ウエスティに猫な日々

日々の料理と外食、趣味の熱帯魚と読んだ本の感想と我が家の犬と猫の話。
ほか、日々のちよっとした独り言。

「妊娠カレンダー」 小川 洋子 

2014-06-30 23:07:00 | 
  「妊娠カレンダー」  小川 洋子

     第104回 芥川賞受賞作

「妊娠カレンダー」「ドミトリイ」「夕暮れの給食室と雨のプール」の3作品
小川さんの作品は「博士の愛した数式」を読んで以来2作目。寺尾聡さん主演の映画も観たが、よかった。

 「妊娠カレンダー」

姉夫婦と妹の3人暮らし、姉が妊娠してつわりが始まり、ほとんど食事を受け付けなくなる。
姉は以前から神経症気味で医者にかかっているが、ますます匂いに敏感になり、どんどん痩せていき
優しい夫と妹はいっさい家で食事をとらなくなる。二人は理不尽な要求も、全て叶えようと努力する。

姉は、つわりが終わると、今度は一日中食べ物を口にするようになり、どんどん太っていく。
優しい妹は、せっせと姉の為にグレープフルーツのジャムを作る。
農薬がいっぱい付いているだろうアメリカ産のグレープフルーツを選んで皮ごと作る。
やがて、妹がバイトから帰ると、義兄の「陣痛が始まった」とメモがあり・・・・。
~~~~~~~~~
『私は、ウッと口を押えて洗面所に駆け込んで、「あなた、もしかして?」 なんてのもなく、つわりらしきものもなく
子供の分と言っては、パクパク食べ、母乳の為とパクパク、今に至ってます。

  「ドミトリイ」

わたしが6年前に棲んでいた学生寮に、いとこが入ることになった。
先生と呼ばれる管理人( 両手と左足が無い )は、そのままだが、寮はさびれて、住人はいない。
ある学生が蒸発してから、先生は警察に事情を聴かれ、噂がたち、次々寮生は出て行った。

いとこに会いに度々寮を訪ねるが、いとこには会えず、先生は体の変形で肋骨が肺を圧迫し寝込んでいる。
先生の部屋の天井のシミが行くたびに大きくなっていて、何かがポトリと落ちてきた。
私は上の階を調べに行くが、そこには、、。
~~~~~~~~~
先生の過去やいなくなった学生、会えない、いとこ、すべて不思議で、ちょっと恐ろしく謎に包まれたお話。

 「夕暮れの給食室と雨のプール」

わたしは引っ越した先で、突然訪ねてきた男の人と3歳の子供と知り合う。
犬のジュジュと散歩中、度々ふたりが学校の給食室を眺めているのに出会う。
時々話す様になって、彼が25年前の出来事を話し出した・・・。


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