ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2021年J2リーグ第14節 モンテディオ山形vs愛媛FC

2021-05-20 18:17:48 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の山形の記事はこちら(12節・甲府戦、2-2)
※前回の愛媛の記事はこちら(12節・磐田戦、0-0)

ともにシーズン中に監督交代を行ったクラブ同士の対戦。
愛媛が(實好礼忠氏を)コーチからそのまま監督に昇格させたのに対し、外部から新たな人材を招聘し、この試合から指揮を執る事となった山形では差異があるのですが。

その人物とはピーター・クラモフスキー氏で、前年清水の監督を務めた事で有名。
前年シーズン途中に解任されたものの、このご時世なためか帰国はせず、Jリーグで働き場を得る事を選んだようです。前年オフは徳島の新監督候補の一人に挙げらたりしていましたが
そのため「クラブ初の外国人監督」とはいっても親密感があり。

清水時代の基本であった4-3-3のフォーメーションは使わず、前の試合までの4-4-2(厳密には4-4-1-1との事)を弄る事はしなかったクラモフスキー氏。
サイドハーフの左右を入れ替えた(この日は右に國分・左に中原)以外は手を加えず、前節(京都戦・0-1)と同じスタメンで挑みました。

試合が始まり、先制シュートは山形で前半2分。
こぼれ球を左サイドで拾った中原が裏へロングパスを送り、跳ね返りを拾った山田康太が中央へのドリブルで前進し、そのままミドルシュート。(GK秋元キャッチ)
縦ポンから好機を作るという、これまでとは違う姿を見せた山形。

それでも山田康が軸というのは変えていないようで、8分には最終ラインでのパス回しから左サイドで山田康が受け、中央に戻すとともに山田康も中央に向かって前進。
そして藤田の縦パスを受けると、右に流れたのちエリア内へラストパスを送り、受けた林のシュートがゴールネットを揺らし。
先制ゴールと思われましたが、オフサイドで無効となります。

他に目立っていたのが、右サイドバックの半田がしばしば高い位置を取っていた事。
最終ラインでのボール保持の際は既に画面から消えており、センターバックから右に展開すると、受けるのはSHの國分というねじれ現象が良く見られ。
その前線では中央寄りでボールを受けたりと、「偽SB」的な動きも点在していた半田、これが新指揮官の理想の一つなのでしょうか。

そんな新旧の挟間が垣間見られたこの日の山形、それが影響したのかミスから危機を作る場面が散見されます。
10分にはパスミスを愛媛・藤本に奪われ左サイド奥までドリブルを許しコーナーキックを与える事に。
その後16分には愛媛が右サイドでのスローインから、西岡の手前からのクロスが上がると、誰もクリアに行かずエリア内でバウンドしてファーサイドの唐山が折り返しを許す事に。(その後クリア)
何処と無く課題が見られつつ時間は進み、前半の飲水タイムへ。(24分)

明けた直後から愛媛が攻撃権を掴み、山形はスルーパスをGK藤嶋が飛び出しヘッドでクリアするなど、シュートは浴びないものの一歩間違えば……という場面は続き。
そして28分には、中央で内田ライナーで縦パス→藤本ポストプレイ→川村シュートという流れるような攻撃を浴びますが、ここはGK藤嶋がセーブ。

ミスから流れを失う、というようなこの日の山形の歩みでしたが、この時間帯でワンチャンスをモノにします。
29分クリアボールを拾った林が右へ展開し、半田が囲まれつつもキープしたのち縦パスを送ると、國分がフリックした先に林が走り込み。
半田にプレスを掛けていたうえ國分にも1人付いていた愛媛ディフェンス、林をケアする余裕は既に無く、フリーで受けて悠々エリア内へとドリブルしシュートを放った林。
GK秋元のニアサイドを破ってゴールネットを揺らし、押され気味の中で放った一矢が見事に報われた格好となりました。

反撃したい愛媛ですが、33分に敵陣でのカットから森谷がミドルシュートを放った(GK藤嶋キャッチ)ぐらいで糸口を掴めず。
山形のミスに近い格好から得ていたペースなので、リードした山形が落ち着きを取り戻せば、こうなるのはある意味納得でもあり。
そんな愛媛を尻目に、山形は37分左サイドからのスローインで攻撃、敵陣深めでパスを繋いだのち中原がグラウンダーでクロス。
そしてニアサイドで林が合わせシュートしたものの、惜しくもゴール右へと外れ。

前半も終了間際になり、やっと愛媛が反撃体勢。
サイド突破からスローインで押し込み、CKを得てセットプレー攻勢に入る事に成功します。
そしてアディショナルタイムの右CK、キッカー内田のクロスをGK藤嶋がパンチングにいったもののこぼれ、ファーサイドで小暮がボレーシュート。
叩き付けてバウンドしたボールがゴールに向かうも、その前で山形・山﨑がヘッドで跳ね返し、惜しくもゴールはなりません。
結局山形の1点リードで前半を折り返す事となります。

後半が始まると、流れは一変して山形の攻勢に。
主に縦パスやスルーパスを軸にした攻撃を展開し、そのうえ敵陣でのボール奪取も目立つようになり、愛媛は全く攻撃権を得られなくなります。
そして決定機は後半6分の左CKからで、ショートコーナーから國分がクロスを入れ、中央で山田拓がヘディングシュート。
ネットに突き刺したものの、手前からのクロスになった事が災いしてこれもオフサイドで無効となり、チームを楽にする追加点は奪えず。

追い付きたい愛媛ですが、10分にCKを得たのみでその切欠すら掴めない状況を強いられます。
12分に2枚替えを敢行(唐山・小暮→近藤・忽那)するも流れを変えられず。
直後には山田康のスルーパスが中原へと通ったのち、エリア内から何度もクロスを入れられる攻撃を浴びる(山田康が跳び込むも合わずという際どいシーンも)など、失点を防ぐのみで精一杯。

そんな展開を一変させたのは再び山形のミスで、17分に最終ラインでのパス回しを近藤がこぼさせ、エリア内で拾った忽那がシュート。
ブロックされたこぼれ球に茂木が走り込んでシュート(ブロックされCKに)と連撃を浴びせます。
続く右CK、キッカー内田のクロスがクリアされるも、拾った森谷がロビングを入れると茂木がGK藤嶋の眼前へ。
フリックの体勢で方向を変えるか否かの選択を強いられた藤嶋でしたが、スルーされたボールを何とか弾いて防ぎました。

以降は完全な愛媛ペースへと移り変わる試合。
山形は21分に山田康がエリア内中央からシュート(枠外)する好機を作ったものの、攻撃機会はその一度きり(自分の集計です)という状況が37分まで続く事となり。
ひたすら耐える時間帯となったものの、ベンチも32分(林→木戸)まで動かずと、「無策の策」を敷いて我慢していたのでしょうか。

攻撃権を支配する愛媛。
その攻撃を山形が防いでも、クリアボールを拾って攻撃継続という転回も少なくなく。

攻撃の流れとしては、3トップという布陣故の、ウイングの存在を活かしてのクロス攻勢。
主に右サイドで組み立て、中央からという意識を振りつつ、右SBの茂木が上がってのクロスがメインとなりました。
中央での攻撃が巧く繋がっていたのもそれをスムーズにさせ、23分には右サイドからの茂木のパスを近藤がポストプレイ、中央で受けた森谷がエリア内右へラストパス。(受けた藤本は撃てず)
32分は左サイドのスローインから左→中央→右と渡り、前田から再び中央へと戻されたのち、川村が近藤とのワンツーでエリア内を急襲。
ディフェンスに遭いこぼれた所を近藤がシュート(ゴール上へ外れる)と有効打を放ちました。

メインであろう右からのクロスでは28分、森谷のパスを受けた茂木が溜め、小暮の追い越しを見せたのちクロスを上げ。
そして走り込んだ藤本がファーサイドで合わせヘディングシュートと会心の攻撃となりましたが、ボールはゴール左へと外れモノに出来ず。

長らく攻め続けた愛媛ですが、結局はゴールを奪う事は出来ず終わり。(32分に内田→池田に交代、前野がセンターバック→左SBへシフト)
何とか凌いだ山形は、37分に2枚替えを敢行(南・國分→岡崎・松本幹太)し守備を固めます。
その目論見通りに以降愛媛はペースを失う事となり、試合終盤には逆に攻撃権を独占した山形。
シュートこそ40分の右CKで、キッカー中原のクロスをファーサイドで野口がボレーシュート(ブロック)した場面のみでしたが、リードを守り切るにはこれで十分だったでしょう。

44分に愛媛が最後の交代カードを使った(藤本・森谷→西田・岩井)後もその流れは不変で、セットプレーも得つつ時間を使っていく山形。
まさに攻撃したいという思いを根元から折るような振る舞いで、ATに入ってもそれは変わらず。
最後は池田を前線に上げるパワープレイ体勢を試みた愛媛ですが、最後まで好機を作る事は出来ず。
試合終了の笛が鳴り、山形がウノゼロで勝利と、幸先良いスタートを切ったクラモフスキー監督。

最悪の状況からは脱したと思われますが、果たして今後はどうなっていくか。
清水での監督経験を経たクラモフスキー氏が、以降自身の理想とどう折り合いを付けていくかも見物ですが、ここから遅れを取り戻し上位を目指せるでしょうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DAZN観戦 2021年J1リーグ第14節 ベガルタ仙台vsアビスパ福岡

2021-05-19 16:20:51 | サッカー視聴記(2021年J1)

<仙台スタメン> 4-2-3-1
GK ヤクブ・スウォヴィク
RSB 真瀬 CB 吉野 CB 平岡 LSB 石原
DH 上原 DH フォギーニョ
RSH 加藤 CH 関口 LSH 氣田
FW 西村
<福岡スタメン> 4-4-2
GK 村上
RSB エミル・サロモンソン CB 奈良 CB ドウグラス・グローリ LSB 志知
RSH 金森 DH 前 DH 田邊 LSH 杉本
FW ジョン・マリ FW ブルーノ・メンデス

ボトムの位置を突っ走ってしまっている仙台。まだ下に横浜FCが居ますが
12節・柏戦で初勝利を挙げ、その2試合後である前試合の川崎戦で、王者相手に引き分けで勝ち点1をもぎ取る善戦。
しかも大幅にターンオーバーを行い、控えメンバー中心の布陣での事であり、この試合に向けて意気上がるのも無理は無かったでしょう。
川崎戦からの連闘はGKスウォヴィクの他は、真瀬・加藤のサイドアタッカーに加え、新助っ人のフォギーニョ。
彼がボランチの位置で、チームの手綱を引き締められる存在になれるかどうかがJ1残留の肝となりそうですがさて。

ともに放送席の中では「ボール支配率が高くない」と評されていたチーム同士の対戦。
しかし福岡がロングボール中心での組み立てで、「ボール支配に拘らない」チームなのに対し、仙台は「ボールを繋ぎたいという意思は伺える」というチーム。
つまりは中々理想をチームに落とし込む事が出来ず、かといって理想を貫くという意思の徹底にも欠けるような現状で、それが降格圏に完全に浸かってしまっている成績面に繋がっており。

試合が始まり、いきなりシュートの応酬で幕を開け。
前半2分の仙台、自陣からのフリーキックでキッカー吉野が直接エリア内へ放り込むと、西村が合わせヘディングシュート。(威力無くGK村上キャッチ)
直後の福岡は、キャッチしたGK村上のロングフィードがマリへと渡り、そのままエリア内へと切り込むもGKスウォヴィクが抑え。
しかしスウォヴィクのスローが、余所見をしていた真瀬に当たってこぼれ、すかさずマリがシュート。
再度スウォヴィクがキャッチして事無きを得たものの、暗雲漂う入りとなった仙台。

その予感通り、以降福岡が攻撃権を支配。
初スタメンとなったマリを目掛けてのロングボール攻勢が目立ちましたが、マリはその期待に応えてボールを収め続け、また裏に走り拾い続けます。
8分には志知のロングパスを右サイドでマリが収め、そこから繋いだ末にコーナーキックを獲得。
その右CK、キッカー・サロモンソンのクロスをニアサイドでメンデスが足で触り、こぼれた所を金森がシュート。(GKスウォヴィクセーブ)

劣勢の立ち上がりを強いられた仙台は、最後方からパスを繋ごうとするも、福岡の出足の良いプレスに屈し中々好機を作れず。
仕方が無いとばかりに、1トップの西村を橋頭堡とするロングボール主体の攻撃へと傾倒していきます。
幸い開始早々のヘディングシュートに続き、11分にも右サイドからの真瀬のクロスに合わせてヘディングシュートを放つ(GK村上キャッチ)など、この日は好調に見えた西村。
それで勢い余ったのか、直後にロングボールを福岡・グローリと激しく競り合い、グローリが頭部を痛め倒れ込む事態を起こしてしまいましたが……。

ともかくこれにより何とか押し返した仙台、24分に右サイドで上原のロングパスからCKを獲得。
この右CK、キッカー上原はショートコーナーを選択し、受けにいった関口のクロスを中央で平岡がヘディングシュート。
しかし左ゴールポストを直撃し、惜しくも先制はならず終わります。

直後に飲水タイムが挟まれ、明けた27分。
再度西村が浮き球を収めにいくも、先にクリアした奈良をチャージしてしまい、繰り返し反則(と思われる)で警告を受ける始末。
モチベーションの高さは感じるも、粗さも露呈したという印象のこの日の西村でした。

これで西村にあまり頼れなくなった仙台ですが、以降は後方からパスを繋ぐ攻撃を展開。
逆に良い方向へ作用したようで、覚悟が決まった男の姿のようでもあり。
31分には左サイドでパスワーク・氣田のドリブルを絡めて前進し中央へ送り、受けた西村が右へと展開。
ここから関口のクロスが上がると、ニアサイドで西村がボレーシュートを放ちますが、GK村上のセーブに阻まれます。
35分に再び右から関口のクロスが入り、クリアされるも拾ったフォギーニョがミドルシュート、しかしこれもGK村上がセーブ。

好循環が生まれてきた仙台ですが、福岡も38分にやり返し。
杉本が右サイドへロングパスを送ると、奥で受けたのはやはりマリで、彼の戻しを受けた前が低いクロス。
これをニアで金森がフリックの体勢でスルー、そしてファーで志知がシュートとこの試合の1点目の再現のようなシーンを作るも、ブロックに阻まれました。

その後は両者攻め合い。
福岡はロングパス主体の攻撃は終始変わらず、仙台はフォギーニョが中盤でパスを散らして攻撃を作り……といった展開。
しかしゴールは生まれずに前半が終了します。

昇格組の福岡ですが、ここに来て4連勝で一気に上位争いの仲間入りを果たし。
とりあえず降格の不安は現状薄くなり、「5年に一度」のジンクスもあまり気にならない状況となっています。

故障者が多いという要素もありますが、メンバー固定はあまりせず。
とにかく駒を増やしていこうという起用法に傾倒している感があり、これまで全試合出場者は前・サロモンソン・金森の3人だけ。(金森は出場時間で2人に劣る)
ルヴァンカップも巧く使いつつ、戦力充実を図っている印象です。

過去のJ1シーズンと比べても、助っ人選手の多さが目を惹く今季。
2011年はほぼ国産での戦いを余儀なくされ、2016年はストライカーのウェリントン(現湘南)が奮わず窮地に陥り、共に真っ先に降格決定という歴史を歩んできました。
今季は総勢8人という大軍団を形成し、絶対的なサロモンソンを除き入れ替えつつ戦う事で、タフなチームを作り上げています。
敗戦の歴史から学ぶ……とは褒め過ぎでしょうが、残留に向けて視界良好といえるのは確かでしょう。

共に交代は無く、迎えた後半。
福岡が押し込み後半2分にCKを得ると、再びニアへのクロスを金森がフリックする形に持ち込み、メンデスがトラップからループシュート。(枠外)
もはや一つのパターンとなっている事を見せ付けます。
一方の仙台は5分に左サイドからのフリーキック。
キッカー上原がファーサイド奥にクロスを上げると、西村が走り込んで跳ぶも合わずに越え、その後ろに走り込んでいた吉野が足で合わせるも折り返せず。
落下点に2人も走り込んでしまう辺り、呼吸が合っておらず、落とし込みも足りないと思わされたシーンでした。

是が非でも勝利が欲しい仙台ですが、7分に福岡・前を後方から倒してしまったフォギーニョが警告を受け。
良い流れが途切れつつあるという印象の中、8分にベンチも動き氣田→松下へと交代します。(上原がCHに上がり、関口が左SHへシフト)

一方の福岡も12分に動き、マリとメンデスの2トップを一気に交代、フアンマ・デルガドと山岸を投入。
ともにターゲットとなれる存在で、それに従うかのように以降の福岡は早めに2トップ目掛け、多少強引にでもロングボールを入れる攻撃。
そこの収めから攻撃権を得たのちサイドに繋ぎ、クロス攻勢に出るという流れへとシフトします。

しかし18分に再度動いた福岡、杉本→渡に交代。(金森が左SHへとシフトし、渡は右SH)
その後は2トップへのロングボールは控えるようになり、サイドから直のパスワークを駆使して前進、という攻撃に傾倒するようになりました。
それでもクロスを軸にするのは変わらず、実際にサロモンソン・志知からガンガンクロスが入るも、得点には結び付かず。
それでもこの時間帯は仙台の攻撃機会は殆ど無く、時間が進んでいきました。

25分に再度仙台ベンチが動き、真瀬・関口→照山・マルティノスへと2枚替え。
守備に難のあるマルティノス投入に踏み切った手倉森誠監督、当然得点を奪って勝ち点3を得る事のみ、という姿勢を見せる事に。

27分の遅めの飲水タイムの後、最初に好機を掴んだのは福岡で、右サイドでのスローインをフアンマが落とし渡が拾うというシンプルな形。
そこからエリア内に進入しカットインでGKスウォヴィクに迫った渡、マイナスのクロスを入れるもカットされた挙句、勢い余ってスウォヴィクと交錯。
痛むスウォヴィク、前半西村を中心に目立ったラフプレーが今度は仙台サイドに牙を向くシーンとなりました。

ヒヤリとした仙台ですが、その後はベンチの交代策通りに押し込み攻め上がります。
その中で違和感を覚えたのがマルティノスのプレーで、ロングパスやスローインを相手DFを背にして収めにいくという、彼の持ち味とはかけ離れたようなプレーが目立ちました。
未だにベンチが特徴を掴み切れていないという印象で、また折角右サイド奥でボールを持っても、左利きなため切り返さないとクロスを入れられないマルティノス。
そのため右サイドでのプレーは窮屈そうで、川崎戦で同点ゴールを決めたとはいえ、完全に機能させるにはまだ時間が掛かりそうです。

37分に共に最後のカードを切りに行きます。
仙台は上原・加藤→赤崎・中原。
福岡は金森・田邊→湯澤・重廣。(湯澤は右SHに入り、渡がFWへシフト・山岸が左SHへシフト)

仙台は赤崎がジョーカーの役目を果たさんと得点を狙いにいき。
40分にはCKからの二次攻撃で、マルティノスの右からのクロスをファーサイドでボレーシュート。(GK村上セーブ)
41分にもCKから、石原のクロスをヘディングでループシュート(ゴール上へ外れる)とフィニッシュに絡み続けます。

しかし結果は、仙台にとって残酷なものとなりました。
アディショナルタイムに突入し、福岡が中盤でのFKからの攻め、キッカーの前が素早く左へ展開したのち志知がクロス。
フアンマが合わせにいくもクリア、しかしこのボールが選手に当たってしまい跳ね返り、渡がすかさず反応しシュート。
ゴールネットに突き刺すもオフサイドの笛が鳴り、するとゴールを決めたであろう福岡サイドは猛抗議。
VARチェックの時間に入り、検証の結果クリアボールが当たったのは仙台・フォギーニョという事が判明。
従ってオフサイドというのは明らかな誤審なので、得点が認められ。
改めて喜びを露わにした渡、直後思い出したようにベンチメンバーの下に駆け寄る、ちょっと微笑ましい場面が作られました。

一方土壇場で勝ち越された仙台、判定後逆に抗議するも、得られたのはマルティノスの警告のみ。(どうやらFKの際のポイントが違うという抗議だったとの事)
その後は平岡を前線に上げパワープレイで反撃を試みますが、フィニッシュに持ち込めないまま、福岡がボールキープで時間を使う体勢に突入します。

VARの影響でタイムも100分台へと突入した末、0-1のまま試合終了。
連勝を5に伸ばした福岡、これは実にJ1での新記録との事。
まだシーズン先は長いものの前途は洋々で、終了時の着地点は何処になるでしょうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DAZN観戦 2021年J2リーグ第14節 レノファ山口FCvsSC相模原

2021-05-18 16:20:10 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の山口の記事はこちら(7節・ヴェルディ戦、1-3)
※前回の相模原の記事はこちら(10節・千葉戦、1-0)

助っ人関連で慌ただしい動きを余儀なくされている相模原。
ユーリの故障離脱に続き、ホムロが家庭の事情で契約解除・帰国を余儀なくされ、前線の2人が一気に消えてしまう暗雲に晒されました。
それでもユーリがこの日ベンチに復帰し、合流が遅れていたGKアジェノールとDFクンデも前節からスタメンに名を連ね。
視界良好と言いたい所でしたが、この日の山口・維新みらいふスタジアムはあいにくの雨となりました。

ボールポゼッションを重視する山口が相手という事で、持ち味のロングカウンター狙いがいかに冴え渡るかどうかがカギとなる相模原。
その予想の通り、立ち上がりから山口が攻勢を掛け、右サイド重視の攻撃を展開。
開幕節から続けていた4-4-2の基本フォーメーションを、10節(京都戦・0-2)から改めて3-4-1-2へとシフトし現在に至る山口。
両センターバック(右=石川・左=ヘナン)が攻撃に参加し、人数を増やしたうえでパスを繋ぎ前進する攻撃は中々見応えがあり。
ポゼッションを高めてパスを繋ぐも、中々前進できずどん詰まりになるという従来の問題(前年から?)は解消傾向にあるようです。

右サイドからクロスを入れ続けるも、フィニッシュシーンに結び付かなかった山口。
前半12分からは逆の左サイドで好機を作り、そこからコーナーキック攻勢に持ち込み。
15分の左CK、キッカー池上はショートコーナー、受けた田中がさらに戻したのち石川がグラウンダーでミドルシュート。
GKアジェノールにセーブされて再度左CK、今度はクロスを入れた池上、ニアサイドで梅木がヘディングシュートを放つも枠を捉えられず。
18分には左からのスローイン、高井が直接エリア内へ叩くと、梅木がトラップからシュートを放ちましたがゴール上へと外れ。

3バックとボランチ1人による、「丁の字型」でのビルドアップがこの日の山口の基本形。
ボランチは縦関係になり後方は主に神垣が務めるも、最終ラインが持っている最中でも田中と位置を入れ替えたり、並列に並ぶなど変化を付ける事も忘れず。
3人のCBも立ち上がりは距離感が近かったものの、徐々に両サイドが広がっていき、スムーズなサイド攻撃に繋げようと振る舞っていました。

20分前後から相模原も好機を掴み、19分には右サイドでの夛田のクロスからニアサイドで平松がヘディングシュート。(GK関キャッチ)
21分には鎌田の縦パスから平松→藤本と渡り、エリア内左から藤本がシュート。(GK関キャッチ)
相手の攻撃を受けながらも、少ない好機で全力で相手ゴールを脅かすという狙い通りの展開を作りつつあった相模原ですが、23分にアクシデントが発生。

クンデが足を痛めて倒れ込み、自ら交代をアピールする事象となってしまいます。
しかし同時に飲水タイムに入り、クンデは自らの足でピッチ外に出ると、驚いた事に再開の際ピッチに復帰。
アピールは何だったんだと一瞬思わされましたが、直後の27分に結局交代となり(クンデ→和田)、再び助っ人の途中交代という事態に襲われました。
和田はシャドーに入り、夛田が右ウイングバック→右CB、星がシャドー→右WBへと大きく動く事も余儀無くされました。

そのクンデがピッチに立っていた間に、決定機を得た相模原。(26分)
右サイドで夛田がパスカット、ドリブルからスルーパスを送ると、走り込んだ星の低いクロスがエリア手前へと転がり。
フリーで受けた藤本が左ハーフレーンからシュートするもGK関がセーブ、平松が詰めにいったものの抑えられ先制ならず。

クンデが退いて以降、再び山口ペースとなる試合展開。
基本型のビルドアップから、それに加わらないもう片方のボランチが動き回り、時には最前線でもボールを受ける流動性を見せていき。
CBの一人や、トップ下の池上も加わるサイド攻撃然り、これらを活かすパスワークに相模原サイドも手を焼かされているという印象。

それでもカウンターの好機を得た際は全力で仕掛けにいきます。
43分にはクリアボールを藤本が拾い、そのまま左サイドへスルーパス。
これに平松が抜け出して受けるも、藤本が山口・池上と激突してしまった事で反則を取られるという、勿体無い逸し方となりました。
アディショナルタイムには左サイドでフリーキックを得て、キッカー舩木のクロスを中央で和田がヘディングシュートに持っていきましたが、オフサイドと判定され無効に。
良いシーンを点在させるも、ゴールは奪えなかった相模原。
結局前半はスコアレスでの折り返しとなります。

雨脚が強まる中で迎えた後半のキックオフ。
山口は立ち上がり、前半と同様右サイドから攻勢を仕掛けていきます。
クロスを何度も上げ、後半2分にはこぼれ球を田中がボレーシュートにいく場面もありましたがミートせずに終わり。
7分から長い攻撃を仕掛け、右→左へとサイドを変えて繋いだのち左から田中がクロス、クリアされたボールを石川がシュートするもブロックされ。
しかし高井が拾って尚も右サイドからクロスを連発し、跳ね返されるも最後は再び石川がシュートを放ち、ブロックされCKに。
その左CK、池上がファーサイドに上げたボールをヘナンがヘディングシュート、ゴール左を捉えたものの寸前で相模原・和田がブロックしてゴールならず。
押し込みながらも得点出来ない山口、12分に高木→澤井へと交代します。

16分に再び山口がCKから、梅木が繋いだボールを神垣がミドルシュートにいきましたが枠外に。
その直後、押し返したい相模原は左サイドから、ドリブルで前進した舩木がクロスと見せかけてシュートを放つも惜しくもゴール上へ外れ。
雨によりピッチ上に水も溜まっていき乱戦模様へと移るなか、直後に藤本→ユーリへと交代した相模原。
14分には和田のパスを受けたユーリ、ディフェンスに入った山口・渡部を文字通り跳ね飛ばしてキープし、彼から受けた平松がエリア内からシュート。(枠外)
ユーリの規格外のフィジカルが見られたシーンで、これを機に主導権を得たかった相模原ですが、山口サイドも直後に2枚替え。(梅木・神垣→小松・島屋)

以降、山口は島屋が上がり目の3-3-2-2のような立ち位置になったでしょうか。
エリア近辺で島屋がボールを引き出すシーンが目立ち、その分攻撃機会も増えていきます。
21分には左から、23分には右から島屋がクロスを入れ、小松が合わせにいくシーンも。(前者は足で跳び込むも合わず、後者はフリックするも直接GKアジェノールがキャッチ)

そんな流れの中25分に飲水タイムが挟まれると、文字通りのブレイクとなり、以降再び相模原のペースに。
ユーリにボールが収まり、これを主体に攻撃を組み立てるもシュートには辿り着けない相模原。
31分には清原→梅鉢へと交代し、梅鉢がボランチに入り3-4-2-1のフォーメーションにシフト。(平松がFW→シャドーへシフト)
ユーリによるカウンター一辺倒で、引き分けを狙いつつあわよくばウノゼロでの勝利を目指すという体勢へ移行したでしょうか。

しかしそれは同時に、山口にほぼ完全にボール支配されるという事でもあり。
その通りに再び山口にペースが傾きます。
33分には田中のボール奪取から、島屋が遠目からロングシュートを狙い、これがループで枠内を捉えるボールとなり辛うじてGKアジェノールがセーブ。
これで浮足立ったのか、続く34分には右サイドから川井が高いクロス。
このボールが風で動かされると、GKアジェノールは目測を誤り中途半端に位置した結果、中央で捉えた澤井のヘディングシュートが無人のゴールに吸い込まれ。
押し込まれる事を厭わない姿勢が、悪天候という要素もあり崩れた瞬間となってしまいました。

ビハインドとなり、嫌でも攻めなければならなくなった相模原。
37分には川崎のロングパスが平松に繋がり、エリア周辺でボールを繋いだのち夛田がエリア内へ浮き球を入れ、平松がフリックした奥で梅鉢が合わせにいくもオフサイド。
41分には舩木が左サイド中盤から一気にエリア内へ送ると、平松がボレーシュートで合わせにいきましたが惜しくもミートせず。
攻め手も限定されている中、必死に同点を狙う姿勢は見せたものの、それが結果に繋がるとは限らないのがプロの世界。

逆に、攻勢が終盤になって実を結びリードを奪った山口。
悪天候でピッチの水の量も尋常では無くなり、繋ぐ事も出来なくなったためか守備重視にシフトします。
42分に最後の交代カードを切り、高井・石川→ヘニキ・菊地と2枚替え。
FWの数を減らす事で、後ろを固めて紛れを起こさせない体勢を取ります。

以降は相模原のロングボール攻勢を、今季初出場となったヘニキを中心にしっかりと跳ね返し時間を経過させる山口。
ATに突入しても、相模原が1本CKを得たのみでほとんど何もやらせず。
そして試合終了の時を迎え、前節(金沢戦)に続くウノゼロでの勝利を手にしました。

これでここ4試合で3勝(1敗)となった山口、3バックへ変更した効果は表れつつあるようです。
リーグも丁度3分の1を消化し、掴みかけている上昇機運を形にするべくの戦いに入っていく事でしょう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DAZN観戦 2021年J1リーグ第14節 大分トリニータvsサガン鳥栖

2021-05-17 16:17:35 | サッカー視聴記(2021年J1)

<大分スタメン> 3-4-2-1
GK ポープ・ウィリアム
RCB 小出 CCB 坂 LCB 三竿
RWB 松本 DH 羽田 DH 下田 LSH 香川
IH 町田 IH 渡邊
FW 高澤
<鳥栖スタメン> 3-3-2-2
GK 朴一圭
RCB ファンソッコ CCB エドゥアルド LCB 中野伸哉
RWB 飯野 DH 松岡 LWB 中野嘉大
IH 樋口 IH 仙頭
FW 山下 FW 林

スタートダッシュの勢いを再び取り戻し、上位争いを繰り広げている鳥栖。
7節・セレッソ戦(0-1)で敗れてから、4戦で3敗を喫してしまい勢いが止まったかに思えましたが、再浮上を見せている近況。
この不調期には、センターバックのファンソッコが警告2度で退場となってしまったのが7節で、続く8節(川崎戦・0-1)には代役の田代も退場。
最終ラインがこれだけ荒れてしまえば負けが込むのも当然ですが、それ以外では特に波乱も無く、故障による離脱者も目立たず。
まさに無事これ名馬、という感じで勝利を重ねています。

この日は現在降格圏に沈んでいる大分が相手。
過去2年間とは立場が逆転しつつある中での対戦となりました。

前節からのメンバー入れ替えは1人だけ(小屋松→中野嘉)と、勢いを持続するべくのスタメン選択をした(と思われる)鳥栖。
いつも通りの、エドゥアルド・ファンソッコの2CBに変形させてのビルドアップを立ち上がりから貫き。
仙頭がボランチの位置に下がる、右サイドで樋口がボールを受けに降りて来るという基本形もそのままで、大分のプレッシングをかわしていきます。

一方の大分は、基本形であった「ミハイロ・ペトロヴィッチ(現札幌監督)式」のビルドアップ(両CBが開いて、ボランチが最終ラインに降りる)をこの日はほぼ放棄。
坂と三竿で2CBを形成し、小出が右サイドで上がり目を取るという、3人の最終ラインを右へとずらす形を基本としていました。
今季は7連敗を喫するなど成績的に不振が続いていたためか、新たな形を模索しているのでしょうか。

立ち上がりは大分の好機の方が多くなり、サイドからクロスを上げ続けるもシュートには辿り着かず。
すると前半11分、大分の攻撃で下田のクロスをGK朴がキャッチしてから鳥栖の反撃。
素早い繋ぎから中野嘉がスルーパスを送り、受けた山下がさらにスルーパス、エリア内左に林が走り込む好機。
ここは跳び出したGKポープがかき出すも、左サイドで山下が拾いパスワークを継続、最終ライン中央まで戻ってエドゥアルドが縦パス。
仙頭を狙った(と思われる)もののずれ、代わって林が入れ替わろうとした所ディフェンスと交錯しこぼれ、しかしこれが疑似的なスルーパスになって綺麗にエリア内に山下が抜け出し。
前にGKしかいない場面で、山下はキッチリゴール左へシュートを突き刺し。
細かいズレが鳥栖に味方をするという、両チームの攻撃がぶつかり合った結果、鳥栖の勢いが勝ったような序盤戦を総括するような先制点となりました。

先制した鳥栖でしたが、その後15分にヒヤリとする場面が。
ビルドアップの最中、GK朴のショートパスが直接大分・高澤に渡ってしまい、すかさず高澤はシュート。
ループで放たれたボールが朴を越えるも、ゴールも越してしまいモノに出来ず。
先程はミスが味方したものの、今回は直接敵に利を与えるものとなり、慎重になるべきという天啓だったでしょうか。

スコアが動いた事で、ビハインドの大分がボールを握る展開が多めとなっていく試合。
この日の基本である2CBの形から、時折羽田が最終ラインに降りてきたりと工夫を見せながら、長短のパスを絡め前線へ運ぶ大分の攻撃。
しかし中々フィニッシュには持っていけず、23分に飲水タイムが挟まれます。

ブレイク後の最初の攻撃は大分で26分、最終ラインの繋ぎから下田が左サイド裏へロングパス。
これを走り込んで受けた渡邊からグラウンダーでエリア内へと入りますが、受けにいった町田はさらにヒールパスを選択するも繋がらず。
フィニッシュが少ない大分、この日の前半は終始放送席でその事が槍玉に挙がっていましたが、傍らからも同じ感想を持たざるを得なくなったこの場面。
鳥栖の中央の硬さを考慮しすぎて、ゴール前では変化を付けたがる姿勢に傾倒していたのでしょうか。
逆に鳥栖は28分、敵陣でのパスカットから樋口がミドルシュート。(ゴール上に外れる)
31分には右サイドへのロングパスを受けた飯野が、エリア内にカットインしてシュート(ブロック)と、大分ゴールを脅かしていきます。

それでも大分は35分にコーナーキックを得ると、ここからCK攻勢。(キッカーは全て下田が担当)
1本目の右CK、ニアサイドへの低目のクロスを三竿が足で合わせ、右ゴールポストを直撃と際どいシーンを演出。
3本目の左CK、中央へと流れた所を高澤がボレーシュートにいくもミートせず不発。
セットプレーからフィニッシュシーンを作った大分、以降もボールを握り攻勢を続けます。
最終ラインにGKポープも組み立てに加わるようになり、フィードで好機を作る場面もありましたが、やはりシュートには繋がらず。
アディショナルタイムには逆に鳥栖がボールを保持、長らくパスを繋いで大分に攻撃権を与えず、そのまま前半終了となります。

後半を迎え、大分はややマイナーチェンジ。
立ち上がりは下田がサイドに流れ、三竿と香川の間に位置する形でのビルドアップを見せます。
後半3分には相手ロングボールの跳ね返しから、高澤の落としを拾った下田がそのままミドルシュート(枠外)と、最初にフィニッシュを放った大分。

しかしその後は鳥栖が果敢にゴールを狙うシーンが続出。
7分には右CKから、キッカー樋口のクロスからクリアボールをエリア内左で林が拾い、左サイドを経由して再びエリア内へ。
そして浮き球を受けた仙頭が反転してシュートするもゴール左へ外れ。
10分には右サイドから、樋口のスルーパスに飯野が走り込み、エリア内右奥からマイナスのクロス。
ニアサイドでトラップした中野嘉がシュート、ブロックされたこぼれ球を再度中野嘉がシュート。
これもブロックされて、エリア内右へのこぼれ球を後方から樋口が走り込んでシュート(枠外)と立て続けに撃ったものの、2点目は奪えません。

ペースを握られかかった大分、以降は再び基本形を変え、下田が2CBの間に降りる形でのビルドアップに。
すると11分に早速その形から、三竿のロングパスで左サイドから攻め、渡邊の股抜きパスもありクロスを入れる形へ。
そして渡邊のグラウンダーでのクロスを、高澤のポストプレイから町田がシュート(枠外)と一つ流れを作り。
ここから続く12分には、敵陣でのボール奪取から立て続けに好機を作り、まずは町田が中央からミドルシュート。(GK朴キャッチ)
直後にはエリア内右から町田クロス→高澤ヘディングシュート(ゴール上へ外れる)と、鳥栖ゴールに迫ります。

その後はお互い好機を得ていく中、19分に再び鳥栖のミスで危ない場面が。
大分の攻撃、最終ラインの下田が裏へ一気にロングパスを送り高澤を走らせ、GK朴が跳び出してヘッドでクリア。
しかしこれが高澤を直撃し、危うくピンチとなる所でしたが中央に跳ね返ったボールは繋がらずと事無きを得ます。
鳥栖のバタつきを活かしたい大分でしたが、直後に香川が深いタックルで鳥栖・樋口を倒してしまい警告対象に。
以降鳥栖ペースとなり、反撃の糸口を大分は掴めずに推移し、ついに交代カードを切りにいきます。
鳥栖サイドも同じタイミングでの交代となり、25分に大分は高澤→長沢、鳥栖は中野嘉・林→小屋松・本田へと交代。
その後の28分に飲水タイムとなります。

左ワイドに小屋松が入った事で、彼の推進力を活かさんと振る舞う鳥栖。
33分には右からのスローインで、細かく繋いだのちにサイドチェンジで左へ送り、小屋松がボールを持つ展開に。
しかしここは中央へ仙頭→ファンソッコと経由し、ファンソッコのエリア内へのロングパスに仙頭が走り込むという攻撃。(繋がらず)
逆に大分は、左サイドに三竿が張り出して人数を掛ける攻撃が目立ち始めます。
34分には、ここでのパスワークから渡邊が中央へ向かい、町田とのワンツーでエリア内を襲い。
相手クリアをブロックして尚も攻撃、こぼれ球を左サイドで拾った下田がクロスを上げ、跳ね返りを拾った小出がシュート。(DFに当たり枠外)

大分の左サイドが跳梁する中、鳥栖は再度交代カードを切り。
36分に仙頭→大畑へと交代し、大畑が左ウイングバックに入ると、配置も大幅転換。(小屋松がFWにシフトし、本田がFW→シャドーにシフト)
特に大分の左サイドをケアするという訳でも無い交代で、これが裏目となったのか。
尚も左サイド重視の攻撃を続ける大分、37分に左からのスローインで、下田からクロスが上がり。
そして中央で長沢がこのボールを捉え、強烈なヘディングシュートでネットを突き刺してゴール。
ようやくビハインドを跳ね返した大分。

直後に大分は、得点前から準備していた藤本・高畑を投入。(羽田・香川に交代、町田がシャドー→ボランチにシフト?)
そして自陣でボールを奪って大分の攻撃が始まると、入ったばかりの藤本が左サイドをドリブルで疾走。
中央の渡邊に出したのち、リターンを受けてエリア内左へ進入、さらに切り込んだ所に鳥栖・ファンソッコの足に掛かり。
倒れると笛が鳴り反則・PKを獲得と、鳥栖サイドの混乱に乗じて一気に逆転への道筋が生まれ、最後の架橋の役割を果たした藤本がこのPKを務めます。

しかしそれを遮断したのがGK朴。
藤本のゴール右へのシュートを読み切って左へ飛び、見事セーブしてゴールを割らせず。
直後の大分はCKから、渡邊がミドルシュートを放つも枠外となり、結局この好機はモノに出来ず仕舞いとなりました。

このPKの直前に、再度2枚替えを行っていた鳥栖。(松岡・山下→相良・ドゥンガ、樋口がボランチにシフト?)
ターゲットタイプのドゥンガを活かす攻撃を行わんとするも、やはり追い付かれた反動は大きく中々形を作れません。
一方の大分も、絶好の勝ち越しチャンスを逃したショックからパワーを失いつつあり、そのままATに突入し最終局面へ。(45分に大分は三竿→エンリケ・トレヴィザンに交代)

大分は藤本・高畑を活かし、先程と同様の左サイドアタックを仕掛けるも不発。
鳥栖は本田がボール奪取からエリア内右へロビングを入れると、走り込んだドゥンガが右足で合わせシュート。(GKポープがセーブ)
ドゥンガのフィニッシュシーンが生まれた事で、鳥栖に流れが傾き。
エドゥアルドが足を攣らせるという事態に陥りながらも、余力を振り絞って押し込む鳥栖。
中盤中央からフリーキックを得て、樋口の右へのロビングをドゥンガが折り返すと、中央の本田がジャンピングボレー。
しかしミートせずに不発となり、結局これが最後のフィニッシュ。
1-1のまま引き分けに終わりました。

是が非でも勝ち点3を得たかったのは大分の方で、この試合まで8得点(12試合)という攻撃力の低調ぶりはこの日も見受けられ。
後半から徐々に改善し、閉塞感を打ち破るゴールが生まれたものの、PK失敗が響いて勝ち越す事は出来ず。
まあそこまで一気に良化して勝ちを拾えるほど虫の良い話は無かった、という事で納得するしかないでしょう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DAZN観戦 2021年J1リーグ第20節(前倒) ガンバ大阪vsサンフレッチェ広島

2021-05-14 18:39:11 | サッカー視聴記(2021年J1)

<G大阪スタメン> 4-4-2
GK 東口
RSB 奥野 CB 三浦 CB 昌子 LSB 黒川
RSH 矢島 DH 井手口 DH チュセジョン LSH 倉田
FW パトリック FW 一美
<広島スタメン> 4-4-2
GK 大迫
RSB 野上 CB 荒木 CB 佐々木 LSB 藤井
RSH 森島 DH 川辺 DH ハイネル LSH 柏
FW ジュニオール・サントス FW 浅野

無観客での一戦となり、関係者の声が一際目立つ試合となりました。

出遅れて下位に沈んでいるとはいえ、延期になった分で取り返していけば上位も狙える。
そんな理想を盾にイレギュラーな戦況下で歩みを進めているであろうガンバですが、ここまで9戦で僅か1勝。(4分4敗)
特に活動停止により連携面がリセットされてしまったのか、9試合で得点は僅か2という有様で、このままでは厳しい残留争いの懸念が膨れ上がる事に。

お互い最終ラインからボールを繋ぐも、静かな展開に。
遅攻を基本としつつ、相手守備の隙を見つけて突かんとする意図がぶつかり合い。
守備側も、相手が最終ラインで回しているうちは闇雲なプレスは掛けず、じっくり構える体勢を取ります。
そんな我慢の展開に拍車を掛けるような、無観客の吹田スタジアムという要素もあり、実に異様な雰囲気で時間が経過。

前半7分、右サイドで野上が一気にエリア内へロングパスを送り、浅野が受けて広島の好機。
そしてシュートを放ったものの、ディレイでオフサイドと判定されて無効となります。(昌子がブロック)
直後の9分にも、浅野がスルーパスに抜け出しエリア内に進入するもオフサイド。
11分にはガンバも、チュセジョンの縦パスを受けた矢島がエリア内に進入するもオフサイドと、副審がフラッグを上げる姿が目立った立ち上がり。
オフサイドディレイという取り決めを、大衆に認知させるには十分な展開を描きました。

18分の広島、ハイネルがカットして右サイド裏へロングパス、森島が走り込んで受け溜めたのち野上へと短いスルーパス。
そしてクロスが上がり、サントスがニアサイドでヘディングシュートを放ちますが、ゴールバー上部に当たり惜しくもゴールならず。

広島のフィニッシュシーンが目立つ展開の中、ガンバの攻撃はというと。
2センターバックからのオーソドックスなビルドアップでボールを動かしつつ、ロングパス・ミドルパスを軸にした組み立て。
広島守備の急所を突く一本のパスを通したいという意図は感じられたものの、肝心のフィニッシュには繋がらず。

25分に飲水タイムが挟まれた後も、同じような組み合い。
こうなると試合を動かすのはセットプレー、と言わんばかりの展開となり、先にコーナーキック攻勢に入ったのはガンバ。
29分から2本続き、キッカー・チュセジュンのクロスが送られたもののシュートには持っていけず。

広島はこの時間帯辺りから、ガンバ同様の2CBでのビルドアップに加え、ハイネルが降りて3枚の最終ラインで組み立てるシーンも作り始め。
35分にはそのハイネルから右サイドへロングパス、上がっていた野上が落としてからパスを繋ぎ、右→左と半円状に回して逆サイドへ。
そして左サイドを藤井がドリブルし、エリア内左へと切り込みクロスを上げると、再びサントスのヘディングシュート。
GK東口が足でセーブし失点は防いだガンバでしたが、その後左サイドでパトリックが反則を犯しフリーキックに。
今度は広島がセットプレーという流れで、キッカー森島のクロスが中央へ入ると、佐々木がヘディングシュートでゴールネットを揺らし。
均衡をセットプレーで見事に崩し、広島が先制に成功します。

41分にも、再びパトリックの反則でFKを得た広島。
左からのキッカー浅野のクロスが流れると、今度は右サイドから川辺のクロスが上がり、荒木がヘディングシュートを放つも枠を捉えられず。
これで追加点となれば虫が良すぎる、なんて思ったりもしましたが、一転してガンバの好機に。

43分に今度はパトリックが反則を受ける側となり、そこからFK→CKという流れに。
その左CK、キッカー・チュセジョンはファーサイドへクロスを上げると、合わせたのは一美。
GK大迫のニアサイドを突き、ポストに当たったボールが大迫の背面に当たりゴールに吸い込まれ。
広島・森島がかき出すも既にゴールラインを割っており、良い時間で同点に追い付いたガンバ。

その後はガンバがショートパスを繋いで好機を作るようになり、流れが良くなっている事をアピール。
アディショナルタイムにはそのパスワークから一美がシュートを放つ(ブロック)場面もあり、良い雰囲気を持って前半を終えます。

共に選手交代は無く迎えた後半、入りはその流れを継続するようにガンバが攻勢。
後半2分、左サイドで倉田の前進からパスワークを始めたのち、チュセジョンのサイドチェンジで右から奥野が低いクロス。
これがバウンドする守備側にとって難しいボールとなり、中央でパトリックが合わせシュートしましたが、GK大迫のセーブに阻まれゴールならず。

決定機を外した影響か、その後はガンバから流れが逃げるかのように広島に決定機が。
6分には右サイドで森島がスルーパス、受けたサントスがエリア内右へと進入してマイナスのクロス。
これがDFに当たりGK東口が足で弾く際どいボールとなり、尚も柏が拾って繋ぎ、浅野が中央からシュート。
しかしゴール前でガンバ・奥野がブロックしてこちらもゴールは奪えず。

お互いに決定機を逃し、以降は一進一退。
ガンバは前半に比べ、サイドバックの奥野・黒川が奥まで進入するシーンが目立ち始め。
それもワンツーで切り込む場面あり、後方からのロングパスに抜け出す場面ありと多種多様。
やはり攻撃にリズムが出ているのは明らかで、後はそれをゴールという結果に繋げるだけなのですが……。

そんな中、再び均衡を破るべくセットプレー攻勢に入ったのはガンバ。
18分にパトリックの右サイド奥でのクロスがブロックされてゴールラインを割ると、ここからCKが3本続き、そしてそれが運命の分かれ道となります。
1本目の右CK、クリアされたボールを左サイドへ繋ぎ、矢島のスルーパスがエリア内左へ入る好機。
倉田が受けるもこぼれ、そのボールを一美がシュートするもブロックに阻まれ再度CKに。
2本目(左)は何も起こらずクリアされ、そして3本目。(右・20分)

しかしそこから生まれたのは、広島のカウンターという絵図となります。
クリアボールを柏が拾ってサントスに繋ぎ、ライナーでスルーパスを送るサントス。
そこに川辺が走り込んで受け、一気にエリア内を急襲してシュート。
強烈なシュートがゴール上部に突き刺さる、まさにカウンター一閃という攻撃を完遂させました。

見事に勝ち越した広島は、直後に浅野・柏→鮎川・エゼキエウに交代。
追い込まれつつあったガンバサイドも、23分にはパトリックと一美に代え、レアンドロ・ペレイラと宇佐美を投入。
FW2枚を代えるとともに、チュセジョン→山本も加える3枚替えに賭ける事となります。

既に飲水タイムを採っても良い時間でしたが、中々良い形でプレーが途切れず。
先に広島が24分、川辺がミドルシュート(ブロック)を放って以降、ガンバがボールを握り糸口を探す展開に。
一方の広島サイドもボールを握り時間を使いたいという振る舞いで、双方のスタイルが噛み合った末、ボールが出ずにブレイクに入れないという状況になったのでしょうか。

広島のパスワークに喰らい付き、遮断する事で好機を作るガンバ。
30分には黒川の左からのクロスがクリアされた後、拾った矢島がエリア内へ送り、山本→宇佐美と渡り。
ここで宇佐美が広島・ハイネルに倒されるものの、笛は吹かれず。

結局飲水タイムとなったのは32分になってからの事で、明ける際にガンバは再度選手交代。
新加入のウェリントン・シウバが投入され、これが初出場となりました。(井手口と交代、矢島がボランチに回りウェリントンは右SHに)

右サイドで突破力を活かしたいウェリントン、その実力は多少垣間見えるシーンもありましたが、試合を動かす所まではいかず。
先んじて投入されたペレイラも、前年所属していた広島相手に得点出来れば格好良かったですが、高さを封じられ厳しい戦いを強いられます。

時間も押し迫った45分。(43分にガンバは倉田→塚元に交代)
広島が右サイドでパスを繋いだのち、後方からハイネルのスルーパスを受けた鮎川がキープ、そして上がってきたハイネルがシュート(ブロック)という好機の後。
ガンバがウェリントンのドリブルから、塚元がエリア内へロビングを入れ、クリアされるもペレイラが拾い。
そしてエリア手前からシュートを放つも、ブロックに阻まれCKに。

既にATに突入していたそのCKで、クリアされたボールをGK東口が拾い、そのままロングシュートを狙うというレアな場面も見られ。
尚も押し込み同点を狙うガンバでしたが、力尽きて最後は広島が時間を使う展開に突入。
最後の交代カード(ハイネル・藤井→茶島・今津)も使いつつ時計の針を進め、そのまま無事に逃げ切り。
ガンバの不振を取り上げたものの、気が付けば広島も7試合ぶりの勝利であり、ドツボから脱出したのは広島という結果になりました。

この日は得点を挙げたものの未だ3得点と、深刻な得点力不足に喘ぐガンバ。
そしてフロントもそんな結果に動かされる事となったか、2日後に監督の宮本恒靖氏を解任する決断に踏み切りました。
暫定監督を松波正信氏が務める事になりましたが、本当に「暫定」なのかどうかは、2012年のシーズンを経験したファンが何よりも聞きたい所でしょう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする