天文・宇宙探査ニュース:画像を中心とした「新しい宇宙探査情報」のページです。

NASA、ESAを始め主に外国の宇宙探査情報を
ハッブルから宇宙ステーションまで、幅広く、毎日
提供しています。

8月21日(水):温室効果ガス検出機器の打上げ

2024年08月21日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

◇ 表示方法の変更を試しています。 ◇

スマホの方は以下のリンクからもお試しください。

 最終更新日 8月19日  宇宙科学の話題 ----総合的な話題
 最終更新日 8月21日  今日の宇宙 ------下の記事と同じ
 最終更新日 8月21日  火星探査情報 -----火星探査情報
 最終更新日 8月20日  地球観測 -------温暖化対策として
 最終更新日 8月20日  ハッブル宇宙望遠鏡  --最新の発表
 最終更新日 8月21日  ジェムスウェブ宇宙望遠鏡  -最新の発表
 最終更新日 7月18日  アルテミス2 ------有人月周回への準備
 < 待 機 中 >     宇宙ステーションは今 --日本人飛行士滞在期間
このページに戻るときは、ブラウザーの“戻る”ボタンか、閲覧先記事の“BLOG”ボタンから。

  ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 

<今日のテーマ>: NASAが設計した温室効果ガス検出機器の打上げ

NASAのジェット推進研究所(JPL)が開発した画像分光計は、地球温暖化の原因となる排出量の削減に役立つ実用的なデータを提供する。

NASAが設計した最先端の温室効果ガス追跡装置を搭載した炭素図化連立組織(Carbon Mapper Coalition)の最初の衛星である、タナガー1号(Tanager 1:タナガーは、中米·南米産の羽毛の美しい小鳴鳥、フウキンチョウ)が、米国太平洋夏時間8月16日(金)午前11時56分にカリフォルニア州ヴァンデンバーグ宇宙軍基地の宇宙打上複合台4Eから、スペースXのファルコン9ロケットで打ち上げられ、地球軌道上にある。地上の管制官達は、同日午後2時45分に同機との通信を成功裏に確立した。

この衛星は、NASAのジェット推進研究所で開発された画像分光計技術を使い、メタンと二酸化炭素の点源排出量を個々の施設や機器のレベルまで地球規模で測定する。Tanager-1 は、非営利団体の「炭素図化(Carbon Mapper)」が主導する慈善団体の資金提供による官民連合の一部として開発された。Tanager-1 を開発したPCBとJPLは、ともに炭素図化連立組織のメンバーであり、 JPL 製の画像分光器を搭載した2機目の Tanager 衛星を後日打ち上げる予定である。

----- 中間略 ーーーーー

運用が開始されると、探査機は一日あたり約 130,000 平方キロメートルの地表面をスキャンする。 Carbon Mapper の科学者達は、 Tanager-1 からのデータを分析し、メタンと二酸化炭素のユニークなスペクトル指標を持つガスの煙を特定し、その発生源を特定する。煙のデータは、炭素図化データポータルで公開される。

メタンと二酸化炭素は、気候変動に最も寄与する温室効果ガスである。世界のメタン排出量の約半分は、主に化石燃料、農業、廃棄物管理産業などの人間活動によるものである。一方、大気中の二酸化炭素は1750年に比べて50%も増えており、これは主に石炭、石油、ガスの採掘と燃焼による増加である。

----- 中間略 ーーーーー

衛星に搭載された画像分光計は、地球の表面で反射される数百の波長の光を測定する。地球の大気中の様々な化合物(メタンや二酸化炭素など)は、様々な波長の光を吸収し、画像分光計が識別できるスペクトルの「指紋」を残す。これらの赤外線の指紋によって、研究者達は、大量の温室効果ガス排出量を特定して定量化することができ、緩和の取り組みを加速させる可能性がある。

Tanager-1 は、メタンと二酸化炭素のデータにアクセスし、実行可能にするための広範な取り組みの一部である。この取り組みには、JPLが開発し、国際宇宙ステーションに設置された画像分光計がある、NASAの EMIT(Earth Surface Mineral Dust Source Investigation:地球表面鉱物ダスト源調査)による測定値の使用が含まれる。

<付記>: この記事には背景に二つの特殊性を含んでいます。一つは、打上に使われたロケットが、相乗り(ライドシェア)として計画された初めての試みであること(明日の記事に掲載)、および、同時に送られた探査機に、気象温暖化に関連する、ヨーロッパ宇宙機関の北極圏探査機が含まれていることです。これらの科学的特徴は、 「地球探査(8月20日) 」 に掲載してあります。

<出典>: Jet Propulsion Laboratory

コメント