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<今日のテーマ>: 空気の質って何?
健康的な生活にはきれいな空気が不可欠であるが、世界保健機関(WHO)によると、世界の人口のほぼ99%が大気汚染のガイドライン制限を超える空気を吸っている。
空気の質を構成するものって何だろう?
米国の環境保護庁(EPA)によって規制されている主な大気汚染物質は、粒子状物質(PM)、窒素酸化物、オゾン、硫黄酸化物、一酸化炭素、鉛の六つである。これらの汚染物質は、火災や砂漠の粉塵から大気中に上昇する粒子状物質などの自然源や、車両の排出ガスに反応して太陽光から生成されるオゾンなどの人間の活動から発生する。
空気の質の重要性って何だろう?
空気の質の悪さは人間の心血管および呼吸器への影響に関連している。例えば、短期間二酸化窒素(NO2)にさらされると、咳や喘鳴などの呼吸器症状を引き起こすことがあり、長期間さらされると、喘息や呼吸器感染症などの呼吸器疾患を発症するリスクが高まる。オゾンにさらされると、肺が悪化し、気道が損傷する可能性がある。PM2.5(微粒子2.5μm以下)への曝露は、肺の炎症を引き起こし、心臓や肺の病気に関連している。
人間の健康への影響に加えて、空気の質が悪いと環境に損害を与え、酸性化や富栄養化を通じて水域を汚染する可能性がある。これらのプロセスは、植物を殺し、土壌の栄養素を枯渇させ、動物に害を及ぼす。
空気質の測定:大気質指数(AQI)
空気の質は天気と似ている。それは、例え数時間であっても、急速に変化する可能性がある。環境保護庁は、大気質の測定と報告のために、米国大気質指数 (AQI) を使用している。 AQI は、六つの主要な大気汚染物質のそれぞれを「良好」から「危険」までのスケールで測定して計算され、AQI の数値0〜500が生成される。
世界中の地域では、「良好な」大気質に対して異なる閾値が使用されており、これは多くの場合、システムが測定する汚染物質によって異なる。EPA のシステムでは、AQI 値が 50 以下であれば良好とされ、51 から 100 までは中程度とされている。AQI 値が 100 から 150 の間であれば、神経質なグループにとっては不健康であると考えられ、それよりも高い値は誰にとっても不健康である。AQI が 200 に達すると、ヘルス・アラートが発行される。300 を超える値は危険と見なされ、山火事による粒子状物質汚染と関連付けられることがよくある。
NASAの大気質研究とデータ製品空気質センサーは、地域レベルで大気質のデータをとらえるための貴重なリソースである。2022年、NASAのエイムズ研究センターのガス追跡グループ(TGGR:Trace Gas GRoup)は、さまざまな汚染物質を測定する低コストの大気質センサーの新しいネットワーク、汚染を探査するための安価なネットワーク・センサー技術(INSTEP:Inexpensive Network Sensor Technology for Exploring Pollution)を導入した。これらのセンサーは、カリフォルニア州、コロラド州、モンゴルの特定の地域の大気質データを取得し、カリフォルニア州の火災シーズン中の大気質の監視に有利であることが証明されている。
右図は、米国ニューヨーク市付近の、環境汚染の大きな要因となっている化合物 二酸化窒素レベル (注:図は一部分を切り出したもの)。
アジアの空気質の2024年の空と衛星調査 (ASIA-AQ:2024 Airborne and Satellite Investigation of Asian Air Quality) ミッションでは、航空機、衛星、地上プラットフォームからのセンサー データを統合して、アジアのいくつかの国の大気質を評価した。これらのフライトで複数の機器から得られたデータは、大気質モデルを改良して大気質の状態を予測および評価するために使用される。
NASAは、大気質データを取得して報告するためのさまざまな地球観測衛星やその他の技術を機関全体で保有している。2023年、NASAは、北米の大気質と汚染を測定する対流圏排出量:汚染監視(TEMPO)ミッションを開始した。そのツールは、観測から3時間内に、多数のNASA機器からまとめられた測定値を大気質予報士達に提供している。
大気質研究の応用の詳細については、NASAの応用科学プログラム健康と大気質の Health & Air Quality プログラム・エリアで、地域、地域、および国レベルでの大気質の懸念を評価し、対処するための地球観測の使用について詳しく説明している。さらに、NASA健康・大気質応用科学チーム(HAQAST:NASA Health and Air Quality Applied Sciences Team)は、NASAのデータとツールを利害関係者と結び付けて、大気質が人間の健康に及ぼす影響をよりよく共有し、理解するのに役立っている。
<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。
<出典>: Milan Loiacono(著者名です)