ウエスティに猫な日々

日々の料理と外食、趣味の熱帯魚と読んだ本の感想と我が家の犬と猫の話。
ほか、日々のちよっとした独り言。

「 猿の見る夢 」  桐野 夏生

2017-04-06 00:41:10 | 
      「 猿の見る夢 」  桐野 夏生  

         

新聞のベストセラーの欄に載っていたので図書館にリクエスト。 やっと読めました。
真っ赤な気味の悪い表紙。インパクトありすぎで、なるべく見ないようにすぐに本を開きます。 すぐ読めました。
「 二兎追う者 」「 狸の皮算用 」「 蛙の行列 」「 猫に鰹節 」「 犬の遠吠え 」「 猿の水練 」「 逃がした魚 」
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薄井正明59歳。13年前、大手銀行の東京CSU銀行から女性衣料の「 OLIVE 」の財務担当取締役に出向。 
今は会長に退いているが、社長だった織場(80歳)に引き抜かれ、当時は上場したばかりの会社も、今や店舗数は百余、売り上げは二千億円越えの大手ファストファッションチェーンに成長。

会社では、会長の娘婿の福原社長のセクハラ問題に奔走。 外では、十年来の愛人・田村美優樹(46歳)との付き合い。 
家では、妻の史代が、夢見でお告げをする占い師・長峰を家に住まわせ相談事をしている。
愛人問題、遺産相続問題、会社のもろもろの問題が勃発。 毛嫌いしながらも、長峰が薄井に告げる夢のお告げに翻弄される。
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「 週刊現代 」に連載されていたもので、作者が「 これまでで一番愛おしい男を書いた 」と、書いておられますが、私には情けない男に感じました。
愛人の美優樹に、 みゆたん と甘えてメールをし、会長秘書の浅川真奈に心惹かれると、愛人と別れてどうにかうまくいかないかと企み、頭の中は色気だらけ。
母親の面倒は妹夫婦任せで知らん顔で、亡くなれば、長男として遺産をもらうべく母親の遺言書をこっそり破り捨てる。
世の男性方とは、こういうものなのかしら? 余りこういう方との付き合いがないもので、なにか、スマートさが足りないような気がします。
社長の福原はゲス男だし、秘書の真奈は嫌な女性。でも男性は下心があり、こんな女性に惹かれるんだな。 私なら会長に真実を話してしまいそう。  

長峰さんは、夢のお告げで漠然としたワンポイントアドバイスが50万、3つ相談すると150万。それに手数料100万他。
妻はのめり込んでいき、疑っていた薄井もいつしか少し信じそうになっていきますが、読んでいて怖くなってきました。

「 見ざる・聞かざる・言わざる 」のほかにもう一つ、「 せ猿 」があったのを知りました。

長峰のお告げは何だったんでしょうね。 田中さんは何処へ行ってしまったのか? 薄井はこれからどうなるんでしょうか。
「 猿の見る夢 」ですが、最後は、まるで狐につままれたように終ってしまいました。


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     ありがとうございます。

  
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