「 平凡 」 角田 光代

ブログで紹介されていたので、図書館で借りてきました。
2008年から2013年に、「小説新潮」に掲載された6編が収録されています。
読みやすく、スラスラ読めました。
「もうひとつ」
私と夫の正俊、野村こずえと福田栄一郎の4人でギリシャのアテネ・サントリー二島に六日八日の旅に行くことになった。
二人は、私たちそれぞれの友人で、私たちの結婚パーティーで知り合い不倫の仲。
二人は旅先で、仮の結婚式を挙げたいと言い出す。
「月が笑う」
熊之井泰治は、突然妻から「別れて欲しい」と切り出される。
寝耳に水の彼は、妻の行動を調べると、好きな男がいて妊娠までしていることがわかる。
絶対に別れないと心に思うのだが、或る日乗車したタクシーの運転手が語った話は、幼い頃事故にあった自分の事で、
警察官に聞かれて「運転手を許す」といった自分を思い出す。
「妻を許そう、帰ったら離婚届に判を押そう」と決心した。
~~~~~~~
最初は、妻に対して『そんな勝手な
』と怒り心頭でしたが、人の心は移ろうものだし、
妻も苦しんだだろうし、元には戻れないだろうから、許すというしか仕方ないことだと思いました。
電話して、「いい子を産めよ。頑張れ」と言ってやるとの夫の言葉にしんみりきました。
「こともなし」
聡子は旭と5年の付き合いで婚約して結婚寸前。なのに、彼に「好きな人ができたので別れてほしい」と去られる。
混乱して相手の女にも彼の親にも会いに行ったが、元には戻れなかった。
仕返しのように、旭とも知り合いの新一と交際して子供を身ごもり結婚する。
そして八年、優しい夫と娘の優菜との平々凡々の毎日をブログに書いている。
~~~~~
彼女は、旭が不幸になってくれていればいいのにと願っていますが、こっぴどく振られて別れた相手の不幸は願うものでしょうか?
男と女でも違うし、今の自分が幸せか不幸かでも違って来るでしょうが。 私はもう自分には関係ないから、相手の幸せを願います。
「いつかの一歩」
徹平は、昔付き合っていたがなかなか結婚に踏み切れず別れたみのりが、「酒房トラ」という店をやっていると知人に聞いて会いに行く。
自身も離婚して、彼女もその時の男とは、とうに別れていた。
なぜ彼女はお店を始めたのか、店の名前が「トラ」とはどうしてか知りたくて、友人を誘ってまた店に行ってみた。
「平凡」
学生時代の友人で、料理研究家になっている榎本春花が会いに来た。
彼女は昔不倫をしていて、彼が妻と別れてくれなくて別れたのに、彼は彼女と別れてすぐに妻と別れて他の若い女の人と結婚した。
そんな彼のことを恨んで「不幸になれ、不幸になれ」と願っていた。
或る日、彼と同姓同名で仕事も住所も奥さんの年もよく似ている人が、火事で亡くなったと知り、調べるために紀美子に会いに来た。
「そこまで不幸は願ってなかった。」と言う春花に、紀美子は「調べて別の人だった」と嘘をつく。
「どこかべつのところで」
庭子が夫と離婚してから飼いだした猫の「ぴょん吉」がふとした不注意で窓から逃げ出した。
張り紙をして保健所に電話して毎日捜し歩いているとき一本の電話がかかってきた。
空き家でぴょん吉を見かけたという依田さんと名乗る女性に会いに行く。
結局見つからないまま、彼女の家でお茶をいただくことになる。
「あの時窓を開けたままにしていなければ」と後悔をしている彼女に、依田さんは23歳の息子を事故で亡くして、
10年間毎日、「あの時におにぎりさえ作らなければ息子は事故に合わなかったのに」と後悔していると話してくれた。
~~~~~
作品はすべて、もしもあの時、違う方の道を選んでいたらという内容の話ばかりです。
人生には分かれ道がいくつもあります。もし、ああしていればとか、ああしていなかったらとか考えさせられます。
私の人生は、どのときの選択がネックだったのでしょうか? 『 あの時違うところに就職していれば 』とか『 あの時、あの人と結婚していれば、、、』
考えても今さらどうしようもないことなので、今を大切にして少しでもいい方にもっていきたいと思いますが、
それさえも、最初から決められた運命でしょうか?
今ドラマで、西島さんと香川さんと吉岡さん主演の「流星ワゴン」を観ていますが、西島さんが、あの時に戻って人生のやり直しを試みています。
最終回はどうなるのか興味深いです。
ぽちっと、ひと押しお願いします。
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ありがとうございます。

ブログで紹介されていたので、図書館で借りてきました。
2008年から2013年に、「小説新潮」に掲載された6編が収録されています。
読みやすく、スラスラ読めました。
「もうひとつ」
私と夫の正俊、野村こずえと福田栄一郎の4人でギリシャのアテネ・サントリー二島に六日八日の旅に行くことになった。
二人は、私たちそれぞれの友人で、私たちの結婚パーティーで知り合い不倫の仲。
二人は旅先で、仮の結婚式を挙げたいと言い出す。
「月が笑う」
熊之井泰治は、突然妻から「別れて欲しい」と切り出される。
寝耳に水の彼は、妻の行動を調べると、好きな男がいて妊娠までしていることがわかる。
絶対に別れないと心に思うのだが、或る日乗車したタクシーの運転手が語った話は、幼い頃事故にあった自分の事で、
警察官に聞かれて「運転手を許す」といった自分を思い出す。
「妻を許そう、帰ったら離婚届に判を押そう」と決心した。
~~~~~~~
最初は、妻に対して『そんな勝手な

妻も苦しんだだろうし、元には戻れないだろうから、許すというしか仕方ないことだと思いました。
電話して、「いい子を産めよ。頑張れ」と言ってやるとの夫の言葉にしんみりきました。
「こともなし」
聡子は旭と5年の付き合いで婚約して結婚寸前。なのに、彼に「好きな人ができたので別れてほしい」と去られる。
混乱して相手の女にも彼の親にも会いに行ったが、元には戻れなかった。
仕返しのように、旭とも知り合いの新一と交際して子供を身ごもり結婚する。
そして八年、優しい夫と娘の優菜との平々凡々の毎日をブログに書いている。
~~~~~
彼女は、旭が不幸になってくれていればいいのにと願っていますが、こっぴどく振られて別れた相手の不幸は願うものでしょうか?
男と女でも違うし、今の自分が幸せか不幸かでも違って来るでしょうが。 私はもう自分には関係ないから、相手の幸せを願います。
「いつかの一歩」
徹平は、昔付き合っていたがなかなか結婚に踏み切れず別れたみのりが、「酒房トラ」という店をやっていると知人に聞いて会いに行く。
自身も離婚して、彼女もその時の男とは、とうに別れていた。
なぜ彼女はお店を始めたのか、店の名前が「トラ」とはどうしてか知りたくて、友人を誘ってまた店に行ってみた。
「平凡」
学生時代の友人で、料理研究家になっている榎本春花が会いに来た。
彼女は昔不倫をしていて、彼が妻と別れてくれなくて別れたのに、彼は彼女と別れてすぐに妻と別れて他の若い女の人と結婚した。
そんな彼のことを恨んで「不幸になれ、不幸になれ」と願っていた。
或る日、彼と同姓同名で仕事も住所も奥さんの年もよく似ている人が、火事で亡くなったと知り、調べるために紀美子に会いに来た。
「そこまで不幸は願ってなかった。」と言う春花に、紀美子は「調べて別の人だった」と嘘をつく。
「どこかべつのところで」
庭子が夫と離婚してから飼いだした猫の「ぴょん吉」がふとした不注意で窓から逃げ出した。
張り紙をして保健所に電話して毎日捜し歩いているとき一本の電話がかかってきた。
空き家でぴょん吉を見かけたという依田さんと名乗る女性に会いに行く。
結局見つからないまま、彼女の家でお茶をいただくことになる。
「あの時窓を開けたままにしていなければ」と後悔をしている彼女に、依田さんは23歳の息子を事故で亡くして、
10年間毎日、「あの時におにぎりさえ作らなければ息子は事故に合わなかったのに」と後悔していると話してくれた。
~~~~~
作品はすべて、もしもあの時、違う方の道を選んでいたらという内容の話ばかりです。
人生には分かれ道がいくつもあります。もし、ああしていればとか、ああしていなかったらとか考えさせられます。
私の人生は、どのときの選択がネックだったのでしょうか? 『 あの時違うところに就職していれば 』とか『 あの時、あの人と結婚していれば、、、』
考えても今さらどうしようもないことなので、今を大切にして少しでもいい方にもっていきたいと思いますが、
それさえも、最初から決められた運命でしょうか?
今ドラマで、西島さんと香川さんと吉岡さん主演の「流星ワゴン」を観ていますが、西島さんが、あの時に戻って人生のやり直しを試みています。
最終回はどうなるのか興味深いです。


ありがとうございます。
前は、一日で読み切ったり、2~3日に一冊は読んでいましたが、最近は録画しておいた映画やドラマを観たり、
パズドラやツムツムのスマホゲームばかりしているので、なかなか読み進めません。
私も昔、壺井栄さんの「二十四の瞳」読みました。
小豆島も、何年か前に日帰りバス旅行で行きました。
本を読んでいると、その場所に行きたくなりますね。
とんび、見ましたよ。
面白い本があれば紹介してくださいね!
(笑)
随分前で…内容忘れてたけど、紹介するの上手ですよねぇ~すべて思い出しましたよ。
あの時、こうしていれば・・・みたいなので興味深々に読みました。
あんまりドラマ見ませんが、重松さんのとんびに感激して流星ワゴン見てます~どうなるんやろ?
そして、この前紹介されてた本で小池真理子さんの怪談を、無性に読みたくなっって取り寄せました(笑)
ほんと・・・本の紹介上手です。。。。
先週、小豆島に初めて行って来ました
小学生の頃に読んだ二十四の瞳の岬の分教所に行って見て感激しました。そして、行く前にもう一度読んで行ったので時代は、昭和にタイムスリップしてました{/kaeru_yodare1/