酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

「野田人事」を占う

2011-08-30 05:55:37 | Weblog
 「船橋産のどじょう」を自任する野田佳彦が民主党代表に選ばれた。本命と見られた海江田は小沢の傀儡と見透かされて失速、前原は献金問題などで伸び悩んだ。いまさら鹿野でもないし、「一匹ゴリラ」にも託せない。残ったのが野田ということになる。

 メディアは概ね好印象で迎えているようだ。朝日「泥臭く政界歩む “どじょうにはどじょうの持ち味がある”」の見出しを掲げた3面の記事は、野田の実直な人柄紹介が中心だ。読売社会面の横カットは「野田さん 国難背負う」である。5人の中では「よりまし」と見たのだろう。

 野田丸の航海は、乗組員の技量で決まる。党役員、組閣で適材適所を貫けるかどうか。下手な挙党一致でガラクタの寄せ集めになれば、たちどころに沈没しかねない。

 焦点は幹事長だ。小沢は論外、貧乏神・輿石もとんでもない。菅の下で自公合意取り付けに汗をかいた岡田留任がベストだ。当然小沢グループからの反発はある。しかし、これは乗り越えなければならない壁だ。鹿野や川端らの声も上がっているが、「挙党体制」という名の無責任体制になることは必至だ。

 官房長官は玄葉を推す。やや見掛け倒しかもしれないが、筋は悪くない。野田選対の幹部を務めた蓮舫は使っても官房副長官まで。閣僚は無理だ。間違っても「内閣に華を」などと考えてはいけない。泥田の蓮はしゃれにならない。

 民間からの起用を大胆に考えたい。学者、経済人、文化人…。党内でポストの恨みを買うくらいなら、外部に人材を求めた方がいい。

 「占う」の表題が羊頭狗肉になってしまった。まともに占うと「挙党体制もどき」しか浮かばない。当方の頭が足りないせいか、民主党の限界か。
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紳助引退

2011-08-25 05:47:08 | Weblog
 漫才からのし上がった島田紳助が、暴力団関係者との付き合いを理由に引退すると発表した。テレビをはじめメディアは大騒ぎである。

 《タレントの島田紳助(本名・長谷川公彦)さん(55)と所属先の「よしもとクリエイティブ・エージェンシー」の水谷暢宏社長らが23日夜、東京都内で記者会見し、島田さんと暴力団関係者との親密な関係が明らかになったため、島田さんが同日をもって芸能界を引退すると発表した。

 島田さんは「(暴力団関係者とされる)友人は一般人と認識していた。完全に僕のミスです」と話した。

 同社によると、島田さんは友人と電話や電子メールで連絡を取り続け、法律に触れる行為はなく、利害関係もないが、島田さんが社会的責任をとって引退すると申し出た》=共同=。

 24日朝の各局はこの話題で持ちきり。毎日新聞は25日付けの「社説」で取り上げるほどの入れ込みようである。

 お笑い芸人がやくざと付き合っていただけの話である。なぜかメディアは毒舌系お笑い芸人に弱い。たけし、紳助、松本…。もうくたびれたが談志などもその口だ。巨泉、前武だって似たようなものだった。

 インテリ?メディアが心で思っていても口に出せないことをズバッと言ってくれるこうし連中を重宝してきたのだ。だから、突然の引退で大騒ぎになる。

 彼らが一般の人より尖った部分を持っているのは確かだろう。でもそれは「王様が裸だ」と見抜いた子供の目のようなものだ。この連中をあがめる人たちの目をまず疑うべきだ。

 日本と世界の危機が深まっているというときに、お笑い芸人のスキャンダルで盛り上がる。ああ平和だなあ。
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石原発言とメディア

2011-08-18 05:42:34 | Weblog
 石原慎太郎がまた暴言を吐いたらしい。

《東京都の石原慎太郎知事は15日、靖国神社を参拝した。知事は参拝後に報道陣から、首相と全閣僚が参拝しない方針を示したことへの感想を求められ「あいつら日本人じゃないんだ」と激しく批判した。
 また、参拝にあたり「国を救ってくれって言った」と話した上で、政治の混迷について問われ「自業自得だよ。日本人が堕落したからこんなことになったんだ」と述べた》=3月16日付け産経新聞=。

 産経は2段ながら大ぶりな活字を使い「石原知事、菅内閣は 『日本人じゃない』」の扇情的な見出しをつけ、うれしそうに報じた。不思議なのは他の全国紙がほとんどこの件を扱っていないことだ。毎日が「閣僚の不参拝を石原都知事批判」とどうでもいいような見出しを付けて短く報じているが、巨大新聞の読売と朝日は無視である。

 読売が書かないのは何となく理解できる。「石原もしょうがねえな」という気分で見送ったのか。しかし、朝日が載せなかったのは理解できない。大好きそうなネタなのに…。その場にいなかったとも思えない。現場の記者が書かなかったのか、デスクあたりで没にしたのか。産経の記事をどんな気持ちで読んだんだろう。

 石原は昨年、都内での集会で「与党の幹部に帰化した(人の)子孫が多い」「この中に帰化された人とか、お父さん、お母さんが帰化されたお子さんはいますか」「与党を形成しているいくつかの政党の党首とか、与党の大幹部は多い」などと述べて物議を醸している。

 靖国神社での発言と帰化人発言を重ねると、石原は帰化人や渡来人は日本人ではないと思っているようだ。「純粋日本人」ってだれ、と言いたくなる。その日本人「は堕落して、自業自得で政治的混迷に陥っている」とか。救いがないねえ。


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1ドルと株はどこまで下がる

2011-08-08 06:11:58 | Weblog
 アメリカの格付け会社S&Pが米国債を最上位のAAAから1段階引き下げAA+にしてから初めての取引が東京市場で始まる。G7は緊急電話会談を行って「ドル信認」の緊急声明を出すようだが、果たして効果はどうか。このような大騒ぎをすること自体、格付け会社に踊らされている証拠のようにも感じるのだが…。

 米国の債務上限負担問題が取りざたされているころから「だめなら格下げ」の声は上がっていた。法案が通ったとしても、米国経済が厳しい状況はなんら変わらない。米国債が「世界で最も安全な債権」とみなされている理由は、ドルが基軸通貨だからというだけで、米国への信認とは違うのではないか。

 で、きょういくら下がるか。市場は既に織り込み済みなので、暴落、急落といった事態にはならないと見るのが「常識」だろう。大きく下がるとすれば、各国政府や中央銀行、メディアが大騒ぎしてくれたお陰だ。「こんだけ騒いでるんだから、下げなくちゃまずいでしょ」というわけだ。

 正当性が疑わしい格付け会社の評定に、世界が右往左往させられている。この状況をまず変えなくてはならない。
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