酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

本気で雇用対策を考えるなら

2009-08-29 09:42:27 | Weblog
 7月の完全失業率が5・7%に達し、過去最悪を更新した。年末までには6%を超すとの予測が支配的で、景気の腰折れ要因になりそうだ。

 《総務省が28日公表した労働力調査(速報)によると、7月の完全失業率(季節調整値)は前月より0.3ポイント悪化して5.7%となり、02年6、8月、03年4月の5.5%を超え、今の形で統計をとり始めた1953年以来、過去最悪となった。とりわけ男性(6.1%)は初めて6%台に突入した》=毎日jp=

 先日、4-6月期のGDP速報値が年率換算3%超と報じられた際、麻生は「景気は良くなっている。遅行指数である失業率ももうじき改善される」と訴えていた。こう言うしかないのだろうが、ノー天気な発言であることに変わりはない。

 景気が持ち直しているといったところで、物が売れているのは中国やアジア向けが主力で利幅は薄い。各企業はいよいよ筋肉質な経営を目指し、経費削減に走っている。肉がなければ骨でも削る。人も減らす。こうした環境では、多少景気が上向いても雇用の吸収力は乏しい。収益力を考えて、部品の海外調達や海外生産を目指す動きも再び高まってくるだろう。

 雇用状況はしばらく改善しないと考えるしかない。10%までの失業率なら欧米では体験済みだ。日本がこれに耐えられないとは思わない。だが、いまのままでは無理だ。

 雇用問題を考える際、いつも疑問に思うのは連合など労働界の発信力が極めて弱いことだ。休日出勤をなくしたり、有給休暇を完全消化するチャンスではないか。彼らがきちんと休めば、新たな雇用が生まれる。

 身を削ることも考えていい。公務員はここ5年ほど給与が下がり続けている。民間が下げて悪いはずがない。1000万人の組織労働者が10%の給与削減に応じれば100万人の雇用が生まれる。高給の大企業は削減率をもっと高めてもいい。

 政労使協議で「ワークシェア」などと気の利いたことをいうなら、これぐらいの大胆な提案をしてほしい。自分たちは安全地帯にいて「雇用を守ろう」などといったところで、非正規の胸には響かない。

 あすは衆院選の投票日だ。民主党が天下をとれば、当面は混乱続きだろう。何かが生まれるには破壊と混乱がつきものだ。混乱に耐えるだけの度量の広い社会づくりを急がないと…。
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自民党は消えてしまうのか

2009-08-27 05:48:46 | Weblog
 衆院選も投票日まであと3日、「政権交代台風」の勢力は衰えるどころかますます発達中のようで、300議席を大きく超える情勢となっている(らしい)。4年前の小泉旋風の渦を180度ひっくり返す“民意”には、ただ驚くばかりだ。


 《総選挙中盤の情勢について、朝日新聞社は22~25日に全300小選挙区の有権者を対象に電話調査を実施、全国の取材網の情報を加えて探った。それによると、(1)民主は非常に優勢で、衆院の再議決に必要な3分の2の320議席を得る可能性がある(2)自民は大敗が確実になり、100議席前後に落ち込む見通し(3)公明は小選挙区で苦戦、20台にとどまりそう(4)共産は比例区でほぼ前回並み、社民は小選挙区で善戦、などの情勢になっている》=朝日com=

 100議席を割り込む事態になれば、自民党は解党だ。100などという数字は角栄健在のころの田中派の数だ。現在の最大派閥である町村派でも衆院議員60人余を擁する。古賀派50、津島派45がこれに続く。これだけでもう150になる。100議席ということは、派閥がなくなるということでもあろう。

 派閥のリーダーたちが当選するかどうかも微妙なようだ。危うしとみた津島雄二はさっさと子どもに譲った。町村信孝、山崎拓らは比例で引っ掛かるかどうかという状況、町村派のオーナーを気取る森喜朗も選挙区では厳しいようだ。

 もともと自民党内では比例復活組を「裏口入学」と軽く見ていた。派閥の長が裏口組だらけでは反転攻勢への気合も上がるまい。

 それもこれも、麻生君が解散の時機を読み違えたためだ。小沢の西松献金問題が噴出したときが唯一のチャンスだった。昨年の就任早々やっていても、これほどの惨敗!にはならなかっただろう。

 今回の選挙戦では自民党はネガティブ・キャンペーンに終始している。これもマイナスだ。ダメおやじが別なおっさんを指して「こいつは俺よりひどい」とわめいたところで、自分のダメさが薄まるわけではない。

 ネガキャンの白眉?がYouTubeの「ブレフォー」だという。自民党サイドはヒット数がぐんぐん伸びていることに気をよくしているようだが、こんなものが票につながると思ったら大間違いだ。

 《自民党が衆院選での劣勢を盛り返そうと、なりふり構わず民主党批判を強めている。鳩山由紀夫代表ら同党幹部を皮肉る新作アニメCMをネット上で2本流しているほか、同党を攻撃する冊子も作成。典型的なネガティブキャンペーンだが、民主党は圧勝予測の余裕からか、「放っておいたらいい」(幹部)と黙殺する構えだ。
 ネットCMの題名は「ブレる男たち」。鳩山氏や小沢一郎代表代行ら民主党幹部4人を模した影絵の人物が「4人バラバラ、ブレフォーです」と登場する。4人は「テロ対策での給油、反対」「(米国との)貿易自由化」などと合唱するが、白人や農家の男性から「なに言ってんだ」と突っ込まれ、「とも言えなーい」と前言を翻す内容だ。

  21日から動画サイト「ユーチューブ」などに流し、同サイト内での再生回数は既に27万回を突破。先行して7月中旬から配信している、鳩山氏とおぼしき男性が女性に口当たりの良い言葉をささやきかける1作目のCMも、閲覧回数が61万回を超えた。
 「民主党の問題点を若い世代に分かりやすく伝えるのが狙い。おおむね好評」。自民党広報本部の担当者はこう胸を張るが、別の党職員は「政権与党として品がない。票につながるかも分からない」とまゆをひそめる》=時事com=

 まあ、今回大負けするのは仕方ない。安倍、福田と2代にわたって政権を投げ出した罪はあまりに重い。しっかりと負けて、一から出直すしかない。どぶの水に慣れきった胡散臭い連中は切り離し、「政策政党」に代わるしかない。

 水ぶくれした民主党はよたよた歩くことになる。足取りは極めて心もとないが政権維持で何とかまとまるだろう。でも、いつまで持つか保証の限りではない。

 日本の迷走はむしろ選挙後から始まるのかもしれない。振幅の大きい選挙が繰り返され、しかも暮らしは好転どころか下落の一方ということになると…。

 まずは30日の結果を見ましょうか。
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野球の神様は確かにいた

2009-08-25 05:45:16 | Weblog
 夏の甲子園、決勝戦は見事な試合だった。「日本文理に勝ってもらう」と書いたが、残念ながらそのその望みは叶わなかった。でも、価値ある準優勝だ。

 高校野球の大きな魅力は「筋書きのないドラマ」性にある。思いかげないことがおき、場面は暗転と歓喜を繰り返す。県岐阜商と日本文理の一戦では、審判さえドラマを競演していた。7回1死二塁で県岐商の痛烈なゴロが三遊間を襲う。サードの中村が飛びつくが、グラブからわずかに球がこぼれる。拾う。投げる。打者走者の足は送球より一瞬早くベースに達していたが、塁審の両手は大きく横に広がった。勝負を分けた判定だ。これも野球の神様のなせる業だ。

 決勝戦の九回表、日本文理の奇跡的な反撃も神様が仕組んだことなのか。

 4-10から2点を返して2死三塁。四番吉田が3球目?を三塁側のファールグラウンドに打ち上げたとき、誰もがこれで試合は終わったと思ったに違いない。でも、三塁手の河合は打球を見失っていた。この直前、テレビに河合のアップが映った。目が潤んでいて泣き出しそうな気配だ。涙でボールを見失ったのだろうか。

 30年前の箕島と星稜の戦いを思い浮かべた。延長16回裏、箕島の打者が打ち上げた一塁側へのファールを星稜の一塁手が落球、延長18回箕島のサヨナラ劇につながる。

 結局吉田は四球、高橋義、伊藤、代打石塚が連打して1点差。8番若林のバットも快音を残した。悲鳴と歓声が甲子園を揺らす。糸を引くような打球は、河合のグラブに吸い込まれた。神様は見放したり救い上げたりする気まぐれでもある。

 お互いにこれまでの試合では見せなかったミスも出た。これも神様のいたずらだろう。

 どきどき、はらはらの演出者・野球の神様の正体とは何だろう。グラウンドに立つ球児と観客の祈りが生み出す何かかもしれない。いい決勝戦を見せてもらった。中京大中京、日本文理ナインの健闘を称えたい。
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日本文理に優勝してもらいます

2009-08-24 06:19:45 | Weblog
 熱戦が続く夏の高校野球もきょうが決勝戦。

 顔合わせは対照的だ。中京大中京は夏の甲子園最多勝利数を誇り、優勝6回は広島商業と並んで1位、名門中の名門である。対する日本文理は、5回目の出場ながらこれまではいずれも初戦敗退。今大会前までの新潟県勢の甲子園勝利数は全国最下位だった。

 これだけを見れば中京に分があると思うのが普通だろう。1試合に4本塁打する打力は超高校級だ。中京には「決勝戦不敗」の伝統もある。

 だが、ここは日本文理を推す。まあ、地元だからね。という身びいきはおいておき…。

 甲子園で勝つにはそれなりのドラマが必要だ。大河ドラマならどうだろう。今年は上杉家の家老、直江兼続が主人公のドラマ「天地人」の年だ。戦国最強といわれた上杉謙信でも果たせなかった全国制覇を、文理高校が成し遂げる。

 美濃(県岐阜商)、尾張(中京大中京)と撃破すればドラマ完結にふさわしい。日本文理を率いる大井監督は50年前の夏、宇都宮工のエースとして甲子園に出場、決勝まで進んだが延長15回、西条に屈している。半世紀ぶりの悲願成就、これも十分ドラマになりうる。

 戦力的に見ると投手力と守備力はほぼ互角、打力は長打という点では中京が1枚上手だが、ここまで60安打(1試合平均15本)を放っている文理打線は本物だ。特に5番の高橋義人。広角に打てて長打力もある。

 機動力や戦術は中京が数段勝る。メディアは「接戦になれば文理にもチャンスがある」という予想をしているが、どうかな。文理が望むのは、結果としての接戦であって、打ち合いを挑みたいはずだ。堂林は3回戦で同じ北信越の長野日大にkoされている。

 ということで、日本文理に7-4で勝ってもらいます。09年は日本のすべてが変わり始めた年、と記憶されることになるでしょう。

 
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自民党は消滅するのか

2009-08-21 05:52:32 | Weblog
 朝日が20日付けで伝えた選挙情勢が衝撃を与えている。「民主300超、自民は半減」という見立てだ。


 《30日投開票の総選挙について、朝日新聞社は18、19の両日、全300小選挙区から統計的に選んだ150小選挙区の有権者を対象に電話調査を実施し、全国の取材網の情報も加えて選挙戦序盤の情勢を探った。その結果、(1)民主は単独で過半数(241)を大きく超え、300議席台をうかがう勢い(2)自民は選挙前議席(300)の半数に届かず、それよりさらに大きく後退する可能性(3)比例区では、公明、共産はほぼ前回並み、社民はやや苦戦――などの情勢がわかった》=20日朝日=

 きょうの読売も「民主300越す勢い」「自民激減」が見出しだ。よほどのことがなければ、自民党がここから勝勢にまで回復することはない。このままでは三桁にも届かない大惨敗だろう。

 こうなったとき、自民党が頼るのは以前も指摘した「右バネ」である。各候補の訴えが昔の反共宣伝めいてきているのはその表れだ。オットセイ・森先生は「民主党政権になれば、日の丸はなくなる。静かな革命が始まっていろ事に気づかねば…」などと言っているらしい。麻生クンは「責任力」を強調、票につながりそうもない安全保障問題にも時間を割いている。

 応援団である産経は20日の社説に民主党鹿児島県連の「国旗切り刻み問題」を取り上げ、民主党攻撃に懸命だ。

 こうした保守回帰はかえって無党派層を離反させることになるのではないか。選挙戦が中盤から終盤に向かい、自民大惨敗が鮮明になればなるほど、自民党は国家主義的色彩を強め、有権者が引くという悪循環になりそうだ。

 一方、肥大化した民主党は小沢党と中間派、リベラルグループの対立が先鋭化するだろう。政界再編の動きが早まるかもしれない。鍵を握るのはやはり小沢だ。「2回予算編成から外せば自民党の息の根は止まる」が彼の持論だ。再編を仕掛けるより自民党を干し上げるのが先と考えているのではないか。


 100議席程度に落ちぶれた自民党がどうなるかは見ものだ。従来の派閥からイデオロギーを中心としたグループに分かれる可能性が高い。こうなると1つの党では収まらない。ちじぢりばらばら、四分五裂といったところか。

 民主党政権ができたところで、実際には何ほど変わるわけでもない。経済状況は2番底に落ち込む懸念が高い。財政出動ももうできない。鳩山民主党は手を縛られ、足かせをはめられてスタートすることになる。

 大河ドラマ「日本漂流記」の始まりである。恐ろしくも、興味は尽きない。
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麻生は「右バネ」に頼るしかない?

2009-08-18 06:00:01 | Weblog
 衆議院選挙がきょう公示される。〝前技〟が異様に長く、もう投票日でもいいぐらいの感覚だがこれからが本番とは、やれやれだ。

 ここまでのところ、民主大勝のムードは揺らいでいない。17日に開かれた主要政党6党の党首討論でも質問は鳩山由紀夫に集中、政権交代が現実のものになりつつあることを印象付けた。

 《日本記者クラブ主催の6党党首討論会が17日、東京・内幸町の同クラブで開かれた。麻生太郎首相(自民党総裁)は「自民党には一貫性ある公約とそれを実行する力がある」と政権担当の実績を強調し、景気回復を最優先にする考えを表明。民主党の鳩山由紀夫代表は自民党や自公連立政権を批判、「官僚任せの政治に終止符を打つ。民主党に政権交代の力を与えていただき、一緒に『チェンジ』で日本をよみがえらせたい」と訴えた。政権交代の現実味が高まる中、各党首からは鳩山氏への質問が相次いだ》=毎日jp=

 討論で精彩がなかった麻生太郎が、唇をゆがめて噛み付いたのが民主党鹿児島県連の「党マーク」問題だ。「赤い丸二つは日の丸を切り刻んだものだ。国家の象徴を切り刻むとは許しがたい」。

 お怒りはごもっともだが、党首討論で言う話か。地方県連の不手際を「一事が万事」とばかり民主党叩きに利用するようでは、お里が知れる。靖国神社に参拝して世間を騒がせるようなことはしない、という趣旨の発言をして桜井よし子に叱られたばかりだ。日の丸で民主党の切り込むことで、態勢を挽回したいということなのだろう。

 自らの一連の誤読?について「一言で言えば軽率」と述べた麻生だが、軽率と無知は違う。昨日の党首討論の白眉はイラク戦争をめぐる麻生発言だ。物忘れがいいメディアは過去のイラク戦争などに関心がないようで、扱いは小さいが聞き逃せない重大発言である。

 イラク戦争は間違った戦争だったのではないか、と問われた麻生は「自衛隊はよくやった」と頓珍漢な答弁をした。重ねて「日本がイラク攻撃を支持したのは誤りだったのではないか」と問われる。麻生答えていわく「フセインがいまだに権力を振るい続けていたとしたらもっと大きな危機が来ていたかもしれない。それなりに成果はあった」。

 国際的脅威を与えている独裁政権は、軍事力を行使して打倒するのも許される。麻生はこう述べているのだ。国際法を無視した論理であり、極めて危険な発想だ。この論理を適用すれば、北朝鮮を攻撃しない方がおかしい。

 選挙戦が深まるにつれ、麻生自民党はますます本来路線である民族主義的主張に傾斜していくような気がする。小池百合子は幸福実現党の泉某と手を組むとか。いやー、なんでもありですね。
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ボルトは速すぎる!

2009-08-17 05:45:40 | Weblog
 ベルリンで開かれている世界陸上選手権の男子100メートルで、北京の覇者・ウサイン・ボルトが驚異的な世界新記録で圧勝した。

 《ウサイン・ボルト(22=ジャマイカ)が9秒58の世界新記録で金メダルを獲得した。昨年の北京五輪で自らがマークした9秒69のレコードを0秒11更新した。2着はタイソン・ゲイ(27=米国)で9秒71、3着にはアサファ・パウエル(26=ジャマイカ)が入った》=日刊スポーツcom=

 ライブは見ていないが、どんな走りだったのだろう。さすがにこのタイムでは流したり、左右を眺め回すゆとりはなかったのではないか。

 ボルトは昨年末(新年向け)の外国メディアのインタビューで

 《「コーチが9秒58のタイムを出すのは可能だと話したのを聞いた。彼を信じる」とコメント。さらに「200メートルでも19秒台を切るのは可能だと(コーチは)言っていた」》=1月1日ロイター=。

 と話している。まさにそのとおりのタイムだ。走りが進化すればさらに速くなるかもしれない。故障さえしなければ、あと2、3年は無敵の状態が続くだろう。


 それに引き換えと言ってはかわいそうだが、日本のスプリンター連中はひ弱だ。
エースの塚原でも準決勝は最下位。タイムは10秒28だ。二次予選より遅くては話にならない。二次で10秒15なら準決は00台に持ってこないと…。

 こんな選手を甘やかすのが、スポーツメディアだ。散々持ち上げて、結果が悪くても「よくやった」でおしまい。これではファンの目も曇るというものだ。


 女子の福島千里は一次予選突破で「五輪、世界選手権での一次突破は77年ぶり」とはやされている。黒人や途上国の選手が珍しかった時代と比較して喜んでいるのはいかがなものか。むしろ、2次予選のタイムが11秒43に終わっていることを厳しく指摘すべきだ。ベストから0秒19も遅い。

 今回の選手団は全体に調整不足(失敗)との声がある。室伏などは出場を取りやめたほどだ。目いっぱいに仕上がってようやく世界と戦えるかどうか、というのが日本陸上界の現実だ。ひ弱に育てたツケがこんなところに現れている。
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新聞業界は選挙で一息??

2009-08-12 06:27:09 | Weblog
 史上最長の選挙戦はお盆で中だるみ。各種の世論調査によると民主党の優位は動きそうにないが、まだ投票までには2週間以上ある。天変地異からミサイルの飛来、スキャンダルまで何でもありの泥仕合だけに、まだまだ予断は許さない。

 このところ、地方紙経営者の顔がほころんでいるらしい。選挙特需が予想以上だというのだ。幸福実現党などというのが飛び入りしてきた。書籍広告も含め、かなりの出稿量だ。

 もちろん、政権交代が懸かった自民、民主は麻生と鳩山という食えないキャラクターを並べての大広告合戦を展開中だ。公示前は公選法の規制もなく、いわば稼ぎ放題。あと1週間でどれぐらい伸びるか皮算用しているらしい。

 中国新聞は例の田母神講演会の意見広告でもがっちり儲けたとか。

 最盛期に比べると広告収入がほぼ半減している業界にあって、選挙や行政は最後の収入源だ。地方紙では自治体広告も重要な「財源」である。

 新聞は開かれたメディアだから、広告利用は制限なく行われるべきだ。この大原則は守らねばならないが、政党や宗教団体が金にあかした大広告で紙面を占有するとなると問題もある。創価学会広告の跋扈などはその代表格だ。

 広告出稿の激減で新聞広告は質が著しく低下している。怪しげな健康食品や「若返り化粧品・サプリメント」の氾濫ぶりを見ればよく分かる。報道は劣化、広告はノーチェック状態。選挙特需に浮かれている場合ではあるまい。
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オバマ礼賛に思う

2009-08-10 05:58:49 | Weblog
 広島、長崎の原爆忌で一様に強調されたのが「オバマに続け」「オバマと一緒に」である。まるでオバマが核廃絶の伝道者になったようだ。

 広島市長は平和宣言で「オバマジョリティー」なる造語を用いてオバマを支持しなければ、と説いた。結びは「Yes, we can」である。

 長崎でも基調は変わらない。
 
 《長崎は9日、64回目の原爆の日を迎えた。長崎市の平和公園で長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典(市主催)があり、被爆者や遺族らが犠牲者を悼み、平和を誓った。田上富久市長は平和宣言で「核兵器のない世界を目指す」としたオバマ米大統領のプラハ演説を評価。世界の市民に向け、それぞれの場所や暮らしの中で演説への支持を表明し、核なき世界への道をともに歩もうと呼びかけた》=朝日com=。

 日本の“リベラル”と称される人々は、アメリカ民主党の若手指導者に目がない。ケネディー登場の時の歓呼がその良い?例だ。

 オバマも同様の大歓迎を受けている。その実態が不明であるにもかかわらず…。オバマの核廃棄宣言を「人道的」側面だけから眺めるのは無理がある。むしろ、アメリカが核の脅威に直面して慌てている構図と見たい。

 脅威の源が9・11にあることはいうまでもない。飽くことなく戦争を続けるアメリカだが、国内が戦場と化したのは独立戦争と南北戦争だけだ。それだけに9・11の衝撃は強烈だった。その後の反撃のすさまじさは、受けたショックの大きさに比例しているのだろう。

 イランや北朝鮮の核開発にアメリカが神経を尖らせるのは、そこからテロリストなどに拡散する危険性が高いと見ているからだ。国としてしっかり核を持つならまだしも…、というわけだ。

 通常兵器でのアメリカの軍事的優位は圧倒的だ。中国やロシアは足元にも及ばない。だが、核は一発逆転の最終兵器だ。相手がこんな物騒なものを抱えていては、枕を高くして眠れない。アメリカの指導層はそう考えているに違いない。だから、核廃絶なのだ。

 恐怖から始まるにせよ、核廃絶の機運が高まるのは結構なことだ。しかし、あまり文学的な感情に浸っていては、いま戦われている戦争の悲惨さを見失うことになる。オバマがアフガニスタンで何をするか。まずはそこに注目だ。
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「知事会」って何様なの

2009-08-09 17:20:48 | Weblog
 全国知事会が自民、公明、民主3党の衆院選マニフェストを採点、公表した。この「企画」の言いだしっぺである橋下徹大阪府知事は「1年後ぐらいに公約が守られていなかったら『嘘つき 嘘つき』といい続ける」とご機嫌だ。しかし、全国知事会って、一体何様になったつもりなのだろう。

 《全国知事会は8日、衆院選に向けた自民、民主、公明3党のマニフェスト(政権公約)のうち、地方分権にかかわる政策の採点結果を公表した。29人の知事が採点し、平均点は自民が60.6点、民主は58.3点、公明は66.2点だった。分権改革の具体策への評価では、民主が自民を上回ったが、知事らが求める地方財源の確保に不安があるとして減点された。

 知事会は、政府や各党に要望してきた項目に沿って採点した。

 点をつけたのは、知事会長の麻生渡・福岡県知事や大阪府の橋下徹知事ら、みずから採点を希望した知事。3党のマニフェストの書きぶりと、7日に開いた3党との公開討論会での議論を踏まえた。

 各党への評価を見ると、自民は国が自治体の仕事内容や方法を縛る「義務づけ」の見直しで数値目標を設けたことや、地方交付税の増額を明記した点で評価が高かった》=朝日com=

 採点したのは47都道府県知事中29人だという。採点委員を選んだりしたのではなく、希望者が点数を付けたのだそうだ。これで知事会の結論になるという理屈が分からない。

 知事会は今回こそ「地方分権推進の中核」という顔をしているが、本当にそうか。彼らの出身母体を見れば、言っている事とやってきた事の違いがよく分かる。47人の知事のうち、25人までが中央省庁の官僚上がりだ。しかも、その半数は自治省(現総務省)だ。地方を縛り付けてきた張本人が、いまさら何を、である。

 30前後で官僚社会のひどさに愛想をつかして飛び出してきたというなら見所もあるが、多くは審議官あたりまで勤め上げての「天下り(上がり)」だ。中には公益法人や官庁の関連団体に天下り、そこから知事に転進した「剛の者」もいる。

 論議をリードしている橋下にしたところで、地方自治や分権など口当たりがいいからしゃべっているだけで、本心は違う。去年の学力テスト公表騒動の際、橋下は何と言ったか。「成績を公表しない市町村は35人学級の事業費を来年度ゼロにする」。あまりの権力的な発言に非難が殺到、その後取り消したが、「市町村は府(県)の言うことを聞くべきだ」が彼の基本的な考え方であるのは間違いない。

 こんな人物がよくもまあ、分権などと言えたものだ。東国原や森田にも地方自治の理念があるようには見えない。人気知事どもの馬鹿騒ぎは、馬鹿殿祭りそのものだ。
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