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11月 7日(木):ブラックホールのコロナの形状

2024年11月07日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

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<今日のテーマ>: 

NASAの IXPE 、研究者達がブラックホールのコロナの形状を決めるのを助ける

NASAの IXPE(Imaging X-ray Polarimetry Explorer)ミッションのデータを使った新しい発見が、コロナと呼ばれるブラックホールにとって重要な構造の形状と性質に関する前例のない洞察を提供している。

コロナは、ブラックホールへの物質の流れの一部である移動するプラズマ領域であり、科学者達は理論的な理解しか持っていない。今回の結果は、このコロナの形態を初めて明らかにし、ブラックホールの供給と維持におけるコロナの役割について、科学者達の理解に役立つ可能性がある。

<図の解説>: ブラックホールの周りを渦巻く物質のこのイラストは、X線光で明るく輝く「コロナ」と呼ばれる特定の特徴を強調している。この描写では、コロナは下にある降着円盤の上に浮かぶ紫色の靄として見ることができ、その内側の縁のわずかに内側に伸びている。内側の降着円盤内の材料は非常に高温であり、まばゆいばかりの青白色の光で光るが、この図では明るさを下げてコロナを際立たせ、コントラストを高めている。その紫色は純粋に例示であり、可視光線では明らかではないX線の輝きを代弁している。円盤のワープは、ブラックホールの巨大な重力が光学レンズのように作用し、ブラックホールを取り囲む平らな円盤の視界を歪める様子をリアルに表現している。

多くのブラックホールは、光でさえその巨大な重力から逃れることができないことからそのように呼ばれており、降着円盤、破片が散らばったガスの渦巻きに囲まれている。一部のブラックホールには、相対するジェットもあり、ブラックホールは周囲の物質を積極的に食している。

あまり知られていないかも知れないが、食しているブラックホール(snacking black holes)は、太陽や他の星達と同じように、過熱したコロナも持っている。太陽の最も外側の大気である太陽コロナは華氏約180万度(摂氏約82万度)で燃えているが、ブラックホールのコロナの温度は数十億度と推定されている。

天体物理学者は以前、恒星質量ブラックホール(星の崩壊によって形成されたブラックホール)と、ミルキウェイ銀河の中心にあるような超大質量ブラックホールの中にコロナを特定した。

X線偏光を専門とする IXPE は、最も強力なエネルギー源の形状や構造をマッピングするのに役立つ光の特性であり、オブジェクトが小さすぎたり、明るくなったり、遠く離れていたりして直接見ることができない場合でも、その内部の仕組みを照らす。皆既日食中に太陽のコロナを安全に観察できるのと同じように、IXPE は、ブラックホールの降着形状、またはその降着円盤の形状や構造、およびコロナを含む関連の構造を明確に調査する手段を提供する。

IXPE は、コロナの性質を分極によって直接測定できる全ブラックホールの中で、コロナが降着円盤と同じ方向に伸びていることを発見したことを実証し、初めてコロナの形状の手がかりと降着円盤との関係の明確な証拠を提供した。この結果は、コロナが円盤の上に浮かぶ街灯のような形をしている可能性を排除している。

研究チームは、地球から約 7,000 光年と 37,000 光年離れた恒星質量の連星ブラックホールシステムであるはくちょう座 X-1 と、はくちょう座 X-3 、165,000光年以上離れた大マゼラン雲の恒星質量ブラックホールである LMC X-1 と LMC X-3 を含む12のブラックホールの IXPE による観測データを調査した。IXPE はまた、地球から 1300 万光年離れたサーキヌス銀河(Circinus galaxy)の中心にあるブラックホールや、それぞれ 4700万光年と約 6200 万光年離れた NGC 1068 と NGC 4151 の銀河にあるものなど、多くの超大質量ブラックホールを観測した。

恒星質量ブラックホールは通常、地球の太陽の約10〜30倍の質量を持っているが、超大質量ブラックホールは数百万倍から数百億倍の質量を持っている可能性がある。これらのスケールの大きな違いにもかかわらず、IXPE データは、両方のタイプのブラックホールが同様の形状の降着円盤をつくることを示唆している。

--- 以下略。

IXPE とは・・・
IXPE は、宇宙全体の天体に関する画期的な発見を可能にする前例のないデータを提供し続けており、NASAとイタリア宇宙機関が12か国のパートナーと科学協力者とともに共同でミッションを行っている。

<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。

<出典>: Beth Ridgeway(著者名です)


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