ウエスティに猫な日々

日々の料理と外食、趣味の熱帯魚と読んだ本の感想と我が家の犬と猫の話。
ほか、日々のちよっとした独り言。

「 首折り男のための協奏曲 」  伊坂 幸太郎

2015-07-18 17:56:32 | 
  「 首折り男の協奏曲 」  伊坂 幸太郎

            

物騒なタイトルに惹かれ、選びました。
あとがきに、「 いくつかの雑誌に掲載された7つの短編を集めて、並べ直し、手を加えている 」と書いていますので、初出と少し内容が変わっているそうです。
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「 首折り男の周辺 」
「 濡れ衣の話 」
「 僕の船 」
「 人間らしく 」
「 月曜日から逃げろ 」
「 相談役の話 」
「 合コンの話 」
 
首を折って人を殺す 殺し屋 の話から始まって、 いじめにあっている少年と殺し屋、事故で子供を亡くした男と殺し屋、
隣の住人が犯人ではと疑っている夫婦の話。 ここから、探偵の黒沢が登場する。
生業は物書きで、クワガタのブリーダーをしている男と黒沢。 テレビの制作プロダクションの男と黒沢。
仙台の山家清兵衛さんの復讐劇。  男3人と女3人の合コンの話など。
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つながっているようで、つながっていないような作品。 まさに協奏曲です。
前回に読んだ泥棒の黒沢さんが、探偵になっていました。 忍び込む腕を生かして、ついでに現金も少し拝借していきます。

子供のいじめも出てきますが、陰湿で腹が立ちます。
ここでは、いじめっ子もひょいとつままれ、罰を受けたけれど、ほとんどは、だれも見ていないところでおこり、見ていても助けてくれません。
事故で子供を亡くした丸岡直樹氏と殺し屋とは時空のねじれで出会っています。
「 僕の船 」の若林夫婦の、そんな偶然はあるはずがないロマンチックな出来事。

クワガタ・ブリーダーの窪田が言っていた言葉が印象的でした。 勝手な解釈ですがね。
「仕事をしていて、たまにクワガタを観る。その時にひっくり返っていたら起こしてやる。悪いやつは指でたたく。
神様も同じで、ずっとは見ていないが、気づいたときには助けてくれて、悪いやつには罰を与える。」
神様 もっと見ていてください 

合コンは、私の時代にはありませんでしたが、おしぼりの話など、今どきの若者たちの話が新鮮でした。男女の出会いも大変ですね。

この世界は、バランスで成り立っているそうです。
不思議な時空のねじれやバランスで、なぜそうなったのか? 写真に写ったのは何だったのか? 分からないのもありますが、
あまり深く追求せずに、台風の雨音を聞きながら面白く読み終えました。


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コメント
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