分に今度は小林が中央をドリブル突破し、左への横パスを経て河野孝がシュート(GK圍キャッチ)と、縦横無尽の攻めでゴールに迫ります。

そして事件が起きたのは30分。
ゴールキック→跳ね返りを経て、喜岡のトラップが大きくなった所、スライディングで確保しにいくも小林を倒してしまい反則。
これで主審は再度カードを突き出しましたが、その色が赤だった事で秋田サイドは凍り付く事態となります。
この場面も接触的には軽度に見えましたが、倒した後に喜岡が足を上に向かせた事で、足裏タックルだと思われてしまったか。
いずれにせよ、度重なる反則シーンでの積み重ねが招いてしまったともいえる退場劇で、パワーを前面に押し出す弊害を痛感する破目となったでしょうか。

慌てて体制を整えに掛かる秋田、交代準備の間はボランチ2人が最終ラインに入る専守の姿勢で何とか凌ぎ。
そして33分、小松・藤山→星・小野原へと2枚替え。
諸岡・小野原のドイスボランチ、吉田伊の1トップの4-4-1の布陣で残り時間に挑みます。

数的不利にもめげずに同点を狙う秋田ですが、その反撃体制は実に細く。
36分に左から、本来逆サイドの畑が流れてスルーパスに走り込みクロスを上げるシーンを作ったものの、その所為でクロスが流れた所に誰もおらず。
そして拾った新保がドリブルでカウンターを仕掛ける山口(エリア手前で星が止める)という具合に、リスクは膨大な状態に。

逆に、万が一にも失点するリスクを減らす立場の山口は、37分に河野孝→山本へと交代。
そして41分に吉岡・梅木→高橋・加藤に2枚替え。
カードを使いきった末に、3-4-2-1の実質5バックへとシフトします。(1トップは小林)

直後に秋田の好機、中盤でのFKから放り込み。
セカンドボールを右サイドで拾った吉田伊のクロスが上がり、GK関がパンチングで跳ね返した所を諸岡がミドルシュート。
実に久々のフィニッシュでしたが、関の眼前で平瀬がブロックで防ぎ同点とはなりません。

ようやくの有効打という秋田でしたが、やはり波状攻撃にまでは持ち込めず。
逆に、いけるという雰囲気を高めた結果、前掛かりになる秋田の隙を突く山口。
43分最終ラインからの繋ぎを経て、ヘナンから左サイドを前進する体勢に入ると、加藤のスルーパスに走り込んでクロスを上げたのは何とヘナン。
ここに来て3バックの攻撃性の側面を発揮すると、走り込んだ小林がドンピシャで合わせヘディングシュート。
バウンドの末にゴール左に突き刺さり、この時間帯故に決定的な2点目を挙げる事に成功します。

しかし小林は勢い余って才藤と頭部同士激突してしまい、続行不可能に陥り。(才藤は1分以上掛けて何とか起き上がり続行)
担架でピッチ外に運ばれた末に、脳震盪による交代の措置が採られます。
残っていた五十嵐が投入される運びとなり、そのまま1トップに入り。

五十嵐投入までの間も、ひたすらパワープレイで攻め立てる秋田。
吉田伊をターゲットとし、ボールを確保したのちに佐藤大が裏抜け、というパターンでゴールを狙うもフィニッシュには辿り着けず。
最後はロングスローに望みを掛けるも、結局決められずに試合終了の時を迎えます。

2-0で山口が勝利、1勝1分けの山口に対し秋田は連敗と、明暗が分かれた2クラブ。
内容的にも、やはり基本の立ち回りから、ロングボールを有効にしたうえで使う山口に一日の長があるという感じでした。
前年からの継続という面もある程度発揮し、今後の期待感も十分であり。

一方の秋田は、一辺倒の戦いでの限界を見たような試合。
それでもクラブ事情的に方針の転換は厳しく、これを貫いて勝ち点を稼ぐ以外の手は無いのが辛い所でしょう。

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