酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

「主権回復」記念の日

2013-04-28 20:24:45 | 外交
 いかにも唐突な記念式典である。今日行われた政府主催の「主権回復の日」式典のことである。61年目などという半端な時期に、なぜという疑問がわく。沖縄では「屈辱の日」だとの批判も高い。どうも安倍首相のやることはピントがずれていることが多い。 


 ≪61年前の4月28日、サンフランシスコ講和条約が発効し、日本は独立を回復した。政府は28日を「主権回復の日」と位置づけ、東京の憲政記念館で政府主催の式典が行われた。

 式典は天皇・皇后両陛下も出席されて行われ、安倍首相が式辞を述べた。

 安倍首相「本日をひとつの節目とし、これまで私たちがたどった足跡に思いをいたしながら、未来へ向かって、希望と決意を新たにする日にしたいと思う」

 安倍首相はまた、講和条約発効後もアメリカの施政下に置かれ、主権回復が遅れた沖縄・小笠原・奄美についても言及し、特に沖縄については「私は若い世代の人に特に呼びかけつつ、沖縄が経てきた辛苦に深く思いを寄せる努力をすべきだと訴えようと思う」と述べた。

 ただ、沖縄・仲井真県知事は「政府の言うような記念的な行事にはなりにくい」として28日の式典を欠席し、代わりに副知事が出席した≫=日テレweb=。

 天皇、皇后両陛下が式典に臨まれたのには驚いた。こういう政治色が強い式典に出席されるのは極めて異例ではないか。NHKニュースで映し出された皇后陛下の表情はこわばっているように見えた。これは国事行為ではないと思われるが、政府の強い要請によって臨席されたのは明らかだろう。「両陛下臨席で批判は封じ込められる」。これが政府の狙いだろう。

 靖国問題といい、主権回復の日といい、安倍の独りよがりの行動が目立つ。アベノミクスの馬脚が表れるのも間もなくだろう。この政権も案外短命かもしれない。
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ボストン爆弾事件、その後

2013-04-22 13:36:51 | 外交
 ボストンマラソン爆弾事件の捜査は、監視カメラ映像の公表をきっかけに一気に進展、チェチェン人兄弟による犯行と断定された。兄は射殺され、弟は多数の銃弾を受けて重傷とみられる。

 だが、これで一件落着とはならないだろう。二人が組織に属したり、誰かの指示を受けて犯行に及んだとは考えにくい。アメリカ社会から疎外されていると感じ、こういう社会をメチャクチャにしたいとの思いを募らせてあのような凶悪な行為に及んだのではないか。だとしたら、組織的なテロよりかえって始末が悪い。防御や犯行予測がほとんど不可能だからだ。

 射殺に歓声を上げ、身柄確保に「我々は勝利した」と叫ぶアメリカは、不気味でもある。

 チェチェン人でイスラム教徒、なんだかできすぎたシナリオの匂いがしなくもない。だが、凶悪犯だからといって黙秘権を認めないなどというのは、理解できない。アメリカの正義が、不平等で恣意的であることを自ら証明して見せてどうするのだろう。

 銃規制法案も通らなかったアメリカ。銃と爆弾の暴発に悩まされ続けるのは間違いない。


 ≪アメリカのボストンで起きたテロ事件で拘束された19歳の容疑者について、アメリカの複数のメディアは、捜査当局が事件の重大性を考慮し、死刑制度を採用していない地元の州の法律ではなく、最高刑に死刑がある連邦法を適用して立件する見通しだと伝えています。

今月15日、ボストンマラソンの会場で起きた爆破テロ事件では、3人が死亡、170人以上がけがをし、容疑者のチェチェン系の兄弟のうち、兄のタメルラン・ツァルナエフ容疑者(26)が警察との銃撃戦の末、死亡し、弟のジョハール容疑者(19)は大けがをして拘束され、病院で手当を受けています。
捜査当局は弟のジョハール容疑者の回復を待って本格的な取り調べを行うことにしています。
また、アメリカの複数のメディアによりますと、捜査当局は今回の事件について、12年前の同時多発テロ事件以来の重大な事件だとして、ジョハール容疑者を死刑制度を採用していない地元マサチューセッツ州の法律ではなく、最高刑が死刑である、連邦法の大量破壊兵器による殺人の罪で、立件する見通しだと伝えています。
一方、今回の事件で捜査当局は、通常の刑事事件で容疑者に対して告知する必要がある黙秘権について、ジョハール容疑者に対しては告知しない方針だということです。
捜査当局は、ジョハール容疑者が爆発物を隠し持つなど公共の安全を損ないかねない特別な容疑者だからだとしていますが、人権団体などからは批判が出ています≫=nhkニュースから=。
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ボストンマラソンに爆弾

2013-04-16 09:36:31 | ニュース
 伝統のマラソンレースを爆弾テロが襲った。理不尽かつ残虐極まりない行為と言わねばならない。学術と文化、大学の街ボストンで、しかも世界中から参加者が集まるマラソン大会を狙った理由は何か。即断は禁物だが、政治的主張に基づく犯行ではないと感じる。多発する銃乱射などと同様、「誰でもよかった」「多くの人を傷つけたい」という歪んだ犯人像が浮かぶ。
 
 ≪ボストン・マラソンが開催されていた米東部マサチューセッツ州ボストン市中心部のゴール付近で15日午後3時(日本時間16日午前4時)ごろ、2度の大きな爆発があった。米メディアによると、少なくとも2人が死亡、80人以上が負傷したもようだ。6人が重体という。

 CNNテレビは米連邦捜査局(FBI)筋が「テロ攻撃」とみていると伝えた。実行犯が米国人か外国人かは不明という。

 大会運営サイトによると、日本人271人が参加している。在ボストン日本総領事館によると、日本人が負傷したなどの情報は入っていないという。

 オバマ大統領は「事件を起こした者は相応の裁きを受けることになろう」とコメント。ワシントンやニューヨークなどの重要施設や地下鉄などでは警戒態勢が強化された。

 CNNなどによると、爆発が起きたのは優勝ランナーがゴールして約3時間後、マラソンは半分ほどが終了した段階だった。最初の爆発はゴール直前で起き、約10分後に約40メートル手前で2回目の爆発が起きた。ほかに2つの爆発物が見つかったとの情報もある≫=産経web=。

 オバマが緊急メッセージを発したところに米政府の危機感が表れている。NYやロス、シカゴではなくボストンということにも衝撃を受けたのだろう。アメリカ最大の敵は、実は内なる敵である―オバマはそう感じているに違いない。拡大する一途の格差、この歪みを正さなければ、この種の事件は今後も増える一方だろう。
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長嶋、松井に国民栄誉賞

2013-04-02 14:18:25 | 外交
 長嶋茂雄と松井秀樹に国民栄誉賞が贈られることになった。めでたい話にケチをつける気はないが、群馬の地方紙上毛新聞のスクープと聞くと、「ははーん」と感じるところがある。中曽根―ナベツネラインによる画策の臭いがするからだ。

 ≪政府は1日、巨人長嶋茂雄終身名誉監督(77)と、巨人、ヤンキースなどで活躍し、 昨年現役を引退した松井秀喜氏(38)に対し、国民栄誉賞授与の方針を決めた。 長年のプロ野球発展への貢献と、国民を勇気づけた功績が評価された。 野球界では王貞治氏、衣笠祥雄氏に続く受賞となる。  長嶋、松井両氏の受賞は、群馬県の地方紙、上毛新聞の1日付のスクープだった。 菅義偉官房長官は午前中の記者会見で「方向性が決まっているわけでも何でもない」と 報道を否定した。その後も政府高官は「エープリルフールだ」とはぐらかしたが、 午後の会見で一転し表明。菅氏は「午前中の段階で政府として結論は出していなかった。 今日の新聞報道が過熱する中で、結論を早く出した」と釈明した≫=共同=。

 読売新聞は44万部余の号外を発行したうえ、きょうの朝刊は1面トップ、3面、社会面見開き、スポーツ面に大展開するはしゃぎぶりである。読売グループ会長である渡辺恒雄の欣喜雀躍ぶりをほうふつさせてあまりある。

 なぜこの時期に長嶋と松井か―という声が一部にある。まあ、この賞そのものが政治的な性格が強いものなので、その辺はおいておこう。知りたいのはなぜ上毛のスクープになったのか、である。

 ナベツネが中曽根を通じて動いていたのなら、読売が抜いて当然だろう。だが、それでは裏がバレバレになる。で、中曽根が地元の上毛にリークしたと考えるわけである。上毛に恩を売っておけば、参院議員であるせがれ弘文のためにもなる。国民栄誉賞なら、めでたいめでたいで反発も起きにくい。

 巨人軍を最大の販促アイテムと位置付けている読売にとっても、OB2人の同時受賞は大歓迎、人気の長期低落傾向が続く野球のテコ入れにもなる。というわけで、めでたしめでたし。

 とはいえ、長嶋と松井より実績上位の野球選手は(張本、金田、野村ら)多いし、三浦雄一郎や竹内 洋岳らも十分受賞に値する。いろいろ考えさせられる受賞劇だ。
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