起終点駅 ターミナル 桜木 紫乃

図書館のお勧めコーナーで、「2015年秋、佐藤浩市・本田翼・尾野真知子主演で映画化」のポップが付いていたので借りてきました。
原作を読んでから、後で映画を見たいから。
「STORY BOX」に掲載された6話が収録されています。
自分の覚書のため半分ネタバレになっています。
~~~~~~~~
「かたちないもの」
笹野真理子は、函館の神父・角田吾郎から竹原基樹の納骨式に出席してほしいという手紙を受け取る。
彼は、10年前まで東京で彼女と同じ化粧品会社・華清堂に勤めていて、上司で恋人だった人。
彼に仕事のノーハウを叩き込まれて、今の彼女の地位があると言える。
10年前、突然別れを告げ、退職して故郷の北海道に帰ってしまった。
手紙に戸惑う彼女だが、休みを取り出席することにする。
函館に行き、吾郎に聞かされた、彼のその後の10年と、彼の死を迎える覚悟と完璧な準備。
彼女を告別式でなく納骨式に呼ぶのも彼の遺言だった。
「海鳥の行方」「たたかいにやぶれて咲けよ」
この2作は同じ主人公。新人新聞記者・山岸里和の記者としてかかわった事件。
堤防で知り合い言葉を交わした釣り人・石崎が、数か月後、釣りの最中に転落死した。
本名・和田博嗣60歳、彼の部屋には彼女の名刺が机に残されていた。
彼女は、彼の過去を調べ、元妻のもとを訪ねる。
ー・-・-・
里和は、歌人中田ミツの訃報を受け取った。
以前、取材を申し込んだが、こてんぱんにやりこまれて、記事にはできなかった事があった。
「あなたは面白そうな子だから、私の追悼記事を書きなさいな」と言われていて、彼女の姪御さんから連絡がきた。
姪に会いに行き、ミツが同居して面倒を見ていた若い小説家に会い、中田ミツの世間が知らない生き方が見えてきた。
「起終点駅」
鷲田完治は、60過ぎの元裁判官で30年前から法律事務所を開き、国選弁護しか引き受けない変わり者。
椎名敦子(30歳)の、覚醒剤使用事件の弁護をする。
執行猶予が確定後、彼女が事務所に相談ごとに来て倒れる。
彼女を病院に連れて行き、自宅で介護して二日後、15年帰っていないという実家に一緒に車で送ることになる。
送って行った彼女の実家には、、、。
完治の過去と変わり者になった理由が明らかになっていく。
「スクラップロード」
飯島久彦は、大洋銀行を訳あって自主退職して就職活動中。ことごとく面接に落ちている。
実家では母親が一人で細々と牛飼いをしている。
父親は、彼が中3の時に家を出て行った。
早朝に、粗大ごみ置き場に現れたトラック。中から女の人と出てきた男は、失踪宣告の出ている彼の父親だった。
二人の乗った車に乗り、彼らについて行ったところは、ごみ置き場の掘立小屋だった。
出て行った理由やその後の父親の生活を知ることになる。
「潮風の家」
久保田千鶴子は30年ぶりに父、母、弟の永代供養のため故郷に帰ってきた。
ある事件があり、逃げるように故郷を捨て今日まで戻らなかった。
ただ一人、年賀状だけで交流が続いている、母の友人だった85歳の民子の家に一晩世話になる。
二人で民子の過去や、千鶴子の過去をはなし、二度と戻ることのない故郷を後にする。
~~~~~~~~~
舞台は、作者の故郷の北海道。 海と、肌寒さを感じます。
全て、生と死が関連する話で、辛い過去や現在があり、重い内容ですが、引き込まれて一気に読みました。
だれの人生もいろいろ、それでも主人公たちは、前向きに必死に生きています。
映画になるのは、「起終点駅」
椎名敦子役の本田翼さんが、原作を読んで少しイメージが違う気がしますが、どんな作品になるのか楽しみです。
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図書館のお勧めコーナーで、「2015年秋、佐藤浩市・本田翼・尾野真知子主演で映画化」のポップが付いていたので借りてきました。
原作を読んでから、後で映画を見たいから。
「STORY BOX」に掲載された6話が収録されています。
自分の覚書のため半分ネタバレになっています。
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「かたちないもの」
笹野真理子は、函館の神父・角田吾郎から竹原基樹の納骨式に出席してほしいという手紙を受け取る。
彼は、10年前まで東京で彼女と同じ化粧品会社・華清堂に勤めていて、上司で恋人だった人。
彼に仕事のノーハウを叩き込まれて、今の彼女の地位があると言える。
10年前、突然別れを告げ、退職して故郷の北海道に帰ってしまった。
手紙に戸惑う彼女だが、休みを取り出席することにする。
函館に行き、吾郎に聞かされた、彼のその後の10年と、彼の死を迎える覚悟と完璧な準備。
彼女を告別式でなく納骨式に呼ぶのも彼の遺言だった。
「海鳥の行方」「たたかいにやぶれて咲けよ」
この2作は同じ主人公。新人新聞記者・山岸里和の記者としてかかわった事件。
堤防で知り合い言葉を交わした釣り人・石崎が、数か月後、釣りの最中に転落死した。
本名・和田博嗣60歳、彼の部屋には彼女の名刺が机に残されていた。
彼女は、彼の過去を調べ、元妻のもとを訪ねる。
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里和は、歌人中田ミツの訃報を受け取った。
以前、取材を申し込んだが、こてんぱんにやりこまれて、記事にはできなかった事があった。
「あなたは面白そうな子だから、私の追悼記事を書きなさいな」と言われていて、彼女の姪御さんから連絡がきた。
姪に会いに行き、ミツが同居して面倒を見ていた若い小説家に会い、中田ミツの世間が知らない生き方が見えてきた。
「起終点駅」
鷲田完治は、60過ぎの元裁判官で30年前から法律事務所を開き、国選弁護しか引き受けない変わり者。
椎名敦子(30歳)の、覚醒剤使用事件の弁護をする。
執行猶予が確定後、彼女が事務所に相談ごとに来て倒れる。
彼女を病院に連れて行き、自宅で介護して二日後、15年帰っていないという実家に一緒に車で送ることになる。
送って行った彼女の実家には、、、。
完治の過去と変わり者になった理由が明らかになっていく。
「スクラップロード」
飯島久彦は、大洋銀行を訳あって自主退職して就職活動中。ことごとく面接に落ちている。
実家では母親が一人で細々と牛飼いをしている。
父親は、彼が中3の時に家を出て行った。
早朝に、粗大ごみ置き場に現れたトラック。中から女の人と出てきた男は、失踪宣告の出ている彼の父親だった。
二人の乗った車に乗り、彼らについて行ったところは、ごみ置き場の掘立小屋だった。
出て行った理由やその後の父親の生活を知ることになる。
「潮風の家」
久保田千鶴子は30年ぶりに父、母、弟の永代供養のため故郷に帰ってきた。
ある事件があり、逃げるように故郷を捨て今日まで戻らなかった。
ただ一人、年賀状だけで交流が続いている、母の友人だった85歳の民子の家に一晩世話になる。
二人で民子の過去や、千鶴子の過去をはなし、二度と戻ることのない故郷を後にする。
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舞台は、作者の故郷の北海道。 海と、肌寒さを感じます。
全て、生と死が関連する話で、辛い過去や現在があり、重い内容ですが、引き込まれて一気に読みました。
だれの人生もいろいろ、それでも主人公たちは、前向きに必死に生きています。
映画になるのは、「起終点駅」
椎名敦子役の本田翼さんが、原作を読んで少しイメージが違う気がしますが、どんな作品になるのか楽しみです。


ありがとうございます