酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

解散風は止まらない

2014-11-11 14:59:45 | 政治
 今週に入ってにわかに解散風が吹き出した。9日、読売が「増税先送りなら解散」とぶち上げたのを皮切りに各紙が追随、休刊日明けの11日は「早ければ来週解散」とピッチを上げている。いまや〝政府広報紙〟の感がある読売がこうまで飛ばしているのだから、解散の可能性は極めて高いと見たい。この解散に大義や理屈はない。あるのは「今なら負けない」ということだけ。時間が経つにつれ安倍政権の支持率は下がり、株価も下がる。アベノミクスの化けの皮が剥がれてやがては死に体-こうした読みがあるからこその「いま」なのだ。


 《安倍首相は10日、消費税率の10%への引き上げを先送りする場合の衆院解散・総選挙の日程について、早ければ、一連の外交日程を終えて帰国する17日から数日以内に解散する方向で検討を始めた。

 18日前後に解散を表明し、19日ごろに解散する案が浮上している。衆院選は、「12月2日公示・14日投開票」を軸に調整している。「9日公示・21日投開票」とする案もある。与党は、早期解散を容認する構えだ。

 首相がアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議など一連の外交日程を終えて帰国する17日には、7~9月期の国内総生産(GDP)の速報値が発表される。政府が増税の是非について有識者の意見を聞く「点検会合」は、18日に終わる。

 首相は同日、政府・与党に新たな経済対策を指示し、仮に衆院解散に踏み切っても「政治空白」が生じないようにする考えだ。来年10月の消費税率10%への引き上げが困難と判断した場合、1年半先送りして2017年4月から引き上げる案が有力だ》=読売ONLINE=。

 解散=消費税10%引き上げ延期ということになる。誰が考えたか知らないが、なかなかうまいアイディアだ。「経済情勢を総合的に判断するとこの際引き上げは見送りと決断した」-安倍のこうした説明は一定程度世論の支持を得られるだろう。仮に野党が「財政健全化に反する」「国際公約ではないのか」などと吠えたところで、「増税しろ」では選挙にならない。 

 曲がりなりにも日中首脳会談もできたし、株価は上昇基調だ。心配は沖縄知事選の動向だが、もともと負け戦であり大勢に影響ない。こう判断したからこその博打であろう。

 朝日でさえも選挙日程を組み込んだ観測記事を流し始めた。こうなるともう風は止まらない。

《安倍晋三首相は、消費税率を10%に引き上げるかどうかの判断をめぐり、衆院解散・総選挙を視野に検討を始めた。早ければ経済指標の速報値が出る来週に判断し、年内解散に踏み切ることも選択肢に入れている模様だ。公明党の山口那津男代表は11日、早期に選挙準備を進めるよう指示を出した。解散・総選挙に向けた流れが加速している。

 政権与党内には、今月17日に発表される7~9月の国内総生産(GDP)の1次速報値を受け、安倍首相が増税先送りを決断して解散を表明するとのシナリオが広がっている。その場合、12月14日か同21日の投票が有力視されている》=朝日DEGITAL=

 解散総選挙で自民党は議席を減らすだろう。前回が勝ち過ぎであり、揺り戻しがあると考えるからだ。その意味では、295もの議席を抱えている今、解散などもってのほか、という声はむしろ自民党内部から高まるのではないか。そこで力比べになるのだが、安倍・菅ラインに対抗できる勢力は見当たらない。ずるずると解散に流れていくことになる。安倍の延命だけを狙った大義なき解散、来年度予算も財政再建も放り投げての解散である。このまま解散されれば史上最悪のバカ解散といわねばならない。

 
コメント
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