山中教授ノーベル賞受賞の続報以外、めぼしいものがなかった今日のニュースの中で「119番不出動の審理始まる」のニュースが気に掛かった。内容はは以下の通りだ。
≪去年10月、山形市の大学生が119番通報をして体調不良を訴えたのに、消防が救急車を出動させなかったために死亡したとして、遺族が山形市に損害賠償を求めている裁判が始まり、被告の市側は「対応を誤った事実はない」として訴えを退けるよう求め、争う姿勢を示しました。
去年10月、山形大学2年生だった大久保祐映さん(当時19)は、山形市内の自宅から119番通報をして、「体調が悪い」などと訴え救急車の出動を要請しました。山形市消防本部では、自力で病院に行けると判断して救急車を出動させず、大久保さんは、9日後に自宅で死亡しているのが見つかりました。
警察の司法解剖の結果、病死の疑いがあるということですが病名は特定されていません。大久保さんが死亡したことを巡って遺族は、「救急車を出動させなかったことが死亡につながった」として山形市に対して1000万円の損害賠償を求める訴えを起こし、9日、山形地方裁判所で裁判が始まりました。
裁判で市側は「緊急通報受理票という書式に従って、意識があるかなど6つの項目で判断した結果、意識や呼吸もしっかりしていて、通報中、みずから歩くことが可能だとも説明していた」と主張しました。そのうえで「職員が対応を誤った事実はない」として訴えを退けるよう求め、争う姿勢を示しました。
これに対して大久保さんの母親は、「最後の力を振り絞ってかけた119番通報で救急車に来てもらえず、苦しくつらい思いで亡くなったかと思うと本当に胸が痛みます。救急体制を一刻も早く改善してほしいという思いから山形市を訴えました」と主張しました≫=NHKNEWSWEB=。
救急隊としてはかなり微妙な判断を迫られるケースだ。NHKニュースが伝えた録音のやり取りを聞いた限りでは、通報者の状態はかなり悪いと推察できる。だが、「タクシーで行けますか」との問いに「行けます」と答えているなど、出動を見送った理由もそれなりにある。
電話で通報者なり患者の容体を正確に把握するのには高度な技術が必要だろう。消防の指令所にそういう人材がそろっていることが望ましいのは言うまでもない。
一方で何か釈然としないものが残る。死亡した大学生と家族、友人の関係がどうなっていたのかということだ。
大学生の実家がどこにあったのかは分からないが、具合が悪くなってまず考えるのは近くの医者だ。親にも当然知らせるだろう。この子が119番通報の前にとった行動を知りたい。ひょっとすると、いきなり動けなくなったのかもしれない。
病名は特定されていないという。これからの裁判の中で、そうしたもろもろの事実を明らかにしてもらいたい。
それにしても、「病気」で119番なら、その前に「お母さん、ちょっと変なんだけど」とかの連絡があってしかるべきではないか。このあたりが、いかにも現在の家族関係を象徴しているように思えてならない。医者に連れて行ってくれる友人はいなかったのか。119番通報の後は虫の息で誰とも連絡ができなかったのか。疑問は募るばかりである。
消防の態勢だけでなく、いろんなことが問われる裁判だ。
≪去年10月、山形市の大学生が119番通報をして体調不良を訴えたのに、消防が救急車を出動させなかったために死亡したとして、遺族が山形市に損害賠償を求めている裁判が始まり、被告の市側は「対応を誤った事実はない」として訴えを退けるよう求め、争う姿勢を示しました。
去年10月、山形大学2年生だった大久保祐映さん(当時19)は、山形市内の自宅から119番通報をして、「体調が悪い」などと訴え救急車の出動を要請しました。山形市消防本部では、自力で病院に行けると判断して救急車を出動させず、大久保さんは、9日後に自宅で死亡しているのが見つかりました。
警察の司法解剖の結果、病死の疑いがあるということですが病名は特定されていません。大久保さんが死亡したことを巡って遺族は、「救急車を出動させなかったことが死亡につながった」として山形市に対して1000万円の損害賠償を求める訴えを起こし、9日、山形地方裁判所で裁判が始まりました。
裁判で市側は「緊急通報受理票という書式に従って、意識があるかなど6つの項目で判断した結果、意識や呼吸もしっかりしていて、通報中、みずから歩くことが可能だとも説明していた」と主張しました。そのうえで「職員が対応を誤った事実はない」として訴えを退けるよう求め、争う姿勢を示しました。
これに対して大久保さんの母親は、「最後の力を振り絞ってかけた119番通報で救急車に来てもらえず、苦しくつらい思いで亡くなったかと思うと本当に胸が痛みます。救急体制を一刻も早く改善してほしいという思いから山形市を訴えました」と主張しました≫=NHKNEWSWEB=。
救急隊としてはかなり微妙な判断を迫られるケースだ。NHKニュースが伝えた録音のやり取りを聞いた限りでは、通報者の状態はかなり悪いと推察できる。だが、「タクシーで行けますか」との問いに「行けます」と答えているなど、出動を見送った理由もそれなりにある。
電話で通報者なり患者の容体を正確に把握するのには高度な技術が必要だろう。消防の指令所にそういう人材がそろっていることが望ましいのは言うまでもない。
一方で何か釈然としないものが残る。死亡した大学生と家族、友人の関係がどうなっていたのかということだ。
大学生の実家がどこにあったのかは分からないが、具合が悪くなってまず考えるのは近くの医者だ。親にも当然知らせるだろう。この子が119番通報の前にとった行動を知りたい。ひょっとすると、いきなり動けなくなったのかもしれない。
病名は特定されていないという。これからの裁判の中で、そうしたもろもろの事実を明らかにしてもらいたい。
それにしても、「病気」で119番なら、その前に「お母さん、ちょっと変なんだけど」とかの連絡があってしかるべきではないか。このあたりが、いかにも現在の家族関係を象徴しているように思えてならない。医者に連れて行ってくれる友人はいなかったのか。119番通報の後は虫の息で誰とも連絡ができなかったのか。疑問は募るばかりである。
消防の態勢だけでなく、いろんなことが問われる裁判だ。
お母さんに電話したところで、どうすることも
できなかったでしょう。
医者ですが、何日か前に診てもらったようですが、
ただの風邪と言われたと119番通報のなかで言ってました。(あれだけ苦しがっているのに、そんなことまで言わせる職員もどうかしてますが)
それから、119番通報したのは朝の5時ごろらしいです。
そんな時間、親しい友達でも、連絡するのはちょっと躊躇しますよね。
体調が悪ければ悪いほど、119番に通報しようという気持ちが強くなるのではないかと思います。
それだって、慣れてない人にとっては、すごく勇気のいることだったのではないかと思いますが・・・