酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

拉致被害者家族会

2010-03-31 06:14:57 | Weblog
 北朝鮮による拉致被害者の家族らで構成する「拉致被害者家族会」が元副代表の蓮池透氏を強制退会にするという。

 《拉致被害者家族会の飯塚繁雄代表(71)は28日、拉致被害者の蓮池薫さん(52)の兄で元副代表の蓮池透さん(55)を退会させる方針を明らかにした。

 27日の同会の総会で決議したという。

 蓮池透さんは1997年の同会発足以降、事務局長や副代表を歴任したが、最近は講演会などで拉致問題の解決には「圧力だけでなく対話も必要」と主張していた。同会の増元照明事務局長(54)は「家族会の総意は北朝鮮への圧力を強化して交渉に臨むというもので、誤解を招く」と理由を説明した。蓮池透さんは読売新聞の取材に「家族会の総意はあくまで被害者の救出。私をはずすことで拉致問題が解決するなら甘んじて受け入れるが、残念でならない」と話した》=読売online=。

 透氏は帰国した被害者・薫さんの兄で、薫さんらの帰国時には家族会の顔としてメディアに出ずっぱりだった。当時会長だった横田さん夫妻の温厚さと透氏の鋭さが程よくマッチングし、会を牽引していたように思う。

 それが強制退会、別な言葉で言えば除名である。路線の対立というが、被害者家族が1つににまとまれない方針に問題があるのではないか。政党などとは違うはずだ。どうしたら北にいる家族を取り戻せるか。その一点で家族会はまとまっていたはずだ。

 飯塚会長、増元事務局長体制に代わって以降、政治色を強めているように感じる。家族が高齢化し焦る気持ちは分かるが、特定の政治勢力に利用されているのではないかとの疑問も沸く。

 拉致問題ではできるだけ幅広い戦線を張るべきだろう。透氏の強制退会は考え直した方がいい。
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北海道開発局という闇

2010-03-25 06:28:02 | Weblog
 まだこんな役所が息づいているかとあきれる。北海道開発局のことだ。ヤミ専従問題をほじくり返していたら、勤務時間内の労組活動はおろか、組合が予算や人事にまで深くかかわっていたことが明らかになり、なんと職員3人に2人が処分される事態となった。

 《国土交通省は、北海道開発局の職員が勤務時間中に無許可で労働組合活動に従事していた問題で、本人や上司計4119人を処分すると23日発表した。旧北海道開発庁時代から、労組が工事の予算配分や人員配置に影響力を発揮し続け、調査対象の3人に2人の職員が処分される異例の事態となった。

 問題となった労組は職員の約9割が加盟する全北海道開発局労働組合。勤務経験のある現役職員6314人を対象に、自主申告させた。その結果、4034人に無許可での労組活動が判明し、85人には管理監督責任があったと認定した。処分の内訳は減給(4~1カ月)17人、戒告139人、訓告366人、文書による厳重注意283人、口頭厳重注意が3314人。

 同開発局では、春闘の時期に、翌年度の公共事業の発注方法や工事の数、発注に伴う人員配置を、労使間で話し合う「事前協議」が常態化。労組側は各職場で協議へ向けた説明会を勤務時間中に開き、各職場の組合役員が参加していたという。

 こうした説明会に出席する際は本来、休暇を取るか、許可を取る必要があった。しかし、処分対象者のうち計3936人はいずれの手続きも取らずに、年に4~28回開かれる説明会に参加していたという。国交省は、職務専念義務違反にあたると判断し、厳重注意の対象とした。

 このほか、無許可で1日4時間以上、年間30日を超えて組合活動に専従していた職員が1人、1日4時間未満だが、年間30日を超えていた職員も97人確認され、減給や戒告処分とした》=朝日com=。

 開発局といえば、官製談合で国交省の元北海道局長が有罪判決を受けるなど不祥事続きだ。公用車契約でもインチキが発覚している。最近では北海道新聞が工事の水増し問題を取り上げている。腐りきった役所といっても言い過ぎではない。

 開発庁はかなり特殊な官庁だ。その昔、黒田清隆が北海道開拓使を務め絶大な権力を振るった。払い下げ疑惑に絡み明治14年の政変で下野したのは歴史教科書が教えるとおりである。その後北海道開発庁となり、2001年の省庁再編で開発局に格下げになった。

 職員は7000人弱。ほとんどが道内出身者で固められ、異動も道内どまりが大半という。職場が限定された官庁を仕切るのは、古手の組合官僚というのが通例だ。開発庁はその典型なのだろう。

 不正入札や工事の水増し請求など、一連の裏金づくりと見られる悪行はそれこそ労使一体の工作である。こうした行為が労組の跋扈となり、組合幹部の顔色をうかがわなければ組織が動かない事態を引き起こしているのだ。

 米穀検査員をしている全農林の地方幹部から話を聞いたことがある。某統一地方選で八面六臂の活躍をしていた。いわく「おれは年に30日しか仕事がない。後は選挙だ」。

 さすがにいまはこんなことはないだろうが…(あるのかな)。地方官庁の「なんとか官」とか「なんとか員」というのはかなり怪しい。はんこをつくだけが仕事という人もいる。

 仕事がなく声の大きい人が組合を牛耳る。官公労の悪弊だ。こういう連中がいるから労働運動が腐っていく。

 開発庁などという官庁は不要である。ほかにもいらない役所はいっぱいありそうだ。金がないことでもあり、これらをどんどん潰すことをお勧めする。

 
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「ネットでの名誉毀損」考

2010-03-18 06:14:30 | Weblog
 個人が自分のHPに書き込んだことであっても、名誉毀損罪の要件を狭める理由にはならない。最高裁がこんな新判断を下した。

 《インターネット上に飲食店に関する虚偽の内容を書き込んで中傷したとして、名誉棄損罪に問われた会社員橋爪研吾被告(38)の上告に対し、最高裁第1小法廷は16日までに、棄却する決定をした。一審の無罪判決を破棄し、罰金30万円とした二審判決が確定する。決定は15日付。

 白木勇裁判長は「確実な資料や根拠に基づき、真実と信じる相当な理由がある場合に限って無罪になる」とした名誉棄損事件の判例基準に触れ、「ネット上の情報でも、ほかの表現手段を利用した場合と区別して考える根拠はない」と指摘。

 その上で、橋爪被告が一方的な立場から作成された資料などを根拠に書き込んだ点を挙げ「被告の誤信には相当の理由がない」と判断した》=共同=。

 1審東京地裁での無罪判決が話題となった「ラーメンチェーン名誉毀損事件」である。最高裁判決を要約すれば「ネット上であっても不確かな情報で他人の名誉を傷つけてはならない」ということだ。一見極めて当たり前に映る。

 しかし、この論理はかなり危うい。個人の情報発信について、その正確性の担保をマスコミと同様に求めているからだ。こんな考え方がまかり通ると、素人は社会現象についての批判ができなくなる恐れがある。新聞やテレビなどを頼りに、ブログなどを書いている身としては、おおいに気になる。

 極端な話、メディアの報道が間違っていたケースで、ネットでそれを流した人にも名誉毀損の罪が及ぶ可能性がある。共同通信が配信した記事を載せた地方紙が名誉毀損を問われた裁判を考えればいい。

 この最高裁判断で一番張り切っているのが朝日新聞というのがおかしい。17日付け(12版)では一面トップと3面で大々的に報じた。報道の趣旨は「ネットだからと安易な気持ちで書き込めば、内容によっては刑事責任を問われる」「情報発信には責任が伴うという警鐘を鳴らした」ということである。

 大朝日が言論の自由に関してこれほど「抑制的」な報道をするとは驚いた。18日付けの社説でも最高裁決定の危険性には全く言及していない。これで言論機関なのだろうか。

 《自由な発言には責任が伴うことを自覚しないといけないのは、ネット上でも同じことだ。次世代を担う子どもには、あふれる情報を読み解き、正しく発信する能力を身につけさせたい。

 ネット空間を、秩序ある公共の場にする。それは私たちの社会のとても重い課題だ》=朝日(社説結語部分)=。

 刑事責任を問うことと自由な言論の責任はイコールなのか。この件では民事でも争われており、そこでは名誉毀損を認めている。民事と刑事で責任の範囲が分かれることがあるのは理解できる。問題は刑事責任まで問うかどうかだ。一般論としてネット上であっても斟酌する理由がないとするのは甚だ疑問である。

 今回のケースでも、書き込みの悪質性、与えた影響などが総合的に検討されるべきであって、これを「その他大勢」に敷衍しようなどというのは、メディアの悪意というべきだ。

 朝日であれ、産経であれ、ネットでは大きな攻撃対象になっている。無視した振りをしているが、気に掛けていることはそれとなく分かる。朝日がこんなに大きくこの問題を報じたのは「事実に基づかない中傷は刑事事件になるぞ」と警告したかったためではないか。

 最低限、社説では対抗言論の法理と最高裁決定を比較考量し、ネットへの書き込みを萎縮させることのないよう注意喚起すべきだった。最高裁や朝日の言うことが正しいとすれば、「何も知らない素人は、難しいことに口を挟むな。ネットへの書き込みなど論外」ということになりかねない。

 
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鳩山政権半年

2010-03-17 06:11:16 | Weblog
 鳩山政権が発足してから半年がたった。スタート時、70%の支持率でオバマさえ上回った鳩山政権だが、その後は「小鳩資金」問題もありガタガタ、支持率は半減し、参院選まで持つかどうかという惨状だ。

 政権半年を期して各紙が世論調査を行った。かなりばらつきがあるものの、長期低落傾向では一致している。最も高く出たのが「毎日」である。

 《毎日新聞は13、14日、鳩山政権発足から16日で半年となるのに合わせて全国世論調査を実施した。鳩山内閣の支持率は43%で前回調査(2月5、6日)から6ポイント下落。不支持率は8ポイント増の45%となり、初めて支持と不支持が逆転した。鳩山由紀夫首相の半年間の政権運営を「評価する」との回答は31%で、「評価しない」の66%を大きく下回った。発足当初77%の高支持率を誇った鳩山内閣への期待は急速にしぼみ、今夏の参院選へ向け政権を取り巻く環境は厳しさを増している》=毎日jp=。

 43%なら立派な数字だ。不支持と逆転したといっても、危機ラインにはほど遠い。朝日の32%、時事の30%などに比べると相当に高い。「鳩山降し」へのバイアスの掛かり具合がこうさせているのだろう。

 民主党政権、鳩山首相への批判を強め、足を引っ張ることに余念がない読売新聞が「政権半年」のタイミングで世調を実施しなかったのは理解に苦しむ。社説では他紙より一日遅れて「鳩山政権半年」をテーマに掲げたが、そこで引用している数字は月初めの定時調査のもの。「支持率41%」などと書きたくなかったのだろうが…。

 半年たってあらためて分かったのは、鳩山が首相の器ではないという当たり前のことだ。

 金も人脈も自力ではつくれない。力がないのだ。だから決断などできるはずもない。目を海外に転じれば、タクシンやベルルスコーニのような成り上がりの“大衆”政治家かいる。連中は自分の才覚でのし上がってきたから打たれ強い。「向こう傷は男の勲章」だと思っているのだろう。

 かつては日本の政界もそうだった。いまは濁流がせき止められ、魚のすまない清流だけ。この中でのし上がってくるタマがいるのかどうか、甚だ心許ない。
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ケージ内のトキ「殲滅」される

2010-03-11 05:29:34 | Weblog
 佐渡トキ保護センターに設置されている順化ケージで、放鳥のための訓練を受けていたトキ9羽が死に、1羽が瀕死の状態だ。トキ保護史上例を見ない異常事態である。

 《環境省は10日、新潟県佐渡市の佐渡トキ保護センターで、国の特別天然記念物のトキ9羽が死んだと発表した。施設内に侵入した野生動物に襲われたものと見られる。被害にあったのは今秋、3回目の放鳥に向けて訓練中のもので、今後の野生復帰計画への影響が懸念される》=毎日JP=。

 環境省や新潟県は記者会見で「万全の態勢を取っていたつもりだったが…。申し訳ない」と述べている。外敵の進入を許し、11羽のトキのうち10羽までが襲われた。万全どころが抜け穴だらけだったということだ。

 100羽を超すトキの飼育をしている保護センターが、午後5時過ぎから翌朝8時頃まで無人になっているとは知らなかった。人工繁殖で孵化させる時などは特別な態勢を組んでいたのだろうか。元センター長で昨年亡くなった近辻宏帰さんなどは、トキと一緒に寝ていると噂されるほどだったが…。

 順化ケージのトキは、9月に予定される第3次放鳥に向けた飛翔や採餌の訓練を行うため、先月2回に分けてこの施設に移された。外敵に襲われた際の回避訓練も行っていたというから、何とも悲しい皮肉だ。

 自然の中であれば、群れを襲われて「全滅」するなどという事態はまずない。トキは飛び上がって逃げることができるからだ。ところが、狭いケージの中ではそうはいかない。パニックになって飛び回れば、網にぶつかるだけ。叩き落されたところをイタチなどが襲う。こうした惨劇が繰り返された可能性が高い。

 外敵の侵入防止対策としては、電気柵を巡らし、穴を掘って入られないよう地下1・5㍍までは「ムジナ除け」のコンクリートも打ってあったと言う。そうするとフェンスに小さな穴や隙間があった疑いが濃い。

 テンなどは頭さえ入る隙間があれば楽々と侵入してくる。

 「ほんのちっと、顔を見るだけでいいから」。天邪鬼はこう言って瓜子姫に戸をわずかに開けさせ、いきなり襲い掛かって姫を食べてしまいました。

 民話の里とも呼ばれる佐渡で、この昔話が教訓化されていなかったとは情けない。

 当ブログは、中国トキを使った人工繁殖によって生まれた鳥を放して「野生復帰」などとはしゃぐことには違和感を感じている。日本のトキは全滅した。中国トキを何羽増やしてもこの事実は覆らない。人が自然をつくるなど、思い上がりではないか。

 「トキ保護」は自然への畏敬がなけらばならない。環境省や新潟県の役人にどれほどそれが備わっていたのか。
 
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愛子ちゃんの不登校

2010-03-08 06:06:54 | Weblog
 皇太子家の愛子ちゃんが、学習院に通えなくなっているという。東宮大夫が5日の会見で明らかにした。

 《宮内庁の野村一成東宮大夫は5日の定例記者会見で、皇太子家の長女愛子さま(8)=学習院初等科2年=が1日からほとんど登校できない状態になっていることを明らかにし「学校で同学年の複数の男児から乱暴な振る舞いを受け、強い不安感や腹痛を訴えている」と欠席の理由を述べた。再び通学するめどは立っていないという。

 一方、学習院側は「愛子さまを直接対象にした暴力行為はなかったが、過去に廊下を走るなどの行為をする児童が複数いた」としている。愛子さまの欠席理由を、東宮職のトップが学校内のトラブルを挙げて言及するのは異例。

 野村大夫によると、愛子さまは2月下旬から微熱などで欠席。今月2日は早退し、その後は登校していない。学校側に調査を依頼したところ、同学年の複数の男児が、愛子さまを含む複数の児童に乱暴な振る舞いをしていたことが分かったとして、対応策を求めた。「いじめに当たるとは考えていない」とした。

 野村大夫の発言を受け学習院側も記者会見。東園基政常務理事は「2日の4時限目だけを受け下校する際、教室から飛び出してきた2人の男児と擦れ違い、怖い思いをした。過去に男児数人が乱暴な行為をしたことを思い出して不安に感じたのではないか」と述べた》=共同=。

 愛子ちゃん個人に向けた行為ではなく、ちょっと元気が良すぎる男の子がいるといった状況らしい。しとやかな女の子が、腕白坊主の風圧に気おされるのはよくあることだった。いくら皇女に関わるとはいえ、こんなことを会見で明かすのは明らかにゆき過ぎだ。

 侍従や大夫は、天皇家や東宮の「家政夫」である。もめごとがあったら、大きくならないように火消しをするのが仕事だろう。それを自ら騒ぎ立てるとは、何を考えているのか。事務方トップである羽毛田宮内庁長官の目立ちたがり、責任転嫁が伝染したとしか思えない。

 かわいそうなのは愛子ちゃんと、騒いだとされる男の子らである。学習院もいい迷惑だろう。

 雅子さんへのバッシングが高まる事態も予想される。「愛子ちゃんが過敏で人見知りなのは母親の育て方が悪いから」と言った類の陰口である。

 東宮家よりも東宮職という組織を守ることが重要と考えるような大夫は、不要というより有害である。
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休暇分散化という愚策

2010-03-03 06:21:04 | Weblog
政府の観光立国推進本部分科会が大型連休を全国5分割する休暇改革の原案をまとめた。

 《5月の大型連休は九州が第2週、北海道は月末―。政府の観光立国推進本部(本部長・前原誠司国土交通相)の分科会がまとめた休暇改革の原案が1日、明らかになった。

 春と秋の2回、土曜と日曜を含む5連休を創設。全国を5ブロックに分割し、時期をずらして取得する。ゴールデンウイークやお盆に集中している休暇を分散化することで、観光需要の掘り起こしや混雑の緩和、関連業界の雇用安定を図るのが狙いだ。

 同本部は2011年以降の導入を検討しており、今秋の臨時国会にも国民祝日法改正案を提出したい考え。3日の分科会で日本経団連など産業界から意見を求める。

 ブロック分けは(1)北海道・東北・北関東(2)南関東(3)中部・北陸信越(4)近畿(5)中国・四国・九州・沖縄―が有力になっている。春の大型連休は「行楽日和」に当たりやすいよう、気温上昇と梅雨入りの時期などを考慮して南からスタート。秋は「紅葉前線」の南下に合わせるように北から順に取得する。

 年間の休日数は増やさず、計6日の祝日を春と秋に3日ずつ振り替える。国民祝日法は祝日を休日とするよう定めているため、法改正が必要になる》=共同=。

 この分科会の座長は辻本清美センセイである。メンバーは国交省、内閣府、総務省、文科省、厚労省、経産省の政務官や副大臣と内閣官房審議官。これに逢坂首相補佐官、星野国交省成長戦略会議委員がオブザーバーとして加わる。

 観光や休日の専門家といえるのはオブザーバーの星野だけ。5分割の原案にも星野の考えが色濃く反映されているのは間違いない。

 机上の空論とはこういうたぐいのプランをいうのだ。全国を五つのブロックに分けて連休を導入することなど実際上不可能だ。以前ほどではないにせよ、盆や正月の移動は帰省が中心だ。故郷と居住地の休みが食い違ってしまえば、田舎に帰っても邪魔にされるだけである。

 確かに民族大移動のごとく年に2、3回ひしめき合って動き回るのは問題が多い。だからといって、政府が祝日法などを改正してこの分散化に努めるなど筋が悪すぎる。

 問題は連続休暇が少ない点にある。これは雇用政策として解決すべき課題だ。有給教化の消化率は相変わらず50%に満たない。地方によっては2、3割というところも珍しくはない。法定の有給休暇日数を増やした上、最低でも70%取得を義務づける。こうした政策を推進することが先決だろう。

 企業に休暇取得を義務づければ、雇用者を増やす必要が生じる。労働コストが上がることになるが、そこは賃金の縮減で乗り切るしかない。労働組合などからは反発の声が上がるだろう。公務員や大企業の労働組合は既得権擁護を至上命題としているからだ。

 ワークシェアを本気で考えている組合などごく少数だ。しかし、非正規労働者問題に先進的に取り組んでいる広島電鉄などの例もある。休日増は雇用問題を結びつけて論議しなければ意味がない。

 
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冬季五輪閉幕

2010-03-02 06:01:12 | Weblog
 やっと! 冬季五輪が終わった。ついついライブで観戦する羽目になり、出勤が遅れる始末。楽しませてもらったことには感謝したい。

 最後に男子アイスホッケーでカナダが勝ったので、大会は大成功なのだろう。移民の国の移民の街、バンクーバーならではの盛り上がりとも見えた。自身の出自と「カナダ国民」としての自負が混ざり合って、興奮の度を高めたのではないか。

 競技では韓国と中国の躍進が目についた。国が戦略的に取り組めば、それなりの成果が出るということだ。でも、メダルの数に目の色を変えるなどというのは、国家主義の国か発展途上国のメンタリティーだ。

 いまや選手は最善の環境を求めて国境を軽々と越える。フィギュアペアの川口はその代表格だ。女子フィギュアで4位になった長洲にしても、日本のレベルがこれほど高くなければ日本から出ることを選んだかもしれない。

 コーチや技術スタッフはほとんど「多国籍軍」状態だ。キム・ヨナはカナダに練習拠点を置き、カナダ人コーチの指導を受けている。浅田は中京大に戻るまではアメリカでロシア人のタラソワに学んできた。「チーム・キム」などは多国籍企業と同じなのだ。

 ところが、まだ大国意識が抜けないロシアは、この結果が気に入らない。大統領と首相がそろって頭から湯気を吹き上げていりからおかしい。

 《ロシアのメドベージェフ大統領は1日、グリズロフ下院議長ら与党幹部と会談し、バンクーバー五輪でのロシア勢の不振について、「責任者は勇気ある決断をし、辞表を書かなければならない」と、担当省庁や競技団体幹部に辞任を求めた。さらに「できないというなら手助けする」と述べ、辞任を拒否する場合には「解任」の可能性も示唆した。国営テレビなどが報じた。
 
 今回の五輪でロシアはメダル獲得数が11位と「史上最低の結果」(グリズロフ議長)に終わり、プーチン首相も2月26日、次回2014年にロシアで開くソチ冬季五輪に向け「真剣な分析と対応策が必要だ」と危機感を表明していた》=毎日JP=。

 経済が好調なら、まだ許せるのだろうが、弱り目に祟り目である。

 それにしても当方の競技予測はおお外れ、あらためて冬の大会は難しいと実感させられた。ただ、当たり前だが強い選手は強い。ジャンプのアマン、スケボーのホワイト、女子滑降のボン、もちろんキム・ヨナも入る。

 クロスなど見世物的な競技が増えるのはテレビの金を考えれば仕方がないことなのだろうが、やはりハーフパイプやエアリアルはXゲームの方が似合う。そこなら「腰パンがどうの」などといちゃもんを付けられることもない。

 夏の大会にも言えることだが、スリム化を真剣に考えるべきときだ。
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