酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

「国葬」って何?

2022-08-01 14:13:20 | 社会
 銃撃されて死亡した安倍晋三の「国葬」を巡って賛否の意見が割れているという。安倍の「実績」と照らし合わせてみてもこれは妥当なところだ。共同通信と日本経済新聞が8月1日に報じた世論調査によるとどちらも「反対」がやや上回っている。

 共同通信社が30、31両日に実施した全国電話世論調査によると、安倍晋三元首相の国葬に「反対」「どちらかといえば反対」が計53.3%を占め、「賛成」「どちらかといえば賛成」の軽45.1%を上回った=(8.1新潟日報)。

 銃撃を受けて死去した安倍晋三元首相の国葬に関する賛否を日本経済新聞社の世論調査で聞いた。「反対」が47%、「賛成」が43%と評価が割れた=(8.1nikkei.com)。

 それはそれでいいのだが、各メディアが「国葬」に賛成か反対かと単純に尋ねているのはかなりおかしい。共同通信の問いはこうだ。「政府は、安倍晋三元首相の葬儀を国葬として実施すると決めました。全額を国費で負担します。あなたは安倍氏の国葬に賛成ですか、反対ですか。

 共同の問いでは全額を国費で負担するのが「国葬」ってことらしい。でも、「国葬っ」てそもそも何? 現行の日本の法体系に「国葬」という文言はない(らしい)。戦後初めて営まれた吉田茂の「国葬」の際、事前の国会質疑で根拠法令を問われた蔵相は「根拠法令はありません」と答えている。つまり「国葬」は定義も何もないのだ。メディアは「国葬」「国葬」といたてるのではなく、国葬の定義、根拠法令などを明らかにするよう政府に迫るべきだ。意味不明の「国葬」に賛否を問うなどメディアの思考停止を表すものとしか言えない。





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ワクチン、お先にどうぞ!!

2021-02-25 15:39:13 | 社会
医療従事者へのワクチン接種が始まってい1週間が経つ。いまのところ重篤な副反応はなく、とりあえず順調に進んでいるかに見える。が、問題は山積しているらしい。ファイザーなどワクチン提供者と日本政府で交わされた契約の内容がはっきりせず「いつ」「どれぐらいの量が」入ってくるのかが分からない。担当大臣の河野太郎も「ゆるゆると」などと遅れは必至とにおわせている。これで「人類がコロナウイルスに打ち勝った証として東京五輪を開催したい」(菅義偉)というのだから、恐れ入る。

 高齢者への接種がいつになるか注目されていたが、政府は4月12日開始と決めたらしい。

 《菅首相は24日、新型コロナウイルスワクチンの65歳以上の高齢者向け接種について、4月12日から開始すると表明した。当初はワクチン数が限られるため、全自治体に行き渡って接種が本格化するのは26日以降となる見通しだ。
 4月12日からの接種開始に向け、政府は4月5日の週に全都道府県へ計約5万人分を配送する。続いて、12日の週と19日の週にそれぞれ約25万人分を追加で配送する。対象となる高齢者は約3600万人に上るため、開始後は限定的な接種となる予定だ。河野氏は「どの市町村で接種を行い、どう配分するかは都道府県に調整をお願いしたい」と述べた》=25日読売online=..

とりあえずここまでは目途がついたということだ。だが、65歳以上の高齢者は3500万人もいる。週25万人分程度では1回打ち終わるのに5か月近くかかる計算になる。2回接種なら年末まで掛かるかもしれない。そのうちモデルナのワクチンも
提供されるだろうからもう少しペースは上がりそうだが、国民全体に行き渡るとなると気の遠くなる話だ。

 気になるのはワクチンの接種順位である。医療従事者から始めるのはいい。だが、高齢者からというのはどうだろう。河野太郎は「100歳以上からスタートして年代を下げるのか…」と述べるが、できの悪い冗談にしか思えない。

《河野太郎ワクチン担当相は21日のNHK番組で、新型コロナウイルスワクチンに関し、4月中に予定する65歳以上の高齢者への接種は地域や年齢が限定されるとの見通しを示した。米製薬大手ファイザー製ワクチンの生産能力の強化が5月にずれ込み、「4月までは非常にワクチンの供給量が限られる」と説明した。

 河野氏は、高齢者の接種について「どこの自治体で始めるか。最初は、例えば100歳以上からスタートして年代を下げるのか。あるいは施設の高齢者を優先するのか。各自治体がいろいろ想定している」と説明。「少しずつ始めて、ゆっくり拡大したい」と語った。大都市では、目標とする2カ月と3週間での接種終了は難しいと指摘した》=22日 sankei.com=

 当方は間もなく後期高齢者という範疇に入るが「ワクチン接種は後回しで結構」と考えている。むしろ若い人から順に打つべきではないのか? 重篤化しやすい高齢者からというのは医療現場の発想としては理解できる。しかし、80、90の年寄りは行動範囲が狭い。いわんや100歳老においておや、である。感染リスクの低い高齢者より、行動範囲が広く感染しても症状が現れないことも多い若者から先に打つ方が理にかなっているのではないか。首都圏、関西圏、中京圏と福岡に在住する18歳~50歳から摂取するーこれでいきましょう!! 大都市圏の流行を鎮静化させることを最優先にすべきだ。

 当方は国産の不活化ワクチンが出てくるまで待つ気満々です(笑)
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高額医薬品と地域格差

2019-05-17 11:54:34 | 社会
 2014年の秋にがん治療薬オブジーボの保険適用が認められた際、その値段の高さにびっくりしたが、今度は1回の投薬で3350万円という超高額新薬が保険適用となった。白血病の治療薬「キムリア」。患者にとっては待ちに待ったニュースなのだろうが、医療過疎県にいる身には複雑な思いもある。

 ≪1回の投薬で、3349万円もする白血病治療薬が公的な医療保険でカバーされるようになる。厚生労働省は15日、白血病など血液のがんで高い治療効果が見込まれる「キムリア」の保険適用を決めた。

 厚労省が同日開いた中央社会保険医療協議会(中医協)で、キムリアの公定価格(薬価)を3349万円にする案を示し、承認された。22日から保険適用する。キムリアはスイス製薬大手ノバルティスが開発した。CAR-T(カーティー)と呼ばれる新たながん治療法の薬だ。患者の免疫細胞に遺伝子操作を加えて、がん細胞への攻撃力を高めてから体内に戻す。国内では初の保険適用になる。海外では米国や欧州、カナダ、スイスなどで製造・販売の承認を得ている。

 治療対象は白血病の患者で抗がん剤が効かなかった人などに限定する。対象は216人と見込まれている。市場規模は72億円だ≫=15日・日経com=。

 医療や医薬品の進歩は目覚ましいが、恩恵を受けられるのは大都市など医療先進地に限られるのが実態だ。「大学病院で診てもらいますか」―医師の問いかけに「泊りがけで検査なんてとてもとても」とおばあちゃん。よくある光景だ。指を機械に挟まれた知人が「病院では切断と言ってるんだけど、何とかならないんだろうか」と聞いてきた。150キロほど離れたところにある専門病院を紹介、復元できた。キムリアには重篤な副作用があるとされ、これに対処できる病院でしか処方されない見通しだという。地方、とりわけ田舎でこの治療法を望むのは無理だ。画期的な治療法や新薬に手が届くのは、ごく一部でしかない。

 一回の投薬で数百万円~数千万円という超高額薬が近年相次いで登場している。それによって救われる命がある。それこそ科学の進歩と言っていいだろう。だが、人はいつか死ぬ。必ず果てる命と考えると、救命に無限に金をつぎ込んでいいのか―との疑問もわく。

 先ごろ発表された医師充足指標によれば東北は東京の半分ぐらいの充足率しかない。高度医療や新薬開発に投資するのは大事だが、地方の救われるはずの命を確実に救うことはもっと重要だ。地方への移住促進に力を入れるというなら、医療格差、教育格差の解消にまず取り組むべきだ。
 
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次の元号は〇〇で決まり!!??

2018-09-08 09:09:42 | 社会
 今年は年明けから異常気象が続いている。日本海側では1月末、大寒波と大雪に見舞われ大混乱。草津白根山、新燃岳が火を噴き、硫黄山も250年ぶりに噴火した。これらは序章でしかなく、6月には大阪で震度6、7月の七夕豪雨では広島・岡山を中心に200人以上が亡くなる平成最悪の水害に見舞われた。7~8月は熱波が襲い40度超えが続出、熱中症による死亡も相次いだ。12号台風は東から西へと逆走、21号台風は関空を沈没させた。と、その直後、北海道では震度7の大地震、緑豊かな山々が茶色に一変した光景には息を飲んだ。

 こうも天変地異が続くと「縁起直しだ。元号を変えよう!」ってことになる。一世一元制は明治に始まったことで、歴史は極めて浅い。元号をとっかえひっかえして気分一新を図り、権力者に批判の矛先が及ばないようにしてきたのがこの国の歴史である。645年の大化に始まり、1989年の平成まで元号の数は200余り。1年も持たない元号も数あり、平均は6年4か月ほど。63年の長きに渡った昭和や45年の明治などは異例の存在なのだ。

 今年天変地異が続いているのは元号を無理やり変えようという動きを天が察して、「そんなら変える理由を作ってあげましょ」と気を利かせているのだ(w)。数百年後の歴史書には「こうした異変が続いたため元号を変えることとなりました」なんて書かれていたりして…。

 前置きが長くなった。問題は次の元号である。

 政府は新元号に関し「明治」「大正」「昭和」「平成」の頭文字をアルファベットで表記した「M」「T」「S」「H」との重複を避ける方向で検討している―と共同が伝えている。昭和からの改元の際、最終候補には平成のほかに修文と正化の2案が残ったが、アルファベットの頭文字がどちらも昭和と同じSだったために紛らわしいとの意見が出て、平成に決まったという。これに従えば、次の元号候補はぐっと絞られてくる。あ行、か行、な行、や行、ら行、わ行で始まる名前、さて、何にしましょうか。


 明治以降を眺めると、あまり画数の多い文字は選ばれていない。昭和の昭が9画で最も画数が多く、明治の明、治はともに8画である。となれば次の元号も10画以内の文字から選ばれるのではないか。一押しはあ行なら安、か行なら光、な行、や行は該当なし、わ行なら和が候補になるが昭和の和とかぶるのでどうだろう。

 当方は「安永」で決まりと致しました。「光安」もあるかもしれない。変化が目まぐるしく心の安らぎを求める時代、安永こそ打ち続く天変地異を鎮めるにふさわしい元号である。漢籍や古書などで使われ、それなりに意味がある文字が求められているというが、「安永」なら出典には事欠くまい。


 元号制定委員会?の方々は多くの書物を渉猟し、ネットにも目を光らせるだろうから、しかるべき時に「安永」が選ばれなかったとしたら、私がここに記したことが原因である(w)。

 それにしても、西暦以外を使っているのは日本と北朝鮮ぐらいのもの。友人の免許証の有効期限はありもしない「平成32年6月」。来年3月以降に発行される免許証は西暦一本になるとか。元号自体も次あたりで打ち止めでいいのかなあ。

 
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「とろける国」にっぽん

2018-04-19 09:01:49 | 社会
 何とも情けないニュースが続いている。

 官僚の頂点・財務省の福田淳一事務次官が「セクハラ疑惑」の責任を取って辞任した。その少し前には新潟県の米山隆一知事が「援助交際」を認めて辞職届を出した。

 ≪麻生太郎財務相は18日、記者団に対し、週刊新潮で女性記者に対するセクハラ発言疑惑が報じられた福田淳一財務事務次官から辞任の申し出があり、認めたと発表した。当面は矢野康治官房長に職務を代行させる。財務省では、学校法人「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書の改ざん問題を巡る混乱の責任を取るとして、前理財局長の佐川宣寿国税庁長官が辞任したばかり。相次ぐ不祥事によるトップ辞任に麻生氏の責任を問う声が高まるのは必至で、安倍晋三政権に打撃となりそうだ≫=毎日jp=。

 ≪米山隆一知事(50)は18日、自身の女性問題を受けて辞職を表明した。同日午後、金谷国彦県議会議長に辞職願を提出。その後の記者会見で米山知事は、複数の女性に対し金銭を渡して関係を持ったことを明らかにし「売買春と言われる可能性がある」と認め、知事就任後も関係を続けていたとした。その上で県政の混乱を招いたとして謝罪した。辞職に伴う県知事選は5月24日告示、6月10日投開票が有力視される。

 米山知事の在任期間は約1年6カ月で、民選知事では県政史上最短となる。次期知事選に向け、各党の候補者選びが本格化する見通し。米山知事は東京電力柏崎刈羽原発の再稼働に慎重姿勢を示しており、再稼働問題に辞職の影響が及ぶ可能性もある。

 米山知事の女性問題は週刊誌の取材で表面化した。この日の会見で知事は、知事就任前から出会い系サイトで複数の成人女性と知り合い、会うたびに3万~4万円を渡して関係を持っていたことを認めた。一部女性とは2016年10月の知事就任後も関係を続け、12月までに2度、休日に東京の自宅で会ったという≫=新潟日報web=。

 福田は囲みの会見で「あんなひどい発言はしていない」「セクハラは事実無根」などと繰り返した。しかし、日付が変わったころテレ朝が「当社の女性記者がセクハラ被害を受けていた」と公表、福田の完全敗北は決定的となった。それでも訴訟をするつもりだろうか。

 テレ朝もテレ朝だ。女性記者から「福田からセクハラを受けている。報道すべきだ」との訴えを受けても無視、辞任が決まったら「これで一安心」とばかりに公表。何のためのメディアか。よくもまあ「週刊新潮に録音テープを持ち込んだのは遺憾」などと言えたものである。

 佐川前国税庁長官、福田、柳瀬元首相秘書官…。これらの方々に共通なのは「平気で嘘をつく」ことである。嘘がばれそうになると、改ざんでもねつ造でもしてしまう。かつて政治家は三流だが、官僚は優秀と言われた。今は政治家は三流、官僚は五流と言わざるを得ない。たった一つの功は政治家や官僚が嘘をつく人間だということを満天下にさらしたことである。

 そしてこの国の首相はと言えば、コミー前FBI長官に「人格的に大統領として不適格」との烙印を押されたトランプとゴルフに興じてご機嫌である。あ~あ。

 米山新潟県知事の件は語るのも馬鹿馬鹿しいほどのお粗末劇だ。勉強ばっかりしていて女と付き合う機会がなかった? にしても…。「好きだった」「関心をひきたかった」-などと語る米山の姿は哀れである。自民党→維新の党→民進党と渡り歩いた米山に政治的節操などはない。こんな人物を「東電柏崎刈羽の再稼働阻止」のためだけに担ぎ出した諸君の責任は重大である。

 東大での超エリートが嘘を吐きまくり、援助交際に現を抜かす。にっぽん熔解の始まりでなければいいのだが…。
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「made in japan」の凋落

2018-03-02 10:18:42 | 社会
 JR西の新幹線「のぞみ」の台車が破断寸前だったという衝撃的ニュースが伝えられたのは昨年末のことだ。それから約2か月半、重大な故障をもたらした原因が明らかになった。こちらは、さらに衝撃的である。台車を製作した川崎重工が、鋼材を削りすぎたのだという。設計値の4割近くも削り込んで知らぬ顔とは恐ろしい話だ。この欠陥車両がつい最近まで時速300キロものスピードで走り回っていたと思うとぞっとする。

≪新幹線の台車が破断寸前のまま運行を続けた問題で、製造工程での不備による台車の強度不足を認めた製造元の川崎重工業。28日に神戸市中央区で記者会見した金花芳則社長らは「基本的な教育が欠如していた」と悔やんだ。基準をはるかに上回って鋼材を削るという初歩的なミス。兵庫県を代表する大手企業がものづくりへの信頼を揺るがした。

 問題の台車は、兵庫工場(神戸市兵庫区)で製造された。台車枠の材料となる鋼材に部品を溶接する際、隙間を調節するために鋼材を削ったことが強度不足につながったという。業界基準で最大0・5ミリまで削ることを認められているが、今回は厚さ8ミリの鋼材を、最大で半分の4ミリまで削った例があった。

 これにはJR西日本の平野賀久副社長が「(強度に関わる鋼材を)削ってはいけないのは明白」と不信感を示し、川重の車両部門トップの小河原誠常務も「安全に関わる部材で削ると強度が減るという意識がなかった」と厳しい表情で語った≫=神戸新聞ネット=。

 ことは新幹線の台車にとどまらないのではないか。昨年秋以降、素材メーカーを中心に製品データのねつ造やごまかしが相次いでいる。思いもかけない事故の裏側に、製造ミスや製品の強度不足が潜んでいるかもしれない。恐ろしい世の中になった。

 世界2位(グループで)の出荷台数を誇る日産は無資格の作業員が「合格」させた車を流通させていた。スバルも同様のことをしていたとされる。神戸製鋼、三菱マテリアル、東レ、丸善石化などの素材メーカーでも次々と不正が明らかになっている。自動車や航空機に使われている材料も多い。

 これらの不正が安全性とどうつながっているかははっきりしない。自動車メーカーはリコールの方針を明らかにしているが、その他はどうなったのか。米国では司法省が航空機素材について調査に乗り出したというが、国交省や経産省が強制力を持って調査に入ったという話は聞かない。

 韓国や中国で鉄道事故や建設現場での崩落事故などが相次いだ折「日本では考えられない」の声が上がっていた。今はとてもそんなことは言えない。

 「made in japan」そのものが崩壊しようとしている。史上空前の企業利益の裏側はなんとも寒々しい。
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「日馬富士事件」の不可思議

2017-11-16 08:52:33 | 社会
 大相撲の横綱日馬富士が同じモンゴル出身の力士・貴ノ岩をビール瓶などで殴ってけがを負わせていた「事件」が世間を騒がせている。

 ≪大相撲の東横綱日馬富士関(33)=本名ダワーニャム・ビャンバドルジ、モンゴル出身、伊勢ケ浜部屋=が10月の秋巡業中に幕内貴ノ岩関(27)=本名アディヤ・バーサンドルジ、モンゴル出身、貴乃花部屋=をビール瓶などで殴打して大けがを負わせていたことが14日、分かった。

 日馬富士関は同日午前に福岡県太宰府市の朝稽古後、報道陣の取材に応じ「このような貴ノ岩のけがについて、貴乃花親方、貴乃花部屋の後援会の皆様、相撲協会、部屋の親方に大変迷惑をかけたことを深くおわび申し上げます」と謝罪。暴行を事実上認めた。日馬富士関は同日の九州場所3日目から休場する≫=14日・産経com=。

 日馬富士が鳥取での巡業中に開かれたモンゴル人力士の懇親会の席上、貴ノ岩をビール瓶などで激しく殴打、かなりなけがを負わせていたのは事実らしい。スポーツ紙などでは日馬富士の酒癖の悪さは有名―などと報じている。貴ノ岩の態度や言動にも問題はあったのだろうが、日馬富士の逆上ぶりは常軌を逸しており許されるものではない。刑事事件として立件され、解雇→角界からの永久追放処分が相当と思われる。

 隠ぺい体質、後手後手の処理など相撲協会の前近代ぶりも糾弾されて当然だ。だが、この「事件」は不可解なことが多い。

 その多くは貴ノ岩の師匠である貴乃花親方に絡む。 

 ≪大相撲の東横綱の日馬富士関(33)=本名ダワーニャム・ビャンバドルジ、モンゴル出身、伊勢ケ浜部屋=が10月の秋巡業中に平幕の貴ノ岩関(27)=本名アディヤ・バーサンドルジ、モンゴル出身、貴乃花部屋=を殴るなどの暴行を加えて大けがを負わせた問題で、貴乃花親方が14日までに、鳥取県警に被害届を提出していたことが分かった≫=14日・産経com=。

 ここでは「14日までに」被害届を出したとなっているが、NHKなどによると被害届の提出は10月29日。NHKの伝えるとおりだとすれば、貴乃花親方の行動や説明は不可解極まる。

 ≪貴ノ岩の師匠の貴乃花親方は、先月29日に警察に被害届を提出し、警察は傷害の疑いで捜査を始めました。しかし相撲協会によりますと、巡業の責任者の巡業部長でもある貴乃花親方から危機管理を担当する理事にこの問題の報告はなく、相撲協会が把握したのは暴行からおよそ1週間後の今月2日、警察の連絡によるものだったということです。相撲協会は、翌日には貴乃花親方に電話で事情を聞きましたが、貴乃花親方は被害届を出したあとにもかかわらず「暴行を受けていたことは知らなかった。『階段から落ちてけがをした』と聞いていた」などと説明したということです≫=15日・NHKnewsweb=。

 被害届を出していながら「階段から落ちた」と説明するとはいったいどうなっているのだろう。事件発覚後、伊勢ヶ浜親方と日馬富士が謝罪に訪れた時の対応も変だ。二人が出向いてきたのに気付いていながら? 無視して車で走り去ったという。怒り心頭だったから会わなかった、とでもいうのだろうか。

 伊勢が浜は協会理事の中で数少ない貴乃花派とみられ、昨年の理事長選では現理事長の八角ではなく貴乃花1票を投じている。二人の気脈は通じ合っているはずなのに、この擦れ違いぶりも理解できない。

 いずれにせよ協会がまた大揺れするのは必至である。協会と貴乃花の動きから目が離せない。
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タクシー、なぜ暴走?

2016-12-06 17:24:45 | 社会
 3日前、福岡市で起きたタクシーの暴走事故が気になる。

 最近、高齢ドライバーによる病院などへの突っ込み事故が相次いでいる。この事故も、一報を聞いたときには「またか」と思ったが、違うようだ。自動車運転処罰法違反の疑いで現行犯逮捕された容疑者はプロドライバーでまだ64歳。体調にも問題はなかったと伝えられている。

 引っかかったのは、事故車がプリウスだということ。数年前、アメリカで「急発進事故続発」と問題になった。かの国のケースはほとんどがアクセルとブレーキの踏み間違いだったとされ、その後沈静化した。ただ、プリウスに限らず、近年の自動車は電子機器の塊。回路の不良などによるトラブルも起きている。

 事故を伝えるテレビの映像をみるとボンネット先端のトヨタ車マークがすっぽり外れている。警察が気を利かせて外したわけでもないだろうが、あんなに綺麗に外れるものなのか。

 運転手は「ブレーキが効かなかった」と供述しているらしい。「エンジンブレーキも効かなかった」と言う。これだけでは踏み間違いではなかったとは言い切れない。ただ、ハンドル操作はそれなりにできており、他の車を回避したりしている。うーん、分からん。

 事故原因の特定を警察だけに任せておくのはいかがなものか。事故調なりで本格的に調べてはどうか。

 これまで「踏み間違い」などとされてきた事故に不具合は紛れ込んでいないか。きっちり調べてもらいたい。
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杭打ち不正、元請の責任は?

2015-11-02 15:58:46 | 社会
 旭化成建材による杭打ちデータの捏造が底なし沼の様相を見せている。

 《旭化成建材による建物のくい打ち施工データ改ざん問題で、同社が過去に実施したくい打ち工事3040件のうち約1割の工事でデータに不正がある疑いがあることが、関係者への取材でわかった。調査途中で確定していないが、300件前後の工事で不正があった可能性があるという。不正に関与した担当者は30人前後に上るとみられ、同社と親会社の旭化成が確認を急いでいる。国土交通省は建設業法に基づき、2日午後にも旭化成建材に立ち入り検査し、同社の施工管理体制などについて調査する》=毎日jp。

 建築物の基礎の基礎とも言うべき杭打ちでこのような不正が行われていたとは…。これではすべての建築物を疑って掛からなければならない。

 それはそれとして、素人が考えて不思議なことは、この問題で元請の建設会社や設計監理業者の責任を問う声が上がってこない点だ。これは少し変ではないか。建設工事の実態は大手が元請けして、そのまま下請けに回すことも横行しているとも聞く。不正を生み出す根っこにはこうした業界の慣習があるのではないか。

 工事全体の管理は元請の責任だろう。工程の一つ一つをチェックし、規格通りに進行しているかどうかを確かめる。これなくして健全な建物はない。下請けを工費で叩き、納期守らせるだけが元請の仕事ではなかろう。メディアももう少し掘り下げて取材してほしい。

 耐震偽装、防火建材不正など建築物に関するインチキが止まらない。一体どこが狂っているのか?
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「大学新テスト」腰砕けは必至か

2014-12-24 16:40:12 | 社会
 中央教育審議会が大学入試改革に動き出したらしい。

《中教審(安西祐一郎会長)は22日、大学入試センター試験を衣替えし、知識の活用力をみる「大学入学希望者学力評価テスト」を導入する大学入試改革案を下村博文文部科学相に答申した。各大学の個別試験はペーパーテストの点数だけでなく、小論文や面接などを活用して多面的に選抜するよう求めた。

 知識偏重の入試から、思考力や主体的に学習に取り組む姿勢を評価する入試への転換を図るとともに、高校生の学力到達度をみる「高校基礎学力テスト」も新たに導入し、大学入試の抜本改革を打ち出した。実現すれば1979年に共通1次試験が導入されて以来の大改革となる》=共同=。

 教育改革といえば安倍首相肝いりの教育再生会議が思い浮かぶが、中教審の今回の答申には改革の主導権を取り戻したいとの中教審(文科省)の思惑も透けて見える。答申は現行の入試を「知識偏重」と決め付けているが、学力とは「知識の総和」ではないか。「知識の活用力をみる」などとうたっているが、もともとの知識がなければ活用などありえない。

 活用力をみる試験問題を誰がどうつくるのか。相次ぐ大学の不祥事を見れば、大学そのものが知的後退に陥り、無責任化しているのは疑いない。こんな連中が活用力を見定めるなど笑止である。

 数万人が受験する大規模大学がきめ細かな面接を行えるわけもない。小論文にしても正確に読み取り評価するとなると、実施できるのは小規模大だけではないだろうか。

 おそらく中教審は答申通りに事が運ぶなどとは考えていまい。これから再生会議と中教審の綱引きが始まるだろう。行き着く先は…。政治に弄ばれる受験生こそいい迷惑だ。小学生を持つ教育ママたちの中には、傾向と対策に乗り出す人もいるに違いない。
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