ウエスティに猫な日々

日々の料理と外食、趣味の熱帯魚と読んだ本の感想と我が家の犬と猫の話。
ほか、日々のちよっとした独り言。

「花競べ」 朝井 まかて

2014-09-05 16:27:33 | 
  「花競べ」 向嶋なずな屋繁盛記  朝井 まかて

     

文庫化にさいし「実さえ花さえ」を改題 
デビュー作にして第3回小説現代長編新人賞奨励賞受賞作、作者はのちに「恋歌」で第150回直木賞受賞。

時代劇は、テレビや映画でよく観るのですが、時代小説は歴史や地名、役職や言葉など難しいのでほとんど読みませんでした。
居酒屋のママさんに借りた本。返却しなければいけないので早めに読みました。

苗物屋「なずな屋」を営む花師( 花師とは種から育てたり、挿し芽、挿し木、接ぎ木、品種改良を行う職人のこと )新次とおりん夫婦の物語。
わけあって預かった子供・雀、新次の修行先の娘・理世との過去、上総屋の隠居・六兵衛、孫の辰之助、幼馴染の留吉、お袖夫婦などの人間模様に
花競べという、優れた名花名木に与えられる称号、玄妙を目指し江戸中の花師が育種の技を競い合う三年に一度の祭りなど、
花のことが詳しく書いてあり、染井吉野の誕生など、興味深く読みました。 風流や粋を感じました。

理世の「実さえ花さえ、その葉さえ、今生を限りと生きてこそ美しい」 *一つの命をきちんとまっとうすることが次の代につながること*
という言葉が心に残りました。

互いに心に思いあっていたのに結ばれず、お互い他の人と結ばれた新次と理世さん。
長年の思いにけりをつけるのですが、おりんさんがあまりにできた女房なので、映画の「ひまわり」を思い出し、
どうにもやり切れませんでした。

朝井作品は初めてでしたが、これからも楽しみな作家さんです。

 

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  ありがとうございます。




コメント (2)
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