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DAZN観戦 2021年J2リーグ第13節 ギラヴァンツ北九州vsV・ファーレン長崎

2021-05-13 16:31:11 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の北九州の記事はこちら(11節・松本戦、1-2)
※前回の長崎の記事はこちら(9節・山形戦、3-1)

昇格候補に挙げられていながら、黒星が先行する重苦しい状況の長崎。
溜まらず11節・水戸戦(0-1)の終了後に監督交代の断を下したフロント、吉田孝行氏が監督の座を降ろされ(解任でも辞任でも無く、配置転換との事らしい)、代わりに松田浩氏が就任。9節に山形・石丸清隆前監督に引導を渡した長崎ですがすぐ後自らもそうなってしまうとは何とも
アカデミーダイレクターという役職から、3連戦の最中での急な就任となった松田氏、既に還暦を迎えている大ベテラン。

そんな中で行われた5月5日の12節(秋田戦・1-2)では、ホームで大々的なイベント(とはいってもあくまで動画内で)が催されておりましたが、何処と無くチームへの不安が先行するような状況。
それを払拭するべく、この日から指揮を執った松田氏。(12節は佐藤一樹氏が代行監督を務めた)

その松田氏は2013年の栃木以来の監督業であり、守備構築が第一という監督で、ポゼッションスタイルを謳って停滞・低迷しているクラブを建て直すには腕の奮い甲斐がありそうな状況です。
しかし、戦術の発展のスピードは凄まじいものがあるのがサッカーというスポーツ。
ブランクを経ての就任とあり、前回時から自身がどれだけアップデートさせられるかという難しい問題も生まれて来るでしょう。
この日の相手の北九州は、同年代の小林伸二氏が監督を務めるクラブ。
彼も北九州ではその問題をサッカースタイルの転換を行う事でクリアし、更なる実績を上げている監督業となっています。
果たして長崎での松田氏はどうなっていくか。

2トップ(4-4-2)にしたうえ、エジガル・ジュニオと都倉を起用する「ツインタワー」のような布陣を敷いた長崎。
早速FW目掛けたロングボールを基本とする攻撃を見せていきます。

そのうえで、今まで基本であった「ボランチ一枚が最終ラインに降り、サイドバックを高い位置に上げたうえでのビルドアップ」は影も形も無くなり。
SBはボールが敵陣に入るまでは上がりを自重しており、ともに攻撃に定評のある毎熊(右)・亀川(左)は、傍らから観ていて手持ち無沙汰といった感じ。
サイドに叩かれたボールを受けるのはもっぱらSHで、従来のような中に絞る事はあまり無いという配置。
それでも前半9分にカウンターの流れで、エジガルポストプレイ→澤田ドリブルで敵陣へと運び、澤田のスルーパスを追い越して受けクロスを入れた亀川。
このマイナスのクロスを加藤大がシュートに持っていきましたが、枠を捉えられず。

一方の北九州は、連戦に加え離脱者もありで、かなり弄られたスタメンに。
ドイスボランチには高橋と井澤で、本来右サイドハーフの高橋は前年から苦境の際は流用されており違和感は少ないですが、井澤は前節がJ2初出場でこれが2試合目。
空いた右SHに新人・前田をあてがう思い切った起用。
また前回観た際には右SBだった本村がセンターバックに起用されていたり、その右SBには藤谷が初スタメンとなっていたりと、これまでとは異なったメンバー選択となっていました。

それでも、井澤が最終ラインに降りるのを基本とした3-1-6でのビルドアップを貫く北九州。
井澤が中央へと入り、両CBがかなり広く間隔を取っていたのがこの日の特徴でした。
14分には井澤が右の本村へパスを出すと、本村は対角線で裏へと送るロングパス。
走り込んだ乾がダイレクトで中央へ送り、エリア内左へ走り込んだ永野がシュートを放つ(ゴール左へ外れる)という具合に、この基本形から好機を演出。

北九州の攻撃を凌ぎ、そこからカウンターで長崎が好機を作るという序盤の流れ。
それに慣れを見せ始めたか、徐々にサイドアタックの羽を広げていく長崎。
左サイドで亀川が攻撃に絡み出していくも、逆の右サイドでは依然控え目。
21分に左からのクロスで都倉のヘディングシュート(枠外)が生まれたものの、無得点のまま飲水タイムへ。

中断明け、最初に決定機を掴んだのは北九州(27分)で、左からのスローインによる攻撃。
ここから富山がサイドチェンジし、右サイドで受けた藤谷から低いクロスが入ると、中央で佐藤亮がフリック。
そしてファーサイドで受けた富山がシュート、左ゴールポストに当たり跳ね返るも、佐藤亮が詰めてネットに突き刺し。
先制ゴール……と思われましたが、最初のシュートの前の富山がオフサイドと判定され、ぬか喜びに終わってしまいました。

絶好機を逃した北九州はペースを失い、長崎が押し気味の展開に。
無失点で推移し余裕が生まれたのか、31分には左での攻撃からGK徳重まで戻されると、逆の右で攻撃。
それもフレイレが右へ展開すると共に、SBの毎熊が一気にオーバーラップ、ルアンのスルーパスを受けて毎熊が切り込むという攻撃。(シュートまでは繋がらず)
これまで自重気味だった毎熊も羽を伸ばした事で、主導権を握った長崎。
33分には相手のパスミスから、中央で都倉がミドルシュートを放つもGK吉丸がセーブ。
43分には左サイドを亀川がドリブル、中央に送ったパスを加藤大がダイレクトでエリア内に叩き、受けた澤田がシュートするもゴール右へと外れ。
前半の終盤は1分毎に好機を作っていた長崎ですが、ゴールを奪う事は出来ず。
スコアレスのまま折り返す事となりました。

共に交代無く迎えた後半、ともに早くボールを前へ運ぶ攻撃を敢行するも好機に繋がらず、右往左往するボールという入り。
ここから流れを掴むのはどちらか注目された後半4分、カイオ・セザールがドリブルからパスを送った所を北九州・井澤が倒してしまい反則・警告。
これで均衡が崩れ長崎ペースとなり、セットプレー攻勢を経ても尚押し気味に展開します。

9分ルアンのスルーパスを毎熊が受け、クロスを入れるも跳ね返され、拾い直してバックパスののちルアンが手前から再度クロス。
GK吉丸がパンチングで逃れるも、左サイドで亀川が拾い、カイオがカットインからミドルシュートを放つもGK吉丸がセーブ。
15分には毎熊が自陣からドリブルで持ち上がり、右サイドを一気に突破したうえでカットインからシュート。(ゴール右へ外れる)
前半とは一変して、アクセル全開のように攻め上がる毎熊。

劣勢の北九州、打開すべくベンチも早めに動き。
12分に藤谷→六平へと交代の後、17分には前田→野口へと交代。
六平はボランチ・野口はサイドバックが主なたため、ポジションチェンジも考えられましたが、両者そのまま入る事に。(六平右SB・野口右SH)
ここから暫くはペースを取り戻し、20分には右サイド奥でパスを繋いだのち、戻しを受けた井澤がミドルシュート。(ブロック)
後半始めてフィニッシュに辿り着くも、主導権を奪うには至らず23分に飲水タイムへ。

明ける際長崎ベンチも動き、ルアン→米田に交代。
こちらもSBが本職の米田がそのままSHに入るという起用を見せます。

再び長崎ペースの流れとなり26分、右サイドから加藤大が対角線のロングパスを送り、これを受けたのは都倉。
ドリブルで自ら運び、エリア内へと進入しシュートを放つも、ブロックに阻まれコーナーキックに。
そこからもキッカー加藤大のクロスをファーサイドで合わせた都倉、ヘディングシュートは枠を捉えるもののまたもブロックに阻まれ。
積極的に得点を狙ったこの日でしたが、復活のゴールはお預けとなりました。

相手の圧を受け続ける展開を強いられる北九州。
最後の交代カードは34分で、一気に3枚替えを敢行。(永野・富山・佐藤亮→斧澤・前川・平山)
それでも一向に上向かず、焦りを見せる北九州。
早めに好機を作らんと積極的に裏狙いのパスを送るものの、繋がらずというシーンが頻発します。
また守備面では後追いの反則も目立ち、疲労感も明らかに伺えるようになってきた終盤戦。

対する長崎も、36分にエジガル・加藤大→玉田・秋野へと2枚替え。
北九州が反則を頻発する展開となり、遠目からでもクロスを選択するも、こちらも決め手に欠き。
無得点のままアディショナルタイムも目前に迫り、45分に最後の交代カード。(都倉・澤田→富樫・鍬先)
毎熊が一列上がり右SHとなり、米田が左SHにシフトと、SBが4人かと錯覚するような布陣になります。

しかし最後はそれが奏功する事に。
ATも2分を過ぎて長崎の攻撃、最終ラインから右へと展開し、ボールを持った毎熊が富樫とのワンツーも絡め前進。
そしてグラウンダーでクロスを入れると、中央で待ち構えていた米田が右足を振り抜いてシュート。
SBからSB、もといSHからSHという攻撃が炸裂し、最後の最後に先制点を奪った長崎。
再開後もボールを支配し、敵陣左サイド奥でボールを回して時間を使い、無事に試合を終わらせ。
松田氏の初陣を胸すく勝利で締めくくりました。

今季のリーグも3分の1を消化する目前となり。
新潟・琉球のロケットスタートの影響もあり、勝ち点19未満のクラブが7位以降緩やかに分布されている感があり。
ここから上位を伺うクラブがあるのかと同時に、残留争いの方はデッドヒートとなりそうな予感もしますが、果たして今後どう推移していくか。

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第13節 水戸ホーリーホックvs栃木SC

2021-05-12 17:07:16 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の水戸の記事はこちら(10節・秋田戦、0-1)
※前回の栃木の記事はこちら(1節・岡山戦、0-2)

今季も開催?された北関東ダービー。
水戸サポーターが「10連覇」という断幕を掲げていたのもあり、どうやら栃木や群馬がJ3に居て、2クラブだけとなっていた4年間も勘定に入れられているようです。
その間も水戸は1位になり続け、2012年から9年連続で制しているという形となり、今季も1位を期待されて迎えたホームでの一戦。

「ストーミング」スタイルを定着させた事で名を上げた栃木ですが、今季は類似したスタイルの、J2初年度である秋田の躍進もありあまり目立っておらず。
1試合スタイルを貫くには中央の強度不足といった感じで、センターバックは田代(現鳥栖)が抜けた穴、ボランチは佐藤・西谷の故障離脱がそれを招いてしまったと思われます。
前者は加えてベテラン・高杉が長期離脱してしまい、新キャプテンの柳と小野寺のコンビは奮闘しているものの、最近は最後の最後で失点し勝ち点を失う試合が目立ち。
後者は穴埋めとして上田を当てがったものの、やはり真逆のスタイルとの合致は難しく、結果として上田スタメンの試合では未勝利という有様に。(まあ松本スタメンの試合も未勝利ですが)
未だ10代という若手の松本も出場を重ねているものの、このポジションの層の薄さは致命的。
しかしこの日は復帰した西谷と佐藤のドイスボランチが復活、ダービーに照準を合わせたかは不明ですが、戦う体制を整えて挑みました。

対する水戸、この日は4-4-2のフォーメーションを選択し、中山仁斗とブラウンノア賢信のツインタワーともいうべき2トップ。
3トップの際はセンターフォワードを務める中山仁ですが、(今季は緩んだとはいえ)中央の守備の堅さを押し出す栃木が相手なので、中山仁の負担を軽くするための布陣でしょうか。
開始早々後方からのロングパスや、スローインのターゲットとして動き回るのが目立ったブラウンノア。

前半5分、タビナス・ジェファーソンのロングパスに対して栃木がクリアミスでブラウンノアが拾い、栃木・小野寺に倒されるも中山仁が拾ってGKと一対一に。
そしてループ気味のシュートでGK川田を抜くも、僅かにゴール右へ外れてしまいます。
しかしブラウンノアを倒した小野寺に警告と、早くも肉弾戦を貫くのにハンデを抱えてしまった栃木。

立ち上がりは栃木に合わせるようにアバウトな攻撃が目立った水戸ですが、次第にボールを繋ぐサッカーへと転換していきます。
10分は左サイドで繋いだのち平塚が中央へ縦パス、カットに入られこぼれたボールをエリア内左でブラウンノアが拾う好機。
そしてマイナスのクロスが入り、中央で森勇人がトラップからシュートするもブロックで威力を弱められGK川田がセーブ。

ペースを握ったかに見られた水戸でしたが、以降栃木が押し込む展開に。
ロングパス攻勢で相手を押し込み、迎えた16分。
クリアボールを右サイドで大島が拾い、そのまま手前からクロスを上げると、ファーサイドに走り込んだ森俊貴が足で合わせシュート。
水戸守備陣は矢野を警戒していたのか、気付いた時には既に遅しというようなシュートがゴール右上に突き刺さり。
先手を取る事に成功した栃木。

ビハインドとなった水戸、これまで以上にボールを握る攻撃で栃木を押し込んでいきます。
パスを繋いでサイド奥へと進入し、クロスに繋げる攻めを敢行し、コーナーキック攻勢へと突入。
22分に3本目のCK、そこからの二次攻撃で右サイド奥でボールを繋ぎ、奥田がエリア内右奥からカットイン。
そしてシュート気味のクロスを入れるもこぼれ、混戦を経て中山仁がシュートするもブロックに遭い、尚も拾った中山仁がマイナスのクロス。
そして村田がシュートするも再度ブロックされ、跳ね返りを平塚がシュートするも枠外となり、連撃を浴びせたもののゴールは割れず。

直後に飲水タイムが挟まれたのち、28分に栃木がCKから西谷がミドルシュートを放つ(ブロック)一幕を経て、再び水戸が押し込む展開へと突入。
後方からしっかりとパスを繋ぐビルドアップへと完全移行し、最終ラインに平塚が降りる3枚の形を基本としてボールを運びます。
35分にはゴールキック(ロングフィード)からの攻撃、中山仁への縦パスがカットされたのち、相手のパスを村田がブロックして奪い攻撃継続。
ブラウンノアが繋いだボールを中山仁が拾い、エリア内右へと進入してシュート。
しかし右ゴールポストを直撃してしまい、惜しい所で決めきれず。

その後も攻撃権を支配し続けた水戸、36分には森勇が左からカットインしてシュート、ブロックされたボールを中山仁が拾い反転シュート。(ブロック)
41分には右サイドで繋いで奥へと運び、村田からのクロスをファーサイドで三國スティビアエブスがヘディングシュート(枠外)と攻め立てます。
「丁の字型」のビルドアップを基本としつつ、森勇が降りてボールを受ける事で行き詰まりを回避し、スムーズにボールを運ぶ水戸の攻撃。
しかし栃木もゴール付近では粘り強く守備を行い、リードを守ります。
結局0-1のまま動かず、前半が終了。

前半の終わり際から、左から右へと吹く風が強まってきたピッチ上。
栃木が風上という立場となり迎えた後半、お互いのロングボール攻勢が交差する立ち上がりとなります。

水戸は向かい風を考慮してか、左サイドバックの三國をターゲットにしたボールを送り。
SBに長身選手を配置するメリットを活かさんという振る舞い(メジャーな所では前年までの橋岡が居た浦和とか)を見せた一方で、決定機を掴んだのは栃木。
後半4分、GK川田のロングフィードを矢野が合わせて前方へ送ると、スルーパスの形になってジュニーニョが抜け出し。
そしてエリア内右へと進入しシュートを放ちましたが、GK牡川のセーブに阻まれてゴールならず。

8分に早くも水戸ベンチが動き、それも後半のキーマンかと思われた三國に代え、大﨑を投入という手を打ちます。
そして直後から左サイドアタックを敢行する水戸、どうやら三國ターゲット作戦はブラフだったようで、意識を動かしたうえで左で突破力を押し出す手法だったでしょうか。
それが奏功したのが10分。
タビナスのスルーパスに走り込んだ大崎、エリア内左へとパスを出すと、ブラウンノアが受けてシュート気味にクロスを入れます。
すると中央で反応して足を出した栃木・小野寺、当たったボールはゴールに向かってしまい、オウンゴールの形になり水戸が同点に。
交代策が早速嵌り、流石は秋葉忠宏監督率いる戦闘集団といった感じで、尚も勢いを持って展開します。

同点に追い付かれた栃木サイドも、以降テンションを上げて試合を続け。
14分には右サイド奥でボールを拾った大島が倒されボールを奪われ、これがノーファールというジャッジになると、思わず柳が主審に異議を唱えてしまいます。
警告を受ける事となり、勝利への執念が漏れ出してしまったという印象を受けたシーン。

両者意地同士がぶつかり合うも、ボール支配力に勝る水戸がペースを握る試合展開。
しかし栃木も、18分に水戸・タビナスのパスを遮断したジュニーニョが、そのまま拾って抜け出してエリア内右へ。
先程の決定機(4分)と酷似したシーンとなり、シュートを放ちましたが再びGK牡川のセーブに阻まれてしまいます。
それでも一発の怖さを水戸に植え付けるには十分で、熱戦の様相に。
その最中、水戸は20分に再度動き森勇・奥田→新里・松崎へと2枚替え。
以降栃木・面矢のロングスローや、水戸のサイドからの直接FKが飛び交うもフィニッシュは生まれず、26分に飲水タイムへ。

明ける際に栃木サイドも動き、矢野・ジュニーニョ→山本・有馬へと交代。(松岡が右サイドハーフ→FWへシフト)
これまで栃木のポストマンとして欠かせない存在であった大ベテランの矢野ですが、連戦でもスタメン出場を続けていた影響もありここでお役御免に。
しかし同時に攻め手を失う事を意味し、以降水戸のペースは上がる一方に。

ベンチもさらにハイテンションになっていたのか、30分に早くもカードを使い切る水戸。
ブラウンノア・平野→安藤・山根へと交代し、今季の基本であった4-1-2-3のフォーメーションへとシフトします。
この交代の直前、栃木・松岡の反則でエリアから近い位置でFKを得ており、キッカー平塚が直接シュートするもゴール上へ外れ。

33分に栃木も松岡・西谷→菊池・松本へと2枚替えを敢行しますが、流れは依然として変わらず。
エリア内へ危険なパスを送り続ける水戸の攻撃を、フィニッシュにだけは持ち込ませず守る栃木。

栃木は自ら攻撃を作り出せない状況に追い込まれつつありましたが、水戸のミスから好機を得ます。
35分に水戸のバックパスがずれてラッキーな形で左CKとなると、キッカー松本のクロスをGK牡川がはじき返したボールを、面矢がボレーシュート。
ミート出来ずエリア内にこぼれたボールをさらに菊池がシュートしますが、ブロックに阻まれ。
直後の36分には、右サイドで山本がドリブルから低いクロスを入れると、水戸・住吉ジェラニレショーンが足を伸ばして(バレリーナのような恰好で)ブロック。
しかしこのボールがゴールに向かってしまい、危うい所でしたがGK牡川がキャッチして冷や汗。

直後にはアクシデントにも襲われる水戸、中山仁が足を痛めて倒れ込み、担架で運ばれピッチ外へ。
この間にスタジアムにはスコールが発生し、以降勢いを増して降り注ぐ事となります。(試合終了間際には止んでいた)
10人で戦う事を強いられた水戸ですが、幸い中山仁は攣らせただけで41分にはピッチに戻りますが、それでも痛さを堪えつつのプレー。

42分には栃木も最後のカードを切り(大島→畑、菊池がFW→右SBへシフト)、刻一刻と近付くフィナーレ。
押し込まれ続ける中、焦る栃木は43分に有馬のボール奪取から、畑が自陣からロングシュートを敢行。
しかし雨が降った代わりに風は既に弱まりを見せており、GK牡川が難なく抑えます。

直後の44分、水戸は(同点後)最大ともいえる好機。
縦パスを送り続ける攻撃を見せるも栃木ディフェンスに阻まれたのち、新里がエリア内右へとスルーパス、これに松崎が走り込んでシュート。
しかしGK川田がセーブして勝ち越しならず。
尚も押し込み続ける水戸、アディショナルタイムにはCKに加え、大崎のロングスローも交えて勝ち越しを狙います。

そのAT中に栃木・有馬が鼻血のため治療を受ける等、プレー以外の要素でも慌ただしさが満載だった終盤戦。
水戸は最後まで攻め続けましたが、結局栃木の粘りの守備を打ち破る事は出来ず。
1-1のまま試合終了となり、関東ダービー初戦は引き分けという結果に終わりました。

この後栃木は16節、水戸は17節に群馬戦が控えている関東ダービー。
2011年にこれを制している栃木、水戸の10連覇を阻止するため、先んじて群馬戦では勝利を挙げたい所でしょう。

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DAZN観戦 2021年J1リーグ第13節 横浜F・マリノスvsヴィッセル神戸

2021-05-11 17:16:25 | サッカー視聴記(2021年J1)

<横浜Mスタメン> 4-2-1-3
GK 高丘
RSB 松原 CB チアゴ・マルチンス CB 畠中 LSB ティーラトン
DH 喜田 DH 扇原
IH マルコス・ジュニオール
RWG エウベル CF オナイウ阿道 LWG 前田
<神戸スタメン> 4-4-2
GK 前川
RSB 山川 CB 菊池 CB トーマス・フェルマーレン LSB 酒井
RSH 井上 DH セルジ・サンペール DH 山口 LSH 中坂
FW 古橋 FW 佐々木

1敗しかしていないクラブ同士の対戦。
しかし川崎という絶対的王者が居るため、追っても追っても背中に届かないような感覚を覚えてしまうものでしょう。

リーグ戦では前年低迷した神戸。
シーズン途中にイレギュラーな監督交代もあり、三浦淳寛氏の体制そのままで挑んだ今季、開幕前には懸念がどうしても拭えませんでした。個人的には10試合ぐらいでまた監督交代になるのではと思っていた(失礼)
そんな予想は見事に覆され、ここまで僅か1敗で推移。
特に前年まで足りなかったチーム強度が冴え渡り、スタミナ勝負を制し土壇場で追い付く試合を量産しています。

まあこの現象は、クラブにとって狙い通りかどうかは疑問なのですが。
神戸の象徴ともいうべきアンドレス・イニエスタが、開幕から長期離脱を強いられており、やむを得ずの方針転換という可能性も考えられ。
その他助っ人もフェルマーレンにドウグラスと離脱が目立つ今季。
新加入のリンコンは素材型で未知数、アブユ・マシカはケニア代表で現在フィットし始めているものの何とも言えず。
そんな状況のため、日本人の既存選手にも多大なチャンスが与えられ、戦力として定着している。
全くもって近年の神戸らしくないといえばらしくないですが、壮大なスケールを掲げたまま沈んでしまうよりはずっと良いはずでしょう。

前半立ち上がり、マリノスは例年通りに、ポジションチェンジを頻繁に行いつつパスワークで攻め上がるサッカーを繰り広げ。
前半3分には松原がスルーパスを送り、エリア内右へ走り込んだマルコスがクロスを上げ、オナイウが合わせにいくもGK前川が辛うじてパンチングでクリア。
フリーマン的に動き回るマルコスを軸に、マリノスの波状攻撃が繰り広げられると思われたシーンでしたが、以降はそんな展開にはならず。

守備強度をこの日も保ちつつ、マリノスのパスワークに対し徹底抗戦する神戸。
特にセンターバック・菊池が前に出て、潰したりパスカットに成功したりするシーンが目立ちました。
流石にJ2から一年で個人昇格した男は一味違い、多少時間が掛かったものの、2年目の今季はレギュラーに完全定着し活躍を見せているようです。

「攻撃は良い守備から」の格言通りに、徐々に好機を作り出す神戸。
この日は中盤の底であるサンペールを軸とした、裏狙いのロングパスがメインの攻撃の手口。
15分には左→右へのサイドチェンジで振ったのち、サンペールが中央へとロングパスを送ると、エリア内に走り込んで受けたのは古橋。
トラップで追いすがるマリノス・チアゴを剥がしてシュートしますが、GK高丘のセーブに防がれました。(尚も中坂が詰めるもブロックに阻まれる)

そんな中、17分頃にピッチ上でマリノス・マルコスが下半身を痛める仕草を見せ始め。
するとベンチはすかさず動き、交代の準備を敢行します。
その後もプレーを続けたうえ、まだやりたそうな表情を見せていたマルコス。
結局20分に天野と交代し、ピッチを退く事となりました。

攻めながらもフィニッシュに辿りけないマリノス、22分に神戸最終ラインへプレスを敢行。
そして右コーナーキックを得て、その二次攻撃で天野のロングパスに前田が合わせボレーシュートにいくもミートせずに終わり。
初シュートを放ったもののスカッとせず、そのまま飲水タイムが挟まれます。

その後神戸が、GK前川のフィードを中心に組み立て。
この前川のキックは前線目掛けて……では無く、上がり目のサイドバックをターゲットにしたもので、これを一貫して終始続けていました。
放送席で「巧い」と評価されていたものの、後にこれが一つのターニングポイントになる事となりました。

神戸の強度の前に、マリノスが好機を作れずに時間が進んでいく流れ。
マリノスはCBのチアゴが自らボールを運ぶ場面が目立ち、そこからでしか好機が生まれないという展開を強いられます。
神戸ペースに傾いているのは明らかでしたが、それを失いかねないプレーが31分。
最終ラインでの繋ぎをオナイウが奪ってマリノスの攻撃、拾った前田がエリア外でGK前川と一対一になり、左へかわしエリア内へと進入した前田。
しかし放ったシュートは戻って来た菊池にブロックされモノに出来ず。

危うい場面を自ら作ってしまった神戸、以降マリノスの怒涛の攻撃が始まる事に。
33分には神戸・サンペールの反則で得た直接フリーキック、キッカー天野が直接狙いシュートもゴール左へ外れ。
37分は左サイドから攻撃、パスワークののちティーラトンが縦パスを送り、受けた天野からクロス。
前田が逆向きで跳び込んでフリックの形になり、ファーサイドでエウベルが受けてシュートするもGK前川がセーブ。

押し込まれているのは明らかで、我慢を強いられる神戸。
そんな展開が続き、迎えた41分でした。
右サイドから松原の縦パスを受けた天野が左奥へとロングパス、ティーラトンが一気に走り込み、最奥から低いクロス。
GK前川が弾いたボールがフェルマーレンに当たり、これがゴールに吸い込まれてしまい、オウンゴールの形となりマリノスが先制します。

その後もマリノスペースは続き、アディショナルタイムには天野がミドルシュートを放つ(ブロック)など、良い流れのまま前半を終了。

反撃に出たい神戸、ハーフタイムで井上・サンペール→リンコン・郷家へと2枚替えを敢行。
リンコンがFWに入り、佐々木が右サイドハーフへ回ります。

しかし前半からの流れは変わらず、立ち上がりから連続して好機を作っていくマリノス。
神戸はマリノスの攻勢を凌ぎ、反撃を試みようとするも、目立ったのはリンコンに出したボールが悉く奪われるシーンのみという状態に陥ります。

14分までマリノスのシュートは2本のみでしたが、体感的には押し込まれ続けているという流れ。
ここで神戸サイドは再び動き、イニエスタ投入に打って出ます。(佐々木と交代、同時に中坂→マシカへと交代)
リンコンが1トップの4-2-3-1へと変化させ、そのトップ下に入ったイニエスタ。(マシカは右SHで、古橋が左SHへシフト)

その後、神戸の最初のチャンス。(16分)
左サイドでリンコンがボールに絡んで古橋が抜け出し、右へロングパスを送ると、受けたマシカがエリア内へ切り込みマイナスのクロス。
中央で郷家が走り込んでシュートと完璧な流れを作りましたが、マリノス・チアゴのブロックに阻まれます。
尚、ここでブロックしたチアゴが足を攣らせてしまい、長い治療時間が挟まれる事に。
その影響もあったか、少々早めの22分に飲水タイムとなります。

そして中断明け、本領を発揮するイニエスタ。
守備面は未だ苦しそうで、守備時は上がり目、攻撃時は下がり目という前時代的な司令塔のように動かざるを得ないのが辛い所。
しかし一度ボールを持つと、説明不要の縦パス・スルーパスを前へ通す能力がズバ抜けている所を見せていきます。

23分、イニエスタのスルーパスにマシカが抜け出し、エリア内に進入してシュートを放つも(ディレイで)僅かにオフサイドに。
33分にはGK前川から組み立て、中央で受けた郷家がドリブルから左へ展開し、受けたイニエスタがスルーパス。
そして走り込んで受けた古橋がエリア内左へ進入、シュートを放ったものの惜しくも左サイドネット。
着実に好機を掴んでいった神戸でしたが、ここで前川がビルドアップに絡み、そこから絶好機を作った事で色気付いてしまったでしょうか。

そして35分、運命のシーンが。
バックパスを受けたGK前川はエリア外へドリブルで持ち上がると、左へフィード。
ここも上がり目の位置に居た酒井を狙ってのものでしたが、自身が上がっていた所為かキックミスとなり、マリノス・水沼(前田と交代で出場・28分)に手前でカットされて攻守交替。
そして中央のレオ・セアラ(オナイウと交代で出場・28分)を経由してエリア内左でエウベルがシュート。
戻っていた前川がセーブするも、中央へ転がった所を天野が詰め、ネットに突き刺さりゴール。
手痛い追加点を献上する事となってしまった神戸。

2点差となり、直後に山川→初瀬へと交代。(酒井が左SB→右SBにシフト、初瀬が左SB)
同時に古橋とマシカのポジションチェンジも行われ、以降前川のフィードは、左SHのマシカへのものも加わるなど微調整。

いくら相手がマリノスで、点差が付いても守りに入る事が無いチームとはいえ、ここから巻き返すのは難度が高く。
44分にイニエスタが中央突破を見せ、古橋とリンコンのポストプレイを交えたのち左へ展開。
受けたマシカがシュート(枠外)というのが見せ場だったでしょうか。

チアゴの治療の影響もあり5分となったATでも何も起こせず。
結局2-0のままマリノスが勝利に辿り着き。
2敗目を喫する事となってしまった神戸。

尚、この日の2日後が誕生日であるイニエスタ。
その後、前日に「記者会見」がクラブから予告される事となり。
引退宣言か……とも噂されたものの、当日発表された知らせは、契約更新(2年)という朗報でありました。
この試合の後半のように、巧みなパスで攻撃を作っていたシーンを浮かべると、まだまだ不可欠な選手である事に変わりは無く。
現状のスーパーサブ的な役割を経て、スタメン復帰するのは何時となるでしょうか。

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第13節 ジェフユナイテッド千葉vsファジアーノ岡山

2021-05-10 18:30:36 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の千葉の記事はこちら(10節・相模原戦、0-1)
※前回の岡山の記事はこちら(5節・山形戦、1-0)

ともにロースコアでの戦いを繰り広げるクラブですが、ぶつかり合い叩き出された結果は、それとは全くかけ離れたものでした。

岡山は開幕節(栃木戦・2-0)以降、勝っているのはウノゼロの時のみ。
守備陣の奮闘無くしては勝てない状況なうえ、故障者も膨れ上がっている状況。
イヨンジェや齋藤といったFW陣の離脱がその一因、なんて事を考えていたら、ディフェンス陣にも田中・濱田らその波が広がる苦境となり。
4勝3分5敗と、やや黒星が目立って来たという成績。
得点力不足の中、7節・愛媛戦(2-2)で初出場初ゴールという結果を出した疋田がスタメンに定着。
期待を一身に背負っていると思われるFW川本も、前節(町田戦・1-2)にようやく初ゴールと、牛歩ながらも若手起用の成果が出始めているのが救いでしょうか。(ただし川本は清水からのレンタル)

千葉のホームである、フクダ電子アリーナでの試合。
その立ち上がり、千葉サイドはひたすらFWのサウダーニャ狙いのロングボールを放り込むも、攻撃機会には繋がらず。
それを尻目に岡山が何度も好機を作る、という大まかな流れとなりました。

岡山の方も、ロングパスで川本を競らせたり、裏に走らせるボールが中心の攻め。
それでも前半2分にGK金山のロングフィードから、川本が競り合ってこぼれたボールを上門が拾い、ミドルシュート(GK新井章太キャッチ)といきなり好機が生まれたのが良かったのでしょうか。
川本自身も、10分に敵陣でボールを奪ったのち、白井の縦パスを受けてエリア手前右からシュートを放つ(ブロック)などフィニッシュに絡みます。

しかしそんな岡山ペースの流れも、12分にビルドアップの最中での井上のパスミスを機に途切れてしまいます。
その後ターゲットへのロングボール一辺倒を改めた千葉が、ボール支配しつつ攻撃。
この日が初スタメンとなったサウダーニャ、立ち上がりはボールを収められないシーンが目立ち、どうかと思ったものの徐々に慣れてきたか。
17分には左コーナーキックから、見木の中央へのクロスを鈴木大輔が合わせにいくもこぼれ、拾ってシュートを放ったサウダーニャ。(GK金山キャッチ)

ペースを剥がされた岡山、再び掴まんとこちらもビルドアップから攻撃を組み立て。
最終ラインは2枚と3枚を使い分けつつ、後方でボールを回しサイドを振り。
21分にはそこからロングパス、エリア内左で川本が受けてクロス。(GK新井章が直接抑える)
続く22分には左から徳元の中央への縦パスを、山本が左サイド奥へスルーパス、走り込んだ木村のマイナスのクロスをニアで川本が受けるも撃てず。

組織で組み立てようとする岡山でしたが、直後にそれを打ち砕くような得点が千葉に生まれます。
上記の川本からこぼれた後のクリアボールをサウダーニャが落下点に入り、セカンドボールを拾った見木からパスを受けるサウダーニャ。
すると右ハーフレーンを岡山・白井のアタックも物ともせずドリブルで突き進み、エリア手前から果敢にミドルシュート。
左足でのグラウンダーのボールが左サイドネットに突き刺さり、痛烈なサウダーニャの個の力で先制点を挙げました。

同時に飲水タイムが採られ、反撃に出たい岡山。
25分、GK金山のロングフィードに山本が落下点に入り、こぼれた所を川本がポストプレイ。
拾った疋田から受けた川本が、エリア手前から思い切ってミドルシュート。
トラップで浮かせてから左足で放たれた、ゴール上部を襲った強烈なボールは、バーを叩いてバウンドしゴール上部に突き刺さり。
千葉のゴールに触発されたか、こちらも個の力が印象に残るゴールを生みました。

岡山が同点に追い付いたものの、この2つのゴールで不安定な状態に陥っていたのでしょうか。
27分、千葉の自陣からのフリーキック、遠い位置ながらも船山は放り込みを選択。
クリアされての二次攻撃で、左サイドから前進ののち見木から右へと展開、サウダーニャのスルーを経て船山がエリア内右からクロス。
中央で混戦のなかGK金山がパンチングするもエリア内にこぼれ、小田がすかさず反応してシュート。
ゴール左へと突き刺し、試合が落ち着かないうちに2点目をゲットした千葉。
しかしこの場面で、混戦で倒れたサウダーニャが足を痛め、担架で運ばれる事態となってしまいます。
それでも何とか試合に復帰するサウダーニャ。

その後も岡山は、後方で繋いだのち前線へロングパスを送る攻撃を続けます。
しかし35分に上門がエリアライン上からシュートを放った(枠外)以降は、対応され攻撃権を掴めなくなり、千葉の流れへ移行します。

復帰して以降も、ドリブル突破を見せたり、38分に船山のポストプレイからシュートを放つ(ブロック)など奮戦するサウダーニャ。
しかし無理がたたったか、44分に再び倒れ込むと、交代で退く事となります。(大槻と交代)
来日初ゴールを決め勝利への流れを齎したものの、今後に不安を残しピッチを去ったサウダーニャ。
アディショナルタイムは岡山がセットプレーで攻めるもモノに出来ず、2-1のまま前半終了。

ハーフタイムでの交代は無く迎えた後半、千葉が攻撃権を握る立ち上がり。
そして後半3分、右サイドで伊東が縦パスを送ると、小島→船山と渡り再度受けた伊東が奥を抉って低いクロス。
大槻がニアサイドで跳ぶも合わずに左へ流れ、拾った小田が奥からカットインでエリア内へ。
かわされた岡山・上門が後ろから倒してしまうと、審判の笛が鳴って反則となり、PKを得る事となった千葉。
これをキッカー船山がゴール右へと蹴り込み、冷静にGK金山の逆を突いてネットを揺らします。
早い段階で2点差に広げた千葉。

これまで複数得点の試合が皆無と、岡山以上にウノゼロでの勝利に依存していた千葉。(4勝全てが1-0)
そして成績的には4勝3分5敗と岡山と全く同じ勝敗で推移と、まさに似た者同士。
それがこの日は3点を奪い。
3連戦の最終日という事で相手守備の強度の問題も考えられますが、課題とされていた得点力不足を跳ね返す展開となりました。

そんな課題を克服せんと躍起になっていたのか、11節の首位・新潟との一戦(0-2)では、極端なプレッシングサッカーへと傾倒。
しかしこの日はあまり激しいプレスは見られずと、守備面では方針自体にブレが感じられるものとなっています。
相手に合わせるように守備のやり方を変えるスタイルにも見受けられ、攻撃面での落とし込みを重視しつつ、守備はその試合毎に凌いでいく戦いを繰り広げるのでしょうか。

2点差となり、一層攻めなければならなくなった岡山。
6分に徳元のドリブルから左サイドを攻撃、彼のスルーパスに走り込んだ山本がマイナスのクロスを入れ、ニアで川本が合わせるも枠外に。
この場面のようなサイド攻撃を中心に、何とか反撃の1点をもぎ取ろうとする姿勢を取ります。

それでもリードを守る体勢に入る相手を崩すのは容易で無く。
17分には木村がアフターで千葉・小林に倒され、狙える場面での直接FK。(蹴る前に山本→宮崎幾笑へと交代)
上門が直接狙い、ゴール上を襲うも落ち切らずに外れてしまいます。
これ以降岡山も勢いを失い、23分の飲水タイムへ。

そこで千葉は3枚替えというベンチワークを見せ、船山・伊東・小島→ブワニカ啓太・安田・高橋へと交代。
サウダーニャが退いた影響か、後半頭から3-4-2-1→3-3-2-2気味への位置取りとなっていましたが、選手を入れ換えて強度を保つ体勢を取ります。

その後岡山は押し込むものの、フィニッシュに繋げる事は出来ず。
30分に河野・川本→下口・野口へと交代、点を取るべくカードも切るものの、ジョーカーとなるべき選手の不在は辛くのしかかります。
この交代以降、再び攻撃機会も減少し、35分頃からは逆に千葉のターンに。
37分には右CKから、キッカー見木のクロスにファーサイドで鈴木大がヘディングシュート。(枠外)

そして39分、左サイドから見木が中央へ展開し、受けた岡野から高橋を経由しさらに右へと展開。
安田が持ち上がって奥へ進入、カットインで岡山・徳元をかわしてマイナスのクロスを入れると、大槻のスルーを経てブワニカがトラップからシュート。
これを中央で見木がコースを変え、ゴールに押し込み。
最初はブワニカのゴールと発表されたものの、後に見木のゴールに修正されたこの4点目で止めを刺す事に成功した千葉。(直後に見木→福満に交代)

岡山の最後の交代カードは42分、木村→宮崎智彦。
既にFWは枚数不足で4-2-3-1へとシフト(1トップの野口も前年はサイドの選手だったはずだが……)、トップ下に上門・左SHに徳元がシフトし、宮崎智は左サイドバックに。
駒不足も露呈しつつあった岡山ですが、45分に中央を中心にしたパスワークののち宮崎智から右へロングパス。
受けた下口からのクロスを上門がヘディングシュート、これが右ゴールポストを直撃。
しかし中央方向へと跳ね返り、疋田が詰めネットを揺らしてゴール。
1点を返したものの、直後にATへと突入。

やはり3点差を追い付くのは厳しく、尚も攻め上がる岡山でしたがシュートまでは辿り着けず。
終わってみれば4-2と、予想外の点の取り合いという結果になりました。

千葉はサウダーニャの先制点が印象に残ったものの、果たして今後はどうなるか。
開幕節でブワニカがゴールしたものの、以降得点は無く。(この日は惜しかったですが……)
スーパーサブとして投入される櫻川ソロモンも、9節のゴールによる1点のみ。
得点源と期待されるも尻すぼみ……という路線から脱したい所ですが、まずは故障の程度が気になる所です。

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第12節 愛媛FCvsジュビロ磐田

2021-05-08 17:05:55 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の愛媛の記事はこちら(4節・甲府戦、0-1)
※前回の磐田の記事はこちら(9節・大宮戦、3-2)

試合前に降った雨により、非常に難儀なピッチコンディションの中行われた試合。
傍らから観るのみならば迫力満点の死闘といった感じでしたが、実際に戦っていた方々はどうだったでしょうか。

そんな状態のニンジニアスタジアムでホームチーム(愛媛)の指揮を執るのは、既に和泉成徳氏では無く。
前年京都の監督を一年間全うした實好礼忠氏が、コーチから昇格してその座に就いているのが愛媛の現在です。

愛媛の総力を挙げてJ2残留を目指す、というのが開幕前のコンセプトだったと思われますが、6節終了後に早くも和泉氏は辞任を表明。
2分4敗という低空飛行ぶりである意味仕方無いのでしょうが、元々下位が予想されただけに、諦めの早さだけが目立ち。
7節(岡山戦・2-2)でのDAZN中継の中では「男気を見せた」などと語られていましたが、個人的には「駄目だったので辞めます」というぐらいにしか思えませんでした。キツい言い方をすれば、最初から就任要請を受けるべきでは無かったかと

そして青天の霹靂のように、再度監督の座が巡ってきた實好氏。
所謂「監督解任ブースト」(辞任ですが)に乗っかり、3戦で勝ち点7を積み上げましたが、そこから連敗。
自動降格ラインを行ったり来たりするチーム状況で、ある意味ここからが残留への本格的な戦いとなるでしょう。

就任するや否や、4-1-2-3を基本フォーメーションに取り入れた實好氏のサッカー。
前年の京都時代との違いを見せたかったのかは不明ですが、奇しくも實好氏が去った後の京都も、 曺貴裁(チョウキジェ)氏の下同じフォーメーションを取り入れたのは単なる偶然なのか。
この日は、4月末に育成型レンタルで加入した唐山をセンターフォワードに起用してきました。

ピッチ上のあらゆる所に水たまりが浮かぶというコンディション。
おかげで入りはピンボールサッカーとも言うべき、お互いとにかくボールを蹴っていくスタイルとなりました。
象徴的だったのが前半8分の磐田、GK三浦のロングフィードをルキアンが浮かせるポストプレイで後方へ、それをさらに伊藤がダイレクトで前方に蹴り出し。
そのボールが一気にエリア内へと入り、受けた山田がクロス、という攻撃。(ブロックされてコーナーキックに)

特に愛媛陣内に多く存在した水たまり。
当然の如く磐田はそれをしたたかに利用し、ひたすら裏狙いのパスを送り選手(主にルキアン)を走らせる攻撃で愛媛を脅かしていきます。
水で止まるボールで愛媛ディフェンスを幻惑し、それを必死でクリアする愛媛により、スローイン数も増大。

最初の決定機は10分の右CKで、一旦クリアされたボールを伊藤が拾ってシュートにいくもミートせず。
しかし大井が繋いで再び山田からクロスが上がると、ルキアンがヘディングシュート。(ゴール上へ外れる)

「ゴールが見えたらシュート」というような攻撃もこの日の磐田の特徴で、15分にはルキアンが中盤からロングシュートを狙う(GK秋元キャッチ)など、悪状況による紛れを招かんとする振る舞いを見せます。
18分はルキアンのシュートが空振りとなり(この悪コンディションは当然磐田サイドにも影響が出る)クリアされたボールを、山田がミドルシュート。(GK秋元キャッチ)
19分にも鹿沼が際どいミドルシュートを放つ(ゴール右へ外れる)など、遠目からでも積極的に撃っていきます。

このように磐田が圧倒して攻め込み続けた前半ですが、得点は出来ないまま23分に飲水タイムを迎え。
明けた後、最初に好機を掴んだ愛媛で25分、ルーズボールに川村が反応し裏へロングパスを送ると唐山が抜け出し。
そしてエリア内左を抉りますが、磐田・大井に倒されてゴールラインを割り、反則の笛も吹かれず終わります。
それでも磐田サイドに、ワンチャンスの怖さを植え付けるには十分のシーン。

29分には磐田が、森岡のロングパスを大森がフリックすると、ルキアンが裏抜けの形で受ける好機。
そしてシュートにいったルキアンですが、ミートせず枠外となりモノに出来ません。

攻撃機会が少ない分、一発に賭けるというサッカーを展開する愛媛は31分。
右CKを得ると、キッカーの位置に森谷と内田の2人を立たせる奇策を採り、森谷のニアサイドへのクロスがこぼれた所を唐山がシュート。
決まったかと思われましたが、GK三浦のファインセーブに阻まれます。
その後もスローインを得ると、茂木がロングスローの体制を取り、ロングスローと見せかけて近くに放るなどと変化を付けての攻撃を見せます。

次第にそんな愛媛の姿勢に押され始める磐田でしたが41分。
今野の裏へのロングパスが、水たまりで止まった所にルキアンが走り込むという、自然を味方に付けての好機。
ルキアンはダイレクトでシュート、それもGK秋元の上を通しにいくループシュートを狙いましたが、ここも巧くミートせずに枠外に。

文字通りの泥臭い攻防が続き、前半終了間際には磐田が中盤からのフリーキック。
この日は自陣からでもFKは放り込む姿勢を取っていた磐田、ここでもその体勢でしたが、キッカー山田は変化を付けてエリア手前へのパス。
しかしこれが愛媛のカウンターを招いてしまうと、内田の右サイド裏へのロングパスに唐山が走り込み、拾ったのちカットインでエリア内へ。
一旦はクリアされるも、拾った茂木がそのまま強烈なミドルシュートを放ちますが、GK三浦が辛うじてセーブ。
その後のCKでも、内田のクロスをニアサイドで川村がフリック、誰かが触ればというシーンを作りましたがゴールはならず。
シュート数は磐田が圧倒しながらも、ゴールを脅かした回数は互角といった印象で、前半を終え折り返します。

ハーフタイムの間に、水たまりを除去する作業が行われて迎えた後半戦。
それでも完全にとはいかず、画面上で目立たなくなったのみで依然としてボールが止まる現象は散見。

後半立ち上がり、ここも前半同様に磐田が押し込む展開。
それに対し愛媛は、守備時には右ウイングの小暮を右ウイングバックの位置まで下げ、5バックの体勢で守ります。
それでも、後半の愛媛陣内の左サイド(磐田から見て右サイド)、水分の少ない部分でパスワークを展開する磐田。

後半9分、そこから一転して左サイドで形を作り、今野のミドルパスを中央でルキアンが受けてエリア内へ進入。
そしてシュートを放ち、GK秋元がセーブした所を山田が詰めてシュートしますが、ブロックに阻まれゴールならず。
自然に左右される要素が少なくなった中でも、磐田のクオリティが冴え渡り。

前半から守備に走らされてきたという印象の愛媛、11分に近藤・唐山→藤本・吉田へと2枚替え。
早めに動き体勢を整えようとしたのが伺えましたが、結局交代カードは使い切らずに終わります。

ルキアンの脅威が目立った前半の磐田ですが、後半は伊藤(左WB)がゴールを狙う場面が多くなり。
13分に右ハーフレーン・エリアからやや手前の直接FKを得ると、伊藤が直接シュートするもエリア内でブロックされ。
こぼれ球を鹿沼が拾い、彼のクロスがクリアされたボールを、伊藤がさらに遠目からシュートするもGK秋元がキャッチ。
15分には右サイドで鈴木雄斗のロングパスから、受けた大森がエリア手前中央へ送ると、再び伊藤がシュートしましたがゴール右へと外れ。
彼の動きに触発されたか、その後18分に山田がエリア内右からシュート。
20分には山本義道が中央遠目からシュートと積極性を取り戻しましたが、いずれもGK秋元のセーブに阻まれます。

一方の愛媛は交代で入った藤本が左サイドをドリブルし、活路を見出す場面が見られたもののシュートには繋がらず。
また後半からは、CKは普通に内田が蹴るスタイルへと転換するなど、前半程のクレバーさは見られずに時を過ごし。

飲水タイム(24分)の後も磐田の猛攻は続き。
26分にはCKからの二次攻撃で、伊藤が再びミドルシュートを狙い、ゴール上へと際どく外れ。
28分には右サイドで鹿沼・山田・鈴木雄・大森でパスを繋ぎ、最後は大森が右アウトサイドで浮き球のパスを送り、走り込んだ森岡がクロス。
これをルキアンがバイシクル気味にボレーシュートを放つも、枠を捉えられず。

その後も磐田は攻め続けますが、流石に攻め疲れてきたか、交代カードに手を付け始め。
28分に大森→藤川へと交代、36分にはルキアン→小川航基へと交代。
中心ともいうべき2人が退いた事で、ペースダウンを余儀なくされます。

愛媛サイドも、29分に横谷→岩井に交代したものの、これ以降交代カードを切る事は無く。
我慢の展開を過ごし、そして所々惜しいシーンを作っていたため、必要性を感じられなかったのでしょうか。
33分左サイドでのスローインから攻撃、内田のクロスがファーサイドに上がると、小暮が折り返したボールが中央の吉田の下へ。
後は合わせるだけというシーンでしたが、吉田は合わせたもののミート出来ず、クリアされてゴールならず。

45分には再び左サイドでのスローインから、藤本が倒れながらもキープして繋ぎ、受けた岩井がエリア内左へ進入。
中央へ流れてこぼされ、川村が拾いシュートしたもののブロックに阻まれ。
終始攻め込まれる中、蜂の一刺しの如き先制点を期待させたものの、結局それが生まれる事はありませんでした。

泥仕合に相応しい、引き分けという結果に終わったこの試合。
とりあえず連敗を止めた愛媛は、残留へ向け貴重な勝ち点1に出来るかどうか。
この日のようにとは極端すぎますが、泥臭く戦い抜けるでしょうか。

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