六月あすかの会秀句 兼題「夏の雲」「流」 2024年6月28日

   六月あすかの会秀句　    兼題「夏の雲」「流」　　 　2024年6月28日　

 

◎　野木桃花主宰の句

機首右へ上昇気流雲の峰

膝小僧ポキポキカキと梅雨の底

この星は暑すぎないか大都会

夏の雲歩け歩けと飛鳥山

 

◎　野木主宰特選

汗流し胸の透くまで玻璃を拭く　　　　市　子

 ◎　武良竜彦特選

隠沼に微かな流れ浮巣かな　　　　　　玲　子

 ◎　秀句　選の多かった順

 

人逝くや昨日のままの蝸牛　　　　　　さき子　　　　最高得点句

 

雷雲の湧きて発破師宿へ引く　　　　　かづひろ　　　準高得点句

貝風鈴風を呼び込む島の路地　　　　　　尚　　　　　　　〃

 

脈々と流れてやまず蟻の道　　　　　　さき子　　　　準々高得点句

流行に距離置く暮し半夏生草　　　　　みどり　　　　　　〃

源流の始まりはここ苔の花　　　　　　典　子　　　　　　〃

 

田植終へ苗の匂ひや村寝落つ　　　　　かづひろ

恋心夏うぐいすの声に艶　　　　　　　礼　子

絵日記の画面いっぱい入道雲　　　　　典　子

街騒の消えし一瞬夕立雲　　　　　　　ひとみ

外階段ジクザクのビル雲の峰　　　　　ひとみ

揺れ止まぬ藻の花水の湧くところ　　　玲　子

 

古巣から雛の鳴き声椋一家　　　　　　都　子

死神の友達登録拒み夏　　　　　　　　都　子

膨らんで又ふくらんで雲の峰　　　　　典　子

白絹をしずかに畳む白牡丹　　　　　　典　子

青嵐石の天使の翼しなう　　　　　　　さき子

ホームランに沸くスタンドや雲の峰　　　尚

起し絵のあぢさゐの藍雨を乞ふ　　　　ひとみ

ほととぎす啼くや一山影揺らぐ　　　　悦　子

狼の飛びでる起し絵ママの胸　　　　　悦　子

のんびりと草食む牛や夏の雲　　　　　悦　子

ねじれ花モデルハウスの庭先に　　　　礼　子

初夏の風一本道行く郵便夫　　　　　　礼　子

荒れる地球(ほし)虹の彼方の筋斗雲　　礼　子

千年の柏槙確と青葉吹く　　　　　　　玲　子

 

流れゆく雲に彩あり夕焼空　　　　　　英　子

蒼天に湧き立つごとく夏の雲　　　　　英　子

泉汲む青竹美しき柄杓にて　　　　　　英　子

梅雨兆す草木流れに逆らへず　　　　　市　子

旱雲雨欲し畑も敷藁も　　　　　　　　市　子

杏子もぐ棚引く雲を西山に　　　　　　市　子

インバウンドに受くる素麺流しかな　　　尚

烏賊を干す沖に焼玉漁り舟　　　　　　　尚

小流に心ほどけて炎天下　　　　　　　ひとみ

老の箸流れにのれぬ樋の素麺　　　　　悦　子

太陽の甘さを集め花菖蒲　　　　　　　かづひろ

夏の月流れ絞って最上川　　　　　　　がづひろ

薔薇園や飛び交う英語・中国語　　　　都　子

形代を水面に流し句を吟ず　　　　　　都　子

夜の峰雲人類の臨界点　　　　　　　　みどり

天空の箱庭に在るこの手足　　　　　　みどり

海原へ啓示待つごと白日傘　　　　　　みどり

雲の峰白馬の王子あらわれず　　　　　さき子

雲の峰修学旅行は明日から　　　　　　典　子

 

◎　参考ゲスト作　武良竜彦

冤罪の緊箍児(きんこじ)締まる旱梅雨

かぐや姫の難問愉し常世花