酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

新聞協会の甘えの構造

2012-04-24 16:18:27 | Weblog
 全国の新聞社や民放キー局などが加盟している日本新聞協会が23日、政府に下記のような意見書を提出した。

 ≪当協会の活動に関しましては、日ごろよりご理解とご協力を賜り、まことにありがとうございます。
日本経済を取り巻く環境が厳しさを増すなか、貴本部が推進されている行政改革への取り組みには多くの国民が期待を示しております。

 しかし、このほど岡田克也本部長代行のご指示で、新聞や雑誌など定期刊行物等がコスト削減の対象として決定され、実際に中央省庁で購読されている新聞が大幅に減ってきましたことは、まことに遺憾であると言わざるを得ません。なぜなら、当協会としては、新聞をはじめとした活字文化が日本の教育や民主主義の維持発展に多大な貢献をしてきたと確信しているからです。

 新学習指導要領では、思考力、判断力、表現力等を育む観点から「新聞」の活用が明確に位置付けられています。国を挙げて言語活動の充実を推進しようとするなか、新聞の購読部数削減により、政府が率先して活字離れを助長しているかのようなメッセージを国民に与えてしまうことが懸念されます。中央省庁の決定は、学校や図書館など教育機関の意思決定に影響を与えることになりかねません。また、国民の生活や利益を守るべき公務員は、日本や世界の情勢のほか、民意を絶えず把握する必要があります。そのためにはより多くの職員が新聞を読み、情報収集を行うべきだと考えます。地方支分部局などでの購入見直しも検討されておりますが、新聞が伝える正確で多様な情報は、地域社会の発展にも欠かすことはできません。経費の削減は行われるべきですが、行政改革を実行していくうえで優先すべきことがほかにあると考えます。

 以上の趣旨をおくみとりのうえ、今後の行政改革にあたってくださるようお願い申しあげます≫。

 新聞各社の苦悩?がにじみ出たともいえる意見書だが、その論理は手前勝手、独りよがりの一言だ。活字文化と新聞をイコールで結び付けたうえ、民主主義の発展に貢献してきたとは、よくぞ言ったものだ。現下の政治的混迷をもたらした大きな一因は、片言隻句をあげつらい、政争をたきつけてきた新聞にあるのではないか。

 学習指導要領で新聞の活用が明確に位置づけられていると述べ、中央官庁が購読部数を減らすのは「政府が率先して活字離れを助長しているかのようなメッセージを国民に与えてしまうことが懸念される」と言う。これでは新聞お得意の「予測報道」そのものだ。客観報道を装いながら「国民の厳しい反発は必至だ」と書くたぐいの記事のことである。

 「新聞が伝える正確で多様な情報は、地域社会の発展にも欠かすことはできません」にいたっては、返す言葉もない。新聞各社の責任者は、まず自分の新聞をよく読んでからこういうことを言ってほしい。大手紙から地方紙に至るまで、誤報と訂正の連続ではないか。

 民間企業や地方自治体ではとっくに部数削減を行っている。だが、営業努力で減少を最小限に食い止めているケースもある。業界一丸の圧力で、政府を動かそうなど時代錯誤も甚だしい。
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トキの孵化を考える

2012-04-24 09:30:10 | Weblog
 新潟県佐渡市で放鳥されたトキの卵がかえった。日本の自然界で
は36年ぶりの「快挙」という。新聞もテレビもトップニュースで伝
え、大はしゃぎである。

 近年、手放しで喜べるような話題が少ない。だから何かあるとす
ぐに飛びつく。昨年の女子サッカーW杯もトキのひな誕生もつまる
ところ一緒だ。その心は「希望と勇気を与えてくれる」である。

 しかし、中国から借り受けたトキを使った繁殖が、本当に「ニッ
ポニア・ニッポン」の再生になるのだろうか。某国立大学の教授が
以前、「中国トキも日本のトキも遺伝子構成はほとんど同じ」と書
いていた。ほとんど同じと全く同じは、科学的には決定的に違う。
この筆法を用いれば「人もゴリラも遺伝子構成はほとんど同じ」と
言い得る。

 人の存在は自然を脅かす。どんなに目配りし、気を使ったところ
でこの宿命からは逃れられない。「滅ぼしたものも科学の力で再生
できる」などと考えるのは傲慢というものだ。

 地元ではトキのひな誕生を観光や地域振興に結び付けたいと考え
ているらしい。泉田裕彦新潟県知事は「ひな誕生は大きなニュース
で、多くの人から佐渡に来ていただけるだろう。自然と人とが共生
する佐渡を多くの人に楽しんでもらいたい」(23日新潟日報夕刊)
と語っている。

 多くの人が楽しむことと自然状態を良好に保つことを両立させる
のは至難の業である。「自然との共生」をいうなら、佐渡空港の拡
張計画を見直してはどうか。ジェット機とトキ、両方を空に舞わせ
たいとは欲張りに過ぎよう。 
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北「人工衛星」打ち上げ失敗

2012-04-13 09:34:57 | Weblog
 北朝鮮の「人工衛星」打ち上げは、失敗に終わったとみられる。

 ≪米韓メディアによると、北朝鮮は13日午前7時39分ごろ、「人工衛星」と主張する長距離弾道ミサイルを発射した。米CNNテレビは、ミサイルは直後に空中で爆発してばらばらとなり、発射は失敗に終わったと報じた。

 田中直紀防衛相は記者会見で「北朝鮮から何らかの飛しょう体が発射されたとの情報を得ている。1分以上飛行し、洋上に落下したもようだ。わが国領域への影響は一切ない」と語った≫=東京新聞WEB=。

 防衛省や米軍筋の情報を総合すると、ロケットは120キロ上空まで達し、1段目を切り離した辺りでトラブルが生じたとみられる。飛翔体の飛行時間は1分以上との発表だったが、120キロまでの到達なら数十秒ないし十数秒というところか。いずれにしても失敗は間違いない。

 注目は北朝鮮がどう発表するかだ。到達高度を水増しして、ロケット発射は成功と報じるのではないか。そのうえで「衛星の軌道投入でトラブルが生じたため自爆させた」というような言い方をする可能性もある。遠隔操作による「自爆」はロケットのコントロール技術の誇示にもなるだろう。

 可能性は極めて低いが、日米などがMDミサイルで迎撃したためなどと主張するかもしれない。これはあくまで北朝鮮国内向けの話だ

 しかし、強盛大国の大門を開く祝賀行事が無残な失敗に終わったことは事実だ。ロケット開発にかかわった人物の動向が気になる。ロケットの失敗によって、核実験がより現実味を増したと考えられる
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まるで戦争ごっこ

2012-04-12 15:00:34 | Weblog
 北朝鮮が「人工衛星」を発射すると予告していた期間に突入した。12日午後3時現在、発射の情報はない。icaoなどへの届け出期間では12日~16日に午前7時から正午までとなっているから、今日の打ち上げはとりあえずないということだろう。

 それにしても、民主党政権、防衛省・自衛隊ははしゃぎすぎだ。地方自治体をはじめ、国民もつられて浮ついている。なんともはや。

 北の挑発とこれに対する日本の対応は、妙に符合しているように見える。北が核開発に乗り出し、運搬手段を手に入れようとしているのを受けて、日本はMDだのF35戦闘機だのの導入を図る。日本の軍事力強化の先導役をかの王朝国家が務めているわけだ。「中国の脅威」などを言い募るより、北のミサイルは怖いと叫んだ方がはるかに効果がある。タカ派国防関係者や自衛隊には、北はなくてはならないアイテムといえよう。

 軌道を外れたり、途中で故障したロケットをMDで撃ち落とすとかいう触れ込みだが、当たりっこない。エンジンが正常に燃焼し、推力の計算が成り立つからこそ迎撃できるのだ。第一、上空でバラバラになった破片に、どれほどの破壊力や危険が存するというのだろう。杞憂とはこの種の考え方をいうのだ。

 JAXAによると現在地球を周回中の人工衛星は約3000個。大型のものや旧ソ連、ロシアの原子炉衛星など物騒なものも少なくない。北のミサイルを心配するなら、これらへの対処も不可欠ではないか。

 10トンものプルトニウムを所持し、高精度ロケットを有するわが国が、おもちゃ程度の衛星を打ち上げようとしている北朝鮮に神経をとがらせるのは皮肉な姿でもある。

 食うや食わずの国民を抱えながら核とミサイル開発に狂奔する金王朝は、戦争に突っ込んでいった日本とよく似ている。行き着く先は破滅。金王朝は日本の国体と違って、守られることなどありえないのだが…。
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北島は、やっぱりすごい

2012-04-07 06:16:56 | Weblog
 ロンドン五輪代表の座を懸けた競泳の日本選手権が面白い。夜の7時からBS1、8時からはNHK総合で放映しているから、ニュースは夕方のラジオ。絵がない分だけ説明が丁寧で分かりやすい。

 で、水泳。やはり北島は強い。6日の200は立石にラストで抜かれると見ていたが粘り切った。よほどのトレーニングをしているのだろう。

 今大会に限ったことではないが、近年、アスリートの「高齢化」が目につく。男女を問わず、30歳過ぎまで第一線で活躍するケースが多い。

 今回の選考会で言えば伊藤華英、寺川綾、萩原智子ら、かつて背泳ぎで覇を競った「長身美人スイマー」が種目を変えるなどして見事な復活を果たしている。特に子宮内膜症の手術を克服して、100フリーで決勝進出を果たしたハギトモは、あっぱれの一言だ。

 その昔、競泳は10代後半が力のピークと言われた。女性は高校2、3年生が最も強かった。当時のもっともらしい解説に「若いと体の線が滑らかで、水との親和性が高い」などというのがあったが、隔世の感である。

 トレーニング法やスポーツ医学の進化、栄養などいくつかの要素が絡んでいるのだろう。ベテランアスリートの活躍は、「技、力を制す」といった側面があり、日本人好みだ。

 立石諒を「努力しない天才」と言い放つ北島は、実は繊細な神経の持ち主かもしれない。100の予選ではひげをはやしていたのに、決勝には剃ってきた。ひげの一本まで気にしていると見たが、考えすぎか。

 男子100バタには、どういうわけか五輪に縁のない31歳の河本耕平が出る。どんな泳ぎを見せてくれるか、楽しみだ。
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大臣の発言は内閣の方針とは異なります

2012-04-05 16:05:38 | Weblog
 原発再稼働をめぐる野田内閣閣僚の言いたい放題が続いている。政権の命運を左右しかねない重大事項について、こうも四分五裂では話にならない。野田自身、原発をどうするのか決めかねているからこんな体たらくになる。それにしても、きょうの藤村官房長官発言は、馬鹿丸出し。政治センスのかけらもない。

 ≪藤村修官房長官は5日午前の記者会見で、定期検査により停止中の原発の再稼働に関し、地元の同意は必ずしも前提条件にならないとの認識を示した。「法律などの枠組みで同意が義務付けられているわけではない」と述べた。これまで原発の再稼働には地元の同意が必要としてきた姿勢を軌道修正した形で、原発の地元や周辺自治体などの反発は必至だ。

 政府は、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働に向けた手続きを進めているが、周辺自治体が反対・慎重な立場を崩していないためとみられる。引き続き原発再稼働の安全性などを地元に説明して「理解」は求める一方、法律上の「同意」は不要との立場を強調し、再稼働実現への地ならしを図る狙いがあるようだ≫=中国新聞WEB。

 

 あしなが育英会に長くかかわり、人情の機微は分かっている人物かと思ったらとんでもない。どこぞの役人の法律解釈をべらべらしゃべるだけのでくの坊であった。

 原発の再稼働について地元が求めているのは、福島事故の原因究明と再発防止策の確立だ。もちろんどちらも法的条件ではない。「法律はそうなっていない」などと言いだしたら、政府や民主党のこれまでの失政の大半は免責されてしまう。こんな「論理」?を振り回す男が内閣の大番頭とは、ほとほと情けない。

 経産相の枝野は話す場所によって言葉を変えるし、もうめちゃくちゃ。

 近いうちに野田が「再稼働」を言明するとメディアが伝えている。批判的な報道もあるが、その心は「再稼働やむなし」と見た。野田にやらせて、退陣に誘い込もうという狙いも見える。糸を引いているのは…。
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