「 片眼の猿 」 道尾 秀介

　　　　　　　「　　片眼の猿　」　　道尾　秀介

　　　　　　　　　

先に読んだ息子が、「　これは映像化できないな　」と、言っていた意味が読み終わってわかりました。
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盗聴専門の探偵事務所「　ファントム　」を経営する三梨が主人公。　
今は、楽器メーカーからの依頼で産業スパイを見つける仕事を請け負っている。
同業者の冬絵をスカウトして、楽器メーカーに忍び込み核心に迫ろうとした矢先に殺人事件が起こり巻き込まれていく。
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片眼の猿とはヨーロッパの民話。
昔、九百九十九匹の猿の国があり、全て片眼で左眼しかなかったのが、ある時、両眼がある猿が生まれました。
その猿は、みんなからあざけられ、笑われ、とうとう自分の右眼をつぶしてみんなと同化しました。

三梨はいつも耳にレシーバーを付けていて、集中すると遠くの音や人の話し声が聞き分けられます。
冬絵はいつもサングラスをかけていて、闇にも潜入できます。

最初に、「犬は嗅覚が発達しているのは顔の中で鼻が大きな割合を占めているから」と言う話を聞いて、
マジシャンのマギー審司が「　耳が大きくなっちゃった　」と言うのを思い出し、三梨の耳は、異様に大きな耳を隠しているんだと解釈しました。
冬絵の眼は少女漫画のように大きすぎてサングラスをしているものだとばかり。

事件が解決して、最後の種明かしが驚くべきで、三梨の耳、冬絵の眼、助手の帆坂君の足、事務所元持ち主の野原爺さん鼻、三梨の住んでいるアパートの住人のまき子婆さんの両眼、
双子の姉妹、トウミとマイミの腕、トウヘイの頭、昔一緒に暮らした秋絵の性別など身体の特徴が明らかになります。
また、それぞれの関係性が早急に繋がり、色々なことが一度に明かされびっくりです。
自分の思い込みで読んでいて、すっかり騙されました。



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