ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2023年J3リーグ第10節 AC長野パルセイロvs松本山雅FC

2023-05-17 16:27:22 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

  • 長野の方に「安東輝(てる)」が在籍しているので区別。

「Jリーグ30周年マッチ」の盛り上げ(以下略)
ことJ3でも作為的に組まれるダービーマッチとは無縁ではなく、しっかりと長野県の一大イベントである「信州ダービー」が行われた今節。

9節から中9~10日という変則的なリーグの日程ですが、間に天皇杯予選決勝が挟まったためであり。
その舞台で、同じ長野県代表の座を賭けて激突する事になった両チーム。
PK戦の末に長野が勝ち、これが実に松本戦15年ぶりの勝利との事。
それから直ぐに再び相まみえる運命とは……と言いたくなりますが、ともかく盛り上がりに一役買うカードなのは確か。
この日もJ3では異様な規模の、1万2千人越えの観衆を(長野Uスタジアムに)集めました。

早速の前半1分に、宮坂のロングパスを受けた進が右ポケットを突き、切り返しからシュートを放った長野。
対する松本はこれに対し常田が切り返しでかわされるも、野々村がシュートをブロックと、センターバック2人掛かりで何とか防ぎ。
続く2分には、松本攻撃のキーマンである菊井が池ヶ谷に潰されるシーンが生まれ。
しかし直後にその菊井も、長野のビルドアップに対して果敢にプレッシャーを掛け、秋山にアフターチャージでやり返し。(反則)
意地の張り合いという、ダービーマッチに相応しい入りとなりました。

広めの選手間の距離によるビルドアップという、過去の記憶とそう変わらない攻撃スタイルの松本。
しかしショートパス主体では中々前進は果たせず。
左サイドバックの山本龍が上がり目となる、若干左肩上がりという形を採っていたものの、それが攻撃の円滑化を果たしているかは今一つ不透明。
恐らくは相手の右ウイングバック・船橋をピン止めして下げておきたいという対策の一環だったでしょうか。
菊井や鈴木国が降りて受けたりと工夫を見せるも、長野はそれに対するチェックも怠らず、また食い付いてきた裏を突く余裕も中々作れません。

ビルドアップの硬直化を防ぐに、不肖ながら自分が考える事は、

  • 前線の選手が降りる・最終ラインが動くなどの可変
  • ドリブルで相手のプレッシャーを剥がす
  • 相手のすぐ脇を抜く際どいパスを通す

という要素が不可欠。
この日の松本は1番目は盛んに行うものの、それだけという感じで、長野のプレッシングに屈するのは不可避だったでしょうか。
2番目の要素は、最終ラインの選手が行うにはリスクは大きく。
3番目も、当然普通のパスよりも難易度は高くなるので頻繁に行えないでしょう。
8分に右→左へのサイドチェンジを杉井にカットされた事で、大きな展開も中々見られず。
反面長野は、最終ラインの3人は持ち上がりこそ行わないものの、切り返しで松本のプレッシャーを剥がすシーンが多々あり。
ビルドアップvsプレッシングの戦いを制する下地で完全に上回っていた風でありました。

試合の方は8分に長野が決定機、右サイドのスローインからの繋ぎで右ポケットを取り、近藤が放ったシュートはゴールバーを直撃。
長野優勢を決定付けるかと思われた一幕でしたが、その後はインテンシティの高まりが目立つ展開に。
すると黙っていないのが長野のシュタルフ悠紀リヒャルト監督(今季から登録名は「シュタルフ悠紀」に短縮したとの事)で、20分に最初に佐藤が(小松への反則で)警告を貰った事で、判定に声を荒げるシーンを頻発させてしまいます。
おまけに反則のみならず、23分にはスローインの際、誤って2つ目のボールがピッチへと投げ込まれた際にも猛烈に怒りを露わにするシュタルフ氏。(カードをアピールしていたので、恐らく2個目を入れてしまったのは松本ベンチの誰かであろう)
前年も3度警告を受けるという実績を持つ彼だけに、ダービーマッチという要素も絡めば、こうなる事は避けられないといった所でしょうか。

そんな、シュタルフ氏にとって不服な判定となったように、松本がセットプレー絡みで攻め立てたのが10分台~20分の時間。
24分にはプレッシングに遭いながらも、GKビクトルを含めたダイレクトでのショートパスでいなした末に前進と、ビルドアップを成功させる松本。(菊井のドリブルが船橋に倒されて反則・フリーキック)
反撃体制を整えつつありましたが、シュタルフ氏のヒートアップに釣られるように、その後は長野の地力が前面に押し出されます。(29分にも松本・常田の反則に対し、警告をアピールしてヒートアップ)

28分に松本はGK金にまでプレッシャーを掛けるも、その金のロングフィードを船橋が落として好機に持っていく長野。
近藤のドリブルからのパスを経て、左ポケットから杉井がグラウンダーでクロスを入れ、走り込んでいた近藤が合わせるもシュートはゴール左へと外れ。
プレッシングが実らずに再びの際どい一撃を受けて色を失った松本、守勢に回らざるを得なくなり。

そして前述の常田の反則による長野の右サイドからのFK、キッカー宮坂のクロスを船橋が合わせ、ヘディングシュート。
GKビクトルがセーブするも尚もコーナーキックで継続すると、この左CKを宮坂は変化を付けてエリア内へのショートコーナー。
佐藤がポストプレイでエリア手前へと送り、受けた船橋の手前からのクロスを、秋山が合わせヘディングシュート。
フリック気味に放たれたシュートがゴール右へと突き刺さり、セットプレーの連続で押しきり先制点に辿り着きました。

負けられない一戦で先行を許した松本、直後のキックオフでの攻撃で、野々村が一気に最後方からエリア内へとロングパス。
GK金がパンチングで跳ね返した所に、菊井が金不在のゴールへとダイレクトでループシュートを放ったものの精度を欠いて決められず。

これは奇襲の域を出ず、その後36分に縦パスを受けた進を橋内が倒してしまいFKと、再び長野のセットプレーに。
ここからはシュートにいけずも、長野のターンに切り替わる事は避けられず。
高精度を誇る宮坂のキックという武器がある以上、松本・霜田正浩監督の「長野にCKは与えたくない」というコメント(放送席の談)の通り、プレッシャーは半端無かったでしょうか。

そして再び守勢を強いられる松本。
39分に最終ラインから前進していく長野、佐古の左→右へのサイドチェンジも交えてサイドを振った末に、近藤が中央から進とのワンツーで抜け出しエリア内へ。
こうしてGKと一対一を作り上げてシュート、ループ気味のキックでビクトルを抜いたものの、戻った榎本の頭部でのブロックに阻まれます。
尚も長野がパスを繋いでクロスを入れ続ける中、ゴール内で一人倒れ込んでしまう榎本。(ブロックの後に橋内と交錯)
何とか起き上がり守備参加した末に、佐藤のミドルシュートが枠外となったタイミングで頭を押さえて倒れ込み、その決死のディフェンスは何とか報われました。(一旦ピッチ外へ→復帰)

その後も長野の攻勢は続き、霜田監督が与えたくなかったCKも3本得るなど攻め続け。
しかしその最中で、45分に進が橋内との空中戦で激しいチャージを受け倒れ込むという具合に、長野サイドにもアクシデントが発生します。
一旦立ち上がったものの再び倒れ込む進、スタッフに肩を担がれてピッチ外へ。
続行が厳しいのは誰の目にも明らかでしたが、前半も既にアディショナルタイムだったため、何とかピッチへ復帰し交代機会を減らさない事に努めた進。

こうして、1-0のスコアの割にはイベント満載といった前半が終わり。
ハーフタイムで負傷した進を山本大貴へと交代させた長野。
一方の松本も、先程失点を防ぐブロックをした榎本に交代の措置を採り、まさに名誉の負傷という形になりました。(國分と交代)

後半1分に、スローインを受けた小松が池ヶ谷に倒された事で反則、松本のFKに。
左サイド遠目という位置でどう立ち回るか注目されるなか、キッカー菊井が選んだのはポケットへのスルーパス。
さらに走り込んだ小松がグラウンダーでクロスと変化を付けましたが実らず。

後半に入り、ビルドアップでも変化を付けようと思ったのか、前半とは反対に橋内が上がる右肩上がりの形を取り始めた松本。
しかし本職がCBの橋内に攻撃で多くは期待出来ず。
逆に長野サイドの船橋の上がりを誘発し、7分にはGKビクトルのフィードを敵陣でカットした船橋、ここから攻め上がる長野。(逆の左サイドへ展開ののち山本大が奥からクロス)

結局この形は直ぐに終わり、その後再び左肩上がりがメインとなりましたが、それ故に混乱を招いてしまったでしょうか。
10分には橋内の蹴り出しが眼前のパウリーニョに当たってしまい跳ね返り、安東輝が右サイドへ繋ぎ直したものの、これを見た長野はすかさず杉井が前に出てプレッシャー。
そして奪いきりに成功し、中央への展開の末に佐藤がミドルシュート(常田がブロック)と、隙を突かれる危惧を予感させる絵図に。
12分にはパウリーニョが最終ライン右へ通り、両SBを上がらせるという新たな形を見せる松本。
しかしこの攻撃も、國分のサイドチェンジが菊井に当たってしまい繋がらずと、自滅の形で終わり。

一向に反撃機運が高まらないのを受け、14分に松本ベンチは3枚替えを敢行。
橋内・パウリーニョ・鈴木国→宮部・米原・渡邉へと交代します。
一方の長野も同時に、佐藤→西村へと交代。

それでも目立つのは長野の攻撃シーンばかり。
松本は17分に、右サイドで宮部が杉井に反則を受けると、素早くリスタートして宮部がスルーパスを送り。
走り込んだ國分がクロスと再度奇襲を見せましたがフィニッシュには繋がらず。
渡邉の投入で、ターゲットへのロングボールという傾向が強まったものの、その攻撃も繋がらずと八方塞がりに。
むしろ山本大が加わった長野の方が、ロングボール攻撃は有効だった感がありました。

松本の次の手は21分で、菊井と國分の位置つまりウイング(サイドハーフ)を入れ替え。
23分右サイドでの渡邉の収めから、受けた菊井がカットインから逆へ展開、山本龍のスルーパスで左ポケットを取る國分。
代えた部分が絡んでの攻撃を見せて左CKを獲得しましたが、ここから長野がカウンターを発動。
2度目のクロスがこぼれた所を池ヶ谷が素早く前へ繋ぎ、右サイドで受けた三田が上がりを待って中央へスルーパス(近藤が走り込むもGKビクトルが前に出てクリア)と、プレッシャーを与える事で相手の好循環を有耶無耶にします。

苦しい状況は変わらない松本、やはり地味な事を地道にやり続ける事しか手立ては無く。(28分に長野は三田→森川へと交代)
右サイドでスローインを連発する漸進戦法でCKを取ったのが30分前後で、この右CKから、上げられたクロスを野々村が合わせヘディングシュートを放つも威力が足りずGK金がキャッチ。
こうして攻撃機会を増やし、その中で1本モノにするぐらいが残された手でしょうか。
33分に最後の交代も敢行し(山本龍→村越)、名実ともに手は尽くしたという格好に。

しかし現実は非情でした。
34分山本大狙いのロングボール攻撃を通す長野、彼の落としを拾った森川が野々村のスライディングを華麗にかわしたのち左サイドを猛然とドリブル。
そして左ポケットまで進むとスルーパスで後を託し、走り込んだ杉井のマイナスのクロスを山本大が合わせ。
ゴール上部へ豪快に突き刺さる、文字通り松本への強烈な一刺しとなる追加点を生み出しました。

攻め手が見出せないまま、点差を離されてしまった松本。
37分にはスローインの判定を巡り、菊井が副審に対する異議で警告を受けてしまう等その苛立ちも最高潮という事が窺え。
そのすぐ後に長野も最後の交代を敢行し、近藤→音泉。

最早ロングボールをダイレクトにエリア内へ放り込む事しか活路を見出せない松本。
インテンシティの高さは相変わらずな試合絵図故に、ぶつかり合いによる反則で遠目からのFKを幾度も得て、そこから放り込み。
流れの中でも、エリア内へ送られるロングボールに小松が走り込む、という攻めを続け。
当然ながら、紛れが起きない限りはもう……という予感しかせず、そのままATへと突入します。

それでも長野の前への圧力は衰えない辺り、ダービーマッチの宿命でしょうか。
しかしそれが空回りし、村越へのアフターチャージで音泉が警告を受け。
この反則は自陣からのFKでしたが、GKビクトルが直接エリア内へ放り込んだボール。
しかしGK金が前に出て抑えにいった所、あろう事かこぼしてしまい、そこをすかさず小松がヘディングでゴールに押し込みます。
紛れが綺麗に起こってしまったという形で、1点を返した松本。

残り時間は僅かという状況で、長野も締め直してキックオフから敵陣でサッカーを展開しにいきます。
そしてその後の松本の攻撃を跳ね返したのち、クリアボールを山本大の収めから、繋いだ末に左コーナーでキープしにいく形に持ち込み。

しっかりと逃げ切りの立ち回りを見せ、そして試合終了の笛が鳴り響き。
長野が悲願?の、Jリーグで初の松本戦勝利を上げるに至りました。

同時に首位に立った長野ですが、依然として混戦模様である今季のJ3。
激情家の指揮官故に(前年然り)安定度は今一つな感がありますが、その前向きなパワーをフル活用して突っ走る事が出来るでしょうか。

にほんブログ村 サッカーブログ J3へ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DAZN観戦 2023年J2リーグ第15節 ベガルタ仙台vsモンテディオ山形

2023-05-16 16:00:33 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の仙台の記事はこちら(11節・藤枝戦、2-3)
※前回の山形の記事はこちら(13節・岡山戦、0-2)

<仙台スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • ベンチ外が続いていた真瀬が8試合ぶりのスタメン。
  • 遠藤は以前離脱中。
  • その他故障の疑いは、ホヨンジュン(8試合連続ベンチ外)・キムテヒョン(2試合連続ベンチ外)辺りか。

<山形スタメン>

  • 前節(藤枝戦、3-2)出場停止だった野田はベンチに留まる。

「Jリーグ30周年マッチ」の盛り上げ策の一環であるダービーマッチ。
東北の地では当然ながら「みちのくダービー」が組まれ、他方の秋田・いわきも同様に「東北ダービー」が組まれました。

ひょんな事から、今季途中から山形の指揮を執っている渡邉晋監督。
これにより仙台・山形双方で監督経験を持つ事となり、その心境の複雑ぶりはいかほどであったか外野からは決して判らず。
仙台は自身が約6年に渡ってJ1で監督を務めたクラブであり。
現在J2とはいえ、長年上位カテゴリで磨かれた実力が自身に対し牙を剥く、そんな試合展開だったでしょうか。

入りから攻め込む仙台に対し山形ディフェンスは果敢にアタックを仕掛けていきますが、巧みにダイレクトパスでいなされたり、反則で止めるしかない状況を強いられ。
前半3分にスローインを受けた氣田が直ぐさま西村に倒され、右サイドからのフリーキックに。
ここから、キッカー鎌田のクロスを直接GK後藤雅が抑えにいくも、触れず流れた所に大外で小出がボレーシュート。
枠を捉えられず終わりましたが、この好機が両チームの地力の差を表していたでしょうか。

その後山形は最後方からビルドアップを試みるも、仙台のプレッシングの前に自陣でボールを失うシーンが続発。
そこからショートカウンターに持ち込まれ、何とかシュートは撃たせなかったものの、攻撃も守備も前途多難な立ち上がりを強いられます。

しかし9分のチアゴの敵陣でのパスカットを成功させ、ビルドアップとハイプレスの2つが持ち味のチーム故に、得意手を1つ生み出した事で流れを奪い。
仙台陣内へと押し込み、スローインからパスワークで攻めたのが13分。
シュートには持ち込めずも、続く攻撃ではエアバトルを制し、右サイドでイサカがボールを持って奥を突いたのちカットイン。
ディフェンスに遭うも繋ぎ、代わって田中がエリア内へカットインを仕掛け、放たれたシュートは右ゴールポストを直撃。
決定機を迎えた事で、ここから互角の展開に持ち込みたい状況となりました。

その後、仙台はパスワーク中心で攻め上がるもシュートは撃てず。(11分にコーナーキックから鎌田がネットを揺らすもオフサイドで無効に)
逆に山形は14分にチアゴシュート(ブロック)→南ミドルシュート(枠外)の連撃など、着実にフィニッシュに繋げ。
対照的な流れで、シュートを放てる分山形に流れがあるといったここまで。

それでも次第に実力差が表れる展開となり。
23分には左→右への展開から、真瀬のスルーパスは山田寛には繋がらずも、拾った小野をそのままコーナー付近へと追い込んだ末に縦パスをカットして攻撃継続する仙台。
ここからもシュートには繋がらなかったものの、力の差がこうした「圧力に屈する」ような絵図を生み出していた感があり。
これを受けた山形、次第に裏狙いのロングボールへと傾倒していき、その結果攻撃機会を得れず。

こうして仙台が攻撃し続ける土壌が生まれましたが、そのビルドアップの形は、右サイドの真瀬が高目の位置を取る姿勢で一貫しており。
残りの3人が3枚の最終ラインを作るという形で固定。
始めは山形・イサカの推進力を警戒しての事かと思われましたが、仙台の攻撃時間が長くなると、そんな懸念はどこ吹く風となります。
逆に押し込まれた山形が、(小野が上がれずに)常時仙台と同じ右肩上がりの形からのビルドアップを強いられるようになり。

そして32分、その右サイドで山形のビルドアップに圧を掛け、敵陣深めでのボール奪取に成功した仙台。
拾った鎌田がカットインで右ポケットへ切り込んでマイナスのクロス、これはブロックされたものの、拾い直した鎌田が再び繋ぎ直し。
これをニアサイドで氣田がシュート、ゴールネットを揺らし先制点に辿り着いた仙台。
試合展開同様に、スコアでもリードを奪いました。

反撃に出たい山形、とにかく仙台の圧力への対処が望まれる状況。
それでも仙台もそのチーム力通りの成績は残せていない状態(4勝5分5敗)で、やや迷いが出てしまっていたか。
37分、山形のパスワークに対して4-4-2ブロックで構える姿勢を見せるも、最終ラインへの戻しを受けてのプレッシングが曖昧に。
そして相良が中途半端に前に出た隙を突いて西村が右へ縦パスを通し、そこから前進していく山形、スルーパスに走り込んだ山田拓のグラウンダーでのクロス。
これをチアゴがニアに入り込んで合わせましたが、GK林がこのシュートをセーブして同点ならず。

再びの決定機に、まだ山形にゴールへの道筋がある状態。
仙台はそれを断たんと、長らくポゼッションを続ける時間を作ったのが40~42分。
真瀬を最前線に残した上でボールを上下動させるという、追加点の脅威を与えたうえで山形のプレッシングをいなし続けます。
そして最後にスルーパスが真瀬に送られたものの、入れられたマイナスのクロスはカットされ実らず。

アディショナルタイム、イサカのクロスをニアサイドでキャッチした林が勢い余ってゴールラインを割ってしまい、山形の右コーナーキック。
ここからショートコーナー→クロスは跳ね返されるも、2度目の小野のクロスを熊本が合わせヘディングシュート。
しかしゴール左へと際どく外れてしまい。
決定機の数では上回った山形でしたが、結局0-1のまま前半終了を迎えました。

ハーフタイムで動いてきた山形。
山田拓→小西へと交代し、藤田が右サイドバックへ回るという最近のトレンドの布陣を採ります。

その入りの後半1分、右サイドから縦に速い運びを経てチアゴがエリア内右角を突くシーンを作り。
そこでのボールキープを経て裏へと短く出し、走り込んだイサカがシュートしますが右サイドネット外。
いきなりゴールに迫った山形に対し、仙台は前半と同様にパスワーク重視で山形のプレッシングをいなし、攻撃機会を増やしていく立ち回り。

それ故に前半と大きくは変わらない展開で、いかに山形が決定機を増やしてその中でゴールを奪えるか。
そんな展望を考えさせられていた所、8分に小西が足を痛めて倒れ込む事態が発生します。
長らく足を抑え、ややもすると筋肉系トラブルが疑われるなか自力で立ち上がりピッチ外へ。
数的不利の最中に山形はチアゴが焦ってロングシュートを狙う(枠外)シーンも生まれましたが、幸い無事にピッチに復帰する小西。

これを切欠に同点を目指すものの、13分にカウンターに持ち込む仙台、スルーパスに左奥へ走り込んだ内田を西村が倒してしまい反則・警告。
このFKからの攻撃を防ぎ、何とか反則でカウンターを止める形となった山形。
以降仙台の攻撃に対し反則を犯すシーンが膨れ上がり、反則でしか止められない、というような流れに突入してしまいます。
言わば再び「圧力に屈する」かの如き展開。
そして自身の攻撃も、再び裏狙いを繰り返しては繋がらずという前半同様の苦しい展開を強いられる山形。

状況打開のため、17分に再度交代。
イサカ・加藤大→横山・藤本へと2枚替えし、CFに入った藤本によりチアゴが本来の左サイドハーフに回り。
その後の最初の攻撃機会は20分で、後方から左斜めへの縦パスを小野スルー→チアゴフリックで裏へと出したものの、走り込んだ小野には繋がらず。
采配・サッカー双方で変化を付けに掛かります。

逆に試合そのものは支配しているものの、シュート数が膨らまない仙台。
24分に敵陣でサイドを振るパスワークのなか、エヴェルトンが左右に動いて双方で絡む攻撃。
そして右から真瀬のクロスが上がり、GK後藤雅に弾かれた所をエヴェルトンが中央でダイレクトで中へ送り。
これも跳ね返されるも、またも拾ってミドルシュートを放ったエヴェルトン。(枠外)
中盤の展開力で優位性を示すように、フィニッシュにも絡みを見せます。

しかし27分に内田が足を攣らせてしまい、これを機にカードを切る仙台。
内田・山田寛→秋山・中山へと2枚替え。
尚も33分に相良・郷家→中島・フォギーニョへと2枚替えを敢行します。
中盤はボランチ4人というような顔ぶれとなるも、ポジションの変更は無く。

仙台の交代策が交わった事により、ぶつ切り傾向が強かった25~35分。
当然さしたるフィニッシュは生まれず。
そしてさらに混迷を生んだのが、36分に熊本が足を痛めて交代を余儀なくされた事でしょうか。
これにより最後のカードを切る山形、前節出場停止だった野田を投入。
その後の38分、野田の縦パスがフォギーニョにカットされると、拾った中山に対し食い付いてしまう野田。
戻しからのスルーパスでそのスペースを突かれかかるという具合に、巧く入れずとなり。

同点への運気は高まらない、そんな予感を孕ませるシーンとなりましたが、サッカー並びにスポーツは最後まで判らず。
40分右サイドでスルーパスの連続で前進していく山形、右ポケットを取った横山はバックパスを選択し、小西が手前からクロス。
これを國分がフリックで浮かせると、その奥に居た藤本はバイシクルでシュート。
しっかりとミートされたボールがワンバウンドでゴールに突き刺さり。
その絵柄は起死回生という言葉しかない、藤本の同点弾となりました。

この得点を機に今までの展開が嘘のように、一気呵成に押し込む山形。
41分には二匹目のドジョウを狙ったか、藤本の右からのクロスをバイシクルでシュートにいったチアゴ。(空振り)
どんどん縦に速い攻撃を繰り出していき、45分には再び右ポケットを取った横山が今度はシュートを選択。
しかし力んだかふかしてしまい勝ち越しはならず。

このまま突入したATですが、山形は既にベクトルを前に向ききっていた感があり。
仙台が反転攻勢に転じると、それを止めるための陣容はあまりに薄かったでしょうか。(43分に仙台は氣田→梁へと交代、中島がFWへ回る)
真瀬のスルーパスを右奥で受けたフォギーニョがカットイン、右ポケットを突いてのマイナスのクロスから、中島が放ったシュートはゴールバーを直撃。
尚も繋いで再び中島が中央からシュートするもゴール上に外れと、一度の攻撃のなか連続でモノに出来なかった中島。
その後も、真瀬のシュートをGK後藤雅がセーブ、フォギーニョのシュートはふかして枠外とエリア内で決定的なシーンを連続で作られ。
その間に何度かカウンターを仕掛けた山形でしたが、それが却ってオープンという表現が生易しいぐらいの、フルオープン状態を呼び起こしていた感があり。

そしてこの展開を待っていたかのように、最後に笑ったのは仙台でした。
再び右サイド奥を突き、真瀬がカットインからクロスを入れると、中島は今度はワントラップからのシュート。
先程の反省かコントロール重視の軌道を描き、ゴール左へと突き刺し。
歓喜の勝ち越しゴールに沸き上がる仙台のホーム・ユアテックスタジアム仙台。

それでも諦めない山形。
野田・西村双方を前線に上げて攻め上がり、最後に野田のスルーパスで右ポケットを突き、横山のグラウンダーでのクロスをニアサイドで藤田が合わせ。
しかし右サイドネット外に終わり、最後までオープンだったものの競り負ける事となりました。

2-1で仙台勝利というリザルトもさる事ながら、試合終盤の展開はまさにダービーマッチ故の熱狂ぶりが齎したもので、Jリーグ側の目論見通りといった今節。
しかし対決しながらも根は同じ釜の飯を食う立場なのは、目論見通りにさせてはいけないという思いで合致している事からも窺え。
一言では言い表せない、伝統のダービーマッチの奥深さが示された一日だったでしょうか。

にほんブログ村 サッカーブログ J2へ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DAZN観戦 2023年J2リーグ第15節 東京ヴェルディvsFC町田ゼルビア

2023-05-15 16:00:12 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回のヴェルディの記事はこちら(6節・熊本戦、3-0)
※前回の町田の記事はこちら(9節・磐田戦、1-1)

<ヴェルディスタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 8節(清水戦、1-2)で負傷した梶川は全治8か月との事。ほぼ今季絶望か。
  • 齋藤の負傷が発表され、4/20に発生して全治5週間との事。
  • 谷口が戦線復帰し、2節以来のベンチ入り。
  • ユース所属の大久保・白井・川口が2種登録。

<町田スタメン>

  • 前節(岡山戦、1-1)の後半から荒木をトップ下に据えたダイヤモンド型4-4-2に。その際退いた高江は今節ベンチ外、故障か?
  • デュークは12節(熊本戦、2-1)に復帰、以降常時スタメンを続けている。
  • 8節(秋田戦、0-1)で池田が負傷するも、2試合欠場して既に復帰済み。前節再び負傷するも、治療を経てプレー続行し今節も出場。
  • 稲葉の負傷が発表され、4/27に負傷するも今節復帰しベンチ入り。(3試合欠場)
  • 高崎(QUON FD)が来季加入内定し、同時に特別指定で登録。

「Jリーグ30周年マッチ」と釘打たれた今節。
盛り上げの一環として、ダービーマッチが数多く組まれる運びとなりました。
またJ1の方では、Jリーグ開幕戦のカード(鹿島vs名古屋・浦和vsガンバ)を再現するなどその徹底ぶりが伺えます。

それ故ヴェルディはJ1に残っていれば、マリノスとの一戦は必至だったでしょう。(日曜にはその開幕戦のビデオが放送されていましたね)
その代わりと言っては失礼に値するものの、味の素スタジアムで開催された「東京クラシック」。
ヴェルディ・町田ともに、驚異的な守備力で上位に君臨しているという、成績的にも申し分無い一戦であり。

目下首位である町田のチーム強度は、どのクラブにも警戒の的とされる要素。
試合が始まると、やはりヴェルディもそれに倣いロングボールの配給が中心の姿勢を採ります。
とにかく出鼻を挫かれない立ち回りですが、そんな中でも一発を狙いに行く町田。
前半2分に、右サイドにこぼれたボールを高橋がダイレクトで縦パス、中央のデュークに繋げてまず脅かし。(デュークはキープするも撃てず)
続く3分にはスルーパスをカットした翁長がドリブルに入り、一気に敵陣へと運んでスルーパスをエリア内へ供給。
ここにも当然デュークが走り込む(繋がらず)という具合に、そんなヴェルディに多大なプレッシャーを与える振る舞いを貫きます。
そしてタッチラインに逃げれば翁長のロングスローが待っているという、パワーサッカーへの振り切りは既に120パーセントといった所でしょうか。

前節長崎の連勝を止めて(2-1)意気揚々という状況のヴェルディでしたが、そんな冷水を浴びせられる入りを何とか凌ぎ。
この日も前節のようにボールポゼッションを根底に、右サイドの推進力を軸として攻撃を開始します。
その片翼を担ったバイロンは、高校時代に町田・黒田剛監督の薫陶を受けた関係とあり、この試合への思いは人一倍。
12分にはそのバイロンのスルーパスで山田を走らせて右コーナーキックに持ち込み。
キッカー北島のニアサイドへのクロスから、加藤蓮がフリック気味にヘディングシュートを放ちましたが惜しくもゴール左へと外れ。

それでも町田の破壊力は恐ろしく、14分に翁長のロングスローが繋がり、デュークスルー→チャンミンギュフリック(足下)を経て池田のヘディングシュートが襲います。(枠外)
ヴェルディは臆する事無く、16分に町田のプレッシングをGKマテウスのフィードでいなしての攻撃。(シュートまではいけず)
これにより恐怖をほぼ完全に克服したか、以降攻撃権を支配する時間となります。

しかしプレスに対抗しても、まだ最終ラインの硬さを残している町田。
単純なクロスを上げても、そのハイタワーぶりに泣くというお決まりの流れに突入する事に。
18分に北島のドリブルが荒木に倒され、得た左サイドからのフリーキック。
キッカー北島は直接ゴールに向けたようなクロスを入れるも、GKポープが正面でキャッチ。
ヴェルディサイドもそれを理解していたようでしたが、やはり大外からのシュートは難易度的に厳しいものがあり。(それ以前も8分にバイロンが大外からシュート気味のクロスを入れる場面があり)

一方プレスが嵌らない町田。
デューク・エリキの2トップが、基本ボールホルダーにガンガン行くスタイルなため、チーム全体調整がどうしても必要となり。
27分にはデュークが左サイド(ヴェルディの右サイド)にプレッシャーを掛けるも、空いた中央への戻しを経て平がすかさずロングパス。
クリアされるも北島が拾い、ドリブルを経てミドルシュート(GKポープセーブ)と、町田ディフェンスの穴を突いた有効打が放たれます。

ここまでは以前の群馬戦と同様の状態であった町田。
しかしここからの修正も同様であり、29分に翁長が宮原のスライディングで痛んでしまいますが、その時間を利用してコーチ陣総出で指示を選手達に伝えます。
そして以降はヴェルディの攻撃が繋がらなくなり。
デューク・エリキがヴェルディのアンカー綱島へのチェックを第一とする、判り易い修正が果たされました。
ヴェルディにとっては、それが行き渡る前の30分に迎えた決定機をモノに出来なかったのが痛かった。(左サイドの突破を経て森田が左ポケット奥からマイナスのクロス、バイロンが合わせにいくもミート出来ず)

そして再び繰り広げられる町田のパワー溢れる攻撃。
36分にスローインからデューク・エリキの繋ぎを経て荒木がミドルシュートを放ち、ブロックに当たって山なりの軌道を描いた末にゴールバー直撃と際どいシーンも生まれ。
思い通りのサッカーが出来なくなったヴェルディは、CKの守備の際にポジション取りで難儀。
町田がショートコーナーを仕掛けた刹那、バイロンが倒された事でやり直しとなる(38分)など、我慢の展開を強いられます。

特に持ち味を出せなくなったバイロンは、デュークと言い合いになるなど苛立ちを窺わせるシーンも作ってしまい。(40分)
45分には平河のボールキープにアタックに行った際、粘る平河を後ろからチャージする格好となってしまい反則・警告も受ける事となります。
そしてここからのFK(自陣左サイドから)で試合は動き。
右サイドへのデューク狙いのロングパスの跳ね返りを繋ぎ、スルーパスに走り込んだデュークからグラウンダーでクロス。
クリアに入られるも、真上に上がったボールを右ポケットでチャンミンギュがボレーシュート、左ゴールポストを直撃するも跳ね返りをさらにエリキが詰め。
ももに当たるという難しいシュートとなりましたが、合わせきってゴールネットを揺らします。
前半終了間際に先制点を挙げた町田。
この際に加藤蓮が痛んで倒れ込んだ事でアディショナルタイムは過ぎ去ってしまい、キックオフと当時に前半終了の笛が鳴りました。(加藤蓮は無事にプレー続行)

巻き返したいヴェルディ、HTで北島→佐川へと交代。
そのままの位置と、中盤にも高さを加える事で(ロングボールによる)ビルドアップの出口とする意図でしょうか。

アンカーを経由しての運びが難しくなったため、その意図通りに後方から佐川狙いのボールを何度か交えるヴェルディ。
それでも本命はバイロンの推進力なのは変わらず、後半5分には左でのパスワークを経て加藤蓮がサイドチェンジ、ヘッドで収めたバイロンがハーフレーンへと流れてそのままミドルシュート。
しかし池田のブロックを経てゴール上へと外れ。

ビハインドの状況もあり、町田の圧力による苦しいボールポゼッションを強いられるヴェルディ。
一方の守備でも、力には力で対抗した結果反則が膨らむ事となり。
遠目からでも放り込むスタイルの町田故に、時間を掛けて落ち着かせるその立ち回りに、ピッチサイドの城福浩監督の苛立ちも露わになっていきます。

何とか冷静さを取り戻さんとするヴェルディ。
16分にはFKからの攻め直しで、宮原がバイロンとのパス交換で町田のプレッシャーを釣り、パスワークから佐川が中央を前進する攻め。
山越とのワンツーを経てシュートに持っていった佐川でしたが、ゴール左へと外れてこれもモノに出来ず。
際どいボール運びを制する姿勢が出来上がりつつありましたが、その最中に事件は発生します。
続く17分にもヴェルディの攻撃、バイロンのスルーパスに走り込んだ山田でしたが池田がクリア。
これで勢い余って山田が池田に対し反則を犯した際に、声を上げたバイロンが主審への異議と取られてしまい、警告が付き出され。
当然2枚目で退場という事態に発展してしまい、意図しない(試合後の本人の談)絶叫が悲劇を呼んでしまう事となりました。

これで10人での戦いを強いられたヴェルディ。
すかさず山田→河村へと交代し、佐川を1トップにした4-4-1(4-2-3?)の布陣で何とか対抗せんとします。

当然町田に流れが傾く事が予想されましたが、その後の町田の攻めは「前掛かりになるヴェルディの裏を突く」事一辺倒になり。
これに良く対応したヴェルディにより、攻撃は殆ど繋がらなかった町田。
一方のヴェルディもボール保持の時間が長くなったものの、数的不利の状況ではやはり厳しく、戻して作り直しor無理目のスルーパス狙いで終わり。
双方有効打を放てない停滞気味の展開となり、町田サイドの「このままタイムアップでも良い」という思惑もそれに拍車を掛けていたでしょうか。

そんな状況の中、町田は26分にエリキ・高橋→藤尾・稲葉へと2枚替え。
試合を動かすというよりは、エリキの燃料切れ+故障上がりの稲葉の試運転といったような采配でしょうか。(一応稲葉・下田のドイスボランチ、つまり通常の4-4-2となる)
併せて荒木が左サイドハーフ・平河が右SHへとシフト。

一方のヴェルディは、30分に平が足を痛めてしまい続行不可能となり。
谷口と交代するとともに、加藤蓮→マリオ・エンゲルスへと交代。

時間も刻一刻と進んでいき。
それに伴い後が無くなるヴェルディ、森田が縦横無尽に動き回りボールの出し入れを行う体勢に。
無理をしなければ状況は打開できないという思いからで、何とかアタッキングサードへと運べる機会は増え。
38分には左サイド奥で佐川のボールキープで、反則を誘った事でFK。
これをマリオが直接狙い、ゴール右を襲った所に谷口が跳び込む惜しいシーンを作ったものの、合わず・枠を捉えられずに終わり。

そのリスクも大きく、安定性を失った事で町田の攻撃機会も増えます。
43分にはパスミスを藤尾に拾われ、パスを受けた中島(デュークと交代で出場・37分)がミドルシュート。(ブロック)
45分にはカウンターに持ち込み、左サイドの突破から中島が奥からマイナスのクロスを送り、シュートは撃てずも尚も繋ぐ町田。
結果として右コーナー付近でのボールキープに持っていき、時間を使う体勢へ。(ATに荒木→沼田へと交代)

最早ロングボールを送るしか無くなるヴェルディ。
しかしそのこぼれ球が、綱島に対するチャンミンギュの反則(警告)を呼び込み、ラストワンプレーというタイミングでFKの好機。

ここでキッカー・マリオが意表を突いて早めのタイミングで直接シュートしたものの、笛が吹かれる前だったためやり直しに。
何とかこじ開けたいという思いが溢れたものの、結局2度目のキックは放り込みを選択し、クリアされた所でタイムアップ。
試合終了となり、1点を最後まで守り切った町田が首位を固める勝利を挙げました。

にほんブログ村 サッカーブログ J2へ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DAZN観戦 2023年J1リーグ第12節 ヴィッセル神戸vs横浜FC

2023-05-12 18:13:07 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

現在のJ1首位クラブである神戸。
前年残留争い・親会社(楽天グループ)の経営不振・戦力補強の奮わなさと、マイナス要素が3拍子揃ったかのようなシーズンオフ。
それが一転して今や首位という成績に、苦戦を予想していた自分としても驚きを禁じ得ない状況です。

思い出されるのが、楽天グループに買収される前の神戸。
母体となる親会社が無く、「最も貧乏なJ1クラブ」と揶揄されながら、毎年のように残留争いを勝ち抜き踏み止まって来たという歴史を持っており。ただオフの補強策はカズはじめネームバリューに頼ったものでしたが
その後の楽天時代は、経営的な不安こそ無くなったものの、動けば動くほどドツボに嵌り降格も経験する(2度)良く解らないクラブと化してしまい。
それを払拭すべく舵を切ったと思われる、アンドレス・イニエスタをはじめとするビッグスターの獲得。
しかしいくら楽天といえど資金源は無限では無く、前述の経営不振+高騰する選手年俸のダブルパンチに襲われた影響で、息切れが目に見えて表れ始めた現在。
その苦境が王政復古と言わんばかりに、「限られた戦力を有効に使い凌ぐ」気概を皮肉にも齎した、という流れでしょうか。

その「限られた戦力」の通り、今季これまでリーグ戦全試合スタメンの選手が6人。
大迫・武藤・山口のような海外リーグ経験者のみならず、成長したGK前川や、要所を締める山川・初瀬といった選手もその枠組みに入っている辺り「神戸は変わったな……」と思わされます。
この日の相手は、前節にようやく初勝利を挙げた(新潟戦、1-0)という横浜FCで、首位vs最下位の戦いとなり。

3-4-2-1へとフォーメーションを移し、守備を固める意識を最優先という、順位の通りの判り易い弱者の戦いへとシフトした感のある横浜FC。
仮に主体的な攻撃をしようとしても、恐らくは神戸の前線の果敢なプレッシングの前に果たせず仕舞いとなっていた可能性が高く。
前半2分にロングボールのクリアミスを山下が拾って敵陣で攻撃開始、左からのカットインで左ポケットを突く(クロスもブロックされる)という具合に、耐え凌ぎつつ隙を見て決定機を迎える体勢だったでしょうか。

10分に再び神戸のパスミスからの好機、左サイドで拾った小川航から、小川慶→中村と経由して逆サイドへ。
そこからの前進でコーナーキックを獲得と、セットプレー一発で仕留めるチャンスを得ましたが、ここから齎されたのは神戸のカウンター。
GK前川がパンチングで跳ね返したボールを拾った汰木、左サイドをやや遅めのドリブルで前進していくと追い越した武藤へスルーパスを通し、さらに武藤が逆サイドへ展開。
ドリブル頼みの高速カウンターとは一味違った、長いパスで隙を突くという前進を経て、佐々木から放たれたミドルシュートはゴールバーを直撃と惜しいシーンとなりました。

相手がハイプレスに来ない体勢のため、必然的にボールポゼッションを高める時間が増える神戸。
以前までのスタイルをある程度採らざるを得ない状況に戸惑いながらも、敵陣でサイドチェンジを多用する攻めで横浜FCディフェンスを揺さぶります。

そうして下地を作ったのちにショートパス、とりわけワンツーによる前進で守備網を切り裂きに掛かり。
対する横浜FCはそれに対してついていけずに反則を多発させ、そこから神戸のFKによる放り込み、という攻撃が繰り返され。
一方の横浜FCも、一向に攻撃の流れが生まれないのを受けてロングボールへと傾倒し、そこからデュエル勝負の体勢へとシフト。
それにより神戸サイドも反則が膨らみ、そこからのFKで放り込み……と、放り込み合戦と表現したくなる展開で時間は進んでいきます。

理想的とは言い難いながらも、曲がりなりにも相手に流れを渡さず凌いできた横浜FC。
しかし30分過ぎから退潮が露わになり、次第に神戸に縦に速い攻撃を通されるシーンが目立ち始めます。
34分には初瀬・汰木の2人で左サイドを攻略する神戸、奥から汰木のクロスが上がると、ファーサイド・ゴールラインぎりぎりで大迫が折り返し。
ゴール付近で右往左往するボールでしたが、GKブローダーセンが抑えて何とか防ぎます。

それでも守備に振られた影響か、37分に小川慶が足を痛めてしまい、筋肉系トラブルらしく続行不可能に。
早くもベテランを失う事となり(坂本を投入)、これにより精神的にも不利となってしまった横浜FC。
以降も神戸のシュートは1本のみながらも、クロス中心にGKブローダーセンにまでボールを届かせるシーンを量産します。

そしてその姿勢が報われる事となったのが44分。
右サイドから酒井のドリブルで攻撃スタートし、ディフェンスに遭いながらも繋いで前進、中央での大迫のポストプレイを経由して逆サイドへ。
そしてまたも左からのクロスに辿り着き、今度は初瀬が低く速いボールを送ると、横っ飛びで防ぎにいったGKブローダーセンはキャッチできず弾いてしまいます。
すかさず拾った大迫に対し、抑えにいったブローダーセンの腕が足に引っ掛かり、大迫が倒れた事で反則を告げる笛が鳴り。
すなわちPKであり、ゲットした大迫自らキッカーを務める神戸に対し、自ら与えてしまったピンチを防がんとするブローダーセン。
左右に激しく動いて動揺を誘う、通称「踊るGK」のスタイルを見せますが、動じる事無くゴール左隅へと蹴り込んだ大迫。
ゴールゲットとなり、良い時間帯で先制点を挙げた神戸。

そのまま1-0で前半は終了。
展開的にも、スコアレスで終えたかった横浜FCにとっては痛恨の失点となり、GKブローダーセンに負荷を与え過ぎてしまった事が悔やまれるPKだったでしょうか。

そして始まった後半、その意気の違いがハッキリと表れ。
ビハインドなうえに攻撃の流れが作れない横浜FCに対し、無理矢理前掛かりになる相手の隙を突く、リードする立場らしく冷静にかつ先制した勢いを持って攻め込む神戸。
サイド奥まで攻め上がって得たCK、相手を翻弄する事で受ける反則によるFKと、セットプレーの数も膨らませて押し込みます。

そして7分、スローインから敵陣でパスを回す横浜FCでしたが、ズレたパスを山口がダイレクトで縦パスを繋げて攻守交替。
大迫を経由して再び左へ渡り、汰木が細かいタッチのドリブルで中央を伺った末にミドルシュート。
これをGKブローダーセンがセーブするも、エリア内で大迫が跳ね返りを拾って勝負あり、ゴール左へ蹴り込まれるボール。
立て続けに撃たれてはブローダーセンもどうしようもない、といった追加点となりました。

複数点差を付けられ、勝利は絶望的ともなってきた横浜FC。
意気消沈は不可避といったように、続く9分にはミスが失点に直結してしまいます。
例によって右サイドから大迫経由で左へ……という攻めで、今度はスルーパスを供給した大迫。
走り込む汰木の前で中村がカットに入るも、繋ごうとした中村はあろう事かキックミス、エリア内へこぼれた所を汰木が拾って一転して大ピンチに。
その隙を逃すはずの無い神戸、中央への横パスを佐々木が合わせてゴールネットを揺らします。

これが首位と最下位の差、という事が存分に示される後半戦。
横浜FCは直後のキックオフですぐさま奪われてしまい、武藤がエリア内からシュートと危機を招き。
ブロックしてCKに逃れるも、戦意喪失を疑われかねない絵図を描き続けてはたまらず。
12分に3枚替えを敢行、ユーリ・中村・山下に代えて井上と近藤、サウロ・ミネイロを投入したベンチ。

何とか主体的な攻撃の流れを作りたい横浜FC。
14分、神戸のプレッシングを受けながらのビルドアップを成功させ、坂本が左からのカットインを経てミドルシュート(GK前川キャッチ)とフィニッシュに持っていき。
続く15分にも吉野がミドルシュートを放つ(GK前川セーブ)など、左右のセンターバックもアタッキングサードで攻撃に絡み、押し込む流れが見え始めます。

しかしここは神戸のホーム(ノエビアスタジアム神戸)であり、今度はそれを利用した采配でそのムードを雲散霧消させんとします。
19分佐々木に代えてイニエスタを投入した神戸、既に3点差という状況もあり、以降スタンドは「イニエスタを中心とした華麗なる美技に盛り上がる」モードに突入。

イニエスタ本人もそれを解っていたのか、パス以外のプレーで好機を生み出す場面が目立ったこの日。
26分はプレッシングの末に敵陣中央・エリアからすぐ手前でボール奪取したイニエスタ、こぼれ球を拾った大迫がエリア内へ浮き球を送り、武藤のポストプレイを経て大迫がシュート。(枠外)
35分には左サイドで大崎の落としを拾ったイニエスタ、そのままカットインで中央を伺った末にミドルシュート(GKブローダーセンセーブ)と、今季の神戸の「前線の圧を重視するサッカー」にも順応を見せます。

32分に大迫・汰木→飯野・泉へ交代すると、その後は泉の縦突破のシーンにも盛り上がりを見せるスタンドの観衆。
既にこの試合の勝利は揺るがない状況で、エンターテイメント性をアピールする時間帯に入ったでしょうか。

当然横浜FCサイドは面白くないながらも、それをひっくり返す手段はサッカーしか無く。
30分に和田→三田へ交代、これで井上・三田と元神戸の選手が並び、古巣対決でムードを上げようとしても(小川慶のアクシデントもあり)既に3点差では厳しいものがあり。
そのピッチ上では、ある程度ボールポゼッションから敵陣に進入できるようにはなったものの、アタッキングサードで神戸の守備陣を崩すアイデアも雰囲気も足りず。
前述のフィニッシュシーンもミドルシュートであり、34分にも素早いパスで前へ運ぶも、結局は井上のミドルシュート止まり。(GK前川セーブ)
その遠目からのシュートでGKを脅かしているのは僥倖といえますが……。
この後持ち込んだCKで、キッカー井上の中央へのクロスがこぼれ、ファーサイドの近藤にフリーで渡る好機が偶然ながら生まれ。
しかし近藤のシュートは枠を捉えられずと、訪れた決定機でも運気が無かったこの日の横浜FC。

時間も押し迫り、何とか1点でも返したいという状況になる横浜FC。
試合終盤で連戦故の疲労度も窺える中、やや緩まる神戸のプレッシャーを掻い潜って好機を作らんとするも、光は差してきません。
43分に小川航のシュートがGK前川にセーブされるもこれもミドルシュートであり、跳ね返りを近藤が詰めにいくも撃てず。
神戸がその直後に酒井が足を痛めた事で最後の交代を敢行し、マテウス・トゥーレルを投入。(本多が左サイドバック・初瀬が右SBにシフト)
併せて武藤→リンコンへと代えて最終布陣とします。

突入したアディショナルタイム、右コーナーでのボールキープにより時計を進めるシーンへと持ち込む神戸。
最後まで反撃機運を高められない横浜FC、何とか攻撃を切ったのち、GKブローダーセンの素早いリスタートから速攻気味に前進。
しかし坂本のスルーパスは繋がらずに終わり。
そのまま何も起こらず、試合終了の時を迎える事となりました。

かくして首位と最下位の対決は、その順位の通りの内容・結果が齎され。
厳しい試合を強いられた横浜FC、現在の神戸のような「少ない資源を有効に活用する」気概が生まれる日は何時か訪れるでしょうか。

にほんブログ村 サッカーブログ Jリーグ(J1)へ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DAZN観戦 2023年J2リーグ第14節 大分トリニータvsツエーゲン金沢

2023-05-11 16:00:31 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の大分の記事はこちら(11節・水戸戦、0-1)
※前回の金沢の記事はこちら(11節・磐田戦、1-2)

<大分スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • ペレイラ・香川の2名が出場停止から復帰、ペレイラはベンチ入りも香川はベンチ外。

<金沢スタメン>

  • 前節(栃木戦、0-4)は庄司以外完全ターンオーバー、今節で本来のレギュラーへと戻す。
  • しかしフォーメーションは弄る。ボランチを3人置くダイヤモンド型4-4-2(4-3-1-2)に近い形に。(yahooスポーツナビでは、林1トップの4-3-2-1)

連戦の際は中日に完全ターンオーバーを敷くのが恒例となっている、今季の金沢。
しかし2度目となった前節は、その負の影響は避けられず手酷い敗戦を強いられました。

一方の大分は、12節(仙台戦、0-1)に2人も退場者を出す、荒れた試合を演じてしまい。(ペレイラは試合終了後、2度目の警告によるものですが)
おかげで前節は出場停止を強いられての戦いとなっただけで無く、公式サイトでもその余波によるリリースが出される事となりました。
こうした公式が意思表明しなければならない事件が多数見られ(沼津のホームの棚崩壊事故とか)、何処と無く殺伐度が上がっているようなJリーグの近況。
来季から降格枠が広がるという事態か、あるいは未だ否定意見を払拭させぬまま取り入れようとしている秋春制の影響か。
生き残りに必死になるあまり、荒々しさが増してしまっているのでしょうか。

話を試合に戻すと、金沢は前節の大敗により、ただメンバーをレギュラーに戻すだけでは物足りないと柳下正明監督は考えたか。
フォーメーションを弄り、ボランチを3人置く変則型で上位の大分に挑みました。
これにより加藤をトップ下としつつ、杉浦が流動的に動く、疑似的な1トップ2シャドーという前線で大分のビルドアップに対抗した節があり。

しかしいきなりの前半1分に伊佐にエリア内からシュートを浴びる(GK白井キャッチ)という具合に、入りは大分の攻勢を受け。
5分にはミドルパスを高畑にカットされ、ショートカウンターかと思いきやこぼれ球を拾った野村がハンドを取られ事無きを得ます。

攻守両面で厳しい状況に陥っていた金沢。
しかし6分、クリアボールを収めた杉浦が右へ開いて溜めを作り、上がってきた石原を経由してエリア内へラストパスが送られ。
そして走り込んだ林が左からシュートするもGK高木がセーブと、特異な布陣を活かしてのフィニッシュが生まれます。
こうした形で流れを作り、互角の勝負に持ち込みたい所。

しかしその前に試合を動かされ。
10分に大分は右→左へのサイドチェンジから、高畑→野村と連続スルーパスを送って左ポケットを突き。(最初にパスした高畑が走り込み)
この攻めで左コーナーキックを得ると、クロスが跳ね返されての攻め直しを、上がっていたセンターバックが戻る中で敢行。
これで金沢サイドに隙が生まれたでしょうか、野村のスルーパスをブロックしたこぼれ球が誰もいない所に転がり。
その場がペナルティアークだった事で絶好のシュートチャンスが生まれ、反応した中川のダイレクトシュートがゴール右へと突き刺さります。
攻勢の流れを切らさなかった大分が、その通りに先制点に辿り着き。

早い段階で追いかける立場となってしまった金沢。
しかし冷静に大分の布陣を分析していたでしょうか、攻撃時に左センターバックのデルランが前目の位置を取る隙を突くように、以降右からの攻めを膨らませ。
前述のように、開いた杉浦に受けさせて溜めを作り、後方からの上がりを呼ぶ攻撃でリズムを作ります。
17分にはプレッシングの末に敵陣深め右サイドで杉浦が奪い、エリア内中央で林が持つという絶好機に。
しかし一旦戻して左へ展開と、ショートカウンターはならなかったものの、左から上がった藤村のクロスに梶浦が合わせヘディングシュート。(枠外)

徐々に変則フォーメーションの効果が見え始めると、続く18分でした。
左からのスローインで一旦最終ラインに戻し、後方から小島縦パス→梶浦ポストプレイを経て、受けた杉浦がスペースを利用して右ハーフレーンから果敢にミドルシュート。
ワンバウンドでGK高木を抜いてゴール左へと突き刺さり、早い段階で同点とした金沢。

これで好循環を得た金沢、以降はこれまでの「サイドでの前進を経て、大外からクロス」というお決まりかつ流動性に乏しい攻撃パターンを払拭。
積極的に両ポケットを狙うのを第一とする、以前の金沢からは考えられないような攻めを続けます。
またプレッシングも、前線3人で規制を掛けたうえで、サイドに開かせた末に果敢に前に出てくるサイドバック。
これもボランチが3人居る事により、突破されてもまだ人数が残っているという余裕の下での立ち回りだったでしょうか。

25分に、野嶽のシュートを顔面でブロックした梶浦が出血のため一時試合が止まり。
これによりリズムを崩したのは大分の方で、GK白井のロングフィードで再開すると、跳ね返せずバウンドしたボールを繋いで杉浦がシュート体勢に。(ディフェンスで撃てず)
以降攻勢に入る金沢、31分には敵陣で藤村のボールカットから攻撃、左サイドで杉浦が奪われるもすぐさま奪い返し。
そしてエリア内でラストパスを受けた加藤がシュート(ブロック)と、即時奪回で流れを切らさずフィニッシュに持ち込みます。

すると32分、野嶽が転倒してボールロストしてしまうミスから金沢は素早い攻撃、藤村縦パス→林ポストプレイ→加藤スルーパスで右ポケットを突き。
そして走り込んだ杉浦が低いクロスを入れると、中央で林が綺麗に合わせゴールゲット。
前半のうちに逆転と、4試合ぶりの勝利に向けて光明が開けたかのような金沢。

しかしその感情に浸るには早すぎたか。
その後お互い好機を生み出せない時間が長く続き、38分に最初に辿り着いたのは大分。
最終ラインから右→左とサイドを振りつつ前進し、デルラン縦パス→伊佐ポストプレイ→高畑エリア内へ浮き球パスという流れるような繋ぎの末に、左ポケットを取った野嶽に渡り。
そしてトラップで奥へ切り込んでシュートした野嶽、前に出て防がんとしたGK白井と交錯しながらもゴールネットを揺らします。
ファーストチャンスをモノにした大分、これでまたも試合は同点に。

キャプテンの白井に負傷が疑われる(無事にプレー続行)なか意気消沈気味となる金沢を尻目に、40分には左サイドで野村がヒールでスルーパスという技ありで奥を突き、左CKを獲得した大分。
するとキッカー高畑のクロスを、GK白井が跳び出すも目測を誤り、触れられずにファーサイドの安藤のヘディングシュートに繋がってしまい。
綺麗にゴールに突き刺さり、金沢の被害甚大といわんばかりに悔しがる白井を尻目に逆転を果たします。

しかし落ち着きを取り戻し(あくまでヒューマンエラーによる被害と開き直れたか)、残り時間で尚もポケットを突く攻めを貫く金沢。
44分には右サイドでキープする加藤が、石原へスルーパスを送るとともにパス&ゴーで右ポケットへ、リターンを受けてシュートするもサイドネット外。
点の取り合いとなったスコアと共に、まだ解らないという余韻を残して前半を終えました。

共に交代無く迎えた後半開始。
最初の好機は金沢で、後半3分にミドルパスを林が足でフリックし、受けた加藤がスルーパス。
走り込んだ石原はディフェンスに遭い受けられずも、梶浦が拾ってそのまま抜け出すと、後ろからデルランに倒されて反則の笛が鳴り。
決定機阻止に近い状況でしたが、デルランに出されたカードは黄色止まりとなり、金沢サイドが異議を飛ばす事態となります。
一方またも退場者か……という一歩手前で命拾いしたのは大分。
この中央からの直接フリーキック、キッカー・バイーアのシュートは壁を直撃して不発に終わり。

それでもこれにより後半も流れを得た金沢、6分には加藤が左ポケットからシュート(枠外)、9分には林が右ポケットからシュート(サイドネット外)と前半同様ポケットを突く攻撃。
その直後に、大分のロングパスを石原がブロックして防ぎ、敵陣深めからの攻撃をスタート。
こぼれ球を拾った林がそのままエリア内中央からシュートするも、GK高木が前に出てセーブ、拾った杉浦がミドルシュート(安藤ブロック)と攻め立てます。
尚も右CKへ移行すると(キッカーは藤村)、クロスの跳ね返りを拾って再度藤村に渡してクロス。
そして杉浦の掠るようなフリックで絶妙に大分ディフェンスのクリアを掻い潜り、ファーサイドに流れた所を加藤が足で合わせ。
ゴールネットが揺れ、三度同点となるスコア。

金沢は今度こそ試合を落ち着けたい所でしたが、そうはならないのが流れという呪縛か。
12分にGK白井の縦パスを高畑がカットし、伊佐のエリア内への落としを野村が拾う、これぞショートカウンターという絵図に。
そして左ポケットからの野村のグラウンダーでのクロス、走り込んだ高畑のスルーを挟み、中川が合わせシュート。
すかさず突き放すゴールとなり、4点目を挙げた大分。

後半の早い段階で1点ずつ取り合った事で、更なる追加点が予想される展開に。
しかし流石に大分は守備を修正したか、以降金沢にポケットを取らせない事、仮に取られてもタイトに寄せてチャンスにさせない事を重視します。
19分に金沢は加藤のボールカットから攻め、藤村の縦パスで左ポケットを突きましたが、受けた石原は戻しを選択せざるを得ず。(その後バイーアがクロスも合わず)
21分に梶浦の反則気味のボール奪取から、林がキープで溜めてヒールパスでエリア内へ送りましたがカットされて実らず。(直後の22分に金沢は石原→奥田に交代)

次第にお互いフィニッシュが減っていく中、25分の金沢の好機で、右サイド手前からの井上のクロスを林が胸で落とし。
そして加藤が拾うもディフェンスに遭い撃てず、GK高木が抑えた所に勢い余って交錯。
これにより高木も痛んでしまい、さらに顔から出血も発生。
お互いGKが痛むうえ、一人ずつ出血者も出してしまう試合となりました。
この治療の間に、大分は中川・野嶽→町田・弓場へと交代。

停滞気味となり、流れを変えたい金沢は31分に2枚替え。
2トップ(林・杉浦)をそっくり代え、大谷とバイアーノを投入します。
直後の32分にスローインの攻めから、藤村のスルーパスで右ポケットを突いたものの大谷のクロスはクリアされ。

相手に対策されてしまった以上、攻め方を変えるか、ないしは僅かな隙を突くかといった所。(34分に大分は茂・伊佐→ペレイラ・長沢に交代、上夷が右ウイングバックへ)
36分には中盤で反則を受けると、素早くリスタートしてスルーパスを右サイドで大谷が受け。
そしてマイナスのカットインからシュート(ゴール右へ外れる)と、その後大分サイドのリスタートを認めた事への異議が生まれる程の攻めも実りません。

以降、やはりワイドからのクロスという単調な攻めへの傾倒を強いられる金沢。
バイアーノのポストワークも、強度を高めた大分ディフェンスの前では有効打とはならず。
41分にはそのバイアーノがデルランへの反則で警告を受ける等、焦る金沢を尻目に着実に時間を使いにいく大分。(45分に野村→宇津元に交代)
45分にはスローインからその体勢に持ち込むも、左コーナーでのキープから高畑が抜け出しカットインを経て低いクロス。
金沢の「約束が違う」という叫びが聞こえるような攻撃でしたが、合わせた町田のシュートは右へと逸れてしまい追加点はなりませんでした。

アディショナルタイム、何とか好機を作らんとする金沢ですが、やはりバイーアにボールを集めてのクロス攻勢が関の山。
一瞬の隙を突き、後方からエリア内へのロングパスに大谷が走り込むというシーンが生まれましたが、ヘディングにいき首を振るも空振りしてしまった大谷。
結局シュートを放つ事が出来ず、最後は井上のハンドにより大分にFKを与えてしまい万事休す。

最後は尻すぼみしたものの、スコア的には壮絶な撃ち合いといった試合を制した大分。
前年のこのカードも、金沢がいずれも3得点で1勝1分(3-1・3-3)という結果に終わっており。
この日もそれに倣ったものの、大分がそれ以上取って覆すという、エンターテイメント的には最高の展開となりました。

にほんブログ村 サッカーブログ J2へ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする