酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

萎れる「なでしこ」

2016-03-01 09:43:35 | スポーツ
 女子サッカー・リオ五輪アジア最終予選の初戦で日本はオーストラリアに1-3で完敗した。

 《サッカー女子のリオデジャネイロ五輪アジア最終予選が29日、大阪で開幕した。4大会連続5回目の五輪出場を目指す日本代表(なでしこジャパン)は、キンチョウスタジアムでオーストラリアと対戦。1―3で敗れ、黒星発進となった。日本の次戦は3月2日で、対戦相手は韓国。
 アジア最終予選は、同9日までの10日間で6カ国が総当たりリーグ戦を行う短期決戦。上位2カ国がリオ五輪出場権を獲得する。
 男子の日本は、1月にアジア最終予選を兼ねて開催されたU23(23歳以下)アジア選手権で、6大会連続10回目の五輪出場を決めている。》=毎日JP=。

 この最終予選は厳しい。ベトナムを除く5チームの力は拮抗しており、日本が楽に勝てる相手はない。それだけにどのメディアも「初戦がカギ」と見ていた。で、この結果である。残りを全部勝てば上位2の枠は確保できる計算だから、まだ悲観する必要はないが、いばらの道であることは間違いない。

 2011年W杯V、ロンドン五輪、2015年W杯準優勝と輝かしい戦績を誇るなでしこジャパンだが、そこには大きな問題がある。新戦力がさっぱり育ってこないのだ。というより、その実績が新陳代謝を阻んでいるようにも見える。監督も佐々木則夫で変わっていない。監督にすれば気心が知れ、使い慣れた選手の方が安心感があるだろう。だが、これでは進歩がない。

 昨夜のスタメン中2011年メンバーでないのはGK山根とDF中島、有吉だけ。他は平均年齢30歳近い「ドイツW杯優勝組」である。経験豊富といえば聞こえはいいが、スピードとパワー、スタミナの衰えは隠しようがない。再三決定機を逃した阪口がその典型だ。相手豪州は若くて速かった。日本が主導権を取れたのは前半の序盤だけで、完全に力負けだ。

 今大会のメンバーにも若い芽はある。この際、思い切ってメンバーを一新してはどうか。結果はどうあれ、「新鮮力」で挑んだ方が明日につながるような気がする。黄金期は決していつまでも続くものではない。目先を追うのではなく先の先を見越したチームづくりを求めたい。なでしこはいま、しおれかかっているのだ。
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福士「名古屋挑戦」の理不尽

2016-02-03 14:52:15 | スポーツ
 大阪国際女子マラソンを快勝した福士加代子が仰天の挑戦だ。40日後の名古屋ウイメンズマラソンに強行出場するのだという。

 《リオデジャネイロ五輪の女子マラソン代表争いで1月31日の大阪国際女子に優勝し、代表選出が確実とみられている福士加代子(ワコール)が、選考最終レースとなる3月13日の名古屋ウィメンズに出場する方針を固めた。2日、ワコールの永山忠幸監督が明らかにした。


 約1カ月半の短期間で再び選考レースを走る異例の挑戦となる。永山監督は決断の理由を「日本陸連から確定と言ってもらえず、外れる可能性も数パーセント残っている。無理は承知だが、福士の名前が必ず残るようにしないといけない」と説明した。


 福士は大阪国際女子を日本歴代7位の2時間22分17秒で制し、日本陸連の設定記録(2時間22分30秒)を突破した。


 好成績を残せなかった選手が再挑戦するケースはあっても、福士のように十分にアピールした選手が二度、選考レースを走るのは異例のこと。永山監督は「(日本陸連に)代表は確定と言ってもらえなかったので」と言う。名古屋で好走すれば、わずかに残る落選の可能性を排除できると考えて決断した。


 日本陸連関係者は「99・9パーセントでも、今の段階では確定といえない」と説明する。

 
 大阪国際での福士の走りは申し分なかった。ただ、名古屋で複数の選手が日本陸連設定記録を上回った場合、福士の立場は絶対ではなくなる。他の実業団チームの監督は「五輪に連れていきたいという気持ちが強いからこそ、不安になるのだろう」と永山監督の心中を推し量る。


 条件の異なる大会の成績を比較するマラソン代表選考は難しい作業だ。それが4年に1度の五輪となれば、選手らの思いは一層強く、事情は複雑になる。過去には騒動を生んだケースもある。「一発勝負で決めてほしい。その方がすっきりする」。実業団の関係者にはそんな声もある》=TOKYO Web=。

 永山監督のコメントからは陸連への不信がうかがえる。

 リオの選考基準は世界選手権8位以内入賞者で、日本人選手最上位の1名のみ。それ以外の3つの選考レースにおいて日本人3位以内の選手の中から、(1)2014年4月1日から16年3月13日までの間に日本陸連設定記録(男子2時間6分30秒、女子2時間22分30秒)を突破した者(2)各レースの記録や順位、レース展開、タイム差、気象条件を総合的に勘案し、本大会で活躍が期待されると評価された選手から選考するが、その優先順位は(1)、(2)の順-である。これに照らせば福士は「当確」。永山が言うように「外れる可能性も数%ある」のは確かだが、名古屋を走る顔ぶれを見ると福士が漏れる可能性は極めて低いだろう。

 永山が陸連に正面から「福士は間違いないですね」と問えば「非常に有力だが名古屋が終わらないとなんとも…」という答えが返ってくるのは当然だ。陸連に信頼感を持っていれば信じて待つ態度になるのだが、そうはならなかった。互いに不幸というしかない。

 気になるのは福士の肉声が聞こえてこないことだ。大阪を勝つまでどれほどの練習を重ねたことだろう。ゴール後「もうヤダー」と叫んだのは本心だ。それをまた走れと、しかも五輪本番ではなく名古屋で。理不尽極まりない。

 永山が狙うのは五輪のメダルだ。マラソンのメダリストともなればそのステータスや収入は一挙に跳ね上がる。五輪で2度4位となった中山竹通は「4位なんてクソ。メダルを取らなきゃ」と言っている。選手だけでなくそれを育てた白楽の価値も急上昇する。

 スピードランナーの福士は故障も多い。1カ月と少ししか間をおかず本気でまたフルを走るのはリスクが大きすぎる。いま日本の女子マラソン選手で世界と勝負できそうなのは福士ぐらいのものだ。陸連もそれぐらい承知しているだろう。

 もしもの話だが、福士が名古屋で不調、惨敗したときどうするのか。あれこれ考慮すると名古屋を走って得るものはないもない。
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大相撲の誤審が止まらない

2016-01-15 09:53:13 | スポーツ
 前回、大相撲初日の白鵬-勢戦の物言いについて書いたが、その後もきわどい一番での「誤審」が止まらない。一体相撲界はどうなっているのか。

 四日目、琴奨菊と安美錦の一番。一気に押して出た琴奨菊、安美錦の引き技に足が流れ、右足の甲が砂についた。安美錦が土俵から飛び出すのとほぼ同時である。軍配は琴奨菊に上がったがNHK中継は「きわどいですね」を繰り返し、物言いが付くのが当然という口ぶりだった。しかし、物言いもつかず軍配通りの決着、場内にため息が漏れた。

 続く五日目、隠岐の海-豊ノ島戦。もろ差しを果たした豊ノ島が一気に寄って出たが、土俵際で隠岐の海の突き落としを食う。隠岐の海の右足は俵の上、豊ノ島の右手が砂につくのが一瞬早かったように見えた。勝ったと思った隠岐の海は、そんきょして勝ち名乗りを受けようとしたが、軍配は相手に上がっていた。物言いも付かない。NHKテレビは「足は俵に乗っていますよね」と勝負判定に「物言い」をつけてみせた。

 初日から連日の満員御礼に水を差す事態である。審判長の井筒は「隠岐の海も残って、一緒ぐらいに見えたけれど、豊ノ島が攻めている分、分がある。物言いがつく一番じゃない」と説明(毎日新聞)してるが、世間一般には通るまい。

 井筒が言うように、相撲には流れや勢いがある。一瞬一瞬を切り取ってみたものと、土俵下から生の目で見たものとでは違うだろう。だが、ビデオ判定を持ち込み、ビデオ室に「物言い権」を認めているのはなぜか。人の目に限界があることを協会自身がよく承知しているからではないか。

 誤審もどきの二番とも攻め込んだ方に軍配が上がり、審判もそれを追認した。「相撲に勝った」方に肩入れしたい気持ちは理解できる。だが、ルールはルールだ。「攻めている分、分がある」などと言われても、どっちが早く落ちたんだ?の疑問に答えることにはならない。

 井筒の言い分を通すなら、勝負判定の基準を再度明確化すべきだ。「きわどい一番についてはどちらが攻勢を取っていたかを重視して判定する」。味気ない相撲が多くなりそうだが…。
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白鵬-勢戦 勝負審判のお粗末

2016-01-11 10:16:09 | スポーツ
 遅ればせながら、あけましておめでとうございます。

 正月は駅伝、サッカー、ラグビーなど各種スポーツが花盛り。年々エンターテインメント化し、中継アナのうるささばかりが目立つ。その最たるものが箱根駅伝。スポーツ中継なのかヒューマンドキュメントなのか、全く分からない構成になってしまっている。去年失速した選手を取り上げ、母親がどうだこうだとやかましい。こんなのがまかり通っているから、増田明美あたりが勘違いして選手のプライバシーをばらしまくることになる。

 鏡開きのお神酒で勢いがついたせいか、タイトルとずれてしまった。相撲の話だった。

 天覧相撲となった大相撲初日、きわどい取り組みが多く満員御礼の館内を沸かせた。結構なことだ。しかし、見過ごせない事態もある。白鵬-勢戦の物言いがそれだ。

 東土俵際に追い詰められた白鵬、絶対絶命のところで体を入れ替え勢いをはたきこむ。伊之助の軍配は白鵬に上がった。当然物言いがつくかと思ったら、何もなし。行事が懸賞を白鵬に手渡し、勝ち名乗りを上げる寸前になって物言い。なんという間の悪さだ。

 なぜこんなタイミングで物言いがつくのか。土俵周りに陣取る勝負審判ではなく、ビデオ室から物言いがついたようなのだ。《ビデオ室の要求を受けた井筒審判長(元関脇逆鉾)が、確認のための物言いをつけたが、軍配は白鵬で変わらなかった》=日刊スポーツ。

 これは驚いた。大相撲で物言いを付けられるのは五人の勝負審判と控え力士だけだと思っていたら、ビデオ室も「ちょっと待った」と言えるとは…。この変な物言いについてメディアは不問に付しているようだが、鈍すぎる。テレビで見ていても白鵬の足が残っていたかどうかはまるで分からない微妙な一番、サッと物言いがついて当然だ。なぜそうしなかったのか。裁いた伊之助は先場所二番を差し違える失態を演じ、三日間の謹慎処分を受けている。ここでまた差し違えということになれば、進退問題は避けられない。木村庄之助不在の中で伊之助まで欠く事態は避けたい-そんな心理が働いていなかったかどうか。

 勝負審判は土俵を仕切る要だ。きちんと職責を果たしてもらいたい。
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「鈴木長官」は浮上できるか

2015-09-06 17:32:24 | スポーツ
 10月に発足するスポーツ庁の初代長官にソウル五輪金メダリストの鈴木大地が内定したという。

 《政府は4日、スポーツ庁の初代長官に水泳の五輪金メダリストで日本水泳連盟会長の鈴木大地氏(48)を起用する方針を固めた。
 複数の政府関係者が明らかにした。閣議了解など手続きを経て10月1日の同庁発足と同時に就任する。

 鈴木氏は、1988年のソウル五輪100メートル背泳ぎで、スタートから潜水を続ける「バサロ泳法」を武器に金メダルを獲得。引退後は順天堂大学教授を務めるとともに、2013年に日本水泳連盟の会長に就任した。20年東京五輪・パラリンピック組織委員会では、アスリート委員長を務めている》=5日付読売。

 スポーツ庁は5課2参事官120人体制で、長官は次官並みの待遇である。こういう組織のトップに40代の競技経験者が就任するのは一応歓迎すべきことだろう。だが、要はどこまで指導力、リーダーシップを発揮できるかである。

 大地氏は日本水泳連盟会長に就任した際も「異例の抜擢」と言われ、注目を浴びた。さわやか(そうな)容貌や歯切れの良い話しっぷりが好感を呼んでいるのだと思われる。なぜ大地氏かについては「森喜朗の覚えがめでたいから」とか「年寄りにウケがいいジジ殺し」「橋本聖子や山下泰裕がスキャンダルや競技団体の不祥事で沈んだため」などさまざま言われている。おそらくそれらの要素すべてが絡んでいるのだろう。

 スポーツ庁を実際に切り盛りするのは文科省から転出してくる官僚たちだ。新国立競技場建設で「無能」の名を欲しいままにした彼らが、日本のスポーツ行政を牛耳る。考えただけでもおぞましい話である。大地くんは彼らの掌で転がされることにならないか。もっとも、本人はそんなことは先刻承知に違いない。「バサロ長官」は浮上した先も考えているのだろう。
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ソチ五輪、日本のメダルは

2014-02-06 09:13:05 | スポーツ
 ソチ冬季五輪がいよいよ幕を開ける。皮切りはきょう、モーグルの予選から始まる。前回4位に終わり「なんで一段ずつ…」と涙を流した上村愛子がいきなり登場する。果たして1段登ってメダルを手にすることができるのか。日本選手の活躍を占ってみる。

 橋本聖子選手団長は目標について「メダル数で長野を上回ること」という。16年前の長野では10個、これならクリアできそうにもみえるが、長野は中身が濃い。最もメダルの数が多かったのは「金」の5個、銀1、銅4という内訳だ。今回金5はとても無理、総数で稼ぐしかないのが実情だろう。

 金に最も近いのは女子ジャンプの高梨、これは衆目の一致するところだ。かなりの確率でトップを取るとは思うが、一発勝負は分からない。あと金の期待が高いのは男子スピードスケートの加藤と長島、男女フィギュアだが、可能性は20%以下と見る。スノボの平野やジャンプの葛西などは表彰台に上がれれば上出来だろう。

 ファンはどう見ているのだろう。マイナビのアンケートは次のとおりだ。


《日本選手代表団はソチ五輪で何個金メダルを獲得できると思いますか。

 1位 3個 26.2%
2位 2個 18.0%
3位 5個 17.2%
4位 1個 14.6%
5位 4個 6.0%

日本選手代表団はソチ五輪で金、銀、銅を合計して何個のメダルを獲得できると思いますか。

1位 11個以上 26.8%
2位 10個 17.8%
3位 5個 17.0%
4位 6個 7.8%
5位 7個 7.6%》

 
 さて、当ブログの見立ては

 金1 高梨沙羅
 
 銀3 加藤条治(スピードスケート) 羽生結弦 浅田真央(フィギュア)  

 銅9 ジャンプ男子団体 複合団体 長島圭一郎(スピードスケート)女子パシュート(同) フィギュア団体 町田樹(フィギュア)
    平野歩夢(スノボ・ハーフパイプ) 葛西紀明(ジャンプ) 角野友基(スノボ・スロープ)


  計13個のメダルとなった。ほとんど何の根拠もない単なる予想だが、多少の理屈はある。まず、浅田。全日本で3位に終わるようでは世界の頂点は無理。モーグルの上村と伊藤。上村の直前練習の映像を見たが、往年のキレがない。大怪我から復帰の伊藤は選ばれたこと自体が不思議、「資格があるから」は通らない。フィギュアの高橋大輔は怪我明け、spの曲のごたごたなどで多くは望めない。複合の渡部暁斗も病気上がり、メダルまでは届くまい。

 冬季競技は雪上や氷上で行われるため、番狂わせが多い。採点、独走(あるいは併走)がもたらす微妙なアヤもある。スノボクロス、スケート・ショートトラックなどは何が起きるか分からない。日本選手がメダルを取っても不思議ではないが、あえて数に入れなかった。

 この予想が低い方に外れ、次々とメダル獲得のニュースが入ってくることを祈りたい。
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よりによって森喜朗とは!!

2014-01-09 09:31:51 | スポーツ
 2020年東京五輪の大会組織委員長に元首相の森喜朗が就くらしい。猪瀬の辞任でケチがついた東京五輪、トップに森をいただくことになれば、いよいよ悪臭芬々だ。 

 《2020年に東京で開催される夏季五輪・パラリンピックの運営主体となる大会組織委員会のトップとなる会長について、政府と東京都などが森喜朗元首相(76)を軸に調整を進めていることが、8日分かった。複数の政府関係者が明らかにした。森氏の内諾が得られれば、24日にも組織委を発足させる考えだ。

 下村五輪相、竹田恒和日本オリンピック委員会(JOC)会長が来週、森氏と会談し、就任を正式に要請する。森氏は東京五輪招致委員会評議会議長として招致に携わったほか、各国要人との人脈が豊富なことから政府・自民党内で推す声が強かった。

 組織委トップは、企業からスポンサー料や寄付金を集める役割が期待され、長野五輪などでも財界出身者が就任した。森氏も昨年11月の安倍首相との会談で、財界人がふさわしいとの考えを伝えた》=9日付読売1面=。

 財界人が誰も引き受けなかったから、やむを得ず森になった-という書きっぷりだが、これは最悪の人事だろう。森といえば「神の国」発言や「横浜寿町には1500人からの韓国人がいて、銃の扱いにも慣れている…」などに見られるように、国際感覚ゼロの人物である。「有権者は寝ていてくれた方が…」と公言する、民主主義音痴でもある。こんな御仁を五輪組織委のトップに据えるなど、まったくもって内向きの発想である。

  本当に森に決まった時、スポーツ界から多少なりともブーイングが上がればまだ救いがあるが、これも期待できないだろうな。
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2020年五輪はイスタンブール!!?

2013-09-02 10:22:45 | スポーツ
 2020年五輪招致レースもいよいよ第4コーナー。この国のメディアは「東京が最有力」とあおっているが、実際のところどうなのだろう。

 日経電子版は五輪招致と株式市場の関係を探った記事を掲げ、五輪招致成功―アベノミクス加速を願っているようだが自信は持てていないようだ。

 ≪2020年オリンピックの開催地が1週間後、日本時間の8日早朝に発表される。もしも東京に決まれば、日本経済や株価を巡る「3つのモヤモヤ」が晴れ、株式投資の視界は明るくなるとの期待が聞かれ始めた。

 果たしてオリンピックは来るのか。何でも賭けにする英国での大手ブックメーカーの一つ、Ladbrokesの倍率(8月29日現在)は東京が1.6倍に対してイスタンブールとマドリードの2都市は4倍。倍率が低いほど可能性が高いことを示すのでこれだけを見ると東京が有利。

 ただ前回(16年招致でリオデジャネイロに決定)では倍率では最も有利だったシカゴが最初の投票で早々と敗れるなど「一番人気は負ける」というジンクスも聞かれる。福島原発の汚染水の問題も選考委員の心理に影響するとみられ断定は難しい。最後までドキドキ感が続きそうだ≫。

 投票の動向を予測するのは極めて難しそうだ。3候補地とも脛に傷を持ち、決定的なポイントを稼げていないためだ。東京が最有力というのも、減点要素が少ないに尽きよう。だが、果たしてそうか。福島第一原発から垂れ流され続けている汚染水が、文字通りの冷や水となることはないのか。欧米は日本国内よりもはるかに深刻に事態を受け止めている。IOC委員の胸にも影を落としているのは間違いないだろう。第一、東京招致は「大義」が乏しい。ここにきて「復興」などと言い出しているが、福島第1があの有様では…。

 で、開催地は大どんでん返しでイスタンブール。米軍のシリア攻撃が中旬以降に延びたもの朗報だろう。イスラム圏初、ヨーロッパとアジアをつなぐ五輪。開催の意義は東京やマドリードの上をいく。中東情勢がきな臭さを増せば、かえって「融合・融和」のシンボルともなろう。

 かなり強引なシナリオだが、33%以上の確率はあると見る。五輪招致に手を挙げること実に4回、そろそろ報われてもいいころだ。
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